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第七幕 転生歌姫と王都大祭
第七幕 46 『武神杯閉幕』
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これよりベスト4以上の上位入賞者の表彰式が行われる。
舞台上にはティダ兄、ラウルさん、イーディスさん…改めイースレイさんが再び上がる。
『3日に渡って熱い戦いが繰り広げられました武神杯も、ついに全ての試合が終わりました!!これより表彰式となるのですが…その前に、上位入賞者の選手の皆さんにお話を聞かせて頂きたいと思います!先ずは第3位の…』
3位決定戦は無いので、ラウルさんとイースレイさんが共に3位となる。
『ラウル選手!!』
ワァーーーーッッ!!
『カティア選手との拳による熱い闘いは、皆さんを大いに魅了したのではないでしょうか!?』
ウォーーーーーッ!!
ラウルーーーッッ!!
『それではラウル選手、おめでとうございます!!』
『おう、ありがとうよ!…だが、俺としちゃあ優勝を狙ってたんだがなぁ…まあ姫さんは凄え強かったから納得はしてるぜ』
『確かに、惜しくもカティア選手には敗れましたが、あの豪快な闘いぶりは皆さんの目に焼き付いたと思います!』
『へへ…まあとにかく、来年こそは優勝するぜ!!』
ウォーーーーーッ!!
『ラウル選手ありがとうございます!!また来年楽しみにしています!!続きまして同じく第3位、イーディス選手!!』
ああ、そこは名前そのままなのか。
『ティダ選手との闘いは超高速の双剣と超絶技巧の双蛇剣が交差する息をも付かせぬ名勝負でした!!大会を振り返って如何でしょうか?』
『…』
『え、え~と…』
『…負けて悔しい』
大歓声の中でも相変わらずのローテンションだ。
…本当に姉さんの兄なんだろうか?
髪や目の色は同じだし、美男美女ってのも一緒だけど…でも、よく見ると面影があるような気もする。
『そ、そうですね、準決勝は本当に実力拮抗で惜しい闘いでしたね』
『…ああ』
めっちゃ無表情&無口。
『…あ、ありがとうございましたぁ!!』
あ、諦めたな…
『それでは(気を取り直して…)、準優勝のティダ選手です!』
『どうも』
キャーッ!!
ティダーーーッ!!
ステキよーーッ!!
姉さんの声が大歓声の中でもよく聞こえる…
って言うか[拡声]使ってない?
『…決勝の闘いは本当に凄まじいものでした!かなり優勢だったのではないでしょうか?』
『そうだな…正直なところ、最後の一撃で勝利を確信していたんだがな。あの土壇場でカティア選手が劇的な成長を果たすとは思わなかった』
『なるほど…まさに起死回生の一撃だったのですね。しかしそれを引き出したのは、それだけティダ選手の力が隔絶したものだったからでしょう!!』
そうよーーーっ!!
ティダは凄いのよーーーっ!!
『あ、あはは…では、最後に一言お願いします!』
『惜しくも優勝は逃したが…エーデルワイス歌劇団のメンバでワンツーフィニッシュできたのは良かったと思う。歌劇団の方もよろしく』
おお…流石は副団長!
最後まで宣伝を忘れないとは!
『さあ、それでは最後に…本大会の覇者!カティア選手です!!』
ワァーーーーッッ!!
カティアさまーーーっ!!
『やはり凄い歓声です!!カティア様、優勝おめでとうございます!!』
『ありがとうございます』
『カティア様の闘いぶりは本当に感動しました!武器も魔法も格闘も素晴らしい腕前でしたが…強さの秘訣は何でしょうか?』
『日々の鍛錬が大切だと思いますが、それに加えて…やはり実戦に勝る経験は無いかと思います。私は冒険者でもありますので、さまざまな実戦経験を活かすことができた結果と考えています』
『なるほど!Aランク冒険者、『星光の歌姫』の名は有名ですものね!』
あう……
『そ、そうですね…』
『それに、絶対王者であるユリウス陛下との闘いも凄かったです!惜しくも引き分けとなりましたが、息をもつかせぬ超高度なバトルに、私も思わず実況を忘れて魅入ってしまいました!』
『父様は本当に強かったですね。決勝でティダにぃ…選手と戦ってなければ…果たしてまともにお相手できたかどうか…』
『それはティダ選手も仰ってましたが、やはり実戦に勝るもの無しと言うことですね!!』
『ええ、まさしく』
最後の最後は印の力が無ければどうにもならなかったけどね…
まぁ、[鬼神降臨]も大概反則スキルだと思うけど。
父さんも父様も、ちょっとおかしいよね…
『カティア様、ありがとうございました!!では引き続き表彰式に移りたいと思います!』
インタビューが終った
それぞれの選手が、父様から賞金やら記念品やらを授与される。
この場は上位入賞者だけだが、本戦出場者と言うだけでもそこそこの賞金が出るとのこと。
そうして表彰式も終わり、後は父様の閉会の言葉をもって武神杯は終わりとなる。
『さて、これで武神杯は終了となるが…今年の大会は例年にも増して多くの強者が集まり素晴らしい戦いを見せてくれた。まさに武神祭の最後を飾るに相応しく、ディザール様もさぞお喜びになるだろう』
ディザール様…見てたかな?
今度お会いしたら聞いてみよう。
『今後も、新たな強者が現れ、この武神の国で素晴らしい武勇を見せてくれることを願って…武神杯大闘技会の閉幕とする!!』
ワァーーーーッッ!!
こうして武神杯は閉幕となったが、本戦出場者は今夜、王城に招かれてパーティに参加することになる。
それも副賞の一つらしい。
私は選手の立場と言うよりも、ホスト側になると思うのだけど…
まぁ、パーティの主旨からして堅苦しいものでは無いと思うので、楽しみではある。
舞台上にはティダ兄、ラウルさん、イーディスさん…改めイースレイさんが再び上がる。
『3日に渡って熱い戦いが繰り広げられました武神杯も、ついに全ての試合が終わりました!!これより表彰式となるのですが…その前に、上位入賞者の選手の皆さんにお話を聞かせて頂きたいと思います!先ずは第3位の…』
3位決定戦は無いので、ラウルさんとイースレイさんが共に3位となる。
『ラウル選手!!』
ワァーーーーッッ!!
『カティア選手との拳による熱い闘いは、皆さんを大いに魅了したのではないでしょうか!?』
ウォーーーーーッ!!
ラウルーーーッッ!!
『それではラウル選手、おめでとうございます!!』
『おう、ありがとうよ!…だが、俺としちゃあ優勝を狙ってたんだがなぁ…まあ姫さんは凄え強かったから納得はしてるぜ』
『確かに、惜しくもカティア選手には敗れましたが、あの豪快な闘いぶりは皆さんの目に焼き付いたと思います!』
『へへ…まあとにかく、来年こそは優勝するぜ!!』
ウォーーーーーッ!!
『ラウル選手ありがとうございます!!また来年楽しみにしています!!続きまして同じく第3位、イーディス選手!!』
ああ、そこは名前そのままなのか。
『ティダ選手との闘いは超高速の双剣と超絶技巧の双蛇剣が交差する息をも付かせぬ名勝負でした!!大会を振り返って如何でしょうか?』
『…』
『え、え~と…』
『…負けて悔しい』
大歓声の中でも相変わらずのローテンションだ。
…本当に姉さんの兄なんだろうか?
髪や目の色は同じだし、美男美女ってのも一緒だけど…でも、よく見ると面影があるような気もする。
『そ、そうですね、準決勝は本当に実力拮抗で惜しい闘いでしたね』
『…ああ』
めっちゃ無表情&無口。
『…あ、ありがとうございましたぁ!!』
あ、諦めたな…
『それでは(気を取り直して…)、準優勝のティダ選手です!』
『どうも』
キャーッ!!
ティダーーーッ!!
ステキよーーッ!!
姉さんの声が大歓声の中でもよく聞こえる…
って言うか[拡声]使ってない?
『…決勝の闘いは本当に凄まじいものでした!かなり優勢だったのではないでしょうか?』
『そうだな…正直なところ、最後の一撃で勝利を確信していたんだがな。あの土壇場でカティア選手が劇的な成長を果たすとは思わなかった』
『なるほど…まさに起死回生の一撃だったのですね。しかしそれを引き出したのは、それだけティダ選手の力が隔絶したものだったからでしょう!!』
そうよーーーっ!!
ティダは凄いのよーーーっ!!
『あ、あはは…では、最後に一言お願いします!』
『惜しくも優勝は逃したが…エーデルワイス歌劇団のメンバでワンツーフィニッシュできたのは良かったと思う。歌劇団の方もよろしく』
おお…流石は副団長!
最後まで宣伝を忘れないとは!
『さあ、それでは最後に…本大会の覇者!カティア選手です!!』
ワァーーーーッッ!!
カティアさまーーーっ!!
『やはり凄い歓声です!!カティア様、優勝おめでとうございます!!』
『ありがとうございます』
『カティア様の闘いぶりは本当に感動しました!武器も魔法も格闘も素晴らしい腕前でしたが…強さの秘訣は何でしょうか?』
『日々の鍛錬が大切だと思いますが、それに加えて…やはり実戦に勝る経験は無いかと思います。私は冒険者でもありますので、さまざまな実戦経験を活かすことができた結果と考えています』
『なるほど!Aランク冒険者、『星光の歌姫』の名は有名ですものね!』
あう……
『そ、そうですね…』
『それに、絶対王者であるユリウス陛下との闘いも凄かったです!惜しくも引き分けとなりましたが、息をもつかせぬ超高度なバトルに、私も思わず実況を忘れて魅入ってしまいました!』
『父様は本当に強かったですね。決勝でティダにぃ…選手と戦ってなければ…果たしてまともにお相手できたかどうか…』
『それはティダ選手も仰ってましたが、やはり実戦に勝るもの無しと言うことですね!!』
『ええ、まさしく』
最後の最後は印の力が無ければどうにもならなかったけどね…
まぁ、[鬼神降臨]も大概反則スキルだと思うけど。
父さんも父様も、ちょっとおかしいよね…
『カティア様、ありがとうございました!!では引き続き表彰式に移りたいと思います!』
インタビューが終った
それぞれの選手が、父様から賞金やら記念品やらを授与される。
この場は上位入賞者だけだが、本戦出場者と言うだけでもそこそこの賞金が出るとのこと。
そうして表彰式も終わり、後は父様の閉会の言葉をもって武神杯は終わりとなる。
『さて、これで武神杯は終了となるが…今年の大会は例年にも増して多くの強者が集まり素晴らしい戦いを見せてくれた。まさに武神祭の最後を飾るに相応しく、ディザール様もさぞお喜びになるだろう』
ディザール様…見てたかな?
今度お会いしたら聞いてみよう。
『今後も、新たな強者が現れ、この武神の国で素晴らしい武勇を見せてくれることを願って…武神杯大闘技会の閉幕とする!!』
ワァーーーーッッ!!
こうして武神杯は閉幕となったが、本戦出場者は今夜、王城に招かれてパーティに参加することになる。
それも副賞の一つらしい。
私は選手の立場と言うよりも、ホスト側になると思うのだけど…
まぁ、パーティの主旨からして堅苦しいものでは無いと思うので、楽しみではある。
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