【本編完結済】転生歌姫の舞台裏〜ゲームに酷似した異世界にTS憑依転生した俺/私は人気絶頂の歌姫冒険者となって歌声で世界を救う!

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第五幕 転生歌姫ともう一人の転生者

第五幕 エピローグ 『出発進行』

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 無事に聖剣を入手した私達は帰路につく。
 帰り道は精神世界に入る事はなく、通路を少し引き返しただけでロアナ様と別れた試練の間の入口まで戻って来ることができた。


「カティア様!…どうやら無事に聖剣を入手できたようですね」

「はい!お陰様で!」

「我々はディザール様の意に従い許可を出しただけですよ。試練を乗り越えて聖剣を手にしたのは紛れもなくあなた達の力によるものです」

「いえ、そもそも許可を頂けなければ試練に挑むことすらできませんでしたから。ありがとうございました」

「ありがとうごじゃいました!」

「ふふ、どういたしまして」

 私と一緒にお礼を言うミーティアを微笑ましそうに見ながら頭をナデナデする。
 ふにゃ~、にへら。



 ロアナ様以外の神殿幹部の皆さんにもお礼と挨拶をしてから神殿をあとに…する前に、ディザール様にもお礼参りしたが、今回は神界には招かれなかった。
 ゼアルが少し残念そうにしていたね。










「じゃあ、少し早いけど…『駅』に行きますか」

 もう少し観光したい気もするが、そこまで時間があるわけではない。
 でも…

「レティ、お昼ごはんくらい食べてこうよ」

「あ、大丈夫!私達の分は用意してるから、列車の中で食べよう!」

「へ?…あなた、まさか昨日の今日で駅弁を?料理人に無茶させてないでしょうね?」

「大丈夫だよ。私達の分だけだし、うちの料理人にコンセプトを伝えたら乗り気になってたし。感想聞かせてね」

「そう…なら良いのだけど。しかし行動が早い…これも情熱がなせるわざだね…」

「そう!私の鉄道魂は熱く燃えてるんだよ!」

 …ちょっと羨ましいな。
 カティアは歌うことが大好きで、その情熱はレティにも負けないと思うけど、【わたし】はそれほどの情熱を傾けるようなものってなかった気がするなぁ…
 もう、一人の私なのだからそれほど気にすることは無いはずなんだけど。

 でも、そうだね…レティみたいに頑張ってる人が安心してチャレンジできるように、世の安寧を脅かす不穏な輩は何とかしたいと思う。
 人々の幸せを守りたい。
 少しずつ…だが確実に、私の中でそういう想いが強くなっている。





 一旦公爵邸に戻ってからルシェーラと合流して、馬車で集合場所となる『駅』に向かう。
 なお、リュシアンさんはうちの一座を迎えに行ってくれてるとのこと。

 昨日機関車を見せてもらったのは車庫のようなところで、列車の旅の出発地はそれとは別の場所にある。
 その車庫から続いている線路沿いの道を通って、街の郊外に向かい馬車は進んでいく。


「レティ、『駅』って結構郊外にあるんだね」

「まあそれはしょうがないよ。駅自体に広大な敷地が必要だし、建物を避けて線路を敷くには郊外じゃないと土地がないもの。ある程度営業時に流用できるように実験線は作ってるけど、こればかりはね…」

「それもそうか…」

「鉄道の有用性が確固たるものになれば…中心市街に向けて整備されるかもしれないし、トラムとか、技術が進めば地下鉄だってできるかもしれない。今の駅を中心にして新しい市街が形成されるかもしれない。そんな未来を考えると…ワクワクしない?」

「そうだね。そう考えると…私達は今、新しい時代の幕開けを見てるってことだね」

 決して大袈裟な話ではない。
 人の流れが、物流が大変革を遂げるのだ。
 否が応でも時代は変わるだろう。

 かつて、神々と共に魔境を切り拓いてから幾星霜の時が流れても文明の進歩は緩やかで…ともすれば停滞していたとも言える。
 だが、これをきっかけにしてこの大陸の文明は次のステージに進むのかもしれない。

 きっと…いや間違いなく彼女の名は歴史に刻まれることになるだろう。







「さあ、着いたよ!」

 しばらく馬車に揺られて辿り着いたのは、『駅』…と呼ぶには少し寂しい感じのところだ。
 プラットホームが一面だけあって、その片面が乗り場、それ以外は柵で囲われている。
 中央あたりに駅舎…と言うか小屋があって、そこからホームに入れるようだ。

「まだ実験線に過ぎないからね、ちょっと寂しい感じだけど。本格的に営業となればもっと立派な駅舎を建てたり、駅前広場を整備したりする予定だよ」


 と、遠くからタタン、タタン…と言う音が近づいてくる。
 前世では聞いたことがあるが、この世界に来てからは初めて聞く音。

「ママ!!あれ!!すごい!!」

 ミーティアが興奮して指差すその先に、昨日見せてもらった機関車を先頭にして列車が近付いてくるのが見えた。
 程なく駅に近付いたところで、ピィーッ!と警笛のような音を鳴らしてホームに進入してくる。
 キキィー…とブレーキ音をさせながらスピードを落としていくと、やがてプシューッと言う音を立てて完全に停車した。

「…実際動いているところを見ると、凄い迫力ですわ」

「全くだ。こんな巨大なものが動くなんてな…」

 ルシェーラとカイトもやや呆然としながら感想を漏らす。
 ミーティアはもう興奮しきりで、キラキラした目で見ている。

 かく言う私も、実際に動いているところをこの目で見て、感慨深い想いが込み上げてきた。




「レティ、回送して来たぞ」

「あ!リディー!ありがとね」

 機関車の運転室から出てきてレティに声をかけたのは、柔らかな銀髪に整った顔立ちの青年。
 年の頃は20歳前後だろうか?

「あ、紹介するね。この人はリディーって言って、私と一緒に鉄道開発関連プロジェクトの陣頭指揮を執ってもらってるの。リディー、こちらが今日のお客様で、ダードレイ一座のカティアさん、カイトさん、ミーティアちゃん。こちらは兄さんの婚約者のルシェーラちゃんね。ダードレイ一座の他の皆さんも後から来るよ」

 と、レティがお互いを紹介してくれる。

「お初にお目にかかります、私はリディーと申します。今回皆様をお迎えすることが出来まして誠に光栄でございます。まだ実験段階ではありますが、安全性の確認は既にできておりますのでご安心ください」

「こちらこそありがとうございます。今からとても楽しみでワクワクしていますよ」

「ええ、ぜひ鉄道の旅をお楽しみください。では、私は出発の準備がありますので、一旦失礼させていただきます。レティ、また後でな」

「うん、お願いね」

 レティとリディーさんはかなり気安い関係みたいだね。
 レティはまだ自分が男の人を好きになるのか分からないって言ってたけど、短いやり取りでもこの二人は信頼し合っているように見えたし、お似合いなんじゃないだろうか?

「…なかなかお似合いですわね」

 ルシェーラもそう思ったみたい。
 なんだか新たな獲物を見つけたような目をしてるよ…











「おう、待たせたなカティア」

 私達が駅についてから暫くすると、父さんたち一座のメンバーもやって来た。
 リュシアンさんとケイトリンさんも一緒だ。

「リュシアンさん、皆のお迎えありがとうございます」

「いえ、ケイトリンに事務連絡もあったので、ついででしたから」

「いや~、噂の列車に乗せてもらえるとは!レティシア様々ですよ!」

 事務連絡と言うか…ろくに待ち合わせもして無かったみたいなのによく合流できたね。
 気心が知れてるからなのかな?

 はっ!?
 …ああ、やっぱりルシェーラがぷく~ってなってた。




「じゃあみんな揃ったことだし、早速乗りましょうか!」

「わ~いっ!パパ、ママ、早く乗ろ!」

「ふふ、そんなに慌てなくても大丈夫だよ」

 興奮度マックスのミーティアが私とカイトの手を引っ張って早く早くと急かす。


 客車は5両連結されていて、その後ろには貨車が2両繋がってる。
 貨車には一座の荷物や馬車などの積み込みが行われているところだ。

 客車に乗り込み、デッキから客室へ入る。
 車体は金属製のようだったが、車内は木を主体にした内装で、非常に高級感があり落ち着いた雰囲気。

 座席は四人掛けのボックス席だが、広々としていて中央にはテーブルが配置されている。
 他にも二人掛けや、コンパートメントなどもあるみたい。
 ゆったりとした座席は柔らかそうな革張りで、とても座り心地が良さそうだ。
 魔道具らしき照明は前世の電球色に近い感じで、これも高級感を演出するのに一役買ってる。


「ふぇ~…凄い豪華じゃない?」

 昨日の話だと着席定員80名って言ってたと思うけど、どう見てもそれより座席は少ないと思う。

「一座の皆さんは50人くらいって聞いたからね。今回はオール一等車の豪華編成だよ」

「一等と言う事は、これが一番グレードが高いということですの?」

「一等の上に特等を予定してるけど…これは王族や国賓の方を乗せるための特別な車両だね。今回はカティアがいるからそっちにしようかとも思ったんだけど、開通したら式典で最初に陛下に乗っていただこうかと計画してるんだ」

「これでも十分すぎるよ。まだ正式に認められたわけでもないんだし」

 いくら父親かも知れないとは言え、陛下より先になんて恐れ多いよ。

「そお?後は、二等、三等だね。料金は検討中だけど、今のところ三等で駅馬車の倍くらいって考えてるよ」

 スピードが比べ物にならないし、倍でもかなり良心的なんじゃないだろうか。
 でも、ちょっと心配事も。

「そうすると、御者の仕事が無くなっちゃうかな…?」

「それも対策は検討してて、希望があれば乗務員とか駅員とかね、募集はかけようと思ってる。まあ、運賃に差をつけてるからすぐに必要なくなるわけじゃないと思うけど。慎重に検討はするつもり」

 ああ、流石はレティ。
 私が考えつくようなことは検討してるか。




「レティ、出発の準備は整ったぞ。全て問題なし。貨車の積み込みも終わったみたいだ」

「あ、ありがとね、リディー!」

 暫くするとリディーさんが出発できる旨を伝えに来てくれた。

「よし、じゃあ行きますか!車内放送でみんなに報せてもらえる?」

「ああ、分かった」


 そうしてリディーさんが再びどこかへ行って暫くすると。
 車内放送から彼の声が聞こえてきた。

『皆様、本日は当…レティシア鉄道(仮)にご乗車頂きありがとうございます』

「あ!?こら、リディー!勝手に名前をつけるんじゃないよ!カッコカリって何よ!…あ、でも、レティシア鉄道って何だかレーティッシュ鉄道に似てるな…」

 確か、スイスの世界遺産だっけ。
 …と言うかまだ名前決まってないんだね。
 いいんじゃない?
 世界最初の鉄道なんだから、自分の名前をつけてもさ。

『当列車は世界初の魔導力機関車、901型を先頭に5両の一等客車による編成となっております。まもなくイスパルナ北駅を出発します』

 そのアナウンスが終わった直後、ピィーッ!と鋭い警笛が鳴り響く。

「さあ、行くよ!出発進行!」

 レティの掛け声とともに、ガシャン!という音と衝撃と共に列車が動き出した。
 そして、ぐんぐんと力強く加速していく。

「うわ~!すごい、すごい!!はやい~!」

 窓を流れていく景色の速さに、ミーティアだけでなく初めて乗車した乗客の誰もが驚き興奮した様子だ。


「本当に凄いですわ。これが鉄道…」

 まさにこの世界の未来の象徴。

 レティの夢と情熱が形になったとき、新たな歴史の幕開けとなるのだろう。

 彼女の…いや、彼女と夢を同じくする人達の想いを乗せて列車は進む。





 きっと、彼女たちと同じように夢と情熱をもった人がこの世界にはたくさんいるのだろう。

 誰もが夢に向かって頑張れる、そんな世の中を守りたいと思う。

 私が王族だという事に意味があるのならば…きっと、それが私の役割なのかもしれない。




 
 そんな私の想いも乗せて、列車は走るだろう。
 未来に向かって。


ーー 第五幕 転生歌姫ともう一人の転生者 閉幕 ーー
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