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プロローグ或いはエピローグ
2日前
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私は今の状況に混乱していた。
私の目の前で、殿下が何か喚いている。だが、到底今の私には理解できない。いや、冷静な時でも理解できないだろう。
「レイ、お前との婚約を破棄する!そしてお前のマイに行った嫌がらせも他の罪も、そしてお前の家の行った罪も全て暴かれている!よってお前を一族諸共斬首とする!」
殿下は何を言っているのだろう?
私が嫌がらせ?我が家の罪?何の話だろう…
意味も分からず、首を傾げて考えるが、やはり何も分からない。
慌てて殿下に縋り付く様に問いかける。
「で、殿下!何を仰っているか分かりません!私はこの国と、延いては殿下に心の底から尽くしてきたつもりです!」
「黙れ!全て証拠は挙がってるんだ!大人しくしろ!」
「濡れ衣です!」
「なら、お前の家の管理している倉庫から大量に発見されたグルの実はなんだ!?」
「そんな物扱っておりません!」
その言葉に私は体から力が抜けたかと思った。
グルの実ですって!?アレは人を心から壊す果実。製造は禁止されているはずです!何故そんな物が原産地から最も遠い我が領土で見つかるの!?
「それにマイのこの傷は何だ!?」
「グリューン様、これはあの方に話しかけ途端にお茶を掛けられただけですし、これは叩かれただけです。それに階段から突き落とされたのも大きな怪我はありませんでした。なので死刑は言い過ぎでは?」
「マイは優しいな…しかしそれでもコイツをのさばらせておく訳にはいかないんだ。だから、分かってくれ」
何の話をしているのです?お茶を掛けた?叩いた?突き落とした?何の事を言っているのです?
意味も分からずオロオロしながら私は無実を唱えた。
「殿下!本当に私には身に覚えがございません!信じてください!」
だが、殿下の口から飛び出したのは…予想もし得ない言葉だけだった。
「ちっ!謝罪の一つでもすればまだ幼い妹と弟は見逃してやろうと思ったのに…お前がこうならその下の子もこうなるだろう!やはり一族諸共斬首だな!」
「そんな!それこそあの子達には何の罪もございません!」
「ええぃ!煩い煩い煩い!!お前が悪いんだ!」
そんな…
しかし、私は絶望に打ちひしがれている時あり得ない事にしまった。
マイ様の口が歪に笑っている事に…
その時私は理解した。
私は、嵌められたのだと…
私の目の前で、殿下が何か喚いている。だが、到底今の私には理解できない。いや、冷静な時でも理解できないだろう。
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殿下は何を言っているのだろう?
私が嫌がらせ?我が家の罪?何の話だろう…
意味も分からず、首を傾げて考えるが、やはり何も分からない。
慌てて殿下に縋り付く様に問いかける。
「で、殿下!何を仰っているか分かりません!私はこの国と、延いては殿下に心の底から尽くしてきたつもりです!」
「黙れ!全て証拠は挙がってるんだ!大人しくしろ!」
「濡れ衣です!」
「なら、お前の家の管理している倉庫から大量に発見されたグルの実はなんだ!?」
「そんな物扱っておりません!」
その言葉に私は体から力が抜けたかと思った。
グルの実ですって!?アレは人を心から壊す果実。製造は禁止されているはずです!何故そんな物が原産地から最も遠い我が領土で見つかるの!?
「それにマイのこの傷は何だ!?」
「グリューン様、これはあの方に話しかけ途端にお茶を掛けられただけですし、これは叩かれただけです。それに階段から突き落とされたのも大きな怪我はありませんでした。なので死刑は言い過ぎでは?」
「マイは優しいな…しかしそれでもコイツをのさばらせておく訳にはいかないんだ。だから、分かってくれ」
何の話をしているのです?お茶を掛けた?叩いた?突き落とした?何の事を言っているのです?
意味も分からずオロオロしながら私は無実を唱えた。
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だが、殿下の口から飛び出したのは…予想もし得ない言葉だけだった。
「ちっ!謝罪の一つでもすればまだ幼い妹と弟は見逃してやろうと思ったのに…お前がこうならその下の子もこうなるだろう!やはり一族諸共斬首だな!」
「そんな!それこそあの子達には何の罪もございません!」
「ええぃ!煩い煩い煩い!!お前が悪いんだ!」
そんな…
しかし、私は絶望に打ちひしがれている時あり得ない事にしまった。
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