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「俺ね…美優が初恋なんだ」
蓮がポツリポツリと話し出す。
そういえば、蓮のお家に行った時もそんな事を言ってたな。
「だから…感情が上手くコントロールできない。今日だって佐藤が美優に近付いてるのが許せなかった…」
「佐藤君、親切にしてくれただけで他意は無いよ?…強いて言えば、尊敬する大ちゃんの従妹だから気を遣ってくれたんだと思う。だから…今日の事は佐藤君と仲直りしてね?」
「…下心のある野郎を美優に近付けたくない」
「下心…?あ、私に優しくして大ちゃんに取り入ろうとしてる事が嫌ってこと?」
私はそういうの全然気にしないんだけどな。佐藤君、生徒会に入りたいみたいだし…、蓮はそういう裏から手を回して~みたいなのは許せないのかも。
でも、そもそも従妹の私に優しくしたからといって、大ちゃんが贔屓したりしないんじゃないかな?だって私は大ちゃんの彼女でもなければ、特別な存在でもないんだから。
そんな事を考えていると、
「全然違う…はぁ…」
と、深いため息と共に抱き締められる。
なんだかよくわからないけど、呆れられてる?
とりあえず、私はまた蓮に抱き締められたまま身を委ねる事にした。
蓮の腕が脇の下から入り、お腹の辺りに掌が添えらる。
「あ…あの、蓮…。お腹に手を置かれると恥ずかしい…」
ここ1年は受験勉強に打ち込んでいたのでかなり運動不足。
ぷにぷにしてる訳では無いと思いたいけれど…恥ずかしいものは恥ずかしい。
蓮の大きくて綺麗な手に抱き締められていると意識しただけでも恥ずかしいのに…。
「美優……。俺、美優のこと本当に大好き。美優は?俺の事どう思ってる?」
「え?!」
「恥ずかしいって、俺の事を意識してくれてるってこと?今日来てくれたのもちょっとは脈アリって思ってもいいの?」
後ろから抱き締められていることをいいことに視線を反らしていると、蓮の膝から下ろされ、ベンチに並ぶように座わらされる。
真剣な瞳でじっと見つめられ、ドキドキと鼓動が速くなるのが解った。
「あ…あの…」
私は蓮に惹かれている。
好き…なんだと思う。
でも、このまま付き合ってもいいの?
胸に引っ掛かかったままのあの噂…。
肩に手を添えられ、蓮の綺麗な顔がゆっくりと近づく。
「美優、好きだよ」
あと数cmで唇が重なる……
「待って!!」
私は慌てて蓮の唇を両手でふさいだ。
蓮がポツリポツリと話し出す。
そういえば、蓮のお家に行った時もそんな事を言ってたな。
「だから…感情が上手くコントロールできない。今日だって佐藤が美優に近付いてるのが許せなかった…」
「佐藤君、親切にしてくれただけで他意は無いよ?…強いて言えば、尊敬する大ちゃんの従妹だから気を遣ってくれたんだと思う。だから…今日の事は佐藤君と仲直りしてね?」
「…下心のある野郎を美優に近付けたくない」
「下心…?あ、私に優しくして大ちゃんに取り入ろうとしてる事が嫌ってこと?」
私はそういうの全然気にしないんだけどな。佐藤君、生徒会に入りたいみたいだし…、蓮はそういう裏から手を回して~みたいなのは許せないのかも。
でも、そもそも従妹の私に優しくしたからといって、大ちゃんが贔屓したりしないんじゃないかな?だって私は大ちゃんの彼女でもなければ、特別な存在でもないんだから。
そんな事を考えていると、
「全然違う…はぁ…」
と、深いため息と共に抱き締められる。
なんだかよくわからないけど、呆れられてる?
とりあえず、私はまた蓮に抱き締められたまま身を委ねる事にした。
蓮の腕が脇の下から入り、お腹の辺りに掌が添えらる。
「あ…あの、蓮…。お腹に手を置かれると恥ずかしい…」
ここ1年は受験勉強に打ち込んでいたのでかなり運動不足。
ぷにぷにしてる訳では無いと思いたいけれど…恥ずかしいものは恥ずかしい。
蓮の大きくて綺麗な手に抱き締められていると意識しただけでも恥ずかしいのに…。
「美優……。俺、美優のこと本当に大好き。美優は?俺の事どう思ってる?」
「え?!」
「恥ずかしいって、俺の事を意識してくれてるってこと?今日来てくれたのもちょっとは脈アリって思ってもいいの?」
後ろから抱き締められていることをいいことに視線を反らしていると、蓮の膝から下ろされ、ベンチに並ぶように座わらされる。
真剣な瞳でじっと見つめられ、ドキドキと鼓動が速くなるのが解った。
「あ…あの…」
私は蓮に惹かれている。
好き…なんだと思う。
でも、このまま付き合ってもいいの?
胸に引っ掛かかったままのあの噂…。
肩に手を添えられ、蓮の綺麗な顔がゆっくりと近づく。
「美優、好きだよ」
あと数cmで唇が重なる……
「待って!!」
私は慌てて蓮の唇を両手でふさいだ。
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