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本編
質問タイム
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「美優?どうしたの?悲しい顔してる…」
「え?…うんん、何でもない」
「何でもない訳ないでしょ?美優が悲しい顔するのは見過ごせない。俺には隠し事せず何でも話して?」
「…えっと…そんな大した事じゃないの。ただ…蓮の事よく知らないなって思っただけ」
「そっか、じゃあ質問タイム!何でも聞いていいよ」
「何でも?」
「うん。あ、俺も美優に質問したいから、交互に答えるの…だめかな?」
「いいよ、わかった」
こうして、私達はお互いを知るための質問タイムを開催することにした。蓮は一方的に私を知っているみたいだけど、私はまだ蓮を認識して4日目だからね。
「美優から質問どうぞ」
「じゃあ、家族構成を教えてください」
「うちは、両親と1つ下の弟の4人家族。一緒には暮らしてないけれど、祖父母も元気だよ」
「弟さんいるんだね。うちと一緒だ」
「美優の弟は伊織君だよね?」
「え?!あ…そっか、蓮も会った事あるよね。そう、伊織は私の1つ下の弟だよ」
「俺からも質問していい?伊織君は何で『美優』って呼ぶの?」
「んー…『お姉ちゃんに思えない』って言われた事はあるけど…小学生の頃からずっと『美優』って呼ばれてたからきっかけはわからないなぁ。伊織ね、凄くしっかりしてて自慢の弟なの。だから私が頼りないのかも。ふふ」
「妬いちゃうな…」
そう言って蓮は指を絡めてきた。所謂恋人繋ぎってやつだ。
「な…に言ってるの?伊織は弟だから…」
「弟ねぇ…。ホントかな?」
蓮はそのまま私の手の甲にチュッとキスをした。
「ほ、本当だよ!パスポート取る時にちゃんと戸籍謄本見たしっ!確かに私は頼りないし、頭も伊織程良くないけど……っていうかキスやめて!恥ずかしいから!」
「そういう意味じゃないんだけどなぁ~。ふふ、照れてる美優も可愛い」
ブンブンと手を振り、繋がれた手を強引に引き離す。
「からかわないで。…蓮の元カノさん達に比べたら全然可愛くないし…お子様だもん」
プイッとそっぽを向いた瞬間、ガバッと抱き締められた。
「美優っ、それってヤキモチだよね?嬉しいっ!」
「ち…違うからっ!」
「大丈夫、俺の最初で最後の彼女は美優だから。それに、美優と比べたら他の女は石コロみたいなものだから。美優が世界で一番可愛いよ」
「なっ…!!……もうっ…」
この人は本当に…サラッと最上級の言葉で誉めてくれるから、私はどうしたらいいのかわからない。
「はい、じゃあ次の質問どうぞ?」
「え?えっと……。ごめん、すぐに思いつかないや…」
本当は、元カノは何人くらい居たの?とか、初めて関係を持ったのは?とか……聞いてみたい事は沢山あるけど、勇気がなくてやめた。
蓮の気持ちを疑う訳じゃないけれど、いつか心変わりしたらって思うと踏み込めない。
‘いつか’の未来で自分が傷つかないように予防線を張ってしまうくらい、私は蓮の事が気になりだしているのかもしれない。
「いっぱい話して毎日お互いを知っていこうね」と笑顔を向ける蓮に、心がキュッとしたんだ。
「え?…うんん、何でもない」
「何でもない訳ないでしょ?美優が悲しい顔するのは見過ごせない。俺には隠し事せず何でも話して?」
「…えっと…そんな大した事じゃないの。ただ…蓮の事よく知らないなって思っただけ」
「そっか、じゃあ質問タイム!何でも聞いていいよ」
「何でも?」
「うん。あ、俺も美優に質問したいから、交互に答えるの…だめかな?」
「いいよ、わかった」
こうして、私達はお互いを知るための質問タイムを開催することにした。蓮は一方的に私を知っているみたいだけど、私はまだ蓮を認識して4日目だからね。
「美優から質問どうぞ」
「じゃあ、家族構成を教えてください」
「うちは、両親と1つ下の弟の4人家族。一緒には暮らしてないけれど、祖父母も元気だよ」
「弟さんいるんだね。うちと一緒だ」
「美優の弟は伊織君だよね?」
「え?!あ…そっか、蓮も会った事あるよね。そう、伊織は私の1つ下の弟だよ」
「俺からも質問していい?伊織君は何で『美優』って呼ぶの?」
「んー…『お姉ちゃんに思えない』って言われた事はあるけど…小学生の頃からずっと『美優』って呼ばれてたからきっかけはわからないなぁ。伊織ね、凄くしっかりしてて自慢の弟なの。だから私が頼りないのかも。ふふ」
「妬いちゃうな…」
そう言って蓮は指を絡めてきた。所謂恋人繋ぎってやつだ。
「な…に言ってるの?伊織は弟だから…」
「弟ねぇ…。ホントかな?」
蓮はそのまま私の手の甲にチュッとキスをした。
「ほ、本当だよ!パスポート取る時にちゃんと戸籍謄本見たしっ!確かに私は頼りないし、頭も伊織程良くないけど……っていうかキスやめて!恥ずかしいから!」
「そういう意味じゃないんだけどなぁ~。ふふ、照れてる美優も可愛い」
ブンブンと手を振り、繋がれた手を強引に引き離す。
「からかわないで。…蓮の元カノさん達に比べたら全然可愛くないし…お子様だもん」
プイッとそっぽを向いた瞬間、ガバッと抱き締められた。
「美優っ、それってヤキモチだよね?嬉しいっ!」
「ち…違うからっ!」
「大丈夫、俺の最初で最後の彼女は美優だから。それに、美優と比べたら他の女は石コロみたいなものだから。美優が世界で一番可愛いよ」
「なっ…!!……もうっ…」
この人は本当に…サラッと最上級の言葉で誉めてくれるから、私はどうしたらいいのかわからない。
「はい、じゃあ次の質問どうぞ?」
「え?えっと……。ごめん、すぐに思いつかないや…」
本当は、元カノは何人くらい居たの?とか、初めて関係を持ったのは?とか……聞いてみたい事は沢山あるけど、勇気がなくてやめた。
蓮の気持ちを疑う訳じゃないけれど、いつか心変わりしたらって思うと踏み込めない。
‘いつか’の未来で自分が傷つかないように予防線を張ってしまうくらい、私は蓮の事が気になりだしているのかもしれない。
「いっぱい話して毎日お互いを知っていこうね」と笑顔を向ける蓮に、心がキュッとしたんだ。
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