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本編
好きの定義
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「由妃ちゃんのお家久しぶりだね」
「そっか、春休み前に引っ越しの手伝いに来てくれた時以来だね」
放課後、私は由妃ちゃんのマンションに遊びに来ていた。
中学の頃から読者モデルをしていた由妃ちゃんは、大人っぽくてクールな雰囲気がとてもカッコイイ。高校入学を気に芸能事務所と正式に契約することになって、学校や事務所が近いこのマンションに引っ越してきた。
「一人暮らし寂しくない?」
「うーん、ママもよくご飯作りに来てくれるし今の所は平気かな」
「私も大学生になったら一人暮らししたいなー」
「えぇ、美優が一人暮らしとか心配だなぁ。あ!私とルームシェアはどう?一緒に暮らしたら楽しいよ!」
「それいい!由妃ちゃんと一緒なら絶対楽しい!…あ、でも由妃ちゃんの彼氏に悪くない?」
由妃ちゃんはモテる。中学はいろんな人に告白されてたし、何人か彼氏もいた。
ただ私には彼氏の話をしてくれないし、何となく本人も話したくないのかな?って雰囲気だったから取り立てて話題には出して来なかった。
「彼氏いないよ?もう2年くらいいない。作る気もないし」
「え!?そうなの?あ、そっか…、やっぱり芸能事務所との契約とかもある…のかな?」
「あー…うんん、そういうのじゃないんだけど…。……人を好きになるって何かなーって考えちゃってさ」
「ん?どういうこと?」
由妃ちゃんは「うーん」と難しい顔をしながらアイスティーを出してくれる。
「美優はさ、一緒に買い物したりカフェに行きたいなって思うのは誰?」
「由妃ちゃん!」
ガバッと抱き付けば、優しく由妃ちゃんが抱き締めかえしてくれる。
「ふふ、私も美優だよ。じゃあさ困った時に相談したいって思うのは誰?」
「うーん、悩みの種類にもよるけど…由妃ちゃんか大ちゃんかな?」
「じゃあ、今日は気分が優れないからゆっくりしたいなーって時に一緒にいたいのは誰?」
「伊織かな?一番気を遣わなくてすむし、美味しいご飯作ってくれたり、マッサージしてくれたりするし。癒やされる」
「私はね、ぜーんぶ美優の顔が思い浮かんだんだ。彼氏がいた時も、私の中の一番は美優だったの。だから、彼氏いらないかなーって思ったんだ」
「由妃ちゃん…嬉しいっ!私も由妃ちゃんが大好きだよ」
再びぎゅうぅと抱き付けば、由妃ちゃんはヨシヨシと頭を撫でてくれる。
「美優はさ、今の質問で相澤の顔なんて浮かばなかったでしょ?美優の中でどんな時もこの人が一番って思える人ができるまでは…彼氏作らないで欲しいな」
「うん、解った!」
そっか、由妃ちゃんの質問で‘人を好きになる’って事がよく解った気がする。確かに今の私は何をするにも由妃ちゃんや大ちゃん、伊織の顔しか浮かばない。そう考えると‘初恋’ってまだなんだな…。好きな人ってどうやって見つけるんだろう…。
「そっか、春休み前に引っ越しの手伝いに来てくれた時以来だね」
放課後、私は由妃ちゃんのマンションに遊びに来ていた。
中学の頃から読者モデルをしていた由妃ちゃんは、大人っぽくてクールな雰囲気がとてもカッコイイ。高校入学を気に芸能事務所と正式に契約することになって、学校や事務所が近いこのマンションに引っ越してきた。
「一人暮らし寂しくない?」
「うーん、ママもよくご飯作りに来てくれるし今の所は平気かな」
「私も大学生になったら一人暮らししたいなー」
「えぇ、美優が一人暮らしとか心配だなぁ。あ!私とルームシェアはどう?一緒に暮らしたら楽しいよ!」
「それいい!由妃ちゃんと一緒なら絶対楽しい!…あ、でも由妃ちゃんの彼氏に悪くない?」
由妃ちゃんはモテる。中学はいろんな人に告白されてたし、何人か彼氏もいた。
ただ私には彼氏の話をしてくれないし、何となく本人も話したくないのかな?って雰囲気だったから取り立てて話題には出して来なかった。
「彼氏いないよ?もう2年くらいいない。作る気もないし」
「え!?そうなの?あ、そっか…、やっぱり芸能事務所との契約とかもある…のかな?」
「あー…うんん、そういうのじゃないんだけど…。……人を好きになるって何かなーって考えちゃってさ」
「ん?どういうこと?」
由妃ちゃんは「うーん」と難しい顔をしながらアイスティーを出してくれる。
「美優はさ、一緒に買い物したりカフェに行きたいなって思うのは誰?」
「由妃ちゃん!」
ガバッと抱き付けば、優しく由妃ちゃんが抱き締めかえしてくれる。
「ふふ、私も美優だよ。じゃあさ困った時に相談したいって思うのは誰?」
「うーん、悩みの種類にもよるけど…由妃ちゃんか大ちゃんかな?」
「じゃあ、今日は気分が優れないからゆっくりしたいなーって時に一緒にいたいのは誰?」
「伊織かな?一番気を遣わなくてすむし、美味しいご飯作ってくれたり、マッサージしてくれたりするし。癒やされる」
「私はね、ぜーんぶ美優の顔が思い浮かんだんだ。彼氏がいた時も、私の中の一番は美優だったの。だから、彼氏いらないかなーって思ったんだ」
「由妃ちゃん…嬉しいっ!私も由妃ちゃんが大好きだよ」
再びぎゅうぅと抱き付けば、由妃ちゃんはヨシヨシと頭を撫でてくれる。
「美優はさ、今の質問で相澤の顔なんて浮かばなかったでしょ?美優の中でどんな時もこの人が一番って思える人ができるまでは…彼氏作らないで欲しいな」
「うん、解った!」
そっか、由妃ちゃんの質問で‘人を好きになる’って事がよく解った気がする。確かに今の私は何をするにも由妃ちゃんや大ちゃん、伊織の顔しか浮かばない。そう考えると‘初恋’ってまだなんだな…。好きな人ってどうやって見つけるんだろう…。
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