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本編
屋上で日向ぼっこ/後半:由妃side
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「うぅーん、風が気持ちいぃー」
屋上は緑化されていて、芝生や花壇等とても綺麗に整備されていた。生徒が自由に使用できるようになっていてテーブルや椅子まで設置されている。さすがお金持ち学校!!
私が通う高校は普通科、特進科、専科の大きく分けて3コースがあり、芸能人や大手会社の役員の子供も多く通う。在学生やOBからの支援や寄付金も多くあるからか校舎がとても綺麗。
ちなみに私と由妃ちゃんは普通科で、大ちゃんは特進科。由妃ちゃんは芸能人など一芸に秀でているクラスの専科にも入れたはずなのに、私と同じ普通科を選択してくれたんだよね。由妃ちゃんの足を引っ張りたくないんだけど、人見知りな私にとって正直とても有り難かった。
チラリと後ろを向けば、由妃ちゃんと大ちゃんが何やら話し込んでいる。二人とも難しい顔して何話してるんだろう…?
「ま、いっか…。邪魔しちゃ悪いしね」
多分私とは関係無い話よね。
私はベンチに座り、心地好い日差しと風にまったり日向ぼっこを決め込む。
ーーーーーーーーーーー・・・
《由妃side》
「久遠先輩!どういう事ですか?ガード壊滅的なんですけど?!」
「すまない…。まさか入学初日に初対面の奴から告白とか…思ってもみなかった」
「告白だけじゃなく、3日目にして彼氏の座に王手をかけてるんですよ?!」
「はぁ…。美優の押しの弱さにつけ込まれたな」
深いため息をつく久遠先輩は、普通の女の子から見たら‘物憂げで素敵’って言いそうだけど、私からしたら‘何で美優のせいにしてんの?’って感じ。
「ため息をつきたいのはこっちですよ!久遠先輩が男子のガード、私が女子のガード、伊織君が監視役、そういう約束ですよね?!ぜんっっぜん駄目じゃないですか!」
これは小学生の頃から私と久遠先輩、伊織君の3人で約束した掟だ。
美優はめちゃくちゃ可愛い。素直で、穏やかで、がんばり屋さんだけど結果はイマイチ伴わなくて、だけど前向きで、いつもニコニコ笑ってる。そんな庇護欲を掻き立てる感じの愛らしさがある。
もちろん外見も可愛い。今はノーメイクだから可愛らしい雰囲気だけど、あれは絶対メイク映えするタイプ。小柄で華奢なのに最近胸が大きくなって…うん、控えめに言ってエロい。
そんな美優には昔から‘変態に好かれる’という特技がある。(本人は全然気付いてないけど)
最初は小学生低学年の頃だった。近所の大学生A君が美優をストーキングしていた。ご近所さん故に美優の警戒心ゼロで、ある日A君に誘われて部屋に連れ込まれた事がある。私達3人が突入して事なきを得たけど…。(美優は部屋でお菓子を嬉しそうに食べてて、皆も来たのー?って笑顔で言われた。)
その次は美優が中学2年生の頃、家政婦として来ていた20代前半のお姉さんB子だ。久遠先輩と美優の祖父は全国展開している美容クリニックを経営しており、所謂一族経営だ。
美優の両親は遅くまで家を不在にしていた為お手伝いさんを雇っていた。高齢の家政婦さんが辞めた後に来たのがB子だった。
美形の伊織君に手を出すのではなく、美優をターゲットにした時はびっくりしたものだ。
美優から「時々B子さんと一緒にお風呂に入ったり、添い寝もしてくれるんだよ!優しいよね」って言われた時は眩暈がした。伊織君が中心となってB子に嫌がらせをして、直ぐに辞めさせたけど。
そんな感じで最初は年上の変態に好かれ、美優が成長するにつれて同級生にも魅力がわかるようになったのか、中学の時は美優を守るのが大変だった。私達のガードにより美優に告白をするのが困難で、私に告白して美優に近づこうとする馬鹿も居て本当にウンザリする。
でも、中学までは上手くガードできていたのに…。不甲斐ないっ!
「昨日、伊織からも怒りの電話があったよ。あいつめちゃくちゃ怖いんだよな。2コ年下とは思えない」
「伊織君が怒るのも当たり前です。あぁー、中学の時は上手くいってたのにっ!!」
「とりあえず現状の把握だけど、今はどんな状態?」
チラリと美優を見れば、ベンチに座って目を閉じていた。日向ぼっこしてるの可愛い。癒される。
「今朝…痴漢行為の末、無理矢理‘彼氏(仮)’という座を手に入れたって感じです」
「はぁー。やっぱり迎えに行けばよかった。痴漢行為ってマジでなんなんだよアイツ」
「本当に最低でヤバい奴なんですよ!あんな奴と一緒に居たら美優が汚されちゃう。それに相澤が美優にちょっかい出すから、クラスで美優の可愛さが徐々に気付かれてて…今日は餌付けが始まりました」
「早いな…。美優お菓子すぐ受け取っちゃうからな」
今までのデータによると、みんな餌付け(お菓子を美優にあげる事)からスタートし、気持ちと行動がエスカレートしていく傾向にある。そういう危険因子に目を配る事も大切だ。
「とにかく、今は相澤を何とかしないと!久遠先輩、しっかりしてくださいね!」
「わかった。早急に手を打つよ」
美優を見れば、ベンチに座りながらウトウトしていた。可愛い。
屋上は緑化されていて、芝生や花壇等とても綺麗に整備されていた。生徒が自由に使用できるようになっていてテーブルや椅子まで設置されている。さすがお金持ち学校!!
私が通う高校は普通科、特進科、専科の大きく分けて3コースがあり、芸能人や大手会社の役員の子供も多く通う。在学生やOBからの支援や寄付金も多くあるからか校舎がとても綺麗。
ちなみに私と由妃ちゃんは普通科で、大ちゃんは特進科。由妃ちゃんは芸能人など一芸に秀でているクラスの専科にも入れたはずなのに、私と同じ普通科を選択してくれたんだよね。由妃ちゃんの足を引っ張りたくないんだけど、人見知りな私にとって正直とても有り難かった。
チラリと後ろを向けば、由妃ちゃんと大ちゃんが何やら話し込んでいる。二人とも難しい顔して何話してるんだろう…?
「ま、いっか…。邪魔しちゃ悪いしね」
多分私とは関係無い話よね。
私はベンチに座り、心地好い日差しと風にまったり日向ぼっこを決め込む。
ーーーーーーーーーーー・・・
《由妃side》
「久遠先輩!どういう事ですか?ガード壊滅的なんですけど?!」
「すまない…。まさか入学初日に初対面の奴から告白とか…思ってもみなかった」
「告白だけじゃなく、3日目にして彼氏の座に王手をかけてるんですよ?!」
「はぁ…。美優の押しの弱さにつけ込まれたな」
深いため息をつく久遠先輩は、普通の女の子から見たら‘物憂げで素敵’って言いそうだけど、私からしたら‘何で美優のせいにしてんの?’って感じ。
「ため息をつきたいのはこっちですよ!久遠先輩が男子のガード、私が女子のガード、伊織君が監視役、そういう約束ですよね?!ぜんっっぜん駄目じゃないですか!」
これは小学生の頃から私と久遠先輩、伊織君の3人で約束した掟だ。
美優はめちゃくちゃ可愛い。素直で、穏やかで、がんばり屋さんだけど結果はイマイチ伴わなくて、だけど前向きで、いつもニコニコ笑ってる。そんな庇護欲を掻き立てる感じの愛らしさがある。
もちろん外見も可愛い。今はノーメイクだから可愛らしい雰囲気だけど、あれは絶対メイク映えするタイプ。小柄で華奢なのに最近胸が大きくなって…うん、控えめに言ってエロい。
そんな美優には昔から‘変態に好かれる’という特技がある。(本人は全然気付いてないけど)
最初は小学生低学年の頃だった。近所の大学生A君が美優をストーキングしていた。ご近所さん故に美優の警戒心ゼロで、ある日A君に誘われて部屋に連れ込まれた事がある。私達3人が突入して事なきを得たけど…。(美優は部屋でお菓子を嬉しそうに食べてて、皆も来たのー?って笑顔で言われた。)
その次は美優が中学2年生の頃、家政婦として来ていた20代前半のお姉さんB子だ。久遠先輩と美優の祖父は全国展開している美容クリニックを経営しており、所謂一族経営だ。
美優の両親は遅くまで家を不在にしていた為お手伝いさんを雇っていた。高齢の家政婦さんが辞めた後に来たのがB子だった。
美形の伊織君に手を出すのではなく、美優をターゲットにした時はびっくりしたものだ。
美優から「時々B子さんと一緒にお風呂に入ったり、添い寝もしてくれるんだよ!優しいよね」って言われた時は眩暈がした。伊織君が中心となってB子に嫌がらせをして、直ぐに辞めさせたけど。
そんな感じで最初は年上の変態に好かれ、美優が成長するにつれて同級生にも魅力がわかるようになったのか、中学の時は美優を守るのが大変だった。私達のガードにより美優に告白をするのが困難で、私に告白して美優に近づこうとする馬鹿も居て本当にウンザリする。
でも、中学までは上手くガードできていたのに…。不甲斐ないっ!
「昨日、伊織からも怒りの電話があったよ。あいつめちゃくちゃ怖いんだよな。2コ年下とは思えない」
「伊織君が怒るのも当たり前です。あぁー、中学の時は上手くいってたのにっ!!」
「とりあえず現状の把握だけど、今はどんな状態?」
チラリと美優を見れば、ベンチに座って目を閉じていた。日向ぼっこしてるの可愛い。癒される。
「今朝…痴漢行為の末、無理矢理‘彼氏(仮)’という座を手に入れたって感じです」
「はぁー。やっぱり迎えに行けばよかった。痴漢行為ってマジでなんなんだよアイツ」
「本当に最低でヤバい奴なんですよ!あんな奴と一緒に居たら美優が汚されちゃう。それに相澤が美優にちょっかい出すから、クラスで美優の可愛さが徐々に気付かれてて…今日は餌付けが始まりました」
「早いな…。美優お菓子すぐ受け取っちゃうからな」
今までのデータによると、みんな餌付け(お菓子を美優にあげる事)からスタートし、気持ちと行動がエスカレートしていく傾向にある。そういう危険因子に目を配る事も大切だ。
「とにかく、今は相澤を何とかしないと!久遠先輩、しっかりしてくださいね!」
「わかった。早急に手を打つよ」
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