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本編
レモンキャンディー
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「美優、放課後じっくり話を聞かせてもらうからねっ!」
「ハ…ハイ。ワカリマシタ」
あぅ、事情聴取決定です。
由妃ちゃんはガクリと項垂れる私の後ろをキッと睨む。
「相澤!美優から離れて」
「はぁ?なんで伊村に指図されなきゃなんないの?」
「美優はあたしのだからよ!」
「俺のなんだけど」
「え~なにそれ、面白い。じゃあ俺も立候補~」
「「お前は黙ってろっ!!」」
上野君の冗談に、相澤君と由妃ちゃんのツッコミが見事にハモった。相澤君と由妃ちゃんって意外と気が合うんじゃない?
美男美女でスタイル抜群、私なんかよりよっぽどお似合い。そんな事を思いながらジーッと二人を見つめていると、
「美優の考えが手に取るようにわかるわ。ぜっったい、相澤なんか私は好きにならないからね」
「ハァ?俺だって美優だけだからな!」
……なんでわかったんだろう。
うん、やっぱり二人とも仲良しだね。
ウンウンと頷いていると、
「「違うからな(ね)!!」」とまたシンクロしてた。
ーーーーーーーーーーー・・・
「甘音さん、これあげるっ」
「わぁ、ありがとう!」
私は今日3個目の飴を貰っていた。
今日はクラスの男子や女子からやたら飴を貰う。しかも全部レモン味。なんで?流行ってるの??
「ねぇ、ソレってもしかして昨日の私の発言のせいかな?」
考えたくないけど…と飴を見つめながら由妃ちゃんが呟く。
「ん?何が??」
「レモン味…。ファーストキスの…」
「えぇ!?あっ、え?!そういう事?!」
そういえばみんな渡す時に‘頑張ってね’とか言ってた気がする。新学期開始からドタバタに巻き込まれてて疲れてるから、その労いかと思ってた。ほら、レモン=クエン酸=疲労回復的な??わぁぁ、恥ずかしいぃ~!!笑顔でありがとうって受け取ってたよ~!!
「チッ、美優の魅力にも周りが気付き始めたわね…。早急に手を打たないと……」
羞恥心に顔を覆っている時、由妃ちゃんが何かブツブツ言ってたけど、私はよく聞こえなかった。
ーーーーーーーーーーー・・・
昼休み、廊下からキャアキャア黄色い悲鳴が聞こえると思えば、大ちゃんが教室へやって来た。
「美優っ!ごめん、ちょっと話いい?」
「大ちゃん。どうしたの?」
教室の後方のドアから顔を出す大ちゃんに向かって歩き出そうとした所、グイッと手を引かれる。
「美優。彼氏を置いて他の男の所に行くの?」
ムスッとした表情で私の手を掴んでいるのは相澤君だ。
「他の男って…大ちゃんは従兄だから」
人を浮気者みたいに言わないで欲しい。
「美優、私も久遠先輩に話があるの。一緒について行っていい?相澤も、これで美優が男と二人きりじゃないからいいでしょ?」
由妃ちゃんの言葉に相澤君は渋々と言った感じで手を離してくれる。
「美優、直ぐに戻ってきて」と上目遣いで言う相澤君の頭には垂れ下がった耳が見えた気がした。
由妃ちゃんと一緒に大ちゃんの元に向かうと、大ちゃんは一瞬困った顔をしたが、由妃ちゃんの「久遠先輩、職務怠慢ですよ!」と意味不明な言葉にため息を一つ吐き「ここじゃ騒がしいから、お昼持って屋上へ行こう」と言った。
大ちゃんと由妃ちゃんはなんだか深刻な顔をしていたけれど、私はというと‘屋上で友達とランチ’というパワーワードに心踊らせていた。だって青春って感じがするんだもん。
「ハ…ハイ。ワカリマシタ」
あぅ、事情聴取決定です。
由妃ちゃんはガクリと項垂れる私の後ろをキッと睨む。
「相澤!美優から離れて」
「はぁ?なんで伊村に指図されなきゃなんないの?」
「美優はあたしのだからよ!」
「俺のなんだけど」
「え~なにそれ、面白い。じゃあ俺も立候補~」
「「お前は黙ってろっ!!」」
上野君の冗談に、相澤君と由妃ちゃんのツッコミが見事にハモった。相澤君と由妃ちゃんって意外と気が合うんじゃない?
美男美女でスタイル抜群、私なんかよりよっぽどお似合い。そんな事を思いながらジーッと二人を見つめていると、
「美優の考えが手に取るようにわかるわ。ぜっったい、相澤なんか私は好きにならないからね」
「ハァ?俺だって美優だけだからな!」
……なんでわかったんだろう。
うん、やっぱり二人とも仲良しだね。
ウンウンと頷いていると、
「「違うからな(ね)!!」」とまたシンクロしてた。
ーーーーーーーーーーー・・・
「甘音さん、これあげるっ」
「わぁ、ありがとう!」
私は今日3個目の飴を貰っていた。
今日はクラスの男子や女子からやたら飴を貰う。しかも全部レモン味。なんで?流行ってるの??
「ねぇ、ソレってもしかして昨日の私の発言のせいかな?」
考えたくないけど…と飴を見つめながら由妃ちゃんが呟く。
「ん?何が??」
「レモン味…。ファーストキスの…」
「えぇ!?あっ、え?!そういう事?!」
そういえばみんな渡す時に‘頑張ってね’とか言ってた気がする。新学期開始からドタバタに巻き込まれてて疲れてるから、その労いかと思ってた。ほら、レモン=クエン酸=疲労回復的な??わぁぁ、恥ずかしいぃ~!!笑顔でありがとうって受け取ってたよ~!!
「チッ、美優の魅力にも周りが気付き始めたわね…。早急に手を打たないと……」
羞恥心に顔を覆っている時、由妃ちゃんが何かブツブツ言ってたけど、私はよく聞こえなかった。
ーーーーーーーーーーー・・・
昼休み、廊下からキャアキャア黄色い悲鳴が聞こえると思えば、大ちゃんが教室へやって来た。
「美優っ!ごめん、ちょっと話いい?」
「大ちゃん。どうしたの?」
教室の後方のドアから顔を出す大ちゃんに向かって歩き出そうとした所、グイッと手を引かれる。
「美優。彼氏を置いて他の男の所に行くの?」
ムスッとした表情で私の手を掴んでいるのは相澤君だ。
「他の男って…大ちゃんは従兄だから」
人を浮気者みたいに言わないで欲しい。
「美優、私も久遠先輩に話があるの。一緒について行っていい?相澤も、これで美優が男と二人きりじゃないからいいでしょ?」
由妃ちゃんの言葉に相澤君は渋々と言った感じで手を離してくれる。
「美優、直ぐに戻ってきて」と上目遣いで言う相澤君の頭には垂れ下がった耳が見えた気がした。
由妃ちゃんと一緒に大ちゃんの元に向かうと、大ちゃんは一瞬困った顔をしたが、由妃ちゃんの「久遠先輩、職務怠慢ですよ!」と意味不明な言葉にため息を一つ吐き「ここじゃ騒がしいから、お昼持って屋上へ行こう」と言った。
大ちゃんと由妃ちゃんはなんだか深刻な顔をしていたけれど、私はというと‘屋上で友達とランチ’というパワーワードに心踊らせていた。だって青春って感じがするんだもん。
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