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本編
高校入学初日
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「甘音美優さん、好きです!」
高校入学初日、隣の席の男子が突然立ち上がり頭をガバッと勢い良くさげた。
「俺の誕生日1月15日で苺の日なんだ。
美優は1月22日のショートケーキの日だろ?
これって運命だよね?だからお願い付き合ってください」
そう言って差し出された手は少し震えていた。
「えーっと…。」
何これ?ドッキリ?
突然の出来事に何と答えていいか解らず固まっていると、担任の先生が「相澤~、今ホームルーム中!青春するのは構わないが後にしてくれ!ほら、みんな静かに!」とその場を収めてくれ、教室はワッと笑いに包まれた。
なんだ…やっぱりからかわれただけか。
びっくりした~。
男子のノリってよくわからない。
でも、何故か隣からすごく視線を感じる…。
なんなの一体?
「美優、気にしなくていいよ。ほっときな。」
どうしていいか解らずに固まっていると、後ろの席の由妃ちゃんが声をかけてくれる。
伊村由妃ちゃんは小学校からの親友で、高校でも同じクラスになれて嬉しい。
「うん、ありがとう。由妃ちゃん。」
コソッと返事をすれば、
「うわ、生声可愛いっ」
と隣から聞こえた気がしたけど、私は視線を向ける事無くじっと黒板を見つめた。
「よし、じゃあ一人ずつ自己紹介な~。相澤から順番によろしく。」
先生からの指示に隣の席の男子が立ち上がる。
「相澤蓮です。俺、美優にしか興味ないんで。」
そう言ってストンと座ってしまう。
え?!何?なんで?
私は訳が解らなくて相澤君の顔を見ることは出来なかった。
ドキドキと鼓動が速くなり、他の人の挨拶が耳に入らない。
そうこうしていると、自己紹介が自分の番になり慌てて立ち上がる。
「あっ!えっと……」
話し始めようとしたら
「ちょっと待って!」
と相澤君からストップが入り、チラリと見ればガサゴソとポケットを漁っていた。
な…何なの?
「美優、ごめんね。いいよ。」
何が『いい』んだろう?
にこりと笑う相澤君から視線をそらし、私は簡単に自己紹介を終えて着席する。
あぁぁ、クラスメイトの視線が痛い。
目立たず平穏に過ごしたいのに…。
ガクッと項垂れる私に、自己紹介を終えた由妃ちゃんが「大丈夫?」と心配してくれる。
もう由妃ちゃんだけが心の支えです…。
高校入学初日、隣の席の男子が突然立ち上がり頭をガバッと勢い良くさげた。
「俺の誕生日1月15日で苺の日なんだ。
美優は1月22日のショートケーキの日だろ?
これって運命だよね?だからお願い付き合ってください」
そう言って差し出された手は少し震えていた。
「えーっと…。」
何これ?ドッキリ?
突然の出来事に何と答えていいか解らず固まっていると、担任の先生が「相澤~、今ホームルーム中!青春するのは構わないが後にしてくれ!ほら、みんな静かに!」とその場を収めてくれ、教室はワッと笑いに包まれた。
なんだ…やっぱりからかわれただけか。
びっくりした~。
男子のノリってよくわからない。
でも、何故か隣からすごく視線を感じる…。
なんなの一体?
「美優、気にしなくていいよ。ほっときな。」
どうしていいか解らずに固まっていると、後ろの席の由妃ちゃんが声をかけてくれる。
伊村由妃ちゃんは小学校からの親友で、高校でも同じクラスになれて嬉しい。
「うん、ありがとう。由妃ちゃん。」
コソッと返事をすれば、
「うわ、生声可愛いっ」
と隣から聞こえた気がしたけど、私は視線を向ける事無くじっと黒板を見つめた。
「よし、じゃあ一人ずつ自己紹介な~。相澤から順番によろしく。」
先生からの指示に隣の席の男子が立ち上がる。
「相澤蓮です。俺、美優にしか興味ないんで。」
そう言ってストンと座ってしまう。
え?!何?なんで?
私は訳が解らなくて相澤君の顔を見ることは出来なかった。
ドキドキと鼓動が速くなり、他の人の挨拶が耳に入らない。
そうこうしていると、自己紹介が自分の番になり慌てて立ち上がる。
「あっ!えっと……」
話し始めようとしたら
「ちょっと待って!」
と相澤君からストップが入り、チラリと見ればガサゴソとポケットを漁っていた。
な…何なの?
「美優、ごめんね。いいよ。」
何が『いい』んだろう?
にこりと笑う相澤君から視線をそらし、私は簡単に自己紹介を終えて着席する。
あぁぁ、クラスメイトの視線が痛い。
目立たず平穏に過ごしたいのに…。
ガクッと項垂れる私に、自己紹介を終えた由妃ちゃんが「大丈夫?」と心配してくれる。
もう由妃ちゃんだけが心の支えです…。
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