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~■■■による報告書~

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マーディル暦2024年、07、23



             研究報告書  第二一五





 1 現在報告されている事実


下記の通りである。

  ・【天使】は既に世界には存在しない。

  ・【天使の呪い】は旧国家が所持していた。

  ・大戦時、旧国家による強襲事件で、【天使の呪い】が使用された形跡がある。

  ・事件の遭った村では生存者も間もなく怪死をしたという目撃証言が残されている。



 2 今回新たに発見された事項


   旧国家の拠点跡地、地下隠し部屋にて【天使の呪い】を発見。
   これを人間に投与、人工的に【天使】を作製する研究を開始予定。
   人工的に【天使】が作製出来れば今後の研究が大きく進展するとされる。
   尚、人工作製による【天使】を【養製天使】と呼称する。
 






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マーディル暦2024年、12、24



            研究報告書  第三〇二





 1 現在解明されている【天使】の特徴、能力

  ・【天使】とは人間の姿に翼、嘴、趾等が生えた種であり、その者を差す。
    その他、外見的に差別化出来る特徴は今のところ見受けられない。
 
  ・【天使】の中には稀に特殊な能力(身体能力の異常・怪奇的現象の実行)を
    持つ者がいる。

 

 2 研究により解明された【天使】の特徴、能力

  ・【天使】は一様に信仰心が異常に厚く、崇拝する神には絶対逆らわない。
   【養製天使】もまた同様であり、言葉一つにでさえも表れている。
    
  ・身体能力値が人間よりも異常に高く、刺傷・切断等の致命傷を与えても再生する。

  ・【天使】の外見的特徴よっては鳥類と同等の行動(飛行、囀り等)が可能。
   
  ・中には原因不明の怪奇現象(灯火が大きくなる、突風が起きる、水がうねり出す等)を
   引き起こしたという報告もあるが、関連性は現在調査中。
 


 なお、現在研究対象となっている百二十名の【養製天使】中、六十二名に
謎の幻覚・幻聴・言動・記憶等の障害を発症。
 それらの関連性についても現在調査中である。






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