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第一篇 ~銀弾でも貫かれない父娘の狼~
54話
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ディレイツ事件について
<ディレイツ事件の全貌>
首都より南西に位置するカラメル街道(旧スラム街道)近辺においての放火、爆破、兵器使用による破壊工作。
死傷者の報告は無い。
罪名は『兵器所持法違反』による『兵器所持罪』『器物損壊罪』
<ディレイツの実態について>
複数人に及ぶ武装集団と推測されていたが、実態は元闇ギルドの中核とされたグレイ・バスティン(通名・ジャスミン)という女性一人の存在とされる。
<犯行動機について>
自身の過去への清算だったと推測される。
<アーサガ・トルト氏(通名・漆黒の弾丸)との関連性>
アーサガ・トルト氏との関係は皆無とされる。
尚、ディレイツはトルト氏に襲撃の際、
目撃されたため執拗に狙っていたものと断定。
格たる証拠は無いものの、トルト氏の証言より確定。
<ディレイツの行方について>
事件収束に伴い、消息不明となっており現在追跡調査中。
<備考>
今回の事件においてアーサガ・トルト氏とディレイツは無関係とされる。
二度に渡る基地脱走についても、ディレイツによる脅迫を受け、アーサガ・トルト氏が独断で行ったものとされるため、彼の罪は情状酌量の余地があると思われる。
尚、目撃者の証言の下、犯人との接触を試みたトイラ・ハイリ第11部隊副隊長の独断行動の処分は、半年間の減給及び口頭による厳重注意とする。
今回の事件において、決定・処分等の権限は全て私こと、第11部隊隊長ダムシン・ブムカイが受け持つとする。
アドレーヌ王国平和維持軍クレストリカ地区東方基地第11部隊隊長 ダムシン・ブムカイ
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