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25歳のチビでポッチャリな私は転移した異世界で子供扱いされて困ってます!
⑳
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「そんなに暴れるならこうするよ?」
横抱きにされてしまった。所謂お姫様抱っこだ。
暴れたら危ないし、横抱きにされたら何か掴まるところがなくてちょっと不安定で怖い。
勿論しっかり両手で抑えてくれてるけど不安になる。
憧れのお姫様抱っこもシチュエーション次第だなって初めて知った。
まだ左腕に乗せられて抱かれた方が胸元に掴まれるし安心感がある。
「ごめん……。私が悪かったから最初のでお願いします……」
「最初のって?」
ニヤニヤしている。
「だから、今の状態になる前ってこと!」
「今の状態って?」
くぅ~!!
意地悪だ。私に言わせたいんだな……。
でも言わないとこのままだし……。
お姫様抱っこのまま王様の前まで行くのは恥ずかし過ぎるから、背に腹は代えられない。
「抱っこ……。お姫様抱っこじゃなくていつもの抱っこが良い……。」
悔しい! 満面の笑顔で
「ミクはいつもの抱っこが良いんだね?」
って割りと大きな声で言うから道行くお城の人達に絶対聞かれてる。
お城の中に入るとたくさんの人がいた。
そしてジョナサンが姿を見せるとすぐに集まってきた。
「やぁキルシュタイン辺境伯!」
「ごきげんよう、キルシュタイン辺境伯様」
老若男女問わず集まってジョナサンの人柄の良さを実感する。
集まってきた人達がジョナサンの腕に抱かれている私に気付く。
「まぁそちらはキルシュタイン辺境伯様のご親戚のお子様ですか?」
1人の貴婦人が訊ねる。
「いや、彼女は俺の大切な人だ」
「でもまだ子供ですよね?」
信じられないと言いたげに食らい付く貴婦人は恐らくジョナサンに好意を持っているのだと思う。
「小柄なのは異世界からやってきた人だからだ。彼女は立派に成人しているし、何なら俺より年上だ。王との謁見の時間が迫っているのでこれで失礼する」
再び歩き出すジョナサンに皆道を譲ってくれた。
背後から『あんなに小さいのに大人?』とか『どうみても幼児』とか『正式に辺境伯の伴侶になった訳でもなさそうだし、私も彼女に求婚しようかな』とか聞こえてきた。
悪口はもうこの際気にしないけど(小さいのはもうどうしようもはいからね)最後の『私も彼女に求婚しようかな』って言うのが気味悪く感じてしまった。
謁見の間に着くと扉の前の騎士が中に声をかけた。
『入れ』という声が聞こえると騎士が扉を開けてくれて、ジョナサンは私を左腕に抱えたまま入っていった。
流石にもう降ろしてくれると思ったのだけどそのままで軽く会釈しただけだった。
王様を前にしてそれは失礼過ぎるでしょ!?
顔面蒼白になっている私をよそに王様が声をかけてくれた。
「ジョナサンよ。その抱えている者がお前が見付けた異世界の人か?」
「はい、そうです」
「はははっ!確かに小さくて一見子供にしか見えぬのう」
「ミクは立派な成人女性です」
「分かっておる。ここでは誰もミクとやらに害を為すものはおらぬからいい加減降ろしてやれ」
「しかしミクは私に抱っこされたいと……」
「言ってないから!」
思わず声を荒げて突っ込んでしまった。
ジョナサンが渋々私を床に降ろしてくれたから慌ててピートさんに教わった淑女の礼をした。
「面を上げよ」
王様にそう言われて顔を上げる。
「そなたの名は何と申すのか?」
「ミク=タチバナと申します」
「本当に成人しとるのか?」
「お恥ずかしながらこう見えて25歳です。」
「25歳とな! ジョナサンが23歳じゃし、丁度良いのう?」
「はい。俺の伴侶に迎えたいと思っています。まだ彼女はこちらの世界に来たばかりなので、気持ちが固まるまでは待つつもりですが、本当は今すぐにでも俺のものにしたいと思っています」
「はははっ!それは一目で分かったぞ。そんなに自分の色を纏わせてずっと抱き抱えておったら、お前がミクをそういう対象に思っていることは誰の目にも明らかなことだ」
横抱きにされてしまった。所謂お姫様抱っこだ。
暴れたら危ないし、横抱きにされたら何か掴まるところがなくてちょっと不安定で怖い。
勿論しっかり両手で抑えてくれてるけど不安になる。
憧れのお姫様抱っこもシチュエーション次第だなって初めて知った。
まだ左腕に乗せられて抱かれた方が胸元に掴まれるし安心感がある。
「ごめん……。私が悪かったから最初のでお願いします……」
「最初のって?」
ニヤニヤしている。
「だから、今の状態になる前ってこと!」
「今の状態って?」
くぅ~!!
意地悪だ。私に言わせたいんだな……。
でも言わないとこのままだし……。
お姫様抱っこのまま王様の前まで行くのは恥ずかし過ぎるから、背に腹は代えられない。
「抱っこ……。お姫様抱っこじゃなくていつもの抱っこが良い……。」
悔しい! 満面の笑顔で
「ミクはいつもの抱っこが良いんだね?」
って割りと大きな声で言うから道行くお城の人達に絶対聞かれてる。
お城の中に入るとたくさんの人がいた。
そしてジョナサンが姿を見せるとすぐに集まってきた。
「やぁキルシュタイン辺境伯!」
「ごきげんよう、キルシュタイン辺境伯様」
老若男女問わず集まってジョナサンの人柄の良さを実感する。
集まってきた人達がジョナサンの腕に抱かれている私に気付く。
「まぁそちらはキルシュタイン辺境伯様のご親戚のお子様ですか?」
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「いや、彼女は俺の大切な人だ」
「でもまだ子供ですよね?」
信じられないと言いたげに食らい付く貴婦人は恐らくジョナサンに好意を持っているのだと思う。
「小柄なのは異世界からやってきた人だからだ。彼女は立派に成人しているし、何なら俺より年上だ。王との謁見の時間が迫っているのでこれで失礼する」
再び歩き出すジョナサンに皆道を譲ってくれた。
背後から『あんなに小さいのに大人?』とか『どうみても幼児』とか『正式に辺境伯の伴侶になった訳でもなさそうだし、私も彼女に求婚しようかな』とか聞こえてきた。
悪口はもうこの際気にしないけど(小さいのはもうどうしようもはいからね)最後の『私も彼女に求婚しようかな』って言うのが気味悪く感じてしまった。
謁見の間に着くと扉の前の騎士が中に声をかけた。
『入れ』という声が聞こえると騎士が扉を開けてくれて、ジョナサンは私を左腕に抱えたまま入っていった。
流石にもう降ろしてくれると思ったのだけどそのままで軽く会釈しただけだった。
王様を前にしてそれは失礼過ぎるでしょ!?
顔面蒼白になっている私をよそに王様が声をかけてくれた。
「ジョナサンよ。その抱えている者がお前が見付けた異世界の人か?」
「はい、そうです」
「はははっ!確かに小さくて一見子供にしか見えぬのう」
「ミクは立派な成人女性です」
「分かっておる。ここでは誰もミクとやらに害を為すものはおらぬからいい加減降ろしてやれ」
「しかしミクは私に抱っこされたいと……」
「言ってないから!」
思わず声を荒げて突っ込んでしまった。
ジョナサンが渋々私を床に降ろしてくれたから慌ててピートさんに教わった淑女の礼をした。
「面を上げよ」
王様にそう言われて顔を上げる。
「そなたの名は何と申すのか?」
「ミク=タチバナと申します」
「本当に成人しとるのか?」
「お恥ずかしながらこう見えて25歳です。」
「25歳とな! ジョナサンが23歳じゃし、丁度良いのう?」
「はい。俺の伴侶に迎えたいと思っています。まだ彼女はこちらの世界に来たばかりなので、気持ちが固まるまでは待つつもりですが、本当は今すぐにでも俺のものにしたいと思っています」
「はははっ!それは一目で分かったぞ。そんなに自分の色を纏わせてずっと抱き抱えておったら、お前がミクをそういう対象に思っていることは誰の目にも明らかなことだ」
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