上 下
17 / 38
25歳のチビでポッチャリな私は転移した異世界で子供扱いされて困ってます!

しおりを挟む
「ミクに誤解を与えていたのなら申し訳なかった。確かに小さいのは庇護欲が掻き立てられる。でも、俺がミクに一目惚れしたのは小さいからだけじゃないんだ。外見じゃなくて、何て説明したらしっくりくるのか分からないけど、俺は一目ミクを見た時に運命を感じたんだ。正直、今までかなりの女性に言い寄られて来たけど、心が動かされた人はいないんだ。ミクと一緒になるべきだって本能が告げていると言うか……この人だ! って直感したんだ。それに例えミクがこの世界の女性の様に大きかったとしても、間違いなく俺はミクに惹かれる。それだけ魂がミクを欲しがってるんだよ。ミクも俺と同じ気持ちだったらどれ程幸福か……。ミクはまだこちらの世界に馴染むのに精一杯だと思うから、今すぐにでも求婚したいけど、ミクの気持ちが落ち着くまで待とうと思う。でも他の誰かに盗られるかもと思えば思う程不安になるんだ。こんなに弱気になったことは初めてで、自分自身どうしたらいいか分からないんだ」



「そっか。ジョナサンがどれ程真剣なのか分かった。疑うようなこと言ってごめん。私もまだちゃんとは分かんないけど、ジョナサンがいなかったらあの森で死んでたかもしれないし、元の世界でも男の人とお付き合いしたことがないから、正直怖いと思ったりして……。あ、でもジョナサンとピートさんは優しいから大丈夫だけど、お城にはもっとたくさんの人がいると思ったら、大きい人達に囲まれるのも不安で……。だから、もし他の人に求婚されるような事があっても受け入れることはないから、それだけは安心して欲しい。きっと私はジョナサンが良いと思うから……」



「それは! 俺を受け入れるという事か!?」



抱き上げられたまま顔を覗きこまれる。

きっと真っ赤だと思うし見ないで欲しい。



「それはもう少し待って欲しいというか……。私の覚悟の問題だから、ジョナサンには不安にならないで欲しいけどもう少しだけ待って? お願い――」



「勿論! ミクが手に入るならいくらでも待つさ!」



これでセクハラがしばらく落ち着いたらいいけど……。

ジョナサンは嬉しそうに私を抱えたままクルクルと回りだした。

いつの間にそこにいたのかドアの前で微笑ましげに佇むネネさんを見付けて恥ずかしくなる。

そうだ。

私が呼んだんだった。

「旦那様、お名残惜しいとは思いますがミク様の朝の身支度がございますから降ろしていただけますか?」



もう一度ギュッと抱き締めてから私を降ろして、ジョナサンも自分の身支度の為に自分の部屋に戻った。



「ミク様よかったですね」



ネネさんの視線が生温い……。



「さ、今日は国王様との謁見もございますし気合いをいれてお支度させていただきますね!」

しおりを挟む
感想 13

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

私が美女??美醜逆転世界に転移した私

恋愛
私の名前は如月美夕。 27才入浴剤のメーカーの商品開発室に勤める会社員。 私は都内で独り暮らし。 風邪を拗らせ自宅で寝ていたら異世界転移したらしい。 転移した世界は美醜逆転?? こんな地味な丸顔が絶世の美女。 私の好みど真ん中のイケメンが、醜男らしい。 このお話は転生した女性が優秀な宰相補佐官(醜男/イケメン)に囲い込まれるお話です。 ※ゆるゆるな設定です ※ご都合主義 ※感想欄はほとんど公開してます。

軽い気持ちで超絶美少年(ヤンデレ)に告白したら

夕立悠理
恋愛
容姿平凡、頭脳平凡、なリノアにはひとつだけ、普通とちがうところがある。  それは極度の面食いということ。  そんなリノアは冷徹と名高い公爵子息(イケメン)に嫁ぐことに。 「初夜放置? ぜーんぜん、問題ないわ! だって旦那さまってば顔がいいもの!!!」  朝食をたまに一緒にとるだけで、満足だ。寝室別でも、他の女の香水の香りがしてもぜーんぜん平気。……なーんて、思っていたら、旦那さまの様子がおかしい? 「他の誰でもない君が! 僕がいいっていったんだ。……そうでしょ?」  あれ、旦那さまってば、どうして手錠をお持ちなのでしょうか?  それをわたしにつける??  じょ、冗談ですよね──!?!?

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて

アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。 二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない

月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。 人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。 2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事) 。 誰も俺に気付いてはくれない。そう。 2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。 もう、全部どうでもよく感じた。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

処理中です...