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25歳のチビでポッチャリな私は転移した異世界で子供扱いされて困ってます!
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――確か、昨日は居酒屋の売上が目標値を上回ったから、従業員に祝い酒が振る舞われて……。
私は原チャリで通ってるからとお酒は断ったんだけど、辛い料理を食べてうっかりそばにあった誰かのグラスの中身を一気に飲み干しちゃって……。
水に見えたあれがアルコール度数の高いお酒で、すっかり回っちゃって……、仕方ないからと居酒屋の個室に泊めて貰えることになったんだよね――。
それで個室に寝ていた筈なのに、気付けば森……。
私ってば、もしかしてまだ酔ってて幻覚でも見てるの?
それとも夢かな?
現実逃避してみても、肌に触れる土の感触だとか、そよいでいる風の感じだとかがリアル過ぎて、すぐに現実に引き戻される。
立ち上がったは良いものの……、個室で寝かされていた私に靴はなく、靴下しか履いていない。
これでは長距離歩くことは出来そうもないな。
そんなことを思いながら、とりあえず宛もなく歩き始める。
すると急にガサガサと草が掻き分けられる音が聞こえ、何かがこちらに向かって猛スピードで走ってきていることが分かった。
周りには木が生い茂るばかりで、隠れようにも、避けようにも、どうしたら良いのか分からない――。
大きな音を立てて草影から現れたのは、大きな猪の様な生き物。
猪の様なと思ったのは、私の知ってる猪とは色も大きさも全然違うから――。
形こそ猪だけど銀色に近い灰色の毛皮をした、闘牛レベルの大きさの生き物だった。
『ヤバい……』
大きな猪と目が合ってしまった――。
これは、避けても私に突進してきそう。
『誰か助けて!!』
頭を抱えて蹲り、あわよくば猪が飛び越えてくれることを祈る――。
『ザシュッ』という音が聞こえたと同時に、『ふぎゃぁっ』と、野太く獣が叫ぶ声が響き渡る。
間髪入れずに、ドサリと音と振動を立てて倒れ、周辺に土埃が舞う。
恐る恐る顔を上げて見れば、猪の首が切り落とされて、辺りは血の海になっていた。
「ひっ……!」
短い悲鳴をあげて後退ろうとするのだけど、突然のことで驚き、腰が抜けていて思うように動けない――。
よく見ると猪の首は、鋭利な刃物で一気に切り落とされた様な状態だった。
田舎でも畑を荒らす害獣として、たまに近所のおっちゃんが猪を仕留めてくれていた。
それをキチンと捌いてから、お裾分けしてくれていたのだけど、仕留めたのは猟銃だったし、こんな血みどろな状態は初めて見た。
腰を抜かして呆然としていると、猪がやって来た方向から何者かが近付いてくる音がする。
『今度は何?』
私は原チャリで通ってるからとお酒は断ったんだけど、辛い料理を食べてうっかりそばにあった誰かのグラスの中身を一気に飲み干しちゃって……。
水に見えたあれがアルコール度数の高いお酒で、すっかり回っちゃって……、仕方ないからと居酒屋の個室に泊めて貰えることになったんだよね――。
それで個室に寝ていた筈なのに、気付けば森……。
私ってば、もしかしてまだ酔ってて幻覚でも見てるの?
それとも夢かな?
現実逃避してみても、肌に触れる土の感触だとか、そよいでいる風の感じだとかがリアル過ぎて、すぐに現実に引き戻される。
立ち上がったは良いものの……、個室で寝かされていた私に靴はなく、靴下しか履いていない。
これでは長距離歩くことは出来そうもないな。
そんなことを思いながら、とりあえず宛もなく歩き始める。
すると急にガサガサと草が掻き分けられる音が聞こえ、何かがこちらに向かって猛スピードで走ってきていることが分かった。
周りには木が生い茂るばかりで、隠れようにも、避けようにも、どうしたら良いのか分からない――。
大きな音を立てて草影から現れたのは、大きな猪の様な生き物。
猪の様なと思ったのは、私の知ってる猪とは色も大きさも全然違うから――。
形こそ猪だけど銀色に近い灰色の毛皮をした、闘牛レベルの大きさの生き物だった。
『ヤバい……』
大きな猪と目が合ってしまった――。
これは、避けても私に突進してきそう。
『誰か助けて!!』
頭を抱えて蹲り、あわよくば猪が飛び越えてくれることを祈る――。
『ザシュッ』という音が聞こえたと同時に、『ふぎゃぁっ』と、野太く獣が叫ぶ声が響き渡る。
間髪入れずに、ドサリと音と振動を立てて倒れ、周辺に土埃が舞う。
恐る恐る顔を上げて見れば、猪の首が切り落とされて、辺りは血の海になっていた。
「ひっ……!」
短い悲鳴をあげて後退ろうとするのだけど、突然のことで驚き、腰が抜けていて思うように動けない――。
よく見ると猪の首は、鋭利な刃物で一気に切り落とされた様な状態だった。
田舎でも畑を荒らす害獣として、たまに近所のおっちゃんが猪を仕留めてくれていた。
それをキチンと捌いてから、お裾分けしてくれていたのだけど、仕留めたのは猟銃だったし、こんな血みどろな状態は初めて見た。
腰を抜かして呆然としていると、猪がやって来た方向から何者かが近付いてくる音がする。
『今度は何?』
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