聖女はそっちなんだから俺に構うな!

ネオン

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第三章 魔王城

一.ロッジ(前)※

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「あああんんっ……き、キツイ……ううぅ……」

 手荒く魔法で後ろを浄化されて、解すのもそこそこに王子の昂りきったモノを受けいれて、痛みこそ魔法で感じにくくされているけど、何も受け入れたことのないソコは異物感しかない。俺の中に王子のちんこが挿入っているんだ。ズッポリと根元まで、俺のモノよりも凶悪で立派なモノが……。

「あっ……んぅっ……、レ、レオ……やぁ……やめ……」

 王子は俺の静止の声など聞こえていないように、一心不乱に俺の体を貪り続ける――。

 パンパンと容赦なく腰を打ち付ける音が部屋に響く――。

「ふぁっ……んぅうっ……はぁんっ……あああっんぅ……」

 俺が逃げることのないように、抵抗出来ないように、魔法で腕を拘束されている。手首を縛り上げられた状態で、頭の上でベッドヘッドに固定された。自由になるはずの足でさえも大きく割り開かれ、王子の膝で抑え込まれていて、とても抜け出すことは出来そうにない。熱の籠った瞳で見詰めながらも、正常位の形で荒々しく俺の中を穿つ。
 苦しいけど、俺は拘束なんかされなくても逃げたりしないのに――。

「やあああっん……、イ……イッ……イクぅっ……」

 もう何度目になるか分からない絶頂を迎えて、色の薄い白濁が少量吐き出される。俺の中を穿ちながら、俺自身も熱心に扱きあげて、無理に快感を与えられイカされる。

「も、もうっ……出ないからっ……ちんこ、さわらないでっ……!」

 俺がいくら声を上げようとも、今の王子には俺の声は届いていない。

 普段から欲の薄い俺は、自慰ですら回数が少ない。一度にこんなに吐き出したことなんて無くて、何度も達して扱かれ過ぎて敏感になったソコは、少しの刺激でも強い快感に体が跳ねてしまう。もうイキ過ぎて辛くて、俺のちんこから手を離して欲しいのに、王子には俺の懇願は伝わらない――。

 部屋には、俺自身から放たれる卑猥な水音がグチュグチュと響き、パンパンと腰を打ち付ける行為の音と、俺のみっともなく恥ずかしい声だけが響き渡っている。

 いつだって王子は、俺の言葉に耳を傾けてくれたし、嬉しそうにすぐ返事を返してくれていたというのに……。目の前にいるはずなのに、まるで遠くにいるみたい――。

 一方的な行為で、少し寂しい気持ちになるけど、俺はただ受け止めるしかない。

 こんなに泣きそうな顔で、必死に俺の体を求めている王子を見るのは初めてだ。彼が安心して満足出来るまで、好きにしてくれて構わない。俺はここに居るよ。生きて王子の側にいる。王子がこれで安心出来るなら俺は受け止める。

 ――だから拘束だけは解いて欲しくて、どうにか話し掛けるんだけど、王子の耳には届かない。

 腕さえ自由になれば、王子のことを抱き締められるのに――。

 俺たちが付き合う様になって、キスはより深く激しいものになったし、ハグや軽い触れ合いも増えた。でも直接的な行為は、俺の覚悟が固まるまで待ってくれていたのに――。まさかこんな形で初めての行為を迎えることになるなんて、俺は勿論だけど王子も思っていなかったんじゃないかな。

 もう直ぐで魔王城が見えてくるという時に、四天王の一人であるオークの将軍が大軍を引き連れて現れた。瘴気の発生源も近いところを見ると、俺たちが浄化のために立ち寄るのを待ち構えていたのだろう。突然現れた百はくだらないオークの群れに驚いて対応が一歩遅れてしまった。

 みんなはいつものように戦闘を開始したんだけど、俺はうっかりオークに掴まってしまったんだ。

 オークは、男も女も関係なく性的な意味で襲うという。掴まってしまえばただでは済まない……。四天王について王子に教えてもらった時に聞いて分かっていたはずなのに、今までとは違う二足歩行の魔物に怯んでしまったんだ。

「やめろっ! 離せっ!」

 握りしめていた短剣で俺を捕らえているオークに切り掛かるけれど、皮膚が硬くて思うように反撃することが出来ない。ポピーに雷を纏わせてもらっている短剣も、ゴムの様に硬い皮膚にはあまり効果がないようで、手も足も出ない。

「ショウゴ殿っ‼ 今助けに参ります!」

 王子が俺に気付いてそう叫ぶけど、百体もいるオークに囲まれているんだ。俺に構っている余裕なんてない。田辺さんの結界もいつまで保つか分からない状況で、俺よりも聖女田辺さんを優先しなきゃいけないのは一目瞭然だ。

「レオッ! 俺は大丈夫だから、お前は田辺さんを頼む!」

 王子は田辺さんの方に視線を向けると、状況を理解したらしく辛そうな顔をする。それでも俺の方に来ようとするから、声を張り上げる。

「田辺さんが居なきゃ魔王討伐も瘴気の浄化も出来ないんだ。何が最優先か分かるよな? 俺は大丈夫だから……。田辺さんを頼む……」

 田辺さんは結界に護られながらも、気丈に瘴気を浄化しようと祈り続けている。瘴気の発生源にしては通常より魔獣の数が少ないと思っていたんだ。俺たちが魔獣の討伐に手を取られている隙にオークたちは奇襲を掛けてきたんだ。浄化のために祈っていた田辺さんは驚いて、一度祈りを中断してしまった。今度こそ浄化に集中させてあげたい。瘴気が辺りに充満しているだけでも、空気は重く息苦しくて、俺たち人間は体力も気力も奪われていくのだ。こんなに瘴気が溢れている中での戦闘は長引けば長引くだけ、人間には不利な戦いになる。

 エリックは田辺さんの側に寄り添いながら、オークの群れに魔法で強化した弓を射って矢の雨を降らせている。ディランはひたすら、後ろにオークが流れないように前衛で食い止めてくれている。

「きたがわっ!」

 田辺さんが悲痛な表情で俺を見て叫んだから、慌てて制する。

聖女様・・・! 俺は大丈夫だからあなたは祈りに集中して!」

 いつもなら田辺さんって呼ぶけれど、俺はあえて聖女様と強調して呼び掛けた。浄化は田辺さんにしか出来ないことなのだ。

 オークに魔術と剣で対応している王子は、それだけでも手一杯だと思う――。でもこの中で唯一結界を張って田辺さんを護ることが出来るのも王子だけなんだ。

「レオ、聖女様・・・を任せたぞ」

 俺はそう言うと、オークを数体巻き込んでグラッドの蟻地獄で地面に吸い込まれて行った。

「ショウゴ殿~っ‼」

「きたがわ~っ‼」

「「ショウゴ~っ‼ 」」

 俺を呼んで叫ぶ声が聞こえたけど、蟻地獄に飲み込まれている俺にはそれ以上は聞き取ることは出来なかった。俺だって魔王討伐の一員なんだ。何を優先すべきか痛いほど理解している。
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