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第40話 不穏な報告
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「報告いたします」
深紅のビロード生地で作られたカーテンが巨大な窓を格調高く飾る室内。
そこに一人の執事姿の初老の男性が机の前に直立不動で立っていた。
ハイン城国王専用執務室。
ひと際豪華な装飾が施された巨大な格式高い机。
机の上には極秘と書かれた封筒が未開封の状態で置かれている。
A4用紙が入る大きさの封筒に女王は椅子に座り、右ひじを机に付けて顎を手で押さえながら開封せずにめんどくさそうな視線を向けている。
机の下ではすらりとした足を組んで足首をグルグル回し、やや脱ぎ掛けのヒールをぶらぶらとさせている。
「今季分の人員はもうすぐ半年を迎えます。そろそろ各地から選別の儀が行われますな、女王陛下」
「やれやれ、今回は我らが下位ランクの処理担当か・・・・。ローテーションとはいえ面倒なものだな・・・・」
「仕方ありませぬ女王陛下。前回はネバーワールド連合王国の連中が“処理”を担当していたのですから。ローテなので我らが特段厄介ごとを押し付けられているわけではございませぬ、ご辛抱を」
「ネバーワールドが前回の始末かかりだったとは、あそこほどのグループでも平等にこの役を仰せつかるから仕方はないか・・・・。まあこの役も悪くはない。仕事が終われば私の出世も約束されておるからのう」
「それと気になる報告がございます」
「申してみよ」
「例のスドウという少年、計算通りこの数カ月で相当な実力を身につけております」
「フム、あれは得体の知れん厄介な小僧だが、頭を矯正すれば使い者になるというのが最高会議での一致した意見じゃからのう。それがどうした?」
「ラッパからの報告によると、彼の周波数をひそかに計測し続けた結果がそちらでございます」
執事は机の上の大型の封筒を右手全体を手刀の形にして丁寧に指し示した。
女王はめんどくさそうに机の上の大きな封筒の封を机の上に置かれていた黄金製のペーパーナイフで切り、書類を取り出した。
「今時、紙の媒体を使うとは時代遅れだな」
「むしろ時代錯誤の媒体ほど機密保持には有効でございます。あっちでも連絡にタイプライターを用いておりますから。なにせ電磁波や魔力が発生する物を使うと傍受されやすいですからな」
「まあっ、そうだな」
封筒から手早く書類をとり、流し読みした女王が目を止めた。
眉間に不快感を表すしわが寄る。
「脳波周波数を計測の結果、自我の維持値がほぼ変わらず。我らへの忠誠心の値には若干の変動有れども大幅な増加が見当たらず、だと!?」
「どういうことだ、コンスタンチン!」
「報告書の通りでございます。クラウディアにも毎日彼を観察させておりますが、須藤兵衛からは女王陛下に対する絶対的な忠誠心というものが芽生える気配がございません」
「叙勲式で確かに奴に勲章は与えたのだろうな!?」
「彼のパーティの代表者ベルリオーネに手渡してありますのでその点は間違いございません」
「ではなぜあの小僧の脳波に変化がない!?」
「何らかの理由で勲章を直接身につけていないか、あるいは彼自身が1億人に一人とされる特殊磁場への耐性体質保持者か、あるいはその複合かと思われます」
「考えにくいですが、ベルリオーネが手渡していない可能性もあるかと・・・・」
「ベルリオーネが・・・・・」
「で、他の連中はどうか?」
「王立ギルドのメンバーは北部地域での研修を兼ねた冒険をさせたのちに、先日の叙勲式にて女王陛下の勲章を装備した結果、“忠誠心“の向上はめまぐるしいものがございます」
「おそらくこの世界で女王陛下の駒として働くにせよ、または“現世”へ帰還して教祖様の御楯として奉仕するにせよ万全の出来かと存じ上げております」
「フム・・・・、それならいい・・・・。並行してそいつらにも段階的に“神性銀”の投与を開始しろ。最初は食事に混ぜてゆっくりとな」
「かしこまりました」
「それと実験体325号。あの女はどうなんだ」
「彼女、クラウディアの戦闘力の向上は素晴らしいものがあります。ただ」
「ただとはなんだ?」
「自我の部分を強固に残しておりまして、それが障壁となって能力発動を行うと短時間でオーバーヒートしてしまいます」
「ちっ!どいつもこいつも・・・・・。まあいい・・・・。325号はそれでガキのデータ収集と、“神性銀”のサンプルとして役立っている。教祖様の崇高なる御計画に役立っていると伝えろ」
「了解いたしました」
「あと、他のグループの動向は?」
「イオニア帝国では90パーセント以上の純度を持つ“磁流岩”を発見したとのことでございます」
「何だと!まずいな、我らに遅れが出る・・・!」
「その点に関しては心配する必要はございませぬ」
「“磁流岩”は人間の脳に作用する点では“神性銀”と同様ですが、あちらはあちらでこの世界の特殊磁場の源(みなもと)。いわば原液のようなものですから、素質のある者でなければ“神性銀”よりも毒性が高い。デク人形と化すのはよいことですが効き目が強すぎ、自我が吹きとんで使役しやすくなるレベルを超え、言われたことしかできない、単純なことしかできない出来損ないへとかえって退化する確率が高い。リスク管理と汎用性の面では我らの“神性銀”の方に軍配が上がります」
「あちらでは特に頭脳に秀でたガキどもを選別してよりエリートにするための“事業”を展開していると聞く」
「我らは“神性銀”の効能を発見したが故に、イオニアの連中より優れていることを示さねばならん」
「教祖様のお望みは、教祖様の意のままに動き、そして自ら考え自立した行動ができ、しかし教祖様に疑うことなく絶対服従する駒・・・」
「教主様は今だ一部の人間しか自我を明け渡さぬことにいら立っておられる」
「教祖様のご期待に背けば我らも・・・・・。分かっているだろうな、コンスタンチン!」
「御心配には及びませぬ女王陛下。方法論としてはこちらもイオニアとやっている点に相違はないものの、“磁流岩”は特殊な事例を除けば世界から持ち出せませぬ。しかし、“神性銀”は“あちらの世界”へも自由自在に持ち運べますが故、汎用性には勝っておりまする」
「よってイオニアのはどうしてもこちらの世界の磁場の地脈に固定されておりまするから人員をこちらへ移動させるコストの面でやや非効率。対して我々は魔導技術の改良により、魔力が発生する磁場を散逸することなく長期間維持したまま結晶化することに成功したので“向こうの世界”へも持っていけますからな」
「しかもそれに必要な“磁流岩”はイオニア産のような高品質である必要はなく、わが国でも採掘可能な低品質のものでもすでに抽出と生産が可能な水準に達しております」
「しかしコンスタンチン、“神性銀”はまだ未完成品。早く実用化できるまで改良しろ」
「御意に。あと、女王陛下。もう一つ耳寄りな情報がございます」
「なんじゃ?」
左目にはめたモノケルを触りながらコンスタンチンは目を細める。
「シュヴァルツ及びモールスの報告では、ベルリオーネがオホロシュタットで何やら行動をしている模様でございます」
深紅のビロード生地で作られたカーテンが巨大な窓を格調高く飾る室内。
そこに一人の執事姿の初老の男性が机の前に直立不動で立っていた。
ハイン城国王専用執務室。
ひと際豪華な装飾が施された巨大な格式高い机。
机の上には極秘と書かれた封筒が未開封の状態で置かれている。
A4用紙が入る大きさの封筒に女王は椅子に座り、右ひじを机に付けて顎を手で押さえながら開封せずにめんどくさそうな視線を向けている。
机の下ではすらりとした足を組んで足首をグルグル回し、やや脱ぎ掛けのヒールをぶらぶらとさせている。
「今季分の人員はもうすぐ半年を迎えます。そろそろ各地から選別の儀が行われますな、女王陛下」
「やれやれ、今回は我らが下位ランクの処理担当か・・・・。ローテーションとはいえ面倒なものだな・・・・」
「仕方ありませぬ女王陛下。前回はネバーワールド連合王国の連中が“処理”を担当していたのですから。ローテなので我らが特段厄介ごとを押し付けられているわけではございませぬ、ご辛抱を」
「ネバーワールドが前回の始末かかりだったとは、あそこほどのグループでも平等にこの役を仰せつかるから仕方はないか・・・・。まあこの役も悪くはない。仕事が終われば私の出世も約束されておるからのう」
「それと気になる報告がございます」
「申してみよ」
「例のスドウという少年、計算通りこの数カ月で相当な実力を身につけております」
「フム、あれは得体の知れん厄介な小僧だが、頭を矯正すれば使い者になるというのが最高会議での一致した意見じゃからのう。それがどうした?」
「ラッパからの報告によると、彼の周波数をひそかに計測し続けた結果がそちらでございます」
執事は机の上の大型の封筒を右手全体を手刀の形にして丁寧に指し示した。
女王はめんどくさそうに机の上の大きな封筒の封を机の上に置かれていた黄金製のペーパーナイフで切り、書類を取り出した。
「今時、紙の媒体を使うとは時代遅れだな」
「むしろ時代錯誤の媒体ほど機密保持には有効でございます。あっちでも連絡にタイプライターを用いておりますから。なにせ電磁波や魔力が発生する物を使うと傍受されやすいですからな」
「まあっ、そうだな」
封筒から手早く書類をとり、流し読みした女王が目を止めた。
眉間に不快感を表すしわが寄る。
「脳波周波数を計測の結果、自我の維持値がほぼ変わらず。我らへの忠誠心の値には若干の変動有れども大幅な増加が見当たらず、だと!?」
「どういうことだ、コンスタンチン!」
「報告書の通りでございます。クラウディアにも毎日彼を観察させておりますが、須藤兵衛からは女王陛下に対する絶対的な忠誠心というものが芽生える気配がございません」
「叙勲式で確かに奴に勲章は与えたのだろうな!?」
「彼のパーティの代表者ベルリオーネに手渡してありますのでその点は間違いございません」
「ではなぜあの小僧の脳波に変化がない!?」
「何らかの理由で勲章を直接身につけていないか、あるいは彼自身が1億人に一人とされる特殊磁場への耐性体質保持者か、あるいはその複合かと思われます」
「考えにくいですが、ベルリオーネが手渡していない可能性もあるかと・・・・」
「ベルリオーネが・・・・・」
「で、他の連中はどうか?」
「王立ギルドのメンバーは北部地域での研修を兼ねた冒険をさせたのちに、先日の叙勲式にて女王陛下の勲章を装備した結果、“忠誠心“の向上はめまぐるしいものがございます」
「おそらくこの世界で女王陛下の駒として働くにせよ、または“現世”へ帰還して教祖様の御楯として奉仕するにせよ万全の出来かと存じ上げております」
「フム・・・・、それならいい・・・・。並行してそいつらにも段階的に“神性銀”の投与を開始しろ。最初は食事に混ぜてゆっくりとな」
「かしこまりました」
「それと実験体325号。あの女はどうなんだ」
「彼女、クラウディアの戦闘力の向上は素晴らしいものがあります。ただ」
「ただとはなんだ?」
「自我の部分を強固に残しておりまして、それが障壁となって能力発動を行うと短時間でオーバーヒートしてしまいます」
「ちっ!どいつもこいつも・・・・・。まあいい・・・・。325号はそれでガキのデータ収集と、“神性銀”のサンプルとして役立っている。教祖様の崇高なる御計画に役立っていると伝えろ」
「了解いたしました」
「あと、他のグループの動向は?」
「イオニア帝国では90パーセント以上の純度を持つ“磁流岩”を発見したとのことでございます」
「何だと!まずいな、我らに遅れが出る・・・!」
「その点に関しては心配する必要はございませぬ」
「“磁流岩”は人間の脳に作用する点では“神性銀”と同様ですが、あちらはあちらでこの世界の特殊磁場の源(みなもと)。いわば原液のようなものですから、素質のある者でなければ“神性銀”よりも毒性が高い。デク人形と化すのはよいことですが効き目が強すぎ、自我が吹きとんで使役しやすくなるレベルを超え、言われたことしかできない、単純なことしかできない出来損ないへとかえって退化する確率が高い。リスク管理と汎用性の面では我らの“神性銀”の方に軍配が上がります」
「あちらでは特に頭脳に秀でたガキどもを選別してよりエリートにするための“事業”を展開していると聞く」
「我らは“神性銀”の効能を発見したが故に、イオニアの連中より優れていることを示さねばならん」
「教祖様のお望みは、教祖様の意のままに動き、そして自ら考え自立した行動ができ、しかし教祖様に疑うことなく絶対服従する駒・・・」
「教主様は今だ一部の人間しか自我を明け渡さぬことにいら立っておられる」
「教祖様のご期待に背けば我らも・・・・・。分かっているだろうな、コンスタンチン!」
「御心配には及びませぬ女王陛下。方法論としてはこちらもイオニアとやっている点に相違はないものの、“磁流岩”は特殊な事例を除けば世界から持ち出せませぬ。しかし、“神性銀”は“あちらの世界”へも自由自在に持ち運べますが故、汎用性には勝っておりまする」
「よってイオニアのはどうしてもこちらの世界の磁場の地脈に固定されておりまするから人員をこちらへ移動させるコストの面でやや非効率。対して我々は魔導技術の改良により、魔力が発生する磁場を散逸することなく長期間維持したまま結晶化することに成功したので“向こうの世界”へも持っていけますからな」
「しかもそれに必要な“磁流岩”はイオニア産のような高品質である必要はなく、わが国でも採掘可能な低品質のものでもすでに抽出と生産が可能な水準に達しております」
「しかしコンスタンチン、“神性銀”はまだ未完成品。早く実用化できるまで改良しろ」
「御意に。あと、女王陛下。もう一つ耳寄りな情報がございます」
「なんじゃ?」
左目にはめたモノケルを触りながらコンスタンチンは目を細める。
「シュヴァルツ及びモールスの報告では、ベルリオーネがオホロシュタットで何やら行動をしている模様でございます」
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