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第33話 神性銀
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5名のテロリストたちはあっけなく息絶え、その屍を大通りにさらしている。
いずれもエルフで、致命的な部位深くに突き刺さった跡からは赤黒い膨大な量の血が流れ、大通りは血に染まっている。
彼らが攻撃魔法を放った建物からは火災が発生し、ガラス窓は割れてさながら市街戦の後のような状態と化している。
俺に歩み寄ってきた彼女の表情はいつもの穏やかな彼女だった。
驚いたことにほとんど彼女は返り血を浴びていない。
マシーンのような無駄のない動きと、不釣り合いなまでに美しい上品な女性としての姿。
動から静への切り替えの流れにはある種の神々しささえ俺は感じた。
「うっ・・・・!」
俺の近くまで歩み寄ってきた途中で彼女は足元をふらつかせた。
「クラウディアさん!!」
反射的に俺は倒れ掛かった彼女を受け止めて支える。
鈍い金属音が石畳に落ちる音が2回響いた。
彼女が両手に保持していたガーバーマーク2を地面に落としたのだ。
「大丈夫ですか!?」
「ええ、大丈夫。少し動きすぎましたわ・・・・」
先ほどまでとは違い、彼女の顔からは血の気が引き、青くなっている。
遠くから鈍い甲冑の金属音が聞こえてくる。
国内治安を担う騎士団の連中だろう。
俺はひとまず彼女をお姫様抱っこの要領で抱きかかえ、カフェの椅子にゆっくりと座らせた。
次にカフェの椅子を組み合わせて横になれるようにし、マブクロから防寒用のポンチョと毛布を取り出した。
そこにクラウディアさんにいったん横になってもらった。
通りに落ちていたガーバーマーク2サヴァイヴァルナイフ2本を俺は回収し、血を破壊された店の机にかけられていたちぎれたテーブルクロスで拭いてからタオルで刀身を巻いて一旦俺のマブクロに収めた。
かつてネット上の情報からこのナイフのことは聞いたことがある。
アメリカ陸軍将校バド・ホルツマンという人物により設計され、ベトナム戦争中に特殊部隊や精鋭部隊に人気があった戦闘特化型の両刃のナイフ。
戦い専門に作られたその無駄のないフォルムは現在でも特殊部隊で使用する者がいると言われるほどで、昔のアクション映画や小説にも頻繁に登場していた。
ネットで調べて出てきた情報を基にアメリカやオーストラリアの映画でそれらは使われ、ハードボイルド系の小説の中でもそれらは近接戦闘での有効な武器として描写されている。
俺も興味があったが、現在の日本では銃刀法の関係で持てなくなっていることが分かり落胆したことがある物だったのだ。
本物を手に取ってみたのはこれが初めて。
反射を防ぐために黒く塗装されたモデルもあるが、クラウディアさんの持っていたのは2本とも刃の根元付近にセレーションと呼ばれるノコギリ刃のないストレートエッジのオーソドックスな物だった。
なお、刀身はまっすぐである。
なぜかというとベトナム戦争の初期に作られたモデルはわざと刃を15度ほど曲げて作られたモデルがあり、不良品と勘違いされて返品が相次いだために刀身をオーソドックスなダガーナイフと同様のまっすぐな形状にして経緯があるとネットでかつて見たことがある。
俺はカフェの椅子を一つ取ってきてクラウディアさんの横において座った。
「これだけの戦闘力を持つとは・・・・クラウディアさんは何者なんだ・・・」
俺が独り言をついつぶやいていると、彼女が目を覚ました
「申し訳ございません、スドウ様。お見苦しいところをお見せしてしまい・・・」
先ほどの戦鬼のような表情からは想像もできない、親鳥に助けを求めるひな鳥のような弱弱しい表情。
俺はその目を見て直感的に確信した。
彼女の本性は邪悪ではないことだけは確かであると・・・。
「スドウ様」
俺はとっさに剣の柄に手をかけ、抜きながら後ろを振りかえった。
そして、刀身を鞘から引き抜く途中で止めた。
そこにはチリ一つついていないパリッとした執事の服装をしたコンスタンチンが立っていた。
「コンスタンチンさん、お久しぶりです」
「こちらこそ最近お目にかかっておらず申し訳ございませんでした、スドウ様」
「この度は突然のテロリスト来襲ということでクラウディアのお見苦しいところをお見せしてしまい誠に申し訳ございませんでした」
「いえ、俺も周囲のみんなもクラウディアさんに助けられたから感謝しないといけないのはこちらです」
「それとクラウディアさんは一体・・・」
俺がその質問をしようとした時、コンスタンチンは瞬間的にクラウディアさんを既にお姫様抱っこの形で抱きかかえていた。
一瞬の出来事。
俺の目には見えなかった。
瞬間移動系の転移魔法の類か!?
「失礼ながら今はご質問にお答えする時間がございません。クラウディアのことはわたくしが治療させていただきますのでご心配なきよう、それでは!」
フッッ!!
コンスタンチンは彼女とともに一瞬で消えた。
俺はただ茫然とするしかなく、乾いた土煙が俺の鼻から喉に入り、俺を咳き込ませた。
だが、気になったことがある。
クラウディアさんの俺を見る目は何かを訴えかける目、おそらくは何か助けを求めている目だった・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ブファッッッッッッッ!」
ビチャッ!!
チャッ!
ハイン城城内執事長室。
片方の膝が落ち着いた深紅色のカーペットが引かれた床に着き、口を押えるクラウディア。
口から吐き出された深紅が地面に染みる。
が、元から黒みがかった深紅色のカーペットに血は染みこみ、ほとんど目立たない。
「ご苦労だったな、クラウディア」
「コンスタンチン執事長様・・・申し訳ございません」
「座れ。少し負荷がかかりすぎたな、調整が必要だ」
コンスタンチンはクラウディアを椅子に座らせると、背広の懐に右手を突っ込んだ。
そして、銀色の金属ケースを取り出す。
中には注射器と何かのアンプルが入っていた。
アンプルの中にはわずかに光り輝く銀色の液体が入っていた。
それをゴムで縛ったクラウディアの腕に注射した。
額に脂汗をうかべていたクラウディアの表情が和らいだ。
「神性銀と意思の調和がまだなっていないようだな。まだ自我を捨て去ることへの未練があるのかクラウディア?」
コンスタンチンの単調な口調にクラウディアはひきつった表情を見せる。
「そっ、そんな・・・・そんなことはございません・・・。わたくしは・・・・」
「まあいい・・・。それよりスドウ、須藤兵衛に関してはどうなっている?」
「彼は・・・・」
「お前の口では分かりずらい」
コンスタンチンはクラウディアの頭に手をかざし、何かを唱えた。
「うっ!?うわあああああああああああああああああっっっっっ!!!!!!!!!!!」
「執事長様ああああ!!!!止めて!!やっめてくださいいいいいぃいい!!!!!」
クラウディアの苦悶の表情をよそにコンスタンチンの頭の中に数々の映像が浮かび上がり、須藤の映像が音声や何かのデータ表示とともに浮かび上がった。
手をかざすのを止めた直後、コンスタンチンの眉間にシワが寄っていた。
「はっ、はあっ、はあっはあっ・・・・」
「・・・・どういうことだ・・・?先日の叙勲式でも勲章を授与されたはず・・・?」
「まるで脳の周波数が変わっておらんではないか!」
「クラウディア!引き続きスドウの監視を続けろ!わしはこのことを女王陛下にお伝えする」
「お前にはこれを渡しておく」
コンスタンチンは何かの袋を椅子に座ったクラウディアの膝に置いた。
「1週間後にもう一度奴の周波数を測定する。やるべきことは分かっているだろうな?」
「はっ、・・・はい・・・」
「それと、これ以上余計なことを考える思考を維持する気でいるならば神性銀の投与の量を倍にするぞ!場合によっては研究所へ再送することも検討するからな!わかったか!」
「も・・・、申しわけ・・・ございません・・・」
「フンッ!」
フッ!
一瞬でその場からコンスタンチンは消えた。
執事長室に残されたクラウディアは弱弱しく立ち上がろうとした。
ドタッ!!
その場に倒れこむクラウディア。
その際に床に落とした小さな袋を右手でつかみ、中を見た後、彼女は嗚咽を鳴らして泣き崩れた。
いずれもエルフで、致命的な部位深くに突き刺さった跡からは赤黒い膨大な量の血が流れ、大通りは血に染まっている。
彼らが攻撃魔法を放った建物からは火災が発生し、ガラス窓は割れてさながら市街戦の後のような状態と化している。
俺に歩み寄ってきた彼女の表情はいつもの穏やかな彼女だった。
驚いたことにほとんど彼女は返り血を浴びていない。
マシーンのような無駄のない動きと、不釣り合いなまでに美しい上品な女性としての姿。
動から静への切り替えの流れにはある種の神々しささえ俺は感じた。
「うっ・・・・!」
俺の近くまで歩み寄ってきた途中で彼女は足元をふらつかせた。
「クラウディアさん!!」
反射的に俺は倒れ掛かった彼女を受け止めて支える。
鈍い金属音が石畳に落ちる音が2回響いた。
彼女が両手に保持していたガーバーマーク2を地面に落としたのだ。
「大丈夫ですか!?」
「ええ、大丈夫。少し動きすぎましたわ・・・・」
先ほどまでとは違い、彼女の顔からは血の気が引き、青くなっている。
遠くから鈍い甲冑の金属音が聞こえてくる。
国内治安を担う騎士団の連中だろう。
俺はひとまず彼女をお姫様抱っこの要領で抱きかかえ、カフェの椅子にゆっくりと座らせた。
次にカフェの椅子を組み合わせて横になれるようにし、マブクロから防寒用のポンチョと毛布を取り出した。
そこにクラウディアさんにいったん横になってもらった。
通りに落ちていたガーバーマーク2サヴァイヴァルナイフ2本を俺は回収し、血を破壊された店の机にかけられていたちぎれたテーブルクロスで拭いてからタオルで刀身を巻いて一旦俺のマブクロに収めた。
かつてネット上の情報からこのナイフのことは聞いたことがある。
アメリカ陸軍将校バド・ホルツマンという人物により設計され、ベトナム戦争中に特殊部隊や精鋭部隊に人気があった戦闘特化型の両刃のナイフ。
戦い専門に作られたその無駄のないフォルムは現在でも特殊部隊で使用する者がいると言われるほどで、昔のアクション映画や小説にも頻繁に登場していた。
ネットで調べて出てきた情報を基にアメリカやオーストラリアの映画でそれらは使われ、ハードボイルド系の小説の中でもそれらは近接戦闘での有効な武器として描写されている。
俺も興味があったが、現在の日本では銃刀法の関係で持てなくなっていることが分かり落胆したことがある物だったのだ。
本物を手に取ってみたのはこれが初めて。
反射を防ぐために黒く塗装されたモデルもあるが、クラウディアさんの持っていたのは2本とも刃の根元付近にセレーションと呼ばれるノコギリ刃のないストレートエッジのオーソドックスな物だった。
なお、刀身はまっすぐである。
なぜかというとベトナム戦争の初期に作られたモデルはわざと刃を15度ほど曲げて作られたモデルがあり、不良品と勘違いされて返品が相次いだために刀身をオーソドックスなダガーナイフと同様のまっすぐな形状にして経緯があるとネットでかつて見たことがある。
俺はカフェの椅子を一つ取ってきてクラウディアさんの横において座った。
「これだけの戦闘力を持つとは・・・・クラウディアさんは何者なんだ・・・」
俺が独り言をついつぶやいていると、彼女が目を覚ました
「申し訳ございません、スドウ様。お見苦しいところをお見せしてしまい・・・」
先ほどの戦鬼のような表情からは想像もできない、親鳥に助けを求めるひな鳥のような弱弱しい表情。
俺はその目を見て直感的に確信した。
彼女の本性は邪悪ではないことだけは確かであると・・・。
「スドウ様」
俺はとっさに剣の柄に手をかけ、抜きながら後ろを振りかえった。
そして、刀身を鞘から引き抜く途中で止めた。
そこにはチリ一つついていないパリッとした執事の服装をしたコンスタンチンが立っていた。
「コンスタンチンさん、お久しぶりです」
「こちらこそ最近お目にかかっておらず申し訳ございませんでした、スドウ様」
「この度は突然のテロリスト来襲ということでクラウディアのお見苦しいところをお見せしてしまい誠に申し訳ございませんでした」
「いえ、俺も周囲のみんなもクラウディアさんに助けられたから感謝しないといけないのはこちらです」
「それとクラウディアさんは一体・・・」
俺がその質問をしようとした時、コンスタンチンは瞬間的にクラウディアさんを既にお姫様抱っこの形で抱きかかえていた。
一瞬の出来事。
俺の目には見えなかった。
瞬間移動系の転移魔法の類か!?
「失礼ながら今はご質問にお答えする時間がございません。クラウディアのことはわたくしが治療させていただきますのでご心配なきよう、それでは!」
フッッ!!
コンスタンチンは彼女とともに一瞬で消えた。
俺はただ茫然とするしかなく、乾いた土煙が俺の鼻から喉に入り、俺を咳き込ませた。
だが、気になったことがある。
クラウディアさんの俺を見る目は何かを訴えかける目、おそらくは何か助けを求めている目だった・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ブファッッッッッッッ!」
ビチャッ!!
チャッ!
ハイン城城内執事長室。
片方の膝が落ち着いた深紅色のカーペットが引かれた床に着き、口を押えるクラウディア。
口から吐き出された深紅が地面に染みる。
が、元から黒みがかった深紅色のカーペットに血は染みこみ、ほとんど目立たない。
「ご苦労だったな、クラウディア」
「コンスタンチン執事長様・・・申し訳ございません」
「座れ。少し負荷がかかりすぎたな、調整が必要だ」
コンスタンチンはクラウディアを椅子に座らせると、背広の懐に右手を突っ込んだ。
そして、銀色の金属ケースを取り出す。
中には注射器と何かのアンプルが入っていた。
アンプルの中にはわずかに光り輝く銀色の液体が入っていた。
それをゴムで縛ったクラウディアの腕に注射した。
額に脂汗をうかべていたクラウディアの表情が和らいだ。
「神性銀と意思の調和がまだなっていないようだな。まだ自我を捨て去ることへの未練があるのかクラウディア?」
コンスタンチンの単調な口調にクラウディアはひきつった表情を見せる。
「そっ、そんな・・・・そんなことはございません・・・。わたくしは・・・・」
「まあいい・・・。それよりスドウ、須藤兵衛に関してはどうなっている?」
「彼は・・・・」
「お前の口では分かりずらい」
コンスタンチンはクラウディアの頭に手をかざし、何かを唱えた。
「うっ!?うわあああああああああああああああああっっっっっ!!!!!!!!!!!」
「執事長様ああああ!!!!止めて!!やっめてくださいいいいいぃいい!!!!!」
クラウディアの苦悶の表情をよそにコンスタンチンの頭の中に数々の映像が浮かび上がり、須藤の映像が音声や何かのデータ表示とともに浮かび上がった。
手をかざすのを止めた直後、コンスタンチンの眉間にシワが寄っていた。
「はっ、はあっ、はあっはあっ・・・・」
「・・・・どういうことだ・・・?先日の叙勲式でも勲章を授与されたはず・・・?」
「まるで脳の周波数が変わっておらんではないか!」
「クラウディア!引き続きスドウの監視を続けろ!わしはこのことを女王陛下にお伝えする」
「お前にはこれを渡しておく」
コンスタンチンは何かの袋を椅子に座ったクラウディアの膝に置いた。
「1週間後にもう一度奴の周波数を測定する。やるべきことは分かっているだろうな?」
「はっ、・・・はい・・・」
「それと、これ以上余計なことを考える思考を維持する気でいるならば神性銀の投与の量を倍にするぞ!場合によっては研究所へ再送することも検討するからな!わかったか!」
「も・・・、申しわけ・・・ございません・・・」
「フンッ!」
フッ!
一瞬でその場からコンスタンチンは消えた。
執事長室に残されたクラウディアは弱弱しく立ち上がろうとした。
ドタッ!!
その場に倒れこむクラウディア。
その際に床に落とした小さな袋を右手でつかみ、中を見た後、彼女は嗚咽を鳴らして泣き崩れた。
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