22 / 44
第22話 塔へダイレクト突入
しおりを挟む
俺たちは駐屯地には入らず、そのまま他のパーティたちと連携して辺境地帯の塔へとなだれ込んだ。
塔と言っても周囲に空堀を掘り、四方に材木で物見やぐらを立てた戦国時代の簡易的な城か砦みたいな要塞だった。
「スドウ様、スケルトンです!!!」
中から鋼の剣や槍で武装した甲冑姿のスケルトンが出てきた。
甲冑と言っても部分的な装甲しかない簡易型、もしくは朽ち果てて欠損している。
実物を始めてみるがよくゲームで出てくるので意外と驚かない。
保健室の人体模型が動いているくらいの感覚しかない。
俺はそれらを剣で力任せに叩いて倒す。
骨がボキりと折れ、剣で横なぎに兜の部分を叩くと頭部のしゃれこうべが野球ボールのようにかっとんだ。
俺は倒した連中が所持するマブクロを探す。
10体から合計青銅製ナイフ2本と、解毒薬5つ、銀貨15枚を回収する。
スケルトンどもが手にしていた鋼の剣はすべて、よく見ると刀身に火で焼けた跡がある。
念のため、それを拾って近くに転がっている木を削ろうとしたが、案の定全く切れなかった。
火事で焼けた刀剣は焼き身という。
一度焼き入れをして硬度を高めた刀剣類は炎などでもう一度あぶったりしたら焼きがもとに戻ってしまい、斬れないなまくらになってしまうのだ。
なまくらと確定した鋼の剣や、同じくスケルトンどもが身につけている甲冑は痛みが激しく修復もコストがかかるので放置する。
「上には何がいるんだ、ベルリオーネさん?」
「おそらく指揮するモンスターがいるはずです、油断しないで!」
俺たちは石造りの螺旋階段を上がっていく。
途中、階段の踊り場から下にいる俺たちに狭い中で弓を射てくる小柄な妖精みたいなの2匹に俺は馬車で試したフレイムボールを放った。
2匹は顔面が火だるまになってのたうち回り階段から俺たちの近くに転落し、そのまま悪臭を放ちながら燃え上がって動かなくなった。
3階にたどり着いたところで鉄格子の部屋を見つけた。
ベルリオーネさんがカギを開錠する魔法を使おうとしたが、スコットさんが腰の皮ポーチから何かを取り出した。
カニの身を取り出すフォークのような細くて薄い金属製のプレートのセット。
要はピッキングの道具だった。
「スコットさん、まさか鍵開けできるの?」
俺がいぶかしく尋ねると、スコットさんはやたら高揚したぎらつく目つきで得意げな表情になった。
「おうよ、ダンジョンやこういう敵拠点に入ったら間違いなく財宝やレアアイテムの保管庫があるからな!!そういうとこは大抵頑丈な鉄格子付なのは常識。金庫破りは冒険者にとって常識のスキルよ!!!!」
スコットは自らの両手をもみ、温めて指先の感覚を研ぎ澄ませた。
次いでこの鉄格子の鍵に合致するであろうピックを選別し、開錠を開始した。
目つきはその道の玄人そのもの。
ガジャン!!
鈍い金属音とともに鍵が開く。
同時にスコットは我先に宝物庫へ入り、宝箱をかたっぱしから開け、重量物が入っているであろう袋をナイフで切り裂いた。
切り裂かれた袋からきらびやかな輝きが金属音とともにあふれである。
黄金色に輝くをそれをわしづかみにしてスコットは歓喜の声を上げた。
「うしゃしゃしゃしゃ!!!!!金金金じゃあああああ!!!!!!!!」
俺とベルリオーネさんはタダ黙って見ていた。
先ほどのすさまじい戦いぶりといい、この財宝を前にしての狂乱ぶりと言い、正直怖い・・・。
だが、先ほどから他の冒険者を見てもやっていることは同じ。
モンスターを倒したら冒険者たちが真っ先にすることはマブクロを持っているか確認することだ。
持っていたら中を必ず調べてアイテムか金目の物がないか調べる。
マブクロ自体も収納量が大きい上級モデルなら中古でも高値で売れるとスコットさんが言っていた。
俺は狂乱するスコットさんを尻目に、俺も金貨や各種宝石がちりばめられた宝剣を回収して自分のマブクロに入れる。
ベルリオーネさんは部屋の何かを調べていたが何なのかは分からない。
塔と言っても周囲に空堀を掘り、四方に材木で物見やぐらを立てた戦国時代の簡易的な城か砦みたいな要塞だった。
「スドウ様、スケルトンです!!!」
中から鋼の剣や槍で武装した甲冑姿のスケルトンが出てきた。
甲冑と言っても部分的な装甲しかない簡易型、もしくは朽ち果てて欠損している。
実物を始めてみるがよくゲームで出てくるので意外と驚かない。
保健室の人体模型が動いているくらいの感覚しかない。
俺はそれらを剣で力任せに叩いて倒す。
骨がボキりと折れ、剣で横なぎに兜の部分を叩くと頭部のしゃれこうべが野球ボールのようにかっとんだ。
俺は倒した連中が所持するマブクロを探す。
10体から合計青銅製ナイフ2本と、解毒薬5つ、銀貨15枚を回収する。
スケルトンどもが手にしていた鋼の剣はすべて、よく見ると刀身に火で焼けた跡がある。
念のため、それを拾って近くに転がっている木を削ろうとしたが、案の定全く切れなかった。
火事で焼けた刀剣は焼き身という。
一度焼き入れをして硬度を高めた刀剣類は炎などでもう一度あぶったりしたら焼きがもとに戻ってしまい、斬れないなまくらになってしまうのだ。
なまくらと確定した鋼の剣や、同じくスケルトンどもが身につけている甲冑は痛みが激しく修復もコストがかかるので放置する。
「上には何がいるんだ、ベルリオーネさん?」
「おそらく指揮するモンスターがいるはずです、油断しないで!」
俺たちは石造りの螺旋階段を上がっていく。
途中、階段の踊り場から下にいる俺たちに狭い中で弓を射てくる小柄な妖精みたいなの2匹に俺は馬車で試したフレイムボールを放った。
2匹は顔面が火だるまになってのたうち回り階段から俺たちの近くに転落し、そのまま悪臭を放ちながら燃え上がって動かなくなった。
3階にたどり着いたところで鉄格子の部屋を見つけた。
ベルリオーネさんがカギを開錠する魔法を使おうとしたが、スコットさんが腰の皮ポーチから何かを取り出した。
カニの身を取り出すフォークのような細くて薄い金属製のプレートのセット。
要はピッキングの道具だった。
「スコットさん、まさか鍵開けできるの?」
俺がいぶかしく尋ねると、スコットさんはやたら高揚したぎらつく目つきで得意げな表情になった。
「おうよ、ダンジョンやこういう敵拠点に入ったら間違いなく財宝やレアアイテムの保管庫があるからな!!そういうとこは大抵頑丈な鉄格子付なのは常識。金庫破りは冒険者にとって常識のスキルよ!!!!」
スコットは自らの両手をもみ、温めて指先の感覚を研ぎ澄ませた。
次いでこの鉄格子の鍵に合致するであろうピックを選別し、開錠を開始した。
目つきはその道の玄人そのもの。
ガジャン!!
鈍い金属音とともに鍵が開く。
同時にスコットは我先に宝物庫へ入り、宝箱をかたっぱしから開け、重量物が入っているであろう袋をナイフで切り裂いた。
切り裂かれた袋からきらびやかな輝きが金属音とともにあふれである。
黄金色に輝くをそれをわしづかみにしてスコットは歓喜の声を上げた。
「うしゃしゃしゃしゃ!!!!!金金金じゃあああああ!!!!!!!!」
俺とベルリオーネさんはタダ黙って見ていた。
先ほどのすさまじい戦いぶりといい、この財宝を前にしての狂乱ぶりと言い、正直怖い・・・。
だが、先ほどから他の冒険者を見てもやっていることは同じ。
モンスターを倒したら冒険者たちが真っ先にすることはマブクロを持っているか確認することだ。
持っていたら中を必ず調べてアイテムか金目の物がないか調べる。
マブクロ自体も収納量が大きい上級モデルなら中古でも高値で売れるとスコットさんが言っていた。
俺は狂乱するスコットさんを尻目に、俺も金貨や各種宝石がちりばめられた宝剣を回収して自分のマブクロに入れる。
ベルリオーネさんは部屋の何かを調べていたが何なのかは分からない。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説


ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる