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第15話 ベルリオーネとの再会
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「スドウ!スドウ様!!!」
そう遠くない所から俺の名を呼ぶ声が聞こえる。
ドガシャアアァァァァァァ!!!!!!!
何者かが飛行してきて、大通りの屋台へ突っ込んだ。
目の前に盛大に転げる白い物体がいた。
見たことのある立派な赤い宝玉が埋め込まれた金属の杖。
白い清潔感のある魔女帽とローブ。
ベルリオーネさんが派手に屋台の野菜の中に突っ込んでいた。
「スドウ様!!どこにおられたのですか!?」
「先ほどまで変な少女に連行されて、これまたおかしな雰囲気の黒い魔女に因縁をつけられた」
「はあっ、はあっ!!スドウ様の魔力が全く感じられなくて、城下町中探し回っていたんですが・・・・、先ほど突然スドウ様の魔力が探知できるようになって・・・」
「スドウ様、その魔女とはどのような人物でしたか!?」
「ああ、ベルリオーネさんのことを知っている様子だったよ」
「そいつはどこに!!」
「ここにいる」
俺は腰に吊るしたマブクロを見せた。
コンパクトに縮小した袋の中から何やらうごめいている。
「スドウ様、これは?」
「シュヴァルツとかいう変な魔女を袋の中に突っ込んだ」
「・・・・、あのシュヴァルツ様をですか・・・・???」
俺は経緯を簡潔に説明した。
ベルリオーネさんは俺があのシュヴァルツをアイテム保管用の袋に入れて捕獲したことを信じられないと納得できていないようすだった。
ベルリオーネさんは俺の手を持つと、2人ですぐ近くの目的地のギルドの建物へ入った。
それから彼女はホールで俺の袋を開けて中の魔女を解放した。
憔悴しきった魔女が床にうつぶせに倒れこむように袋から吐き出された。
ベルリオーネさんはとっさに構えた。
「シュヴァルツ様。スドウ様に何をなされようとしていたのですか?」
精悍な口調で目の前の黒魔女を問い詰めるベルリオーネ。
だが、はたから見て彼女の口調と手に持つ杖からは微妙な震えがあった。
「あ~待って待ってえ~♬何にもしてないって~♬」
俺に闇属性の攻撃魔法を放とうとしていた奴が言うセリフか!?
「しゅっ、シュヴァルツ様・・・、あなたは私の先輩故、手荒な真似はしたくありません」
「ですが、私が召喚したスドウ様を横取りしようなどとお思いなら私も戦いますよ!!」
「怖い怖い!!!ちょっと味見しようとしただけじゃん♬」
「それに、ベルリオーネちゃん。そろそろご自慢の天銀の杖、ひっこめな!」
「うっ、それは・・・・」
「いきなりパートナーを奪われそうになってその反応するのはまあ当然。今回は自然な反応をしたってだけで流すよ」
「けれど、私とあんたは厳然たる上下関係にある。今度そんな真似したらそこの坊やともども消すよ!」
「ボウヤ、今日の予測しがたい攻撃、まあ見事だったと言っとくわ」
「けれど、次あんな真似したら跡形もなく消滅させるわよ!」
異常な凄みに正直俺もベルリオーネさんもその場で立ちすくんだ。
こんな迫力を内に秘めていたとは。
俺との戦いは遊んでいただけだったのかと自問自答する。
「せいぜい魔王の拠点を攻め落とすこと、頑張りなさい」
「ボウヤ、あんたも考える時間上げるから、いずれ私んとこへ来ることになると思っておきなさい」
お茶らけた口調から一変、底知れぬ恐怖を感じさせる声に2人だけでなくギルドに出入りする人々やモンスターたちも明らかに震えていた。
棒立ちする2人を尻目に黒い魔女はどこからか亜麻色の液体が入った瓶を取り出し、ラッパ飲みしながらギルドの正面入り口から足をふらつかせて出ていった。
ギルドの建物から出た直後、シュヴァルツの顔に邪悪な笑みが浮かんでいたことを2人は知らない。
そう遠くない所から俺の名を呼ぶ声が聞こえる。
ドガシャアアァァァァァァ!!!!!!!
何者かが飛行してきて、大通りの屋台へ突っ込んだ。
目の前に盛大に転げる白い物体がいた。
見たことのある立派な赤い宝玉が埋め込まれた金属の杖。
白い清潔感のある魔女帽とローブ。
ベルリオーネさんが派手に屋台の野菜の中に突っ込んでいた。
「スドウ様!!どこにおられたのですか!?」
「先ほどまで変な少女に連行されて、これまたおかしな雰囲気の黒い魔女に因縁をつけられた」
「はあっ、はあっ!!スドウ様の魔力が全く感じられなくて、城下町中探し回っていたんですが・・・・、先ほど突然スドウ様の魔力が探知できるようになって・・・」
「スドウ様、その魔女とはどのような人物でしたか!?」
「ああ、ベルリオーネさんのことを知っている様子だったよ」
「そいつはどこに!!」
「ここにいる」
俺は腰に吊るしたマブクロを見せた。
コンパクトに縮小した袋の中から何やらうごめいている。
「スドウ様、これは?」
「シュヴァルツとかいう変な魔女を袋の中に突っ込んだ」
「・・・・、あのシュヴァルツ様をですか・・・・???」
俺は経緯を簡潔に説明した。
ベルリオーネさんは俺があのシュヴァルツをアイテム保管用の袋に入れて捕獲したことを信じられないと納得できていないようすだった。
ベルリオーネさんは俺の手を持つと、2人ですぐ近くの目的地のギルドの建物へ入った。
それから彼女はホールで俺の袋を開けて中の魔女を解放した。
憔悴しきった魔女が床にうつぶせに倒れこむように袋から吐き出された。
ベルリオーネさんはとっさに構えた。
「シュヴァルツ様。スドウ様に何をなされようとしていたのですか?」
精悍な口調で目の前の黒魔女を問い詰めるベルリオーネ。
だが、はたから見て彼女の口調と手に持つ杖からは微妙な震えがあった。
「あ~待って待ってえ~♬何にもしてないって~♬」
俺に闇属性の攻撃魔法を放とうとしていた奴が言うセリフか!?
「しゅっ、シュヴァルツ様・・・、あなたは私の先輩故、手荒な真似はしたくありません」
「ですが、私が召喚したスドウ様を横取りしようなどとお思いなら私も戦いますよ!!」
「怖い怖い!!!ちょっと味見しようとしただけじゃん♬」
「それに、ベルリオーネちゃん。そろそろご自慢の天銀の杖、ひっこめな!」
「うっ、それは・・・・」
「いきなりパートナーを奪われそうになってその反応するのはまあ当然。今回は自然な反応をしたってだけで流すよ」
「けれど、私とあんたは厳然たる上下関係にある。今度そんな真似したらそこの坊やともども消すよ!」
「ボウヤ、今日の予測しがたい攻撃、まあ見事だったと言っとくわ」
「けれど、次あんな真似したら跡形もなく消滅させるわよ!」
異常な凄みに正直俺もベルリオーネさんもその場で立ちすくんだ。
こんな迫力を内に秘めていたとは。
俺との戦いは遊んでいただけだったのかと自問自答する。
「せいぜい魔王の拠点を攻め落とすこと、頑張りなさい」
「ボウヤ、あんたも考える時間上げるから、いずれ私んとこへ来ることになると思っておきなさい」
お茶らけた口調から一変、底知れぬ恐怖を感じさせる声に2人だけでなくギルドに出入りする人々やモンスターたちも明らかに震えていた。
棒立ちする2人を尻目に黒い魔女はどこからか亜麻色の液体が入った瓶を取り出し、ラッパ飲みしながらギルドの正面入り口から足をふらつかせて出ていった。
ギルドの建物から出た直後、シュヴァルツの顔に邪悪な笑みが浮かんでいたことを2人は知らない。
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