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第一章 町の外れのおんぼろラボ
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「その、つまり……泳げないんだ」
「ああ、なるほど」
アンちゃんがぽん、ってこぶしで手のひらを叩いた。わざわざ湯呑をテーブルに置いて。
最初きょとんとしていた博士は、「はっはーん」とにんまり笑った。
「なるほどな。自分が泳げないからってアンドロイドに代わりをさせようってか?」
にやついた顔にむっとしたけど、博士は急に真面目な声になって続けた。
「で、それでどうするんだよ。泳げないお前が泳げるフリしたからってなんになるんだ?」
「何でもカンペキなオレが泳げないって知られたら、どうなると思う? みんな幻滅する。かっこわるぅーい、ってなる。バカにされるに決まってる。博士だって今、鬼の首をとったみたいな顔したじゃんか」
「泳げないことを冷やかしたんじゃない」
「他力本願だとか、そういうことを言いたいわけ? だけどできないもんはできないんだから、しょうがないだろ!」
イライラしてそう言ったのに、博士は平気な顔。
「その通りだよ。人間、誰だって不得意なことの一つや二つはある。だから当然って顔してりゃいいだろ」
それはそうかもしれない。
だけど『完璧』をウリにして人気を集めてた転校生には、それが命取りなんだ。
完璧じゃなくなったら、みんな「なーんだ」って離れてく。
地道に一人ずつ仲良くなったわけじゃない。『できる奴』のハリボテをかぶってただけだから。何となくみんなが好意を持つように仕向けただけだから。
「完璧じゃないってわかったら、そこをしつこくいじられる。完璧なんて気に食わないと思ってるやつだっている。それがだんだんイジメになってったりするんだ。いろんなクラスを見てきたからわかるんだよ」
誰かの弱いところ。
苦手なところ。
そういうのを見つけると、人は楽しくなってしまうものらしい。
最初はからかっていただけのはずが、そのうち下に見られるようになって、バカにされるようになって、気づけばハブられていたりする。
そんな目にあうのはもうイヤなんだ。
「オレが転校してくるまで勉強は優斗ってやつが一番で、運動は拓哉が一番だった。だから二人とも、心の中ではオレのことを気に入らないと思ってるはずなんだ」
泳げないなんて知られたら、ここぞとばかりに追い落とされるだろう。そうしたら、オレは次に転校するまで、じっと耐えなきゃいけなくなる。
どうせ転校してばかりだけど、それがいつになるのかはオレにもお父さんにもわからない。いつも突然決まるから。
だから二年いるかもしれないし、三カ月で転校することになるかもしれない。
まあどうせ卒業しちゃうんだから、晴山小学校にいるのは長くても九カ月ってところだけど、ほとんどの子が同じ中学に行くんだろうし。
果てがわからない中を耐えしのがなきゃって思うのは、精神的に辛い。
「ふうん、なるほどな。それで自分そっくりのアンドロイドに自分の代わりに泳いでもらおうと、そういうことか。まあ、話はわかったが、その前にやることはやったのか?」
「泳げるようになる練習なら、何度もやったよ! 毎日お風呂で水に顔をつける練習だってしてる。だけど、どうしてもダメなんだ。溺れたときのことを思い出しちゃうんだよ」
「なるほどな。トラウマにまでなってちゃあ、確かに難しいだろうな」
鼻で笑われるかと思ったのに、意外にも博士は理解を示してくれた。
オレが川で溺れたのは、二年前のこと。
いつもは仕事でいないお父さんが、めずらしく川に連れて行ってくれたんだ。
川遊びなんて小さい時以来だったから、川の石がコケでぬるぬるしていてすべるなんてことは知らなかった。
うれしくて、はしゃいでたオレは、すぐに足をすべらせて転んだ。
川に倒れこんだら、あとはもうどうにもならなかった。
川の流れに体がどんどん押されて、手をつこうとしても足をつこうとしても、もがくみたいに水の中でじたばたするだけで。
だけど幸いにも、大きな石に引っかかって助かった。
助けようとしてくれてたお父さんも、川の流れには勝てなくて、全然違うところに流されて行っちゃって、時間をかけて戻ってきたくらい。
それがより一層恐怖だった。大人だって自然には勝てない。そう思い知ってからというもの、流れのないプールの水でも、怖くて仕方ないんだ。
「博士。トラウマってなんですか? トラと馬って住んでる場所も違うのに、なぜそんな仲が良さそうな名前なんでしょう」
「トラウマをそんな見方したやつは初めてだな。辞書を引け」
「はーいです」
アンちゃんは素直に辞書を取りにとててっと走っていった。
しかしオレは二人のやりとりが気になった。
「なあ。アンちゃんってアンドロイドなのにトラウマも知らないの? っていうかアンドロイドがわざわざ辞書引くの?」
パソコンだって簡単な辞書くらい入ってるのに。
「ああ。アンは限りなく人間に近いアンドロイドだからな」
「そもそもアンドロイドって、人間みたいなロボットのことをいうんだろ?」
首をかしげたオレに、博士はにやりと笑った。
「そうだ。よく知ってるじゃないか。その中でも、アンはもっとも人間に近いと言っていいだろう」
「ふーん。よくわかんないけど、たとえばどういうところが他のアンドロイドと違うの?」
「さっきみたいに、物を知らないことだ。それからアンは間違える。だからオレに怒られて、泣いたり、落ち込んだり、すぐに復活してみたり。そんな毎日だ」
「そんなの、ダメなとこばっかりじゃん。得意そうに言うことじゃないだろ?」
つまりは、失敗作ってことじゃないか。
オレが呆れた顔をしても、博士が気にした様子はない。
「じゃあ聞くが、人間とロボットの違いとはなんだ?」
逆に聞かれて戸惑ったのはオレの方だった。
「え……。えっと、ロボットは完璧だろ。プログラムされた通りに動くから、間違えたりなんかしない」
「そうだ。だがアンは、これまでのロボットにはない自由意志を持っている。自分で考え、行動する。だから失敗もするし、そのことで成長もする。すべてを新しく学ぶんだ」
つまりは。失敗するのは人間だけだから、アンちゃんは限りなく人間に近いって、そういうこと?
オレはまゆ毛を寄せるようにしてちょっと考えた。
つまり、育てなきゃいけないアンドロイドを作ったってこと?
「なんでそんなことを? 面倒くさいだけじゃん」
アンドロイドとかロボットとかって、人間の役に立つために作るもんだろう?
なのにアンちゃんは勝手にまじかるはんどくんを持ち出しては壊して、博士をおいおい泣かせていた。
確かにすごいことなのかもしれないけど、わざわざそんなものを作る意味がわからなかった。
だけど博士は、平然と答えた。
「楽をするために作ったわけじゃないからだ。そんなロボットはもうこの世にごまんとある。いまさら自分で作ったところで面白くないだろ?」
面白いかどうか。
それでこんなアンドロイドを作っちゃうのか。
博士って変だけど、本当にすごいのかもしれない。もしかしたら、天才っていうのもただの自称じゃないのかも。
だけど、はっと気づいた。
いくら泳げるように作ってもらっても、他で失敗してたら意味がない。
オレが求めてるのは、完璧なアンドロイドだ。
「でも、じゃあさ、博士は完璧なアンドロイドも作れるってことだろ? だったら作ってよ。お金はちゃんと払う。今まで貯めてきたお年玉貯金がちゃんとあるから!」
お年玉をもらうとお母さんは五分の一しか手元に残してくれない。あとは「お母さんが貯金しておくからね」って取り上げられてしまう。
だけどそれを計算すると、けっこうなお金が貯まってるはず。
断られるかもしれない。そう思ったけど、博士は不思議な答えを返した。
「確かに不可能ではない。だが本当にそれでいいのか、少年よ」
「どういうこと? あと少年じゃない、タイガ」
ちょっとむっとして返せば、博士は腕組みを解いた手を「ふむ」と顎にそえた。
「ではトラ少年。もう少しよく考えてみたまえ。仮に君にそっくりなアンドロイドを作ったとしよう。そしてそれは完璧に何でもこなす」
「うん」
それこそがオレが求めるものだ。
博士が何を言おうとしてるのかわからなくて、オレはやきもきした。
「その後のことは考えたか?」
「え……? その後、って」
「ああ、なるほど」
アンちゃんがぽん、ってこぶしで手のひらを叩いた。わざわざ湯呑をテーブルに置いて。
最初きょとんとしていた博士は、「はっはーん」とにんまり笑った。
「なるほどな。自分が泳げないからってアンドロイドに代わりをさせようってか?」
にやついた顔にむっとしたけど、博士は急に真面目な声になって続けた。
「で、それでどうするんだよ。泳げないお前が泳げるフリしたからってなんになるんだ?」
「何でもカンペキなオレが泳げないって知られたら、どうなると思う? みんな幻滅する。かっこわるぅーい、ってなる。バカにされるに決まってる。博士だって今、鬼の首をとったみたいな顔したじゃんか」
「泳げないことを冷やかしたんじゃない」
「他力本願だとか、そういうことを言いたいわけ? だけどできないもんはできないんだから、しょうがないだろ!」
イライラしてそう言ったのに、博士は平気な顔。
「その通りだよ。人間、誰だって不得意なことの一つや二つはある。だから当然って顔してりゃいいだろ」
それはそうかもしれない。
だけど『完璧』をウリにして人気を集めてた転校生には、それが命取りなんだ。
完璧じゃなくなったら、みんな「なーんだ」って離れてく。
地道に一人ずつ仲良くなったわけじゃない。『できる奴』のハリボテをかぶってただけだから。何となくみんなが好意を持つように仕向けただけだから。
「完璧じゃないってわかったら、そこをしつこくいじられる。完璧なんて気に食わないと思ってるやつだっている。それがだんだんイジメになってったりするんだ。いろんなクラスを見てきたからわかるんだよ」
誰かの弱いところ。
苦手なところ。
そういうのを見つけると、人は楽しくなってしまうものらしい。
最初はからかっていただけのはずが、そのうち下に見られるようになって、バカにされるようになって、気づけばハブられていたりする。
そんな目にあうのはもうイヤなんだ。
「オレが転校してくるまで勉強は優斗ってやつが一番で、運動は拓哉が一番だった。だから二人とも、心の中ではオレのことを気に入らないと思ってるはずなんだ」
泳げないなんて知られたら、ここぞとばかりに追い落とされるだろう。そうしたら、オレは次に転校するまで、じっと耐えなきゃいけなくなる。
どうせ転校してばかりだけど、それがいつになるのかはオレにもお父さんにもわからない。いつも突然決まるから。
だから二年いるかもしれないし、三カ月で転校することになるかもしれない。
まあどうせ卒業しちゃうんだから、晴山小学校にいるのは長くても九カ月ってところだけど、ほとんどの子が同じ中学に行くんだろうし。
果てがわからない中を耐えしのがなきゃって思うのは、精神的に辛い。
「ふうん、なるほどな。それで自分そっくりのアンドロイドに自分の代わりに泳いでもらおうと、そういうことか。まあ、話はわかったが、その前にやることはやったのか?」
「泳げるようになる練習なら、何度もやったよ! 毎日お風呂で水に顔をつける練習だってしてる。だけど、どうしてもダメなんだ。溺れたときのことを思い出しちゃうんだよ」
「なるほどな。トラウマにまでなってちゃあ、確かに難しいだろうな」
鼻で笑われるかと思ったのに、意外にも博士は理解を示してくれた。
オレが川で溺れたのは、二年前のこと。
いつもは仕事でいないお父さんが、めずらしく川に連れて行ってくれたんだ。
川遊びなんて小さい時以来だったから、川の石がコケでぬるぬるしていてすべるなんてことは知らなかった。
うれしくて、はしゃいでたオレは、すぐに足をすべらせて転んだ。
川に倒れこんだら、あとはもうどうにもならなかった。
川の流れに体がどんどん押されて、手をつこうとしても足をつこうとしても、もがくみたいに水の中でじたばたするだけで。
だけど幸いにも、大きな石に引っかかって助かった。
助けようとしてくれてたお父さんも、川の流れには勝てなくて、全然違うところに流されて行っちゃって、時間をかけて戻ってきたくらい。
それがより一層恐怖だった。大人だって自然には勝てない。そう思い知ってからというもの、流れのないプールの水でも、怖くて仕方ないんだ。
「博士。トラウマってなんですか? トラと馬って住んでる場所も違うのに、なぜそんな仲が良さそうな名前なんでしょう」
「トラウマをそんな見方したやつは初めてだな。辞書を引け」
「はーいです」
アンちゃんは素直に辞書を取りにとててっと走っていった。
しかしオレは二人のやりとりが気になった。
「なあ。アンちゃんってアンドロイドなのにトラウマも知らないの? っていうかアンドロイドがわざわざ辞書引くの?」
パソコンだって簡単な辞書くらい入ってるのに。
「ああ。アンは限りなく人間に近いアンドロイドだからな」
「そもそもアンドロイドって、人間みたいなロボットのことをいうんだろ?」
首をかしげたオレに、博士はにやりと笑った。
「そうだ。よく知ってるじゃないか。その中でも、アンはもっとも人間に近いと言っていいだろう」
「ふーん。よくわかんないけど、たとえばどういうところが他のアンドロイドと違うの?」
「さっきみたいに、物を知らないことだ。それからアンは間違える。だからオレに怒られて、泣いたり、落ち込んだり、すぐに復活してみたり。そんな毎日だ」
「そんなの、ダメなとこばっかりじゃん。得意そうに言うことじゃないだろ?」
つまりは、失敗作ってことじゃないか。
オレが呆れた顔をしても、博士が気にした様子はない。
「じゃあ聞くが、人間とロボットの違いとはなんだ?」
逆に聞かれて戸惑ったのはオレの方だった。
「え……。えっと、ロボットは完璧だろ。プログラムされた通りに動くから、間違えたりなんかしない」
「そうだ。だがアンは、これまでのロボットにはない自由意志を持っている。自分で考え、行動する。だから失敗もするし、そのことで成長もする。すべてを新しく学ぶんだ」
つまりは。失敗するのは人間だけだから、アンちゃんは限りなく人間に近いって、そういうこと?
オレはまゆ毛を寄せるようにしてちょっと考えた。
つまり、育てなきゃいけないアンドロイドを作ったってこと?
「なんでそんなことを? 面倒くさいだけじゃん」
アンドロイドとかロボットとかって、人間の役に立つために作るもんだろう?
なのにアンちゃんは勝手にまじかるはんどくんを持ち出しては壊して、博士をおいおい泣かせていた。
確かにすごいことなのかもしれないけど、わざわざそんなものを作る意味がわからなかった。
だけど博士は、平然と答えた。
「楽をするために作ったわけじゃないからだ。そんなロボットはもうこの世にごまんとある。いまさら自分で作ったところで面白くないだろ?」
面白いかどうか。
それでこんなアンドロイドを作っちゃうのか。
博士って変だけど、本当にすごいのかもしれない。もしかしたら、天才っていうのもただの自称じゃないのかも。
だけど、はっと気づいた。
いくら泳げるように作ってもらっても、他で失敗してたら意味がない。
オレが求めてるのは、完璧なアンドロイドだ。
「でも、じゃあさ、博士は完璧なアンドロイドも作れるってことだろ? だったら作ってよ。お金はちゃんと払う。今まで貯めてきたお年玉貯金がちゃんとあるから!」
お年玉をもらうとお母さんは五分の一しか手元に残してくれない。あとは「お母さんが貯金しておくからね」って取り上げられてしまう。
だけどそれを計算すると、けっこうなお金が貯まってるはず。
断られるかもしれない。そう思ったけど、博士は不思議な答えを返した。
「確かに不可能ではない。だが本当にそれでいいのか、少年よ」
「どういうこと? あと少年じゃない、タイガ」
ちょっとむっとして返せば、博士は腕組みを解いた手を「ふむ」と顎にそえた。
「ではトラ少年。もう少しよく考えてみたまえ。仮に君にそっくりなアンドロイドを作ったとしよう。そしてそれは完璧に何でもこなす」
「うん」
それこそがオレが求めるものだ。
博士が何を言おうとしてるのかわからなくて、オレはやきもきした。
「その後のことは考えたか?」
「え……? その後、って」
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