16 / 21
第三章 こどもだけだって
16
しおりを挟む
次の日も、その次の日も、裕太は河原に姿を現さなかった。
「予定をかえて、やっぱり遠くまで行くことにしたのかなって思ったけど、やっぱりおかしいよ。三日経っても帰ってこないなんて……」
オレがそわそわと落ち着かずに歩き回っていると、唯人も考えこむように黙った。
晴樹も、うーんって唸る。
「どこかで野宿して遠くを目指すつもりだったら、行く前にそう言うもんなあ」
実莉衣も頷く。
「うん。みんなに心配かけるようなこと、裕太くんはしないと思う。スバルに、近場を探してみるって言ってたんだし」
「だとしたら、何か、あったのかな」
穂乃果が不安そうに自分の手をぎゅっと握りしめれば、実莉衣も不安そうに声を小さくした。
「何か、って……」
「自転車で転んで動けない、とか? 土手から落ちちゃった、とか?」
「晴樹、不安にさせるようなこと言わないでよ」
「オレもそれが心配で、唯人と二人で裕太の担当区域を探しに行ったんだけど、見つからなかったんだよ」
オレが言えば、女子二人の顔が暗くなる。
だけど、ふっと実莉衣が何か思いついたように顔を上げた。
「まさか……」
愕然としたように呟いた実莉衣に、唯人が「どうした?」と声をかける。
「いや、うん。裕太くんに限ってそんなことないと思うけど、出口を見つけて一人で帰っちゃった、とか。バルビットくんを呼んでリタイアした、とか……」
その言葉には、晴樹も唯人も目を見開いた。
「まさか! 裕太がそんなことするわけないよお!」
「裕太はこれまで俺たちの中の誰よりもみんなのことを考えて動いてくれたんだぜ? なにより、気になることはとことん調べる裕太がリタイアなんてするわけないし、出口を見つけたら喜んで報告に帰ってくるはずだ」
うん。オレもそう思う。
でも、実莉衣がそう疑ってしまう気持ちもわからなくはないんだ。
だけど、本人がいないんだから、確かめようがないことでオレたちの空気が悪くなっても仕方ない。
「まあ、大丈夫だよ。もし晴樹が言うように転んだりして動けなくなったなら、バルビットくんを呼んでリタイアするだろうし。だから裕太のことは心配いらないよ、きっと。出口が見つかって帰ったんなら、裕太の担当区域をオレたちも探せばいいってことだろ? つまりオレたちはヒントをゲットしたってことになる」
な? ってオレが笑顔をつくってみんなの顔を見回せば、唯人と晴樹はあいまいにうなずいてくれた。
「そうだよね。帰ってこない理由は、わからないけど、そう考えれば、裕太くんはきっと、無事だよね」
穂乃果もそう言ってくれて、オレは残る実莉衣の顔をこわごわうかがった。
「うん……。あたしも、裕太くんのこと疑いたいわけじゃないしね。とにかく無事だって信じられれば、いいか」
小さくそう笑ったけど、あ、無理してるな、って思った。
空気を悪くしちゃいけない。明るい実莉衣だから、きっとそう思って、心の中の言葉を飲み込んじゃったんだ。
穂乃果も心配そうに実莉衣を見ていたけど、その本人に「さ、じゃあ今日はみんなで裕太くんの担当区域を探してみよ!」と明るく切り替えたように言われれば、オレも穂乃果も頷くしかなかった。
□
一週間経っても、裕太も出口も見つからなかった。
いつからか、オレたちはテントで泊まるのをやめた。
ご飯を作ったり風呂に入るのは河原だけど、夜寝る時はそれぞれの家に帰った。
みんな、少しだけ一人の時間がほしくなったんだ。
実莉衣と穂乃果が嫌いになったわけでもなく離れたくなった理由が、オレたちにもよくわかった。
だけど実莉衣は帰る家がないから、穂乃果の家だ。
それでも、一度離れたことで、お互いに反省点も寂しさもわかったみたいで、今は二人でもうまくやれてるようだった。
だから、前とは違って時々ベランダから吹っ切れたみたいな楽しい話し声が聞こえることがある。
オレはまたうっかり女子トークを聞いてしまわないように、そんなときは穂乃果の家からは一番離れているお父さんの部屋のベッドで寝ることにしていた。
その日もオレたちはみんなで裕太の担当区域で裕太と出口を探していた。
だけど、正直言ってやみくもに探しても見つからないような気がした。
何かヒントがあるんじゃないか。
そう思って、出口がありそうな場所を考えてみた。
一番先に思いついたのは学校。だけどスタートがそこだったし、発電機を探しに職員室に入ったりもしたから違うかな。ドアはいっぱいあるけど、しらみつぶしに開けてみなきゃわかんない出口なんて、バルビットくんならつまらないって言いそうだ。
次は、駅。ほら、駅ってさ、電車に乗って遠くまで行くから、『この町の出口』って感じするじゃん?
だけど駅は裕太も実莉衣と穂乃果も行ってるけど怪しいものはなかったらしい。
オレも改めて行ってあらゆるドアを触ってみたけど、カギがかかってたり、開いても何も起こらなかった。
そうなんだよな。謎解きゲーム的にいうと、カギが必要ってパターンもあるんだよな。
まずはそのカギを見つけなきゃいけない、っていうさ。防災倉庫みたいに。
でも駅や学校の開かないドアって、それ、勝手に開けちゃいけないやつじゃん?
いくら自由にカギを探せるっていっても、オレたち的に『わるいこと』はしたくないんだよね。
ゲームを作る側だって、社会のルールをやぶらなきゃいけない出口なんて用意しないと思うんだよな。だって、いつも子どもにえらそうに説教してる大人が作った世界なんだから。
まあ、つまり。
正直に言えば、オレたちはちょっと行きづまっていた。
「原点……。原点、ねえ」
あの日裕太は、原点にもどると言っていた。
それで出口を見つけたとしたら、それがヒントになるはず。
うーん。
わからない……。
あきらめて河原に戻ると、晴樹がうずくまっているのが見えた。
「晴樹くん! しっかりして!」
穂乃果と実莉衣が青ざめた顔で必死に声をかけている。
「どうしたんだ?!」
オレの後ろから唯人もかけつけて、みんなで晴樹の周りを囲む。
晴樹は痛そうにお腹を抱えて、額にはあぶら汗が浮いていた。
「おい、晴樹! 一体何があったんだよ!」
オレの声にも、一瞬顔をあげただけで何も答えられないみたいだ。
「どうしよう……、晴樹くん、死んじゃったらどうしよう!」
実莉衣もおろおろしていて、ちゃんと話せる感じじゃない。
かわりに穂乃果が「あのね」と教えてくれえた。
「晴樹くんが、先にもどってきてて、何か食べてたの。それで、私たち、何食べてるのって、声かけたら、それが、杏仁豆腐で……」
「アンニンドウフ? なんでそんなものを……」
驚いて聞き返せば、どうやらこれまでも晴樹はこっそりいろいろなものをお店で買ってきては食べていたらしい。
電気が使えなくなってしばらくは、駄菓子のミニプリンを食べていたなんてことも、オレは知らなかった。
たしかにあれなら冷蔵庫に入っていなくても食べられる。
コンビニのプリンやデザートが食べられなくなって、それを食べてたんだろう。
だけど小学校近くのおばあちゃんがやってる駄菓子屋のミニプリンも、もう全部食べ尽くしてしまったらしい。
「だから、アンニンドウフに手を出したってことか?」
「プリンはダメかもしれないけど、アンニンドウフならなんかイケる気がした、って言って」
慌てて落ちてたアンニンドウフの空容器を拾ってみれば、いやいや、ちゃんと冷蔵庫に入れろって書いてあるじゃん!
「いやあ、これはダメだろ。腐ってたんじゃないのか?」
「うん、私たちも、そう思って、晴樹くんに、大丈夫かって、聞いたら、急にお腹を痛がり出して……」
ん……? 待てよ?
もしかして――
「なあ、それまでは晴樹は元気だったのか?」
「うん……。あっ」
穂乃果も気づいたみたいだ。あのチョコ入りのカレーと同じだ、って。
ここは仮想の世界だ。だけど脳と体はつながってる。
きっと、晴樹は実莉衣と穂乃果に言われて、『ヤバイもの食べちゃった!』って思ったんだ。
だから体が反応して、腐ったものを食べたみたいにお腹が痛くなったんだ。
「晴樹! さっきのアンニンドウフ、腐ってなんかないよ。大丈夫だ、晴樹の気のせいだよ」
「何言ってんのよ?! こんなに痛がってるのに、大丈夫なわけないじゃない!」
「いや、ここは仮想世界だ。『腐ってる』って思うから体が反応してるだけなんだよ、きっと」
「あ……、そうか」
実莉衣も気が付いたらしい。
「晴樹くん、腐ってないって! 大丈夫だって!」
慌ててそう声をかけたけど、晴樹はあぶら汗をかいてうーうー言っている。
「オレ……素直だから……。自分を騙すとか、そういうの、ムリなんだよなあ」
オレははっとした。
「バルビットくんが、ケガをしたら痛いし、体にそういう信号が送られるって言ってたよな?」
「そういえば言ってたよね」
実莉衣の顔はだんだんと思い出してきたように、青ざめていった。
「もしかして、お腹痛いって思ったせいで、現実の体も痛がってるかもしれないってこと? やだ、晴樹くん、死なないで! こわいよ!」
「病院に行かなきゃ――……」
言葉の途中で穂乃果の声が消えた。
そうだ。
この世界にも病院はある。
だけど。
医者はいない。
「予定をかえて、やっぱり遠くまで行くことにしたのかなって思ったけど、やっぱりおかしいよ。三日経っても帰ってこないなんて……」
オレがそわそわと落ち着かずに歩き回っていると、唯人も考えこむように黙った。
晴樹も、うーんって唸る。
「どこかで野宿して遠くを目指すつもりだったら、行く前にそう言うもんなあ」
実莉衣も頷く。
「うん。みんなに心配かけるようなこと、裕太くんはしないと思う。スバルに、近場を探してみるって言ってたんだし」
「だとしたら、何か、あったのかな」
穂乃果が不安そうに自分の手をぎゅっと握りしめれば、実莉衣も不安そうに声を小さくした。
「何か、って……」
「自転車で転んで動けない、とか? 土手から落ちちゃった、とか?」
「晴樹、不安にさせるようなこと言わないでよ」
「オレもそれが心配で、唯人と二人で裕太の担当区域を探しに行ったんだけど、見つからなかったんだよ」
オレが言えば、女子二人の顔が暗くなる。
だけど、ふっと実莉衣が何か思いついたように顔を上げた。
「まさか……」
愕然としたように呟いた実莉衣に、唯人が「どうした?」と声をかける。
「いや、うん。裕太くんに限ってそんなことないと思うけど、出口を見つけて一人で帰っちゃった、とか。バルビットくんを呼んでリタイアした、とか……」
その言葉には、晴樹も唯人も目を見開いた。
「まさか! 裕太がそんなことするわけないよお!」
「裕太はこれまで俺たちの中の誰よりもみんなのことを考えて動いてくれたんだぜ? なにより、気になることはとことん調べる裕太がリタイアなんてするわけないし、出口を見つけたら喜んで報告に帰ってくるはずだ」
うん。オレもそう思う。
でも、実莉衣がそう疑ってしまう気持ちもわからなくはないんだ。
だけど、本人がいないんだから、確かめようがないことでオレたちの空気が悪くなっても仕方ない。
「まあ、大丈夫だよ。もし晴樹が言うように転んだりして動けなくなったなら、バルビットくんを呼んでリタイアするだろうし。だから裕太のことは心配いらないよ、きっと。出口が見つかって帰ったんなら、裕太の担当区域をオレたちも探せばいいってことだろ? つまりオレたちはヒントをゲットしたってことになる」
な? ってオレが笑顔をつくってみんなの顔を見回せば、唯人と晴樹はあいまいにうなずいてくれた。
「そうだよね。帰ってこない理由は、わからないけど、そう考えれば、裕太くんはきっと、無事だよね」
穂乃果もそう言ってくれて、オレは残る実莉衣の顔をこわごわうかがった。
「うん……。あたしも、裕太くんのこと疑いたいわけじゃないしね。とにかく無事だって信じられれば、いいか」
小さくそう笑ったけど、あ、無理してるな、って思った。
空気を悪くしちゃいけない。明るい実莉衣だから、きっとそう思って、心の中の言葉を飲み込んじゃったんだ。
穂乃果も心配そうに実莉衣を見ていたけど、その本人に「さ、じゃあ今日はみんなで裕太くんの担当区域を探してみよ!」と明るく切り替えたように言われれば、オレも穂乃果も頷くしかなかった。
□
一週間経っても、裕太も出口も見つからなかった。
いつからか、オレたちはテントで泊まるのをやめた。
ご飯を作ったり風呂に入るのは河原だけど、夜寝る時はそれぞれの家に帰った。
みんな、少しだけ一人の時間がほしくなったんだ。
実莉衣と穂乃果が嫌いになったわけでもなく離れたくなった理由が、オレたちにもよくわかった。
だけど実莉衣は帰る家がないから、穂乃果の家だ。
それでも、一度離れたことで、お互いに反省点も寂しさもわかったみたいで、今は二人でもうまくやれてるようだった。
だから、前とは違って時々ベランダから吹っ切れたみたいな楽しい話し声が聞こえることがある。
オレはまたうっかり女子トークを聞いてしまわないように、そんなときは穂乃果の家からは一番離れているお父さんの部屋のベッドで寝ることにしていた。
その日もオレたちはみんなで裕太の担当区域で裕太と出口を探していた。
だけど、正直言ってやみくもに探しても見つからないような気がした。
何かヒントがあるんじゃないか。
そう思って、出口がありそうな場所を考えてみた。
一番先に思いついたのは学校。だけどスタートがそこだったし、発電機を探しに職員室に入ったりもしたから違うかな。ドアはいっぱいあるけど、しらみつぶしに開けてみなきゃわかんない出口なんて、バルビットくんならつまらないって言いそうだ。
次は、駅。ほら、駅ってさ、電車に乗って遠くまで行くから、『この町の出口』って感じするじゃん?
だけど駅は裕太も実莉衣と穂乃果も行ってるけど怪しいものはなかったらしい。
オレも改めて行ってあらゆるドアを触ってみたけど、カギがかかってたり、開いても何も起こらなかった。
そうなんだよな。謎解きゲーム的にいうと、カギが必要ってパターンもあるんだよな。
まずはそのカギを見つけなきゃいけない、っていうさ。防災倉庫みたいに。
でも駅や学校の開かないドアって、それ、勝手に開けちゃいけないやつじゃん?
いくら自由にカギを探せるっていっても、オレたち的に『わるいこと』はしたくないんだよね。
ゲームを作る側だって、社会のルールをやぶらなきゃいけない出口なんて用意しないと思うんだよな。だって、いつも子どもにえらそうに説教してる大人が作った世界なんだから。
まあ、つまり。
正直に言えば、オレたちはちょっと行きづまっていた。
「原点……。原点、ねえ」
あの日裕太は、原点にもどると言っていた。
それで出口を見つけたとしたら、それがヒントになるはず。
うーん。
わからない……。
あきらめて河原に戻ると、晴樹がうずくまっているのが見えた。
「晴樹くん! しっかりして!」
穂乃果と実莉衣が青ざめた顔で必死に声をかけている。
「どうしたんだ?!」
オレの後ろから唯人もかけつけて、みんなで晴樹の周りを囲む。
晴樹は痛そうにお腹を抱えて、額にはあぶら汗が浮いていた。
「おい、晴樹! 一体何があったんだよ!」
オレの声にも、一瞬顔をあげただけで何も答えられないみたいだ。
「どうしよう……、晴樹くん、死んじゃったらどうしよう!」
実莉衣もおろおろしていて、ちゃんと話せる感じじゃない。
かわりに穂乃果が「あのね」と教えてくれえた。
「晴樹くんが、先にもどってきてて、何か食べてたの。それで、私たち、何食べてるのって、声かけたら、それが、杏仁豆腐で……」
「アンニンドウフ? なんでそんなものを……」
驚いて聞き返せば、どうやらこれまでも晴樹はこっそりいろいろなものをお店で買ってきては食べていたらしい。
電気が使えなくなってしばらくは、駄菓子のミニプリンを食べていたなんてことも、オレは知らなかった。
たしかにあれなら冷蔵庫に入っていなくても食べられる。
コンビニのプリンやデザートが食べられなくなって、それを食べてたんだろう。
だけど小学校近くのおばあちゃんがやってる駄菓子屋のミニプリンも、もう全部食べ尽くしてしまったらしい。
「だから、アンニンドウフに手を出したってことか?」
「プリンはダメかもしれないけど、アンニンドウフならなんかイケる気がした、って言って」
慌てて落ちてたアンニンドウフの空容器を拾ってみれば、いやいや、ちゃんと冷蔵庫に入れろって書いてあるじゃん!
「いやあ、これはダメだろ。腐ってたんじゃないのか?」
「うん、私たちも、そう思って、晴樹くんに、大丈夫かって、聞いたら、急にお腹を痛がり出して……」
ん……? 待てよ?
もしかして――
「なあ、それまでは晴樹は元気だったのか?」
「うん……。あっ」
穂乃果も気づいたみたいだ。あのチョコ入りのカレーと同じだ、って。
ここは仮想の世界だ。だけど脳と体はつながってる。
きっと、晴樹は実莉衣と穂乃果に言われて、『ヤバイもの食べちゃった!』って思ったんだ。
だから体が反応して、腐ったものを食べたみたいにお腹が痛くなったんだ。
「晴樹! さっきのアンニンドウフ、腐ってなんかないよ。大丈夫だ、晴樹の気のせいだよ」
「何言ってんのよ?! こんなに痛がってるのに、大丈夫なわけないじゃない!」
「いや、ここは仮想世界だ。『腐ってる』って思うから体が反応してるだけなんだよ、きっと」
「あ……、そうか」
実莉衣も気が付いたらしい。
「晴樹くん、腐ってないって! 大丈夫だって!」
慌ててそう声をかけたけど、晴樹はあぶら汗をかいてうーうー言っている。
「オレ……素直だから……。自分を騙すとか、そういうの、ムリなんだよなあ」
オレははっとした。
「バルビットくんが、ケガをしたら痛いし、体にそういう信号が送られるって言ってたよな?」
「そういえば言ってたよね」
実莉衣の顔はだんだんと思い出してきたように、青ざめていった。
「もしかして、お腹痛いって思ったせいで、現実の体も痛がってるかもしれないってこと? やだ、晴樹くん、死なないで! こわいよ!」
「病院に行かなきゃ――……」
言葉の途中で穂乃果の声が消えた。
そうだ。
この世界にも病院はある。
だけど。
医者はいない。
0
お気に入りに追加
1
あなたにおすすめの小説
荒川ハツコイ物語~宇宙から来た少女と過ごした小学生最後の夏休み~
釈 余白(しやく)
児童書・童話
今より少し前の時代には、子供らが荒川土手に集まって遊ぶのは当たり前だったらしい。野球をしたり凧揚げをしたり釣りをしたり、時には決闘したり下級生の自転車練習に付き合ったりと様々だ。
そんな話を親から聞かされながら育ったせいなのか、僕らの遊び場はもっぱら荒川土手だった。もちろん小学生最後となる六年生の夏休みもいつもと変わらず、いつものように幼馴染で集まってありきたりの遊びに精を出す毎日である。
そして今日は鯉釣りの予定だ。今まで一度も釣り上げたことのない鯉を小学生のうちに釣り上げるのが僕、田口暦(たぐち こよみ)の目標だった。
今日こそはと強い意気込みで釣りを始めた僕だったが、初めての鯉と出会う前に自分を宇宙人だと言う女子、ミクに出会い一目で恋に落ちてしまった。だが夏休みが終わるころには自分の星へ帰ってしまうと言う。
かくして小学生最後の夏休みは、彼女が帰る前に何でもいいから忘れられないくらいの思い出を作り、特別なものにするという目的が最優先となったのだった。
はたして初めての鯉と初めての恋の両方を成就させることができるのだろうか。
児童絵本館のオオカミ
火隆丸
児童書・童話
閉鎖した児童絵本館に放置されたオオカミの着ぐるみが語る、数々の思い出。ボロボロの着ぐるみの中には、たくさんの人の想いが詰まっています。着ぐるみと人との間に生まれた、切なくも美しい物語です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/children_book.png?id=95b13a1c459348cd18a1)
魔界プリンスとココロのヒミツ【完結】
小平ニコ
児童書・童話
中学一年生の稲葉加奈は吹奏楽部に所属し、優れた音楽の才能を持っているが、そのせいで一部の部員から妬まれ、冷たい態度を取られる。ショックを受け、内向的な性格になってしまった加奈は、自分の心の奥深くに抱えた悩みやコンプレックスとどう付き合っていけばいいかわからず、どんよりとした気分で毎日を過ごしていた。
そんなある日、加奈の前に突如現れたのは、魔界からやって来た王子様、ルディ。彼は加奈の父親に頼まれ、加奈の悩みを解決するために日本まで来たという。
どうして父が魔界の王子様と知り合いなのか戸惑いながらも、ルディと一緒に生活する中で、ずっと抱えていた悩みを打ち明け、中学生活の最初からつまづいてしまった自分を大きく変えるきっかけを加奈は掴む。
しかし、実はルディ自身も大きな悩みを抱えていた。魔界の次期魔王の座を、もう一人の魔王候補であるガレスと争っているのだが、温厚なルディは荒っぽいガレスと直接対決することを避けていた。そんな中、ガレスがルディを追って、人間界にやって来て……
【総集編】日本昔話 パロディ短編集
Grisly
児童書・童話
❤️⭐️お願いします。
今まで発表した
日本昔ばなしの短編集を、再放送致します。
朝ドラの総集編のような物です笑
読みやすくなっているので、
⭐️して、何度もお読み下さい。
読んだ方も、読んでない方も、
新しい発見があるはず!
是非お楽しみ下さい😄
⭐︎登録、コメント待ってます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/children_book.png?id=95b13a1c459348cd18a1)
マモルとマトワ
富升針清
児童書・童話
立花守はどこにでもいる小学六年生。周りからしっかり者と言われている。
ある日、四年生弟が夜に家を抜け出して肝試しに行こうと友達から誘われている現場に遭遇。
しっかり者の守は勿論止めるが、絶賛反抗期の弟は褒められる兄を疎んじて言うことをまったく聞かない。
弟が肝試しに出かける夜、守も心配だからついていく。
肝試しの場所は近所で有名な幽霊が出ると言われてる心霊スポット。
守もお化けが怖いが、弟を心配してあとを付ける。
マモルが見守ってると、いわくつきの墓に石を投げたりいたずらしようとするが、大人がコラコラだめだよって優しく声をかける。
でも、子供たちがその大人をからかってると……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる