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第2章 俺と幼馴染と異世界
3.
しおりを挟むどうやら、異世界転移というものに巻き込まれた俺と悠理は
とある森の中にいた。
周辺で湿り気のない枝を探し集め、
もう使わないであろう数学のノートをちぎって火種とする。
悠理はテキパキと火を起こしていた。
街灯もない森の中だ、火がついただけでも安心感がすごい。
「こんな経験、小学校の時のキャンプ以来だな」
その時の知識が役に立ってるのかどうかは別として
まずは異世界1日目は乗り越えていけそうな気がしていた。
(夜はやっぱり冷えるな、、、、)
悠理は制服のまま動いていた。肌が見えている生脚に目がいく。
いやらしい目になっていたのか、視線に気づいた悠理に睨まれた。
「変な目で見てないで、真司も働いてよ」
ごもっともです。
悠理は、自分の四次元バックからパーカーを取り出した。
用意周到だな。
「真司のぶんもあるよ。兄貴のサイズだけど多分着れると思う」
俺も上着を着て、レトルトのカレーを作る。
サイズはちょっとキツめだが、伸びるだろうから問題ない。
晶馬さん、すみません。
「とりあえず、今日は乗り切れそうね」
やっと動くのを止めた悠理が安心したように呟いた。
「本当に俺らは異世界ってやつに来たんだな……」
確認の意味も込めて、呟く。
悠理には聞きたいことは山ほどある。
けど、悠理もちょっと詳しいってだけで異世界は初めてなのだ。
(こんな状況で聞くのも野暮だよなぁ)
きっと俺以上に神経を使っているに違いない。
頭のいいやつは、いろんなことに気がつくから常に頭フル回転なのだ。
「悠理、本当は聞きたいことは山ほどある。
けど、俺もお前も今日は休むべきだと思うんだ。
だから、明日にでも教えてくれないか。
俺も覚悟を決めるから………」
「わかった。元々真司にはちゃんと話さないとと思っていたから。
明日ちゃんと話す。」
俺たちは、テント内で寝袋敷いて寝る。
悠理はよほど疲れていたのか、すぐに寝息を立てていた。
(俺、、、役立たずだな…)
異世界転移ものの本でも読んでおけばよかった。か。
そもそも、違和感を感じていたのであれば、
もっと悠理に何か役に立てないか聞くべきだったのだ。
異世界転移なんて悠理1人で背負うには重い話なのだから。
クラスメイト達はどこにいるのだろうか。
バラバラになってないだろうか。
悠理は用意周到に準備をしていたが、
俺を始めクラスのほとんどが体身1つで異世界へ飛ばされたのだ。
(みんな無事でいてくれよ…)
昨日、晶馬さんと話した会話を思い出していた。
異世界へ来たのなら、和田家の因縁は断ち切られたであろう。
でも新たな脅威が俺たちを襲うのではないだろうか、、、。
そんなとき、俺はこれから悠理を守っていけるだろうか。
隣で悠理は寝息を立てている。
悠理の寝顔を見るのは久しぶりだ。
(小さい頃はいつも隣で見ていたのにな)
整った顔の悠理だが、寝ている時の顔は幼くなるのだ。
俺はこの寝顔を守っていきたいと
思いながら眠りについたーーーーーーーーーー
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