20 / 52
興奮した先輩と怯えるアリス
しおりを挟む
時刻はちょうど昼どきだ。
せっかくだしみんなには、うちで昼飯を食べていってもらおう。
一足先に玄関に踏み込む。
「……あれ?
じいちゃんの草履がねぇな」
「おじいちゃんなら、ふらっと出かけていったよ。
お昼はいらないって」
「そっか。
親父は今日も仕事でいねぇし、ふたりとも気楽にできていいかもしんねぇな。
とりあえず上がってくれ」
振り返ってみなみ先輩と時宗に声を掛けた。
「はぁい。
お邪魔しまーす」
「ああ。
邪魔しよう」
何気にこのふたりが俺ん家に遊びにくるのは、これが初めてだ。
時宗はうちに来てもいつもと変わらず超然としたままだが、先輩は物珍しげに我が家を見回している。
「ふぅーん。
歴史を思わせる和のお家って感じねぇ。
ふふっ。
大輔くんっぽい。
なんだか素敵ねっ」
「歴史っつーか、古いだけだな。
取りあえずみんな、こっち来てくれ」
玄関口からぞろぞろと居間に移動した。
◇
居間で大人数でガヤガヤしていると、2階から明希と拓海が連れ立って降りてきた。
「お帰り、大輔にぃ。
あれ?
って、誰⁉︎
このイケメン眼鏡のひと、大輔にぃの友だち⁈
ふわぁ……。
すっごいかっこいい!」
「うぉー!
にぃちゃんがまた、別嬪のねぇちゃんを連れてきた!
なんでにぃちゃんばかりモテやがる!
いったいどうなってんだ!」
うるさいふたりが増えて、居間は更に騒がしくなる。
ふと気がつくと、アリスが俺の背中に隠れてこそこそしていた。
なんか小動物みたいで可愛い。
でも、なんで隠れてるんだろう。
「とりあえずお前ら、静まれ!
まとめて紹介するぞ。
こっちは俺の妹と弟たちで、端から北川家長女の雫、次女の明希、末っ子の拓海。
そんでこっちは俺のダチで、ひとつ上の雪野みなみ先輩に、同い年の財前時宗だ」
ひと息に紹介してしまう。
みんなも互いに頭を下げあって自己紹介を始めた。
あとはさっきから、俺の背後に隠れたままのこいつなんだが……。
「アリス。
ほら、隠れてないで自己紹介しねぇと。
時宗は同じクラスだから知ってるよな」
「……はい」
「じゃあこっち。
俺のダチで、雪野みなみ先輩だ。
いいひとだぞ」
「はぁ、はぁ……。
雪野みなみよぉ。
ア、アリスちゃん、よろしくねぇ。
はぁ、はぁ……」
背中に隠れたアリスがビクッと震えた。
「どうしたんだよ、アリス。
自己紹介しかえさねぇと」
「……怖い。
その女のひと、目が怖いです。
尋常な目ではありません」
「……ん?
なに言ってんだ。
先輩がそんなわけ――」
ふと見ると、みなみ先輩は鼻息を荒くして酷く興奮していた。
両手をわきわきさせながら身を乗り出し、俺の背後に隠れたアリスを凝視している。
「う、うぉ⁉︎
せ、先輩どうしたってんだよ!
目がっ。
目が怖えぞ!」
「はぁ、はぁ……!
ア、アリスちゃぁん。
こ、こんな可愛い子が、この世に存在したなんて……!
奇跡的な美少女!
ギュッて抱きしめて、全身くまなく撫で回したくなるわぁ」
先輩は完全におかしくなっていた。
こんな彼女を見るのは俺も初めてだ。
醸し出す変態っぽい雰囲気に、軽く引き気味になる。
「ね、ねぇ大輔くん。
アリスちゃんをこっちに渡してくれないかしら?
へ、変なことはしないから。
うふ……。
うふふふふふ……」
「――ひぅ⁉︎」
アリスが怯えて縮こまった。
後ろから俺の服の裾を掴んで、ぶるぶると震えている。
「こ、怖いです」
「だ、だめだ!
アリスは渡せねぇ。
いまの先輩、なんかおかしくなっちまってんぞ!
目を覚ませ!」
「はぁ、はぁ……。
おかしい?
このあたしの、どこがおかしいっていうの?
あたしは至って普通よぉ。
さ、アリスちゃんをこっちに渡しなさい」
こいつはやべぇ……。
先輩から怪しげな匂いがぷんぷん漂ってきやがる。
「だ、大輔くん……!
怖い。
怖いです!」
キュッと二の腕を掴まれる。
俺はアリスを庇いつつ、背後を振り返って頷いた。
「大丈夫だ。
安心しろ、アリス」
「は、はい」
ふたたび前を振り向く。
するともうそこには、みなみ先輩の姿はなかった。
「――はっ⁉︎
いつの間に消えた!
せ、先輩は……⁈」
「きゃあ!」
背後から悲鳴があがった。
わずかな隙をついてあっという間に移動していたみなみ先輩が、アリスに抱きついていた。
「はぁ、はぁ……!
アリスちゃぁん。
ほっぺた、ぷにぷにぃ。
はぁ!
はぁ!
か、かか、髪の毛、さらさらぁ♡」
「やめっ!
やめてください……!」
いやっ。
大輔くんっ。
大輔くぅん!」
「ちょ⁉︎
なにやってんだ先輩!」
なんとかしてアリスから先輩を引き剥がす。
引き離されたあとも先輩は、鼻息を荒くしたままだ。
弄ばれてしまったアリスは細い体を両腕で抱きしめて、ぶるぶると震えていた。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
顔合わせも終わり、みなみ先輩と時宗は帰っていった。
先輩はずっとアリスを狙い続けていたが、俺の必死のガードが功を奏し、あの後は先輩がアリスに抱きつけることはなかった。
まったく……。
先輩にあんな変態的な一面があったとは、想像もしなかった。
これは今後、少し警戒するべきかもしれない。
◇
そういえばあの後、みんなで昼飯を食べた。
メニューは肉じゃがで、雫の指導を受けてアリスが作ったらしい。
味のほうは、なかなかのものだった。
雫もアリスならきっと、すぐに料理がうまくなると太鼓判を押していた。
ほかに変わったことと言えば、明希が瞳をハート型にしながら時宗にべったりとくっついていたことくらいか。
時宗のやつはイケメンだから明希が熱をあげるのも頷けるが、明希と仲の良い拓海は、ずっと面白くなさそうにしていた。
あとでちょいと、フォローしておいてやろう。
◇
「おう、アリス。
隣いいか?」
縁側に座り、ゆっくりとお茶を飲んでいるアリスに声を掛ける。
「はい。
どうぞ」
「あんがとよ」
隣に腰掛け、俺も茶を啜る。
「なんだか今日はバタバタしちまったなぁ。
悪りぃな」
「……いえ。
やっぱり今日も楽しかったです」
「先輩のあれも?」
「……ぅ」
アリスが言葉に詰まった。
しかしこほんと咳払いをして、彼女は話を続ける。
「雪野先輩も、です。
たしかにすこし苦手なところはありますが、きっとあの方は悪いひとではありませんから」
「そっか。
そう言ってもらえると助かる。
先輩も、時宗も、俺の大事なダチだからよ」
アリスが無言でこくりと頷いた。
なんとなく会話が途切れる。
俺も口を噤んで、ただ縁側でのんびりする。
さっきまでのような騒がしいのもいいけれど、こういう静かな時間も、これはこれでいいものだ。
アリスの隣で茶を啜りながら、俺はそんなことを思った。
せっかくだしみんなには、うちで昼飯を食べていってもらおう。
一足先に玄関に踏み込む。
「……あれ?
じいちゃんの草履がねぇな」
「おじいちゃんなら、ふらっと出かけていったよ。
お昼はいらないって」
「そっか。
親父は今日も仕事でいねぇし、ふたりとも気楽にできていいかもしんねぇな。
とりあえず上がってくれ」
振り返ってみなみ先輩と時宗に声を掛けた。
「はぁい。
お邪魔しまーす」
「ああ。
邪魔しよう」
何気にこのふたりが俺ん家に遊びにくるのは、これが初めてだ。
時宗はうちに来てもいつもと変わらず超然としたままだが、先輩は物珍しげに我が家を見回している。
「ふぅーん。
歴史を思わせる和のお家って感じねぇ。
ふふっ。
大輔くんっぽい。
なんだか素敵ねっ」
「歴史っつーか、古いだけだな。
取りあえずみんな、こっち来てくれ」
玄関口からぞろぞろと居間に移動した。
◇
居間で大人数でガヤガヤしていると、2階から明希と拓海が連れ立って降りてきた。
「お帰り、大輔にぃ。
あれ?
って、誰⁉︎
このイケメン眼鏡のひと、大輔にぃの友だち⁈
ふわぁ……。
すっごいかっこいい!」
「うぉー!
にぃちゃんがまた、別嬪のねぇちゃんを連れてきた!
なんでにぃちゃんばかりモテやがる!
いったいどうなってんだ!」
うるさいふたりが増えて、居間は更に騒がしくなる。
ふと気がつくと、アリスが俺の背中に隠れてこそこそしていた。
なんか小動物みたいで可愛い。
でも、なんで隠れてるんだろう。
「とりあえずお前ら、静まれ!
まとめて紹介するぞ。
こっちは俺の妹と弟たちで、端から北川家長女の雫、次女の明希、末っ子の拓海。
そんでこっちは俺のダチで、ひとつ上の雪野みなみ先輩に、同い年の財前時宗だ」
ひと息に紹介してしまう。
みんなも互いに頭を下げあって自己紹介を始めた。
あとはさっきから、俺の背後に隠れたままのこいつなんだが……。
「アリス。
ほら、隠れてないで自己紹介しねぇと。
時宗は同じクラスだから知ってるよな」
「……はい」
「じゃあこっち。
俺のダチで、雪野みなみ先輩だ。
いいひとだぞ」
「はぁ、はぁ……。
雪野みなみよぉ。
ア、アリスちゃん、よろしくねぇ。
はぁ、はぁ……」
背中に隠れたアリスがビクッと震えた。
「どうしたんだよ、アリス。
自己紹介しかえさねぇと」
「……怖い。
その女のひと、目が怖いです。
尋常な目ではありません」
「……ん?
なに言ってんだ。
先輩がそんなわけ――」
ふと見ると、みなみ先輩は鼻息を荒くして酷く興奮していた。
両手をわきわきさせながら身を乗り出し、俺の背後に隠れたアリスを凝視している。
「う、うぉ⁉︎
せ、先輩どうしたってんだよ!
目がっ。
目が怖えぞ!」
「はぁ、はぁ……!
ア、アリスちゃぁん。
こ、こんな可愛い子が、この世に存在したなんて……!
奇跡的な美少女!
ギュッて抱きしめて、全身くまなく撫で回したくなるわぁ」
先輩は完全におかしくなっていた。
こんな彼女を見るのは俺も初めてだ。
醸し出す変態っぽい雰囲気に、軽く引き気味になる。
「ね、ねぇ大輔くん。
アリスちゃんをこっちに渡してくれないかしら?
へ、変なことはしないから。
うふ……。
うふふふふふ……」
「――ひぅ⁉︎」
アリスが怯えて縮こまった。
後ろから俺の服の裾を掴んで、ぶるぶると震えている。
「こ、怖いです」
「だ、だめだ!
アリスは渡せねぇ。
いまの先輩、なんかおかしくなっちまってんぞ!
目を覚ませ!」
「はぁ、はぁ……。
おかしい?
このあたしの、どこがおかしいっていうの?
あたしは至って普通よぉ。
さ、アリスちゃんをこっちに渡しなさい」
こいつはやべぇ……。
先輩から怪しげな匂いがぷんぷん漂ってきやがる。
「だ、大輔くん……!
怖い。
怖いです!」
キュッと二の腕を掴まれる。
俺はアリスを庇いつつ、背後を振り返って頷いた。
「大丈夫だ。
安心しろ、アリス」
「は、はい」
ふたたび前を振り向く。
するともうそこには、みなみ先輩の姿はなかった。
「――はっ⁉︎
いつの間に消えた!
せ、先輩は……⁈」
「きゃあ!」
背後から悲鳴があがった。
わずかな隙をついてあっという間に移動していたみなみ先輩が、アリスに抱きついていた。
「はぁ、はぁ……!
アリスちゃぁん。
ほっぺた、ぷにぷにぃ。
はぁ!
はぁ!
か、かか、髪の毛、さらさらぁ♡」
「やめっ!
やめてください……!」
いやっ。
大輔くんっ。
大輔くぅん!」
「ちょ⁉︎
なにやってんだ先輩!」
なんとかしてアリスから先輩を引き剥がす。
引き離されたあとも先輩は、鼻息を荒くしたままだ。
弄ばれてしまったアリスは細い体を両腕で抱きしめて、ぶるぶると震えていた。
◆ ◇ ◆ ◇ ◆
顔合わせも終わり、みなみ先輩と時宗は帰っていった。
先輩はずっとアリスを狙い続けていたが、俺の必死のガードが功を奏し、あの後は先輩がアリスに抱きつけることはなかった。
まったく……。
先輩にあんな変態的な一面があったとは、想像もしなかった。
これは今後、少し警戒するべきかもしれない。
◇
そういえばあの後、みんなで昼飯を食べた。
メニューは肉じゃがで、雫の指導を受けてアリスが作ったらしい。
味のほうは、なかなかのものだった。
雫もアリスならきっと、すぐに料理がうまくなると太鼓判を押していた。
ほかに変わったことと言えば、明希が瞳をハート型にしながら時宗にべったりとくっついていたことくらいか。
時宗のやつはイケメンだから明希が熱をあげるのも頷けるが、明希と仲の良い拓海は、ずっと面白くなさそうにしていた。
あとでちょいと、フォローしておいてやろう。
◇
「おう、アリス。
隣いいか?」
縁側に座り、ゆっくりとお茶を飲んでいるアリスに声を掛ける。
「はい。
どうぞ」
「あんがとよ」
隣に腰掛け、俺も茶を啜る。
「なんだか今日はバタバタしちまったなぁ。
悪りぃな」
「……いえ。
やっぱり今日も楽しかったです」
「先輩のあれも?」
「……ぅ」
アリスが言葉に詰まった。
しかしこほんと咳払いをして、彼女は話を続ける。
「雪野先輩も、です。
たしかにすこし苦手なところはありますが、きっとあの方は悪いひとではありませんから」
「そっか。
そう言ってもらえると助かる。
先輩も、時宗も、俺の大事なダチだからよ」
アリスが無言でこくりと頷いた。
なんとなく会話が途切れる。
俺も口を噤んで、ただ縁側でのんびりする。
さっきまでのような騒がしいのもいいけれど、こういう静かな時間も、これはこれでいいものだ。
アリスの隣で茶を啜りながら、俺はそんなことを思った。
0
お気に入りに追加
110
あなたにおすすめの小説
妊娠中、息子の告発によって夫の浮気を知ったので、息子とともにざまぁすることにいたしました
奏音 美都
恋愛
アストリアーノ子爵夫人である私、メロディーは妊娠中の静養のためマナーハウスに滞在しておりました。
そんなさなか、息子のロレントの告発により、夫、メンフィスの不貞を知ることとなったのです。
え、自宅に浮気相手を招いた?
息子に浮気現場を見られた、ですって……!?
覚悟はよろしいですか、旦那様?
【完結】お父様の再婚相手は美人様
すみ 小桜(sumitan)
恋愛
シャルルの父親が子連れと再婚した!
二人は美人親子で、当主であるシャルルをあざ笑う。
でもこの国では、美人だけではどうにもなりませんよ。
浮気癖夫が妻に浮気された話。
伊月 慧
恋愛
浮気癖夫の和樹は結婚しているにも拘わらず、朝帰りは日常的。
そんな和樹がまた女の元へ行っていた日、なんと妻の香織は家に男を連れ込んだ。その男は和樹の会社の先輩であり、香織の元カレでーー。
【完結・全7話】妹などおりません。理由はご説明が必要ですか?お分かりいただけますでしょうか?
BBやっこ
恋愛
ナラライア・グスファースには、妹がいた。その存在を全否定したくなり、血の繋がりがある事が残念至極と思うくらいには嫌いになった。あの子が小さい頃は良かった。お腹が空けば泣き、おむつを変えて欲しければむずがる。あれが赤ん坊だ。その時まで可愛い子だった。
成長してからというもの。いつからあんな意味不明な人間、いやもう同じ令嬢というジャンルに入れたくない。男を誘い、お金をぶんどり。貢がせて人に罪を着せる。それがバレてもあの笑顔。もう妹というものじゃない。私の婚約者にも毒牙が…!
【完結】欲情しないと仰いましたので白い結婚でお願いします
ユユ
恋愛
他国の王太子の第三妃として望まれたはずが、
王太子からは拒絶されてしまった。
欲情しない?
ならば白い結婚で。
同伴公務も拒否します。
だけど王太子が何故か付き纏い出す。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
浮気中の婚約者が私には塩対応なので塩対応返しすることにした
今川幸乃
恋愛
スターリッジ王国の貴族学園に通うリアナにはクリフというスポーツ万能の婚約者がいた。
リアナはクリフのことが好きで彼のために料理を作ったり勉強を教えたりと様々な親切をするが、クリフは当然の顔をしているだけで、まともに感謝もしない。
しかも彼はエルマという他の女子と仲良くしている。
もやもやが募るもののリアナはその気持ちをどうしていいか分からなかった。
そんな時、クリフが放課後もエルマとこっそり二人で会っていたことが分かる。
それを知ったリアナはこれまでクリフが自分にしていたように塩対応しようと決意した。
少しの間クリフはリアナと楽しく過ごそうとするが、やがて試験や宿題など様々な問題が起こる。
そこでようやくクリフは自分がいかにリアナに助けられていたかを実感するが、その時にはすでに遅かった。
※4/15日分の更新は抜けていた8話目「浮気」の更新にします。話の流れに差し障りが出てしまい申し訳ありません。
旦那様、離婚しましょう ~私は冒険者になるのでご心配なくっ~
榎夜
恋愛
私と旦那様は白い結婚だ。体の関係どころか手を繋ぐ事もしたことがない。
ある日突然、旦那の子供を身籠ったという女性に離婚を要求された。
別に構いませんが......じゃあ、冒険者にでもなろうかしら?
ー全50話ー
【完結】聖女召喚に巻き込まれたバリキャリですが、追い出されそうになったのでお金と魔獣をもらって出て行きます!
チャららA12・山もり
恋愛
二十七歳バリバリキャリアウーマンの鎌本博美(かまもとひろみ)が、交差点で後ろから背中を押された。死んだと思った博美だが、突如、異世界へ召喚される。召喚された博美が発した言葉を誤解したハロルド王子の前に、もうひとりの女性が現れた。博美の方が、聖女召喚に巻き込まれた一般人だと決めつけ、追い出されそうになる。しかし、バリキャリの博美は、そのまま追い出されることを拒否し、彼らに慰謝料を要求する。
お金を受け取るまで、博美は屋敷で暮らすことになり、数々の騒動に巻き込まれながら地下で暮らす魔獣と交流を深めていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる