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6 謎の事件と聖人候補
900 教区長のお願い
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900
おお、なんと900話でございます。
われながら、よく書くわね、ほんとに。
途中病気で一ヶ月ほど入院した時はどうなることかと思いましたが、
おかげさまで書籍化、文庫本化、そして漫画化(あ、これはまだ書籍化には至っておりませんが^_^;)
と、メイロードたちの世界は広がっていきました。
これもすべて読んでくださる皆様のおかげです。
こんな長いお話をご愛顧いただき、本当にありがとうございます(平伏)
今後ともどうぞよしなに^_^
やまなぎ
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
(えっと……この教会って、確かに一般信者は野草茶を飲んでたけど、教区長の客にも野草茶? この教会そこまで資金がないのかな……それとも清貧を貫くという思想的なもの?)
豪華な部屋やティーカップに不似合いな野草を使った最も安いお茶。これはこれで野趣があっていいものだが、教区長の部屋のしつらえには不似合いな気がする。
そんなことを考えていると、バージェ教区長は、挨拶も早々に本題を切り出す。
「実はだね、その〝ドラジェ〟とかいう菓子の作り方を教えてはもらえないだろうか?」
「作り方……でございますか?」
大したことではないだろうという態度がみえる口ぶりに、そうきたかと思いつつ、私は笑顔を崩さないよう気をつけながら言葉を返す。
「ご期待に添えず申し訳ございませんが、それはできかねます。あれは私の商品として売り出す予定のものですので、その作り方をお教えすることはできないのです」
一般人からすれば〝教区長〟という聖職者の中でも立場の上の人物から何かを頼まれることは命令にも等しい効力を持つ。私が〝退魔教〟の信者であったら絶対逆らうことはないだろうが、あいにく私は善意の第三者に過ぎず、信徒でもなく、この教会に与してはいないのだから、彼の〝お願い〟を叶える必要などない。
「はは、これはキッパリとした物言いだね」
バージェは面白そうに笑いながら話を続けた。
「実はね。この地のご領主様、というかそのお嬢様のためらしいのだが、どうしても〝ドラジェ〟が欲しいとあらゆるツテをたどり、私のところへ話がきたのだよ。教会としてはご領主様に頼み込まれた以上、そのままにはしておけないので困ってしまってね。こうして君に頼んでいるわけだ」
この街の絶対権力者である〝ご領主様〟との関係を壊したくないという事情はわかるが、私が〝退魔教〟の関係者でない以上、無理強いはできないはずだし、そう断っても問題ないだろう。バージェはそれをわかっていながら私に圧力をかけてきている。
(結局、バージェの思惑としては、領主という権力者の存在でビビらせて私にレシピを吐き出させ、それを自分の手柄にして恩着せがましく領主へ流すか売りつけるかする気なんだろうな。舐められてるなぁ、まぁ、商人とはいっても小娘だし仕方ないけど)
黙り込む私にバージェは次の手札を切る。
「もちろんただとは言わないよ。とはいえ、教会は決して裕福ではないのでね。銀貨数枚程度しか出せないのだが……」
(ははぁ、この野草茶はお金がないアピールのためだったのね。姑息な手を使うなぁ。私からは買い叩いて領主には苦労したとでも言いながら、吹っかけて高値で売りつける気だな、これ。そちらがそういう姑息な手を使うなら、こっちもカードを切りますか)
「ご領主様からのお申し出でも、それもできかねます」
「では、もう少しだけ銀貨を……」
「そう言った問題ではないのでございます」
私はそう言いながら左手の手首を少しめくってみせた。
それを目にしたバージェの目は見開かれ、一瞬言葉の詰まる。
「まさか、それは……〝魔法契約印〟? ど、どういうことだね?」
ここで私は真顔になり、少し深刻そうな口調で話を進める。
「私は行商人でございますが、大きな街には数ヶ月滞在し、菓子を製造販売したりもしております。私の作る菓子はちょっと変わっていて珍しいらしく、どこでも大変ご好評をいただいておりました。そうしたお得意先の中に、私の作る菓子をお気に召したというとある裕福な方がございまして、私が次に作る菓子を必ず最初に食べたいとおっしゃられ、いまの私はこのように契約に縛られているのです」
「な⁉︎ そんな……たかが菓子のために魔法契約だと!」
バージェが引くほど驚くのも無理はない。魔法契約書は大変高価なもので、金貨つまり100万円相当のお金が最低でも必要とされる。これで私の〝ドラジェ〟の価値は、銀貨数枚でどうにかなるようなものではない、とバージェは思い知ったはずだ。もちろんこの契約がある以上、レシピは契約者以外には口外できないし、同じ内容については上書きの魔法契約もできない。
「今回お配りした〝ドラジェ〟は、まだまだ試作の段階で完成品には程遠く売り物にならないものでしたが、それでもそれなりに高価な材料を使用しておりましたので、さすがに捨てるに忍びなく、寄付という形で困っている方々の癒しになればとお持ちしたものでした。
販売には制約がありましたが、あれは制作途中の廃棄処分品でしたし寄付ならば〝魔法契約〟の違反には抵触しませんでしたので……ですが、いまは軽率だったと反省しております」
実際私はこの件について、もう少し考えてからにすべきだった反省していたので、とても心のこもった言葉になっていたし、そういう表情だっただろう。
「そもそもレシピといわれましても、まだ〝ドラジェ〟は、とてもご領主様に差し上げられるような質にはなっておりませんし、改良の途中なのです」
ここで私は少し困ったふうに首をすくめた。
「それに……契約の関係上、依頼者のお名前は申し上げられませんが、私に菓子作りを依頼されているのは、とても大きな力をお持ちの方でございます。大変親しくさせていただいておりますし、私の菓子を熱心に待ってくださっています。仮に私になにかあれば、きっとあらゆる手段で私の行方を探されるでしょうね」
ここで私は、依頼主が相当な権力者であることを匂わせ、これ以上ゴリ押しすれば面倒になるよ、と軽く脅しをかけた。菓子のために気軽に魔法契約を持ち出せるような人物だ。地方の領主とは格の違う大貴族あたりだと、きっと思ったことだろう。
(おそらく大きな悪巧み中のバージェだ。絶対中央貴族には目をつけられたくないだろうからね。菓子と引き換えに危ない橋は渡れないでしょ)
案の定、バージェは最初の穏やかな感じとは打って変わって、苦虫を噛み潰したような表情になっている。そうなると、その整った容姿でも本来の冷酷さが浮かんでしまうようだ。
いずれにせよ清貧の教区長を演じているバージェが、大金を出すと言うはずがないし、言い出したところで魔法契約がある限り〝ドラジェ〟のレシピは絶対に私から聞き出せない。暴力に訴えるような強引な手段を用いれば、中央貴族の目がこの教会に向いてしまうかもしれない。
(これ以上の交渉はできないでしょう? ラケルタ・バージェ)
「ぐっ、むぅ……」
そう言ったきり言葉の出なくなった教区長様を前に、私は申し訳なさそうにしながら席を立ち、逃げるような雰囲気を出しながら早々に退出した。
「お役に立てず申し訳ございません。失礼致します、教区長様」
教区長様は、もう私を見もせず厳しい顔をして爪を噛んでいたが、その理由も私にはわかっている。
(バージェは多額の寄付金を持ってきた領主からの使いに、『難しいかもしれないが、私なら必ずできる』と大口を叩き、レシピを入手した場合の成功報酬まで約束させていたんだよね。セーヤたちからの報告でわかってるんだから。
脅しもダメ、お金もダメ、荒事もダメとわかって、絶対に〝ドラジェ〟もそのレシピも手に入れられないと確定しちゃったよ。さあ、どうご領主様に話すのかな? もう多額の寄付金を受け取っちゃった手前、言い訳をどうにかするのに必死だよね。まぁ、せいぜい考えてね)
私はドアの前で心配そうにずっと待っていてくれたらしいサシャさんに笑顔で手を振り、ホッとした表情の彼女と教会の出口へと、すっかり紙芝居の虜になっているという子供たちの様子を聞きながら笑顔で歩いていった。
おお、なんと900話でございます。
われながら、よく書くわね、ほんとに。
途中病気で一ヶ月ほど入院した時はどうなることかと思いましたが、
おかげさまで書籍化、文庫本化、そして漫画化(あ、これはまだ書籍化には至っておりませんが^_^;)
と、メイロードたちの世界は広がっていきました。
これもすべて読んでくださる皆様のおかげです。
こんな長いお話をご愛顧いただき、本当にありがとうございます(平伏)
今後ともどうぞよしなに^_^
やまなぎ
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
(えっと……この教会って、確かに一般信者は野草茶を飲んでたけど、教区長の客にも野草茶? この教会そこまで資金がないのかな……それとも清貧を貫くという思想的なもの?)
豪華な部屋やティーカップに不似合いな野草を使った最も安いお茶。これはこれで野趣があっていいものだが、教区長の部屋のしつらえには不似合いな気がする。
そんなことを考えていると、バージェ教区長は、挨拶も早々に本題を切り出す。
「実はだね、その〝ドラジェ〟とかいう菓子の作り方を教えてはもらえないだろうか?」
「作り方……でございますか?」
大したことではないだろうという態度がみえる口ぶりに、そうきたかと思いつつ、私は笑顔を崩さないよう気をつけながら言葉を返す。
「ご期待に添えず申し訳ございませんが、それはできかねます。あれは私の商品として売り出す予定のものですので、その作り方をお教えすることはできないのです」
一般人からすれば〝教区長〟という聖職者の中でも立場の上の人物から何かを頼まれることは命令にも等しい効力を持つ。私が〝退魔教〟の信者であったら絶対逆らうことはないだろうが、あいにく私は善意の第三者に過ぎず、信徒でもなく、この教会に与してはいないのだから、彼の〝お願い〟を叶える必要などない。
「はは、これはキッパリとした物言いだね」
バージェは面白そうに笑いながら話を続けた。
「実はね。この地のご領主様、というかそのお嬢様のためらしいのだが、どうしても〝ドラジェ〟が欲しいとあらゆるツテをたどり、私のところへ話がきたのだよ。教会としてはご領主様に頼み込まれた以上、そのままにはしておけないので困ってしまってね。こうして君に頼んでいるわけだ」
この街の絶対権力者である〝ご領主様〟との関係を壊したくないという事情はわかるが、私が〝退魔教〟の関係者でない以上、無理強いはできないはずだし、そう断っても問題ないだろう。バージェはそれをわかっていながら私に圧力をかけてきている。
(結局、バージェの思惑としては、領主という権力者の存在でビビらせて私にレシピを吐き出させ、それを自分の手柄にして恩着せがましく領主へ流すか売りつけるかする気なんだろうな。舐められてるなぁ、まぁ、商人とはいっても小娘だし仕方ないけど)
黙り込む私にバージェは次の手札を切る。
「もちろんただとは言わないよ。とはいえ、教会は決して裕福ではないのでね。銀貨数枚程度しか出せないのだが……」
(ははぁ、この野草茶はお金がないアピールのためだったのね。姑息な手を使うなぁ。私からは買い叩いて領主には苦労したとでも言いながら、吹っかけて高値で売りつける気だな、これ。そちらがそういう姑息な手を使うなら、こっちもカードを切りますか)
「ご領主様からのお申し出でも、それもできかねます」
「では、もう少しだけ銀貨を……」
「そう言った問題ではないのでございます」
私はそう言いながら左手の手首を少しめくってみせた。
それを目にしたバージェの目は見開かれ、一瞬言葉の詰まる。
「まさか、それは……〝魔法契約印〟? ど、どういうことだね?」
ここで私は真顔になり、少し深刻そうな口調で話を進める。
「私は行商人でございますが、大きな街には数ヶ月滞在し、菓子を製造販売したりもしております。私の作る菓子はちょっと変わっていて珍しいらしく、どこでも大変ご好評をいただいておりました。そうしたお得意先の中に、私の作る菓子をお気に召したというとある裕福な方がございまして、私が次に作る菓子を必ず最初に食べたいとおっしゃられ、いまの私はこのように契約に縛られているのです」
「な⁉︎ そんな……たかが菓子のために魔法契約だと!」
バージェが引くほど驚くのも無理はない。魔法契約書は大変高価なもので、金貨つまり100万円相当のお金が最低でも必要とされる。これで私の〝ドラジェ〟の価値は、銀貨数枚でどうにかなるようなものではない、とバージェは思い知ったはずだ。もちろんこの契約がある以上、レシピは契約者以外には口外できないし、同じ内容については上書きの魔法契約もできない。
「今回お配りした〝ドラジェ〟は、まだまだ試作の段階で完成品には程遠く売り物にならないものでしたが、それでもそれなりに高価な材料を使用しておりましたので、さすがに捨てるに忍びなく、寄付という形で困っている方々の癒しになればとお持ちしたものでした。
販売には制約がありましたが、あれは制作途中の廃棄処分品でしたし寄付ならば〝魔法契約〟の違反には抵触しませんでしたので……ですが、いまは軽率だったと反省しております」
実際私はこの件について、もう少し考えてからにすべきだった反省していたので、とても心のこもった言葉になっていたし、そういう表情だっただろう。
「そもそもレシピといわれましても、まだ〝ドラジェ〟は、とてもご領主様に差し上げられるような質にはなっておりませんし、改良の途中なのです」
ここで私は少し困ったふうに首をすくめた。
「それに……契約の関係上、依頼者のお名前は申し上げられませんが、私に菓子作りを依頼されているのは、とても大きな力をお持ちの方でございます。大変親しくさせていただいておりますし、私の菓子を熱心に待ってくださっています。仮に私になにかあれば、きっとあらゆる手段で私の行方を探されるでしょうね」
ここで私は、依頼主が相当な権力者であることを匂わせ、これ以上ゴリ押しすれば面倒になるよ、と軽く脅しをかけた。菓子のために気軽に魔法契約を持ち出せるような人物だ。地方の領主とは格の違う大貴族あたりだと、きっと思ったことだろう。
(おそらく大きな悪巧み中のバージェだ。絶対中央貴族には目をつけられたくないだろうからね。菓子と引き換えに危ない橋は渡れないでしょ)
案の定、バージェは最初の穏やかな感じとは打って変わって、苦虫を噛み潰したような表情になっている。そうなると、その整った容姿でも本来の冷酷さが浮かんでしまうようだ。
いずれにせよ清貧の教区長を演じているバージェが、大金を出すと言うはずがないし、言い出したところで魔法契約がある限り〝ドラジェ〟のレシピは絶対に私から聞き出せない。暴力に訴えるような強引な手段を用いれば、中央貴族の目がこの教会に向いてしまうかもしれない。
(これ以上の交渉はできないでしょう? ラケルタ・バージェ)
「ぐっ、むぅ……」
そう言ったきり言葉の出なくなった教区長様を前に、私は申し訳なさそうにしながら席を立ち、逃げるような雰囲気を出しながら早々に退出した。
「お役に立てず申し訳ございません。失礼致します、教区長様」
教区長様は、もう私を見もせず厳しい顔をして爪を噛んでいたが、その理由も私にはわかっている。
(バージェは多額の寄付金を持ってきた領主からの使いに、『難しいかもしれないが、私なら必ずできる』と大口を叩き、レシピを入手した場合の成功報酬まで約束させていたんだよね。セーヤたちからの報告でわかってるんだから。
脅しもダメ、お金もダメ、荒事もダメとわかって、絶対に〝ドラジェ〟もそのレシピも手に入れられないと確定しちゃったよ。さあ、どうご領主様に話すのかな? もう多額の寄付金を受け取っちゃった手前、言い訳をどうにかするのに必死だよね。まぁ、せいぜい考えてね)
私はドアの前で心配そうにずっと待っていてくれたらしいサシャさんに笑顔で手を振り、ホッとした表情の彼女と教会の出口へと、すっかり紙芝居の虜になっているという子供たちの様子を聞きながら笑顔で歩いていった。
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