3 / 7
ダンジョン
しおりを挟む
各地には様々なダンジョンがある。
空に伸びる塔や、どこまでも深い森の中にあるもの光の届かない地下深いものまで、実に様々なものが存在していた。
ロキはその日の魔法に合わせて潜るため、短期集中でダンジョンの攻略をしたり、時にはダンジョンを諦めて、調合や採取の仕事をギルドから請け負って日銭を稼いでいた。
「今日は探知魔法だ」
攻撃系ではないので、物の納品をメインに依頼を受ける。
「今使える魔法って、どうやってわかるのです?」
アンリエッタの問いかけに、ロキは自身の頭を指さして答える。
「朝起きるとその日使用できるものが自然と思い浮かぶんだ。俺様はほぼ全ての魔法を使用できるのだが、高ランクの魔法まで頭に浮かんでくる」
収納などの生活魔法、防御壁、転移魔法はいつでも使える。
ロキの弱点を補うために臨時でパーティを組んでもいいのだが、わざわざロキと組みたいと言うものはいない。
ロキも一人が気楽だからあえて積極的に仲間を探すこともしなかった。
人に頼むのも頭を下げるのも嫌だということも大きかった。
今はアンリエッタもいるし、誰かを誘う必要もない。
何よりアンリエッタと一緒にいるのは心地よかった。
どんな魔法が出たとしても、馬鹿にしないし、むしろ魔法に合わせたダンジョンを一緒に探してくれたり、積極的に攻略も手伝ってくれる。
借金返済の為とはいえ、文句も言わず、危険なダンジョンにもついてきてくれた。
……借金を踏み倒されないようにかもしれないが、監視者のようにべったりであった。
ダンジョンに入り、探知魔法を発動させる。
頭の中に地図が浮かびあがり、どこに何があるかすぐわかるようになった。
目を開ければ、目的まで細い光が伸びており、道標が浮かんでいる。
「今日も頑張るか」
「はい」
剣を手に、ロキはアンリエッタを伴って歩き始めた。
空に伸びる塔や、どこまでも深い森の中にあるもの光の届かない地下深いものまで、実に様々なものが存在していた。
ロキはその日の魔法に合わせて潜るため、短期集中でダンジョンの攻略をしたり、時にはダンジョンを諦めて、調合や採取の仕事をギルドから請け負って日銭を稼いでいた。
「今日は探知魔法だ」
攻撃系ではないので、物の納品をメインに依頼を受ける。
「今使える魔法って、どうやってわかるのです?」
アンリエッタの問いかけに、ロキは自身の頭を指さして答える。
「朝起きるとその日使用できるものが自然と思い浮かぶんだ。俺様はほぼ全ての魔法を使用できるのだが、高ランクの魔法まで頭に浮かんでくる」
収納などの生活魔法、防御壁、転移魔法はいつでも使える。
ロキの弱点を補うために臨時でパーティを組んでもいいのだが、わざわざロキと組みたいと言うものはいない。
ロキも一人が気楽だからあえて積極的に仲間を探すこともしなかった。
人に頼むのも頭を下げるのも嫌だということも大きかった。
今はアンリエッタもいるし、誰かを誘う必要もない。
何よりアンリエッタと一緒にいるのは心地よかった。
どんな魔法が出たとしても、馬鹿にしないし、むしろ魔法に合わせたダンジョンを一緒に探してくれたり、積極的に攻略も手伝ってくれる。
借金返済の為とはいえ、文句も言わず、危険なダンジョンにもついてきてくれた。
……借金を踏み倒されないようにかもしれないが、監視者のようにべったりであった。
ダンジョンに入り、探知魔法を発動させる。
頭の中に地図が浮かびあがり、どこに何があるかすぐわかるようになった。
目を開ければ、目的まで細い光が伸びており、道標が浮かんでいる。
「今日も頑張るか」
「はい」
剣を手に、ロキはアンリエッタを伴って歩き始めた。
0
お気に入りに追加
10
あなたにおすすめの小説

赤髪騎士と同僚侍女のほのぼの婚約話(番外編あり)
しろねこ。
恋愛
赤髪の騎士ルドは久々の休日に母孝行として実家を訪れていた。
良い年頃なのに浮いた話だし一つ持ってこない息子に母は心配が止まらない。
人当たりも良く、ルックスも良く、給料も悪くないはずなのに、えっ?何で彼女出来ないわけ?
時として母心は息子を追い詰めるものなのは、どの世でも変わらない。
ルドの想い人は主君の屋敷で一緒に働いているお喋り侍女。
気が強く、お話大好き、時には乱暴な一面すら好ましく思う程惚れている。
一緒にいる時間が長いと好意も生まれやすいよね、というところからの職場内恋愛のお話です。
他作品で出ているサブキャラのお話。
こんな関係性があったのね、くらいのゆるい気持ちでお読み下さい。
このお話だけでも読めますが、他の作品も読むともっと楽しいかも(*´ω`*)?
完全自己満、ハピエン、ご都合主義の作者による作品です。
※小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿してます!
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

王子妃教育に疲れたので幼馴染の王子との婚約解消をしました
さこの
恋愛
新年のパーティーで婚約破棄?の話が出る。
王子妃教育にも疲れてきていたので、婚約の解消を望むミレイユ
頑張っていても落第令嬢と呼ばれるのにも疲れた。
ゆるい設定です
赤髪騎士(弟)の拗らせ愛
しろねこ。
恋愛
長年の片思い。
素直に伝えられなかった想いと身分さに悩みつつ、ついに伝えることが出来なかった。
思いもかけない再会に、今度は後悔しないように動くと誓う。
からかわれキャラの赤髪騎士ライカの物語。
自作品内にて色々な話のサブキャラとして、登場しています。
カクヨムさん、小説家になろうさんでも連載中(*´ω`*)
【掌編集】今までお世話になりました旦那様もお元気で〜妻の残していった離婚受理証明書を握りしめイケメン公爵は涙と鼻水を垂らす
まほりろ
恋愛
新婚初夜に「君を愛してないし、これからも愛するつもりはない」と言ってしまった公爵。
彼は今まで、天才、美男子、完璧な貴公子、ポーカーフェイスが似合う氷の公爵などと言われもてはやされてきた。
しかし新婚初夜に暴言を吐いた女性が、初恋の人で、命の恩人で、伝説の聖女で、妖精の愛し子であったことを知り意気消沈している。
彼の手には元妻が置いていった「離婚受理証明書」が握られていた……。
他掌編七作品収録。
※無断転載を禁止します。
※朗読動画の無断配信も禁止します
「Copyright(C)2023-まほりろ/若松咲良」
某小説サイトに投稿した掌編八作品をこちらに転載しました。
【収録作品】
①「今までお世話になりました旦那様もお元気で〜ポーカーフェイスの似合う天才貴公子と称された公爵は、妻の残していった離婚受理証明書を握りしめ涙と鼻水を垂らす」
②「何をされてもやり返せない臆病な公爵令嬢は、王太子に竜の生贄にされ壊れる。能ある鷹と天才美少女は爪を隠す」
③「運命的な出会いからの即日プロポーズ。婚約破棄された天才錬金術師は新しい恋に生きる!」
④「4月1日10時30分喫茶店ルナ、婚約者は遅れてやってきた〜新聞は星座占いを見る為だけにある訳ではない」
⑤「『お姉様はズルい!』が口癖の双子の弟が現世の婚約者! 前世では弟を立てる事を親に強要され馬鹿の振りをしていましたが、現世では奴とは他人なので天才として実力を充分に発揮したいと思います!」
⑥「婚約破棄をしたいと彼は言った。契約書とおふだにご用心」
⑦「伯爵家に半世紀仕えた老メイドは伯爵親子の罠にハマり無一文で追放される。老メイドを助けたのはポーカーフェイスの美女でした」
⑧「お客様の中に褒め褒めの感想を書ける方はいらっしゃいませんか? 天才美文感想書きVS普通の少女がえんぴつで書いた感想!」

【完結】仕事を放棄した結果、私は幸せになれました。
キーノ
恋愛
わたくしは乙女ゲームの悪役令嬢みたいですわ。悪役令嬢に転生したと言った方がラノベあるある的に良いでしょうか。
ですが、ゲーム内でヒロイン達が語られる用な悪事を働いたことなどありません。王子に嫉妬? そのような無駄な事に時間をかまけている時間はわたくしにはありませんでしたのに。
だってわたくし、週4回は王太子妃教育に王妃教育、週3回で王妃様とのお茶会。お茶会や教育が終わったら王太子妃の公務、王子殿下がサボっているお陰で回ってくる公務に、王子の管轄する領の嘆願書の整頓やら収益やら税の計算やらで、わたくし、ちっとも自由時間がありませんでしたのよ。
こんなに忙しい私が、最後は冤罪にて処刑ですって? 学園にすら通えて無いのに、すべてのルートで私は処刑されてしまうと解った今、わたくしは全ての仕事を放棄して、冤罪で処刑されるその時まで、押しと穏やかに過ごしますわ。
※さくっと読める悪役令嬢モノです。
2月14~15日に全話、投稿完了。
感想、誤字、脱字など受け付けます。
沢山のエールにお気に入り登録、ありがとうございます。現在執筆中の新作の励みになります。初期作品のほうも見てもらえて感無量です!
恋愛23位にまで上げて頂き、感謝いたします。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる