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第148話 皇帝の力
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皇宮の訓練場はもはや原型を留めていなかった。
地面は抉れ、冷気に満ち、そして今は緊迫感に包まれている。
異様な殺気が皆の心を絡めとっていた。
「大人しく私に掴まってた方が、良かったと思うわ」
同情するようなイシスの声が聞こえた。大勢の帝国兵がなだれ込んできて囲まれる。
その中で一人、明らかに異彩を放つ者が静かにエリックを見据えている。
「初めて会うな、アドガルムの王太子よ」
抑揚のない声だ。そこには感情が全く感じられない。
エリックは背筋を這う悪寒に負けまいようにと拳を握り、レナンを庇い、抱き寄せる。
「こんなところまで来るとは思わなかった、一国の主たるもの、玉座で待つ余裕を持つものだろうが」
皇宮に入る時に感じた悪寒と同じものが、目前の男から感じられる。
(何が怖いというのだろうか?)
体が大きいとか、恐ろしい風貌をしているというわけではない。
得体のしれない恐怖を感じている。理屈ではなく感情がこの男を受け入れるのを拒否しているのだ。
「少なくとも俺の父ならば部下を信頼し、わざわざ戦の前線には出てこない。なぁ皇帝バルトロス」
アドガルムの王を比較対象に出すと、ふっとバルトロスは笑った。
「アルフレッドならば、そうだろうな」
懐かしむような、郷愁を纏った声だ。
だがそれも瞬時に消え失せる。
「だが、俺は違う」
「!!」
「きゃっ?!」
エリックは本能的にレナンを突き飛ばす。
突然ではあったが、エリックは魔力を練り、十分な防御壁と氷壁を作る。
それで自分の身を守った、つもりだった。
「うっ!」
強い魔力がエリックの魔法を打ち砕き、そのまま体を弾き飛ばした。
(せり負けた? 俺が?)
信じられない気持ちと納得している感情がある。
そうでなければレナンを自身から離すことはしなかった。
どこかで予期していたのだろう、だがここまで圧倒的に差があるとは思っていなかった。
「エリック様!」
レナンが駆け寄るよりも早く、二コラがバルトロスに切りかかる。
「お前は死なないといっていたが、死ねないのはどうだ?」
二コラもまたバルトロスに弾かれる。
「くそ!」
体勢を整え、再度切りかかろうとしたが、地面から生えた硬い杭のような物が二コラの体に突き刺さる。
「かはっ!」
血反吐を吐き、その杭を抜こうともがくものの、抜くことが出来ない。
「痛みは感じるのに死ねないとは、辛いだろうな」
二コラの足元には夥しい量の血が落ちた。
「さて」
バルトロスの目がレナンに移る。
「ルビアの死霊を退けたというのはお前だな?」
レナンはバルトロスに睨まれ、足が竦む。
「あっ……」
恐怖で全く動けない。
エリックと二コラがあっという間にやられたのだ。どう足掻いても勝てないというのがわかる。
「レナン様!」
キュアがレナンを転移魔法で逃がそうとするが発動しない。
「無駄だ、お前程度の魔力ではこの皇宮に張られた結界は越えられない」
訓練場内ならいざ知らず、外部までの転移は出来そうにない。
「光よ!」
「うわっ!」「ぎゃっ!」
キュアは眩い光を発生させ、目くらましを行い、皇帝の側にいた帝国兵達が叫び声を上げる。
その隙をついて、レナンの手を引いて走り出した。せめてレナンだけでもここから逃がさないと。
オスカーもキュアの動向から意図を組み、目を塞いでいた。タイミングを合わせて先程の残っていた植物にて、退路は作ってある。
「パルスでもこのような手で逃げようとしていたな」
バルトロスの冷静な声が直ぐ側で聞こえた。
キュアの頬を強い衝撃が襲い、レナンと共に飛ばされる。殴り飛ばされたのだと気づいた時には、血の味が口内に広がっていた。
「あなたの事、大嫌いから殺したいほど嫌いになったわ。腹立つ」
キュアは口内の血をぺっと吐き出すとレナンを背に隠すように立った。
「キュア、すぐ回復を」
頬を腫らし、口から出血しているキュアを慮る。
こんな状況でも心配してくれるレナンに愛おしさを感じた。
「ありがとうございます、レナン様。ですが今はそのような時間がありません」
キュア手からは無数の光の矢が作り出され皇帝に向かって放たれる。
鋭い光の刃は熱も持っており、貫かれたものは灼けつくような痛みに襲われていた。
「この程度にイシスはやられたか……全く使えぬ奴らばかりだな」
バルトロスは片手を前に軽く突き出し、魔法を放つ。
暗い闇はキュアの光を消すだけではなく、キュアの体を貫こうと迫ってくる。
「くうぅっ!」
キュアは歯を食いしばり、防御壁を張り、迫りくる攻撃に耐える。
圧倒的な力の差だ。気を抜けば二コラのように貫かれるか、エリックのように吹き飛ばされるか、どちらにしろ良い結末ではない。
「遊んでるわね!」
キュアは怒りと根性で何とか維持していた。
そもそもキュアの魔力では瞬殺されてもおかしくない。
あのエリックでも耐え切れなかったのだ、つまり今キュアが生きているのは、バルトロスが本気を出していないからだ。
(あたし程度いつでも殺せるっていう事よね)
屈辱だ。
「遊ぶ? 違うな」
バルトロスの腕の一振りで、防御壁は一瞬で砕け散り、激しい魔力に当てられ、キュアの体は宙を舞う。
体中に無数の傷が出来、気を失った。
キュアが命を張って守ったからか、レナンには傷一つない。
バルトロスはゆっくりとレナンに向かって歩みを進める。
地面は抉れ、冷気に満ち、そして今は緊迫感に包まれている。
異様な殺気が皆の心を絡めとっていた。
「大人しく私に掴まってた方が、良かったと思うわ」
同情するようなイシスの声が聞こえた。大勢の帝国兵がなだれ込んできて囲まれる。
その中で一人、明らかに異彩を放つ者が静かにエリックを見据えている。
「初めて会うな、アドガルムの王太子よ」
抑揚のない声だ。そこには感情が全く感じられない。
エリックは背筋を這う悪寒に負けまいようにと拳を握り、レナンを庇い、抱き寄せる。
「こんなところまで来るとは思わなかった、一国の主たるもの、玉座で待つ余裕を持つものだろうが」
皇宮に入る時に感じた悪寒と同じものが、目前の男から感じられる。
(何が怖いというのだろうか?)
体が大きいとか、恐ろしい風貌をしているというわけではない。
得体のしれない恐怖を感じている。理屈ではなく感情がこの男を受け入れるのを拒否しているのだ。
「少なくとも俺の父ならば部下を信頼し、わざわざ戦の前線には出てこない。なぁ皇帝バルトロス」
アドガルムの王を比較対象に出すと、ふっとバルトロスは笑った。
「アルフレッドならば、そうだろうな」
懐かしむような、郷愁を纏った声だ。
だがそれも瞬時に消え失せる。
「だが、俺は違う」
「!!」
「きゃっ?!」
エリックは本能的にレナンを突き飛ばす。
突然ではあったが、エリックは魔力を練り、十分な防御壁と氷壁を作る。
それで自分の身を守った、つもりだった。
「うっ!」
強い魔力がエリックの魔法を打ち砕き、そのまま体を弾き飛ばした。
(せり負けた? 俺が?)
信じられない気持ちと納得している感情がある。
そうでなければレナンを自身から離すことはしなかった。
どこかで予期していたのだろう、だがここまで圧倒的に差があるとは思っていなかった。
「エリック様!」
レナンが駆け寄るよりも早く、二コラがバルトロスに切りかかる。
「お前は死なないといっていたが、死ねないのはどうだ?」
二コラもまたバルトロスに弾かれる。
「くそ!」
体勢を整え、再度切りかかろうとしたが、地面から生えた硬い杭のような物が二コラの体に突き刺さる。
「かはっ!」
血反吐を吐き、その杭を抜こうともがくものの、抜くことが出来ない。
「痛みは感じるのに死ねないとは、辛いだろうな」
二コラの足元には夥しい量の血が落ちた。
「さて」
バルトロスの目がレナンに移る。
「ルビアの死霊を退けたというのはお前だな?」
レナンはバルトロスに睨まれ、足が竦む。
「あっ……」
恐怖で全く動けない。
エリックと二コラがあっという間にやられたのだ。どう足掻いても勝てないというのがわかる。
「レナン様!」
キュアがレナンを転移魔法で逃がそうとするが発動しない。
「無駄だ、お前程度の魔力ではこの皇宮に張られた結界は越えられない」
訓練場内ならいざ知らず、外部までの転移は出来そうにない。
「光よ!」
「うわっ!」「ぎゃっ!」
キュアは眩い光を発生させ、目くらましを行い、皇帝の側にいた帝国兵達が叫び声を上げる。
その隙をついて、レナンの手を引いて走り出した。せめてレナンだけでもここから逃がさないと。
オスカーもキュアの動向から意図を組み、目を塞いでいた。タイミングを合わせて先程の残っていた植物にて、退路は作ってある。
「パルスでもこのような手で逃げようとしていたな」
バルトロスの冷静な声が直ぐ側で聞こえた。
キュアの頬を強い衝撃が襲い、レナンと共に飛ばされる。殴り飛ばされたのだと気づいた時には、血の味が口内に広がっていた。
「あなたの事、大嫌いから殺したいほど嫌いになったわ。腹立つ」
キュアは口内の血をぺっと吐き出すとレナンを背に隠すように立った。
「キュア、すぐ回復を」
頬を腫らし、口から出血しているキュアを慮る。
こんな状況でも心配してくれるレナンに愛おしさを感じた。
「ありがとうございます、レナン様。ですが今はそのような時間がありません」
キュア手からは無数の光の矢が作り出され皇帝に向かって放たれる。
鋭い光の刃は熱も持っており、貫かれたものは灼けつくような痛みに襲われていた。
「この程度にイシスはやられたか……全く使えぬ奴らばかりだな」
バルトロスは片手を前に軽く突き出し、魔法を放つ。
暗い闇はキュアの光を消すだけではなく、キュアの体を貫こうと迫ってくる。
「くうぅっ!」
キュアは歯を食いしばり、防御壁を張り、迫りくる攻撃に耐える。
圧倒的な力の差だ。気を抜けば二コラのように貫かれるか、エリックのように吹き飛ばされるか、どちらにしろ良い結末ではない。
「遊んでるわね!」
キュアは怒りと根性で何とか維持していた。
そもそもキュアの魔力では瞬殺されてもおかしくない。
あのエリックでも耐え切れなかったのだ、つまり今キュアが生きているのは、バルトロスが本気を出していないからだ。
(あたし程度いつでも殺せるっていう事よね)
屈辱だ。
「遊ぶ? 違うな」
バルトロスの腕の一振りで、防御壁は一瞬で砕け散り、激しい魔力に当てられ、キュアの体は宙を舞う。
体中に無数の傷が出来、気を失った。
キュアが命を張って守ったからか、レナンには傷一つない。
バルトロスはゆっくりとレナンに向かって歩みを進める。
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