68 / 202
第68話 宰相候補と横恋慕
しおりを挟む
「大丈夫ですか?」
悩むレナンに声を掛けてきたのは、現宰相の息子カイルだ。
宰相候補として日々真面目に仕事に取り組んでおり、仕事も出来る男なのだが、エリックとが馬が合わず、レナンもあまり話をしたことがない。
カイルに限らず男全般をレナンに寄せることが許されていないので、こうして話しかけられるのも稀だ。
隣にいるキュアもやや警戒心を強めている。
「お気遣いありがとうございます、今はすっかり良くなりましたわ」
てっきり倒れてしまった事を気遣われたのだと思った。
会う事もしばらくなかったし、エリックが側にいないので、何となく声を掛けてくれたのだろう。
エリックはリオンと話があるという事で席を外しているのだ。
「お身体の事もですが、とある噂を聞いたもので心配しておりました」
カイルは側にいるキュアやラフィアに目もくれず、憂いを帯びた目でレナンを見ている。
「噂ですか?」
一体どういうものだろう。
レナンはキュアを見るが、何とも言えない微妙な顔をしている。
「カイル様、噂は噂です。けして振り回されてはいけませんよ」
キュアがこの場での明言を避けようと窘めた。
「事実ならば早急に対策しないといけないでしょう。大事な今の時期に余計な混乱はされたくないので」
キュアの提言をカイルはきっぱりと断った。
「キュア、その流れている噂とは良くない話なの?」
母国での扱いを思い出し、レナンは不安になる。
やはり自分はこの国にも相応しくないのだろうか。
「いえ、事実とは違いますが、撤回には少々困難を極めていまして」
歯切れの悪い返答だ。
「後ほど私が伝えますわ。ですのでカイル様、お気になさらずに」
ラフィアも口を出すほどだ。
余程の事なのだろう、悪い方向に考えてしまい、つい暗く沈んでしまう。
「いえ、解決のために俺もこうして乗り出したのです。今お話ししたい、国の未来に関わる事ですから」
カイルはすぐにでも白黒つけたいようだ、こんなにも熱のあるような話し方をする人だとは思わなかった。
どちらかというとエリックといがみ合うように会話する様子しか見ていない。
「レナン様、エリック様と仲違いしているという噂の真偽は本当ですか?」
「仲違い、ですか?」
てっきり自分の無能さを責めるものかと思いきや全く違う話であった。
心当たりはまるでないのだけど、何故そう思われているのか。
「えぇ。最近のレナン様はとても物憂げで悲しげな顔をされています。氷の王太子であるエリック様に手酷い仕打ちを受けているのではと、城内でも心配している者が多数おります」
「そんな事ないですわ! エリック様はいつでもわたくしを気遣ってくれて、今だって優しく労わってくれていて」
最近の悩む姿がそのような誤解を皆に与えていたなんて、レナンは頭を抱えてしまう。
「というわけでレナン様の言う通り、全くの誤解です。では、カイル様お帰りください」
キュアが煙たがる素振りを隠しもせずに追い払おうとする。
「そうはいかない、俺は皆を代表して王太子妃の悩む理由を聞きに来たのだ。パルスでの一件もあり、今やレナン様は英雄の一人だ。騎士団、そして兵士達も感謝しているものが多い」
カイルは数少ない王太子に意見できる位置にいるからか、周囲に頼まれてきたようだ。
「仲違いでないならば、最近の物憂げな表情や仕草は何だというのです。あのような儚げで寂しそうな様子は……見ていられません」
カイルの様子に、キュアの中で警鐘が鳴り響く。
この男をこれ以上レナンに近づけてはいけない。
「妻の憂いは俺が晴らすから、カイルが心配することなどない」
「エリック様」
ようやく戻ってきてくれたことに安堵する。
エリックはレナンとカイルの間に入るように立ちふさがる。
「仲違いもしていないし、冷遇もしていない。強いて言えば愛おしすぎて困っているだけだ」
「またそのようなふざけた事を。ならば何故レナン様はあのような悲しい顔でため息をついているのですか」
カイルの憤った言葉に、エリックは睨み返す。
「カイル、お前は宰相補佐として、国王陛下の仕事の手伝いが多いはずだ。俺達とは全く違う仕事をしているはずなのに、何故そこまでレナンの様子を知れるものなのだ?」
その指摘にサッとカイルの頬が朱に染まる。
「皆が相談に来るんだ。俺は将来この国の王を支える右腕になるからと。そうなれば王太子妃を支える事も必要だ」
将来の宰相として有力ではあるが、カイルは些か真面目過ぎる。
そして白黒つけたがるきらいがあるので、やや付け込まれやすいところがあるのだ。
「将来の王は俺のはずだが、また回りくどい言い方をするものだな。俺は厭うがレナンには惚れ込んだという事か。あいにくとお前が入り込む余地はない」
「俺はそんなつもりはない!」
怒りか羞恥か、更に顔を赤くしてしまった。
「油断も好きもないものだ。やはり離れるわけにはいかないな」
見せつけるようにしてレナンを抱き寄せた。
「レナンの悩みはわかっている。最近忙しくて構ってあげられなかったから、寂しかったのだろう」
「寂しい?」
こんなにもべったりなのに。
「そう。夫婦としての触れ合いをしていなかったから、悩ませていたのだろう。皆にも心配をかけてしまうから、以前のように戻そう」
額にキスをし、エリックが微笑む。
「レナンの体が心配で世継ぎを作らないよう手を出さないでいたが、それが不仲の噂となって回るくらいならば、俺もあまり気遣いを見せない方がいいようだな」
「エリック様!」
余りにも直接的な言い方にレナンは真っ赤になる。
キュアやラフィアだけならともかく、カイルのいる前で何という事を言うのか。
「だからお前を誑かしたものにもそう言っておけ。戦が起きてももうレナンを戦場になど駆り出さない。懐妊の可能性もあるからな。俺を焚きつけた責任を取ってもらうとな」
冷笑を浮かべ、本気の目でカイルを睨んでいる。
「何を言っているんだ」
飛躍する話にカイルはまさか、という顔つきだ。
「非常に不愉快な噂を流布したものもそうだが、担ぎ上げられてのこのこと来たお前も悪い。レナンに余計な不安を与えるものを俺が許すと思うか?」
エリックの合図で、二コラが音もなくカイルの背後に立つ。
「ではカイル様。お互いに仕事に戻りましょう、今後はヒューイ様にご自身の立場をきつく教えられてからエリック様の元へと来てください。そしてレナン様の元に許可なく近づかないように。うっかり僕の手が動いてしまうかもしれませんから」
いつの間にか首元には短剣が突きつけられている。
「……わかった」
カイルの言葉とエリックの目配せで、二コラは短剣を仕舞う。
「わかって頂けて嬉しいです。ではお送りしましょう」
見送るという名目の監視を引き受け、二コラとカイルが退室していく。
悩むレナンに声を掛けてきたのは、現宰相の息子カイルだ。
宰相候補として日々真面目に仕事に取り組んでおり、仕事も出来る男なのだが、エリックとが馬が合わず、レナンもあまり話をしたことがない。
カイルに限らず男全般をレナンに寄せることが許されていないので、こうして話しかけられるのも稀だ。
隣にいるキュアもやや警戒心を強めている。
「お気遣いありがとうございます、今はすっかり良くなりましたわ」
てっきり倒れてしまった事を気遣われたのだと思った。
会う事もしばらくなかったし、エリックが側にいないので、何となく声を掛けてくれたのだろう。
エリックはリオンと話があるという事で席を外しているのだ。
「お身体の事もですが、とある噂を聞いたもので心配しておりました」
カイルは側にいるキュアやラフィアに目もくれず、憂いを帯びた目でレナンを見ている。
「噂ですか?」
一体どういうものだろう。
レナンはキュアを見るが、何とも言えない微妙な顔をしている。
「カイル様、噂は噂です。けして振り回されてはいけませんよ」
キュアがこの場での明言を避けようと窘めた。
「事実ならば早急に対策しないといけないでしょう。大事な今の時期に余計な混乱はされたくないので」
キュアの提言をカイルはきっぱりと断った。
「キュア、その流れている噂とは良くない話なの?」
母国での扱いを思い出し、レナンは不安になる。
やはり自分はこの国にも相応しくないのだろうか。
「いえ、事実とは違いますが、撤回には少々困難を極めていまして」
歯切れの悪い返答だ。
「後ほど私が伝えますわ。ですのでカイル様、お気になさらずに」
ラフィアも口を出すほどだ。
余程の事なのだろう、悪い方向に考えてしまい、つい暗く沈んでしまう。
「いえ、解決のために俺もこうして乗り出したのです。今お話ししたい、国の未来に関わる事ですから」
カイルはすぐにでも白黒つけたいようだ、こんなにも熱のあるような話し方をする人だとは思わなかった。
どちらかというとエリックといがみ合うように会話する様子しか見ていない。
「レナン様、エリック様と仲違いしているという噂の真偽は本当ですか?」
「仲違い、ですか?」
てっきり自分の無能さを責めるものかと思いきや全く違う話であった。
心当たりはまるでないのだけど、何故そう思われているのか。
「えぇ。最近のレナン様はとても物憂げで悲しげな顔をされています。氷の王太子であるエリック様に手酷い仕打ちを受けているのではと、城内でも心配している者が多数おります」
「そんな事ないですわ! エリック様はいつでもわたくしを気遣ってくれて、今だって優しく労わってくれていて」
最近の悩む姿がそのような誤解を皆に与えていたなんて、レナンは頭を抱えてしまう。
「というわけでレナン様の言う通り、全くの誤解です。では、カイル様お帰りください」
キュアが煙たがる素振りを隠しもせずに追い払おうとする。
「そうはいかない、俺は皆を代表して王太子妃の悩む理由を聞きに来たのだ。パルスでの一件もあり、今やレナン様は英雄の一人だ。騎士団、そして兵士達も感謝しているものが多い」
カイルは数少ない王太子に意見できる位置にいるからか、周囲に頼まれてきたようだ。
「仲違いでないならば、最近の物憂げな表情や仕草は何だというのです。あのような儚げで寂しそうな様子は……見ていられません」
カイルの様子に、キュアの中で警鐘が鳴り響く。
この男をこれ以上レナンに近づけてはいけない。
「妻の憂いは俺が晴らすから、カイルが心配することなどない」
「エリック様」
ようやく戻ってきてくれたことに安堵する。
エリックはレナンとカイルの間に入るように立ちふさがる。
「仲違いもしていないし、冷遇もしていない。強いて言えば愛おしすぎて困っているだけだ」
「またそのようなふざけた事を。ならば何故レナン様はあのような悲しい顔でため息をついているのですか」
カイルの憤った言葉に、エリックは睨み返す。
「カイル、お前は宰相補佐として、国王陛下の仕事の手伝いが多いはずだ。俺達とは全く違う仕事をしているはずなのに、何故そこまでレナンの様子を知れるものなのだ?」
その指摘にサッとカイルの頬が朱に染まる。
「皆が相談に来るんだ。俺は将来この国の王を支える右腕になるからと。そうなれば王太子妃を支える事も必要だ」
将来の宰相として有力ではあるが、カイルは些か真面目過ぎる。
そして白黒つけたがるきらいがあるので、やや付け込まれやすいところがあるのだ。
「将来の王は俺のはずだが、また回りくどい言い方をするものだな。俺は厭うがレナンには惚れ込んだという事か。あいにくとお前が入り込む余地はない」
「俺はそんなつもりはない!」
怒りか羞恥か、更に顔を赤くしてしまった。
「油断も好きもないものだ。やはり離れるわけにはいかないな」
見せつけるようにしてレナンを抱き寄せた。
「レナンの悩みはわかっている。最近忙しくて構ってあげられなかったから、寂しかったのだろう」
「寂しい?」
こんなにもべったりなのに。
「そう。夫婦としての触れ合いをしていなかったから、悩ませていたのだろう。皆にも心配をかけてしまうから、以前のように戻そう」
額にキスをし、エリックが微笑む。
「レナンの体が心配で世継ぎを作らないよう手を出さないでいたが、それが不仲の噂となって回るくらいならば、俺もあまり気遣いを見せない方がいいようだな」
「エリック様!」
余りにも直接的な言い方にレナンは真っ赤になる。
キュアやラフィアだけならともかく、カイルのいる前で何という事を言うのか。
「だからお前を誑かしたものにもそう言っておけ。戦が起きてももうレナンを戦場になど駆り出さない。懐妊の可能性もあるからな。俺を焚きつけた責任を取ってもらうとな」
冷笑を浮かべ、本気の目でカイルを睨んでいる。
「何を言っているんだ」
飛躍する話にカイルはまさか、という顔つきだ。
「非常に不愉快な噂を流布したものもそうだが、担ぎ上げられてのこのこと来たお前も悪い。レナンに余計な不安を与えるものを俺が許すと思うか?」
エリックの合図で、二コラが音もなくカイルの背後に立つ。
「ではカイル様。お互いに仕事に戻りましょう、今後はヒューイ様にご自身の立場をきつく教えられてからエリック様の元へと来てください。そしてレナン様の元に許可なく近づかないように。うっかり僕の手が動いてしまうかもしれませんから」
いつの間にか首元には短剣が突きつけられている。
「……わかった」
カイルの言葉とエリックの目配せで、二コラは短剣を仕舞う。
「わかって頂けて嬉しいです。ではお送りしましょう」
見送るという名目の監視を引き受け、二コラとカイルが退室していく。
0
お気に入りに追加
191
あなたにおすすめの小説
捨てた騎士と拾った魔術師
吉野屋
恋愛
貴族の庶子であるミリアムは、前世持ちである。冷遇されていたが政略でおっさん貴族の後妻落ちになる事を懸念して逃げ出した。実家では隠していたが、魔力にギフトと生活能力はあるので、王都に行き暮らす。優しくて美しい夫も出来て幸せな生活をしていたが、夫の兄の死で伯爵家を継いだ夫に捨てられてしまう。その後、王都に来る前に出会った男(その時は鳥だった)に再会して国を左右する陰謀に巻き込まれていく。

【完結】神から貰ったスキルが強すぎなので、異世界で楽しく生活します!
桜もふ
恋愛
神の『ある行動』のせいで死んだらしい。私の人生を奪った神様に便利なスキルを貰い、転生した異世界で使えるチートの魔法が強すぎて楽しくて便利なの。でもね、ここは異世界。地球のように安全で自由な世界ではない、魔物やモンスターが襲って来る危険な世界……。
「生きたければ魔物やモンスターを倒せ!!」倒さなければ自分が死ぬ世界だからだ。
異世界で過ごす中で仲間ができ、時には可愛がられながら魔物を倒し、食料確保をし、この世界での生活を楽しく生き抜いて行こうと思います。
初めはファンタジー要素が多いが、中盤あたりから恋愛に入ります!!
猛獣のお世話係
しろねこ。
恋愛
「猛獣のお世話係、ですか?」
父は頷き、王家からの手紙を寄越す。
国王が大事にしている猛獣の世話をしてくれる令嬢を探している。
条件は結婚適齢期の女性で未婚のもの。
猛獣のお世話係になった者にはとある領地をあげるので、そこで住み込みで働いてもらいたい。
猛獣が満足したら充分な謝礼を渡す……など
「なぜ、私が?私は家督を継ぐものではなかったのですか?万が一選ばれたらしばらく戻ってこれませんが」
「その必要がなくなったからよ、お義姉さま。私とユミル様の婚約が決まったのよ」
婚約者候補も家督も義妹に取られ、猛獣のお世話係になるべくメイドと二人、王宮へ向かったが…ふさふさの猛獣は超好み!
いつまでもモフっていたい。
動物好き令嬢のまったりお世話ライフ。
もふもふはいいなぁ。
イヤな家族も仕事もない、幸せブラッシング生活が始まった。
完全自己満、ハピエン、ご都合主義です!
甘々です。
同名キャラで色んな作品を書いています。
一部キャラの台詞回しを誤字ではなく個性として受け止めて貰えればありがたいです。
他サイトさんでも投稿してます。
赤髪騎士と同僚侍女のほのぼの婚約話(番外編あり)
しろねこ。
恋愛
赤髪の騎士ルドは久々の休日に母孝行として実家を訪れていた。
良い年頃なのに浮いた話だし一つ持ってこない息子に母は心配が止まらない。
人当たりも良く、ルックスも良く、給料も悪くないはずなのに、えっ?何で彼女出来ないわけ?
時として母心は息子を追い詰めるものなのは、どの世でも変わらない。
ルドの想い人は主君の屋敷で一緒に働いているお喋り侍女。
気が強く、お話大好き、時には乱暴な一面すら好ましく思う程惚れている。
一緒にいる時間が長いと好意も生まれやすいよね、というところからの職場内恋愛のお話です。
他作品で出ているサブキャラのお話。
こんな関係性があったのね、くらいのゆるい気持ちでお読み下さい。
このお話だけでも読めますが、他の作品も読むともっと楽しいかも(*´ω`*)?
完全自己満、ハピエン、ご都合主義の作者による作品です。
※小説家になろうさん、カクヨムさんでも投稿してます!

婚約したら幼馴染から絶縁状が届きました。
黒蜜きな粉
恋愛
婚約が決まった翌日、登校してくると机の上に一通の手紙が置いてあった。
差出人は幼馴染。
手紙には絶縁状と書かれている。
手紙の内容は、婚約することを発表するまで自分に黙っていたから傷ついたというもの。
いや、幼馴染だからって何でもかんでも報告しませんよ。
そもそも幼馴染は親友って、そんなことはないと思うのだけど……?
そのうち機嫌を直すだろうと思っていたら、嫌がらせがはじまってしまった。
しかも、婚約者や周囲の友人たちまで巻き込むから大変。
どうやら私の評判を落として婚約を破談にさせたいらしい。

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる