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第29話 お披露目(男性サイド)
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戦の後という事で慎ましやかなお披露目となった。
パーティのような華美な催しではなく、本当に報告のみといったものだ。
声を掛けるが強制参加ではない。
移動、準備、手土産など、お金のかかることなので、今の情勢を考えると無理はさせたくなかった。
しかし大事な報告もあるからか、ほとんどの貴族は自主的に参加を決めている。
慎ましやかとは言っても、王族が着飾らないわけにはいかない。
レナンとミューズは手慣れたもので、着付けから何から全て侍女にお任せし、すんなりと終わるが、マオはそのような事に慣れず、触れられるのを拒否をしていた。
最後の仕上げとメイクだけ何とか侍女を受け入れる。
女性陣の仕上がりを待つ間、三兄弟で話をする。
「兄上は緊張などなさそうですね」
ティタンは感心していた。
このような場に何度も参加しているエリックは、涼やかな顔で椅子に腰をかけ、余裕の表情をしている。
白を基調とした服と深緑のマント、金糸で所々刺繍がされており目にも鮮やかだ。
いささか金の装飾品が多く煌びやかだが、その余裕も相まってとても似合っており、王太子となるに相応しい威厳に満ちている。
「これでも緊張している、そう見せないだけだ」
どちらかというとレナンを正式に妻として発表することへの高揚感が強い。
エリックは表にあまり感情を出さないよう教育されているのだが、今はにやけそうな表情を見せないように、その力を行使していた。
「ティタン兄様は少し座られては? まだ時間はおありですし、そのままでは始まる前に疲れてしまいますよ」
リオンは落ち着きなく歩くティタンに気遣いを見せる。
灰色と紫のバイカラーな衣装と若干の刺繍。
割りとシンプルな衣装だが、ファーのついたマントがあるだけで、大柄な体格も相まって、ひと際大きく見える。
祭礼用のものではない実戦用のものを帯剣もしているが、ティタンだけは特別に許可されていた。
護衛騎士がいるからと油断しないし、そこらものものより強いティタンは、いざという時エリックの盾となる所存だ。
「じっとしている方が落ち着かなくてな、動いていた方がまだ気が紛れる」
こういう場に慣れないティタンは苦笑した。
改まった場は苦手だが、ミューズの為にも今日は立派に務め上げねばならない。
「リオンも随分余裕だな、マオ嬢はとても嫌がっていたと聞いたが、大丈夫か?」
エリックの心配するような好奇の問いにリオンは困った顔をする。
「どうでしょう。何とか乗り切ってほしいと思いますが」
最終的には観念してくれそうだが、後で詫びの品でも送らないといけないなと考える。
リオンは黒の衣装に白いマントを羽織っていた、マントには銀糸での刺繍がされている裏地は髪と同じ青い色。
全体的にエリックと対比するような落ち着いた色合いをしている。
エリックに何かあればリオンがスペアとしてこの国を守る、ずっとそう言われそう育ってきた。
エリックの陰で生きることはリオンにとっては幸せだし、今後はマオと共に支えていくのだ。
自由奔放なマオとこれからは公認で過ごせるのだ、楽しみしかない。
三者三様の考えではあるが、兄弟たちは皆待ち望むお披露目であった。
パーティのような華美な催しではなく、本当に報告のみといったものだ。
声を掛けるが強制参加ではない。
移動、準備、手土産など、お金のかかることなので、今の情勢を考えると無理はさせたくなかった。
しかし大事な報告もあるからか、ほとんどの貴族は自主的に参加を決めている。
慎ましやかとは言っても、王族が着飾らないわけにはいかない。
レナンとミューズは手慣れたもので、着付けから何から全て侍女にお任せし、すんなりと終わるが、マオはそのような事に慣れず、触れられるのを拒否をしていた。
最後の仕上げとメイクだけ何とか侍女を受け入れる。
女性陣の仕上がりを待つ間、三兄弟で話をする。
「兄上は緊張などなさそうですね」
ティタンは感心していた。
このような場に何度も参加しているエリックは、涼やかな顔で椅子に腰をかけ、余裕の表情をしている。
白を基調とした服と深緑のマント、金糸で所々刺繍がされており目にも鮮やかだ。
いささか金の装飾品が多く煌びやかだが、その余裕も相まってとても似合っており、王太子となるに相応しい威厳に満ちている。
「これでも緊張している、そう見せないだけだ」
どちらかというとレナンを正式に妻として発表することへの高揚感が強い。
エリックは表にあまり感情を出さないよう教育されているのだが、今はにやけそうな表情を見せないように、その力を行使していた。
「ティタン兄様は少し座られては? まだ時間はおありですし、そのままでは始まる前に疲れてしまいますよ」
リオンは落ち着きなく歩くティタンに気遣いを見せる。
灰色と紫のバイカラーな衣装と若干の刺繍。
割りとシンプルな衣装だが、ファーのついたマントがあるだけで、大柄な体格も相まって、ひと際大きく見える。
祭礼用のものではない実戦用のものを帯剣もしているが、ティタンだけは特別に許可されていた。
護衛騎士がいるからと油断しないし、そこらものものより強いティタンは、いざという時エリックの盾となる所存だ。
「じっとしている方が落ち着かなくてな、動いていた方がまだ気が紛れる」
こういう場に慣れないティタンは苦笑した。
改まった場は苦手だが、ミューズの為にも今日は立派に務め上げねばならない。
「リオンも随分余裕だな、マオ嬢はとても嫌がっていたと聞いたが、大丈夫か?」
エリックの心配するような好奇の問いにリオンは困った顔をする。
「どうでしょう。何とか乗り切ってほしいと思いますが」
最終的には観念してくれそうだが、後で詫びの品でも送らないといけないなと考える。
リオンは黒の衣装に白いマントを羽織っていた、マントには銀糸での刺繍がされている裏地は髪と同じ青い色。
全体的にエリックと対比するような落ち着いた色合いをしている。
エリックに何かあればリオンがスペアとしてこの国を守る、ずっとそう言われそう育ってきた。
エリックの陰で生きることはリオンにとっては幸せだし、今後はマオと共に支えていくのだ。
自由奔放なマオとこれからは公認で過ごせるのだ、楽しみしかない。
三者三様の考えではあるが、兄弟たちは皆待ち望むお披露目であった。
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