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第2話 執着
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目が覚めるとアリスは顔が濡れてるのに気づく。
寝ながら泣いていたようで、頬も枕も濡れていた。
「夢……」
恐ろしい夢だった。
婚約破棄を宣言されディアナを殺そうとする夢だ。
そうしてディアナを庇った王太子に殺されてしまう、あの痛みはまさに現実のようだった。
冷たく鋭い痛みの感触に身震いしてしまう。
「お風呂に入りたいわ」
体は寒いし、泣いたせいで顔も酷い。
置いてある呼び鈴に手を伸ばし、人を呼ぶ。
「お呼びでしょうか、お嬢様」
無表情な侍女がやってくる。
「ショーカ、湯浴みをしたいの。準備してくれる?」
「畏まりました」
酷い顔を見ても関心がないのか何も言われない、だがそれも仕方ない事だ。
半年前にここに来たばかりの自分を簡単に受け入れてくれるわけはない。
アリスは平民だけど、魔法が使えた。
それを知ったオルタナ侯爵が平民だったアリスを養女にした、いずれ政略結婚させようというものだ。
アリスの使う魔法は特別らしく、汚れを浄化したり、いるだけで魔物を退ける事が出来る。
やがて自分は特別だと思いこむようになり傲慢になっていく。
そんなアリスは自分こそ次の王妃になるのに相応しいと思った。
その為にも何としても二人を引き離さなければ。
寝ながら泣いていたようで、頬も枕も濡れていた。
「夢……」
恐ろしい夢だった。
婚約破棄を宣言されディアナを殺そうとする夢だ。
そうしてディアナを庇った王太子に殺されてしまう、あの痛みはまさに現実のようだった。
冷たく鋭い痛みの感触に身震いしてしまう。
「お風呂に入りたいわ」
体は寒いし、泣いたせいで顔も酷い。
置いてある呼び鈴に手を伸ばし、人を呼ぶ。
「お呼びでしょうか、お嬢様」
無表情な侍女がやってくる。
「ショーカ、湯浴みをしたいの。準備してくれる?」
「畏まりました」
酷い顔を見ても関心がないのか何も言われない、だがそれも仕方ない事だ。
半年前にここに来たばかりの自分を簡単に受け入れてくれるわけはない。
アリスは平民だけど、魔法が使えた。
それを知ったオルタナ侯爵が平民だったアリスを養女にした、いずれ政略結婚させようというものだ。
アリスの使う魔法は特別らしく、汚れを浄化したり、いるだけで魔物を退ける事が出来る。
やがて自分は特別だと思いこむようになり傲慢になっていく。
そんなアリスは自分こそ次の王妃になるのに相応しいと思った。
その為にも何としても二人を引き離さなければ。
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