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「私はあなたの前世の恋人です」
突然そう言われたらあなたはどうしますか?
前世実らなかった恋をやり直しできるとしたら?
連続ドラマ「前世から愛してます」主演、朱皇アキラ、成宮リカ。月曜九時放映中。
「……裕唯。俺もしかしたらお前と前世の恋人同士だったりして」
同じクラスの杉浦大斗にそう言われて僕は小さく溜め息をついた。
「あのなあ……」
柔道部員の大斗は放課後教室に残って大きな背中を丸めて何やらせっせと書類に記入していた。何かの提出物を忘れていたんだろう。
消しゴムがないと騒いでいたので、たまたま通りがかった僕が自分のを貸した。
そうしたら何故か前世の恋人認定されてしまった。どうしてそうなる。
まあ大斗的には感謝感激を伝えたかっただけかもしれないけど、単に同じクラスで当たり障りのない雑談する程度の相手にいきなりそんなことを言われてもな……という感想しかない。
「一五〇円(税別)の消しゴム一つで前世を思い出すなんて安直すぎ。前世からやり直したほうがいいよ」
「あー……ソウデスネ……」
大斗はウケなかったのがショックだったのか気まずそうに頭を掻いていた。柔道部員でガタイのいい男が背中を丸めている様子はちょっと面白い。
前世の恋人ねえ……。どうせあのドラマの影響だろう。
「それにさ、前世って人間だった保証はないよね。六道輪廻って言うし。例えば前世でコオロギやキリギリスだったら会ってもわかんないよな。あなたの触覚の形が前世と同じなんです、とか言えないし。……あ。そこの字間違ってる」
大斗の手元を見て指摘すると、大斗は真顔で僕を見る。いや、何故こっちを見る? 誤字を確認しろよ。
「……裕唯は前世コオロギだったのか? だから表情筋死んでるの? アンドロイドとか言われてるの、それが理由?」
たとえ話だってば。本気で自分の前世がコオロギだと思ってるわけじゃない。その可能性はゼロじゃないってだけだ。そこに食いつくな。誤字をまず直せ。どう見ても推薦先の大学に提出する大事そうな書類じゃないか。
「いや僕はともかく、それは全ての前世がコオロギだった人に対して失礼だよね?」
僕、薗原裕唯そのはらゆいはしれっとした顔でとんでもないことを言う、と人からよく指摘される。感情と表情が伴ってないのが理由だとか。だから陰で人形とかアンドロイドみたいだとか言われてるのは知ってる。喜怒哀楽が伝わりにくくて色々誤解されたこともある。
なんかあんまり顔に感情が乗らないのはうちの母方の遺伝らしいんだよな……。前世には関係ないと思う。
「まあ、僕のことはいいから、自分の事やんなよ。じゃあ、お先に」
これ以上無駄話をしていたら書類は永遠に仕上がらないだろう。見捨てるのは大斗のためだ。僕、優しくない? 優しいよね?
僕はそう思いながらさっさと教室を後にした。
前世の恋人。
最近それを題材にしたドラマが話題になっているせいか、ラノベで転生ものが流行っているせいか、そういうネタを口にするヤツが身近に多い。つまり「なんちゃって前世」ってやつだ。
……誰も本気にはしていない。ノリで口にしているだけだ。面白かったらそれでいい。フィクションも度が過ぎるとネタにしかならない。
ただ、そのドラマのせいで僕はちょっと悩ましい事態になっている。
なので最近「前世」という言葉が出ると警戒して過剰反応してしまったかもしれない。
コオロギとかキリギリスとか持ち出したのは、別に大斗に文句があったわけじゃない。ちょっと虫の居所が良くなかったせいだ。コオロギだけに。
問題なのは前世ではなく、主演俳優だ。
朱皇アキラ、二十六歳。俳優。2.5次元の舞台で人気に火が点いて、今回のドラマが地上波初主演作品。相手役のアイドル出身の女優さんの人気も加わって、ドラマは高視聴率をキープしている。
アイドル系の甘ったるい雰囲気ではなく、涼やかで鋭い眼差しが印象的なイケメン。モデルばりの長身と均整の取れた長い手足。声も落ち着いた深くよく響くイケボなのでナレーションとかアニメやゲームの声優の仕事もやっている。
……という情報は朱皇推しの母さんからの怒濤のプレゼンによって覚えさせられた。母さんの好きな作品の2.5舞台に出ていたらしくて、現在のイチ推し俳優なのだとか。
受験生の脳のリソースを推し情報で減らすのは親としてどうなのか、とか野暮なことは言わない。母さんが幸せに推し活してるなら別に文句はない。
……僕を悩ましているのはその男だ。
彼に別に罪があるわけじゃない。問題は何故か彼の声だけで僕の身体がおかしいことになっちゃうことなんだ。
家に帰るとリビングで母さんがそのドラマを観ていた。放映日は昨夜だったはずだから、これはきっと録画だ。……マズイ。
僕は何事もなかった体を装ってリビングを横切ろうとした。
「裕唯、お帰り。一緒に観ない?」
「遠慮しとく。僕先に着替えてくるから」
「えー? 観ようよ。アキラくん格好いいよ?」
母さんの手には缶チューハイ。すでにだいぶ出来上がっているようだった。今日は久しぶりの休みだと言っていたっけ。
母さんは僕が高校に上がったころから大きな仕事も手がけるようになって、出張も多い。昨夜も出張で帰りが遅くなったし晩酌もできなかったから録りだめた番組をお楽しみだったのだろう。一人息子と好きなドラマについて語りたいのはわかるけど、これは絶対無理。
その時、テレビ画面から聞こえてくる声が耳を揺らす。
……あ。ダメだ。ヤバい。絶対無理。
「ごめん。明日小テストあるから準備しないと。晩御飯はカレーを冷蔵庫に入れてるから先に食べてて」
「オッケー、いつもありがとうねー」
母さんはそう言ってチューハイの缶を掲げる。母さんはフルタイムで働いていているから以前から食事は僕がなるべく作り置きしておくようにしている。
……ごめん、母さん。一緒にご飯食べられないかも。
「ああもう、何でなんだよ」
自室の扉を閉めてから、ドアに凭れて大きく息を吐いた。
制服のスラックスの中できつくはち切れそうなくらい反応してしまったそこは、歩くのも慎重になってしまうほど危険な状態だった。
何とか早く鎮めないと……あんまり遅くなったら母さんに不審に思われる。
ジャケットとスラックスを脱ぎ捨てると、ヘッドホンとティッシュの箱とタオルを握ってベッドに潜り込む。
違和感を感じたのはいつからだったのか、朱皇アキラが主演するドラマが始まった頃、身体が突然熱を帯びるようになった。そんなことが続いて、原因が彼の声にあることに気づいた。
しかも、一旦点いてしまった熱は皮肉なことに彼の声を聞きながらでないと発散できない。
そのために朱皇アキラが出演したボイスドラマをいくつかDLする羽目になった。
『俺のことそんなに好きなんだ? だったら何でもしてくれるんだろ?』
耳を愛撫するようなよく響く声に併せて忙しなく刺激する。
ヘッドホンのせいで間近で囁かれているようで、背後から抱きしめられているような感覚に陥ってしまう。
『可愛いな、お前。もう、放してやらないからな』
声が甘い電流みたいに背筋を震わせて、触れてもいない身体の奥まで疼いてくる。
「……ん……ふっ……」
声を漏らさないようにタオルを囓って襲ってくる波を堪えた。
そうして熱を放ちきると、急速に頭が冴えてくる。
ヘッドホンを外して起き上がると、ベッド周りの惨状に溜め息が出た。
脱ぎ散らかした制服や下着、放り出した鞄。散らかったティッシュと手に残る感触。
罪悪感と後悔が入り混じって襲ってくる。
見ず知らずの相手の声に欲情するとか、どういうことなんだ。
しかも彼の声以外ではこんなことにはならない。
過去に友達に際どいグラビアとか見せられても全く反応しなかったくらいに大人しかったのに、どうして今になってこんなことに。反抗期か?
……こんなこと相談できる相手もいないし。とりあえずあの人の声を聞かなければいいんだから。朱皇アキラだってこんな形で自分の声が男のオカズにされたくはないだろうし。
とりあえずあのドラマが終わるまでは不意打ちを食らわないように、イヤホンでもして過ごすしかなさそうだと僕は諦め混じりに決意した。
突然そう言われたらあなたはどうしますか?
前世実らなかった恋をやり直しできるとしたら?
連続ドラマ「前世から愛してます」主演、朱皇アキラ、成宮リカ。月曜九時放映中。
「……裕唯。俺もしかしたらお前と前世の恋人同士だったりして」
同じクラスの杉浦大斗にそう言われて僕は小さく溜め息をついた。
「あのなあ……」
柔道部員の大斗は放課後教室に残って大きな背中を丸めて何やらせっせと書類に記入していた。何かの提出物を忘れていたんだろう。
消しゴムがないと騒いでいたので、たまたま通りがかった僕が自分のを貸した。
そうしたら何故か前世の恋人認定されてしまった。どうしてそうなる。
まあ大斗的には感謝感激を伝えたかっただけかもしれないけど、単に同じクラスで当たり障りのない雑談する程度の相手にいきなりそんなことを言われてもな……という感想しかない。
「一五〇円(税別)の消しゴム一つで前世を思い出すなんて安直すぎ。前世からやり直したほうがいいよ」
「あー……ソウデスネ……」
大斗はウケなかったのがショックだったのか気まずそうに頭を掻いていた。柔道部員でガタイのいい男が背中を丸めている様子はちょっと面白い。
前世の恋人ねえ……。どうせあのドラマの影響だろう。
「それにさ、前世って人間だった保証はないよね。六道輪廻って言うし。例えば前世でコオロギやキリギリスだったら会ってもわかんないよな。あなたの触覚の形が前世と同じなんです、とか言えないし。……あ。そこの字間違ってる」
大斗の手元を見て指摘すると、大斗は真顔で僕を見る。いや、何故こっちを見る? 誤字を確認しろよ。
「……裕唯は前世コオロギだったのか? だから表情筋死んでるの? アンドロイドとか言われてるの、それが理由?」
たとえ話だってば。本気で自分の前世がコオロギだと思ってるわけじゃない。その可能性はゼロじゃないってだけだ。そこに食いつくな。誤字をまず直せ。どう見ても推薦先の大学に提出する大事そうな書類じゃないか。
「いや僕はともかく、それは全ての前世がコオロギだった人に対して失礼だよね?」
僕、薗原裕唯そのはらゆいはしれっとした顔でとんでもないことを言う、と人からよく指摘される。感情と表情が伴ってないのが理由だとか。だから陰で人形とかアンドロイドみたいだとか言われてるのは知ってる。喜怒哀楽が伝わりにくくて色々誤解されたこともある。
なんかあんまり顔に感情が乗らないのはうちの母方の遺伝らしいんだよな……。前世には関係ないと思う。
「まあ、僕のことはいいから、自分の事やんなよ。じゃあ、お先に」
これ以上無駄話をしていたら書類は永遠に仕上がらないだろう。見捨てるのは大斗のためだ。僕、優しくない? 優しいよね?
僕はそう思いながらさっさと教室を後にした。
前世の恋人。
最近それを題材にしたドラマが話題になっているせいか、ラノベで転生ものが流行っているせいか、そういうネタを口にするヤツが身近に多い。つまり「なんちゃって前世」ってやつだ。
……誰も本気にはしていない。ノリで口にしているだけだ。面白かったらそれでいい。フィクションも度が過ぎるとネタにしかならない。
ただ、そのドラマのせいで僕はちょっと悩ましい事態になっている。
なので最近「前世」という言葉が出ると警戒して過剰反応してしまったかもしれない。
コオロギとかキリギリスとか持ち出したのは、別に大斗に文句があったわけじゃない。ちょっと虫の居所が良くなかったせいだ。コオロギだけに。
問題なのは前世ではなく、主演俳優だ。
朱皇アキラ、二十六歳。俳優。2.5次元の舞台で人気に火が点いて、今回のドラマが地上波初主演作品。相手役のアイドル出身の女優さんの人気も加わって、ドラマは高視聴率をキープしている。
アイドル系の甘ったるい雰囲気ではなく、涼やかで鋭い眼差しが印象的なイケメン。モデルばりの長身と均整の取れた長い手足。声も落ち着いた深くよく響くイケボなのでナレーションとかアニメやゲームの声優の仕事もやっている。
……という情報は朱皇推しの母さんからの怒濤のプレゼンによって覚えさせられた。母さんの好きな作品の2.5舞台に出ていたらしくて、現在のイチ推し俳優なのだとか。
受験生の脳のリソースを推し情報で減らすのは親としてどうなのか、とか野暮なことは言わない。母さんが幸せに推し活してるなら別に文句はない。
……僕を悩ましているのはその男だ。
彼に別に罪があるわけじゃない。問題は何故か彼の声だけで僕の身体がおかしいことになっちゃうことなんだ。
家に帰るとリビングで母さんがそのドラマを観ていた。放映日は昨夜だったはずだから、これはきっと録画だ。……マズイ。
僕は何事もなかった体を装ってリビングを横切ろうとした。
「裕唯、お帰り。一緒に観ない?」
「遠慮しとく。僕先に着替えてくるから」
「えー? 観ようよ。アキラくん格好いいよ?」
母さんの手には缶チューハイ。すでにだいぶ出来上がっているようだった。今日は久しぶりの休みだと言っていたっけ。
母さんは僕が高校に上がったころから大きな仕事も手がけるようになって、出張も多い。昨夜も出張で帰りが遅くなったし晩酌もできなかったから録りだめた番組をお楽しみだったのだろう。一人息子と好きなドラマについて語りたいのはわかるけど、これは絶対無理。
その時、テレビ画面から聞こえてくる声が耳を揺らす。
……あ。ダメだ。ヤバい。絶対無理。
「ごめん。明日小テストあるから準備しないと。晩御飯はカレーを冷蔵庫に入れてるから先に食べてて」
「オッケー、いつもありがとうねー」
母さんはそう言ってチューハイの缶を掲げる。母さんはフルタイムで働いていているから以前から食事は僕がなるべく作り置きしておくようにしている。
……ごめん、母さん。一緒にご飯食べられないかも。
「ああもう、何でなんだよ」
自室の扉を閉めてから、ドアに凭れて大きく息を吐いた。
制服のスラックスの中できつくはち切れそうなくらい反応してしまったそこは、歩くのも慎重になってしまうほど危険な状態だった。
何とか早く鎮めないと……あんまり遅くなったら母さんに不審に思われる。
ジャケットとスラックスを脱ぎ捨てると、ヘッドホンとティッシュの箱とタオルを握ってベッドに潜り込む。
違和感を感じたのはいつからだったのか、朱皇アキラが主演するドラマが始まった頃、身体が突然熱を帯びるようになった。そんなことが続いて、原因が彼の声にあることに気づいた。
しかも、一旦点いてしまった熱は皮肉なことに彼の声を聞きながらでないと発散できない。
そのために朱皇アキラが出演したボイスドラマをいくつかDLする羽目になった。
『俺のことそんなに好きなんだ? だったら何でもしてくれるんだろ?』
耳を愛撫するようなよく響く声に併せて忙しなく刺激する。
ヘッドホンのせいで間近で囁かれているようで、背後から抱きしめられているような感覚に陥ってしまう。
『可愛いな、お前。もう、放してやらないからな』
声が甘い電流みたいに背筋を震わせて、触れてもいない身体の奥まで疼いてくる。
「……ん……ふっ……」
声を漏らさないようにタオルを囓って襲ってくる波を堪えた。
そうして熱を放ちきると、急速に頭が冴えてくる。
ヘッドホンを外して起き上がると、ベッド周りの惨状に溜め息が出た。
脱ぎ散らかした制服や下着、放り出した鞄。散らかったティッシュと手に残る感触。
罪悪感と後悔が入り混じって襲ってくる。
見ず知らずの相手の声に欲情するとか、どういうことなんだ。
しかも彼の声以外ではこんなことにはならない。
過去に友達に際どいグラビアとか見せられても全く反応しなかったくらいに大人しかったのに、どうして今になってこんなことに。反抗期か?
……こんなこと相談できる相手もいないし。とりあえずあの人の声を聞かなければいいんだから。朱皇アキラだってこんな形で自分の声が男のオカズにされたくはないだろうし。
とりあえずあのドラマが終わるまでは不意打ちを食らわないように、イヤホンでもして過ごすしかなさそうだと僕は諦め混じりに決意した。
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