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53.僕は天使ではありません③
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「レネの防御魔法、監視も弾くようにできるんじゃないかな? 悪意ある攻撃に対する防御だとしたら、のぞき見も悪意だもの。レネがそう認識したらできるはずだよ」
ジェットの言葉に玲音はそうなんだろうかと首を傾げた。けれど、今まで神様のあれこれスキル足してくるタイミングはどう見てもどこかから見ていたとしか思えないし、神様だから仕方ないかと諦めていた節がある。
つまり僕が神様には悪意はないと思い込んでいたから、覗き放題でスキルつけられてきたってこと? 見えないようにしておけば変なスキルをこれ以上増やされないってこと?
「……やってみる。とりあえず言動にも注意しつつってことだよね」
それを側で見ていたファースは呆れた様子だった。
「いや、神様の目を逃れるとか悪党の台詞だからね? それで、セブリアン王子はどうする?」
コンラットが考え込む仕草をしていたけれど、すぐに顔を上げた。
「例の依頼は期限があるわけじゃない。断っても報酬は受け取れる。だったら一旦中止って形にすればいい」
「……それはそうだけど」
「最悪俺とレネが森のくまさんを脱退して新しいパーティを作る。そうすればパーティのランクはかなり下になるはずだ」
「あー。ならいっそ解散すればいいじゃん」
突然ラルスが会話に混じってきた。
「あれ? 王子様は?」
「他のメンバーと話し合いしてきていいってさ。まあ、あの人も俺ら同様移動禁止命令出されて腐ってるから。それに冒険者は基本国に束縛されるものでもないし、ここで従っちゃうのって面白くないだろう?」
ラルスはそう言って得意げに笑う。
「とりあえず殿下には了承の返事をしておいて、ギルドでパーティ解消届出してくるわ。それで道中どこかのギルドで新規パーティ立ち上げようや」
「おい、それはずるいぞ。自分たちだけ出かけるつもりか」
いきなり扉が開いてセブリアンが怒鳴ってきた。
「……しかたないでしょう。殿下は個人で移動禁止って言われてるんですから。さすがに冒険者個人まで行動を縛るようなことをしたら、この国から冒険者いなくなりますよ?」
「しかし……」
「それに、魔王が復活したら殿下の独壇場ではありませんか。魔王は殿下にお任せしますよ」
「それはそうだが」
「魔王なんて滅多に戦えるものじゃないっておっしゃったのは殿下ですよ? 復活するときがそのチャンスじゃありませんか」
ラルスはにこやかにセールスマンみたいな口調で言いくるめる。
セブリアンは結局納得できてない様子で去って行った。
「まあ、おそらく、他のパーティも巻き添えで足止め喰らってるはずだから、ギルドから王に抗議が行くだろうさ。ギルドへの過干渉だって。だからなんとかなるさ」
ラルスはそう言って気にも留めない様子だった。
「問題はそんな不自然な命令を王にさせるくらい神様とやらが警戒してるってことだろう。さらなる妨害工作があるかもしれない。レネ、対策を頼めるか? 例のカードでなんとかなるんだろう?」
ああそうか。魔王さんがくれた連絡用のカード。あれで連絡とれるかもしれない。
ついでに防御スキルで神様ののぞき見を弾けるかどうか実験してみようかな。
「やってみます」
「それと、出発を早めるべきだろうな。準備出来次第町を出よう」
ラルスがそう言って、全員が頷いたところで、新たな来訪者が来た気配がした。
「え? アダンが?」
来訪者はギルドからの緊急招集を伝えてきた。冒険者アダンと、冒険者パーティ『若草の絆』がクーカラーチャ駆除に出かけたまま戻ってこないという連絡だった。
アダンはともかくパーティは新人のみだったので捜索依頼が森のくまさんに出されたのだろう。ラルスたちはすぐに身支度を始めた。
コンラットは玲音たちには留守番するように告げてきた。理由は玲音があの大型の虫を嫌っていたからだろう。
「あの飴くれた人だよね? だったら僕も行こうか?」
ジェットがすぐにそう提案したけれど、玲音としては素直に頷けなかった。
ドラゴンが現れたりしたら彼らが混乱するだろうし、自分だけ残るのも申し訳ない。
「……僕もついていくよ」
「けど、レネはあの虫嫌いなんでしょ?」
ああ、それで言い出してくれたのか。玲音は嬉しくなったけれど、だからと言ってジェットに任せきりにはしたくない。
「嫌いだけど、スキルで弾けるから触ることないし」
冒険者をやることに決めたんだから、仕事を好き嫌いで選んじゃいけない。
「それに、僕だってやるときはやるんです」
嫌いだからこそ、別の意味でやる気が燃え上がってしまった玲音だった。
「このあたり?」
採取依頼で出かけた時虫の群れと遭遇したあたりにたどり着くころにはとっぷりと日が落ちていた。夜行性の魔獣などと出くわす可能性もあったのだけれど、何故か何も現れない。
「まあ、僕がいるからだね。でも虫型くらいになると考え無しだからドラゴンに突進してくるヤツもいるよ」
玲音と並んで歩きながらジェットがそう教えてくれた。玲音は全員に幾重にも防御魔法をかけておいた。
「あー……いるいる。この先の川の上流に洞窟があるよ。そこが奴らの巣みたい」
「人の気配は?」
「……あっち側の少し離れたところにいるね。もしかしたら滑落したのかも。生きてるけど全然動いてない」
ラルスは頷くとコンラットの肩に手を置いた。
「じゃあ虫はお前に任せる。俺とファースはアダンたちを捜索に行く。数が多いやつは魔法じゃないと対処できないからな」
「それならレネもラルスたちと……」
コンラットがそう言いかけたのを玲音は遮った。
「僕も虫退治行きます」
「そうだねえ。やるんならひとまとめがいいから、追い詰めるなら僕とレネでやるよ」
ジェットものんびりと付け加える。
「できるのか?」
「もちろん」
コンラットが頷いた。
「それじゃ、レネ、我慢できるかい?」
「やります」
異世界に来てまであの黒い奴らに脅されてたまるか、という気分で玲音は頷いた。
もう見たくもないけどこの先も煩わされるくらいなら、一匹残らず駆逐してやらないと気が済まない。
洞窟が見えるあたりになると周囲に不快なガサガサという物音が聞こえてきた。
まずジェットが小さな身体から信じられない音量で吠えた。
周囲の空気がビリビリと震えるほどのそれで、周辺の気配が一方向に集まっていった。どうやらドラゴンの威嚇で怯えて逃げ出したらしい。
さらに追い立てるようにコンラットが魔法で周囲を明るく照らす。それで彼らが黒い川のように洞窟に流れ込んで行くのが見えた。
玲音はそれが例のアレの群れだと想像したくないので、直視しないように目をそらした。
あれはGじゃない。何か違うヤツだから……。絶対違うから。
コンラットがその方角に手を差し出して短い呪文を唱えると轟音とともに炎が洞窟を貫く。
「レネ、入り口を封印して」
気配を追いかけながらジェットが洞窟を指差した。
玲音は言われるままに洞窟の入り口を魔法で封じ込める。これで逃げようもなくなったあの黒い奴らは炎に巻かれて全滅するだろう。
「ひとまずはこれで駆除完了だろう。取りこぼしがあっても入り口を塞いであれば出てこられないだろうし」
コンラットがそう呟いて玲音に振り返る。
「レネもお疲れ様。ラルスたちと合流しよう」
そう言われてやっと玲音は大きく息を吐いた。
「……やっぱりあんまり見たくない……。ホウ酸だんご作ろうかな……」
「? ほうさん?」
「いえ、何でもないです」
この世界でホウ酸が手に入るかどうかわからないけれどG駆除グッズをクラフトできないかとこっそり思った玲音だった。
「早くラルスさんたちと合流しましょう」
行方不明だったアダンと新人パーティを発見してギルドに報告すると、すっかり明け方になっていた。
そして戻ってくると、家の門の前に見覚えのある黒い服の男が立っていた。
ジェットの言葉に玲音はそうなんだろうかと首を傾げた。けれど、今まで神様のあれこれスキル足してくるタイミングはどう見てもどこかから見ていたとしか思えないし、神様だから仕方ないかと諦めていた節がある。
つまり僕が神様には悪意はないと思い込んでいたから、覗き放題でスキルつけられてきたってこと? 見えないようにしておけば変なスキルをこれ以上増やされないってこと?
「……やってみる。とりあえず言動にも注意しつつってことだよね」
それを側で見ていたファースは呆れた様子だった。
「いや、神様の目を逃れるとか悪党の台詞だからね? それで、セブリアン王子はどうする?」
コンラットが考え込む仕草をしていたけれど、すぐに顔を上げた。
「例の依頼は期限があるわけじゃない。断っても報酬は受け取れる。だったら一旦中止って形にすればいい」
「……それはそうだけど」
「最悪俺とレネが森のくまさんを脱退して新しいパーティを作る。そうすればパーティのランクはかなり下になるはずだ」
「あー。ならいっそ解散すればいいじゃん」
突然ラルスが会話に混じってきた。
「あれ? 王子様は?」
「他のメンバーと話し合いしてきていいってさ。まあ、あの人も俺ら同様移動禁止命令出されて腐ってるから。それに冒険者は基本国に束縛されるものでもないし、ここで従っちゃうのって面白くないだろう?」
ラルスはそう言って得意げに笑う。
「とりあえず殿下には了承の返事をしておいて、ギルドでパーティ解消届出してくるわ。それで道中どこかのギルドで新規パーティ立ち上げようや」
「おい、それはずるいぞ。自分たちだけ出かけるつもりか」
いきなり扉が開いてセブリアンが怒鳴ってきた。
「……しかたないでしょう。殿下は個人で移動禁止って言われてるんですから。さすがに冒険者個人まで行動を縛るようなことをしたら、この国から冒険者いなくなりますよ?」
「しかし……」
「それに、魔王が復活したら殿下の独壇場ではありませんか。魔王は殿下にお任せしますよ」
「それはそうだが」
「魔王なんて滅多に戦えるものじゃないっておっしゃったのは殿下ですよ? 復活するときがそのチャンスじゃありませんか」
ラルスはにこやかにセールスマンみたいな口調で言いくるめる。
セブリアンは結局納得できてない様子で去って行った。
「まあ、おそらく、他のパーティも巻き添えで足止め喰らってるはずだから、ギルドから王に抗議が行くだろうさ。ギルドへの過干渉だって。だからなんとかなるさ」
ラルスはそう言って気にも留めない様子だった。
「問題はそんな不自然な命令を王にさせるくらい神様とやらが警戒してるってことだろう。さらなる妨害工作があるかもしれない。レネ、対策を頼めるか? 例のカードでなんとかなるんだろう?」
ああそうか。魔王さんがくれた連絡用のカード。あれで連絡とれるかもしれない。
ついでに防御スキルで神様ののぞき見を弾けるかどうか実験してみようかな。
「やってみます」
「それと、出発を早めるべきだろうな。準備出来次第町を出よう」
ラルスがそう言って、全員が頷いたところで、新たな来訪者が来た気配がした。
「え? アダンが?」
来訪者はギルドからの緊急招集を伝えてきた。冒険者アダンと、冒険者パーティ『若草の絆』がクーカラーチャ駆除に出かけたまま戻ってこないという連絡だった。
アダンはともかくパーティは新人のみだったので捜索依頼が森のくまさんに出されたのだろう。ラルスたちはすぐに身支度を始めた。
コンラットは玲音たちには留守番するように告げてきた。理由は玲音があの大型の虫を嫌っていたからだろう。
「あの飴くれた人だよね? だったら僕も行こうか?」
ジェットがすぐにそう提案したけれど、玲音としては素直に頷けなかった。
ドラゴンが現れたりしたら彼らが混乱するだろうし、自分だけ残るのも申し訳ない。
「……僕もついていくよ」
「けど、レネはあの虫嫌いなんでしょ?」
ああ、それで言い出してくれたのか。玲音は嬉しくなったけれど、だからと言ってジェットに任せきりにはしたくない。
「嫌いだけど、スキルで弾けるから触ることないし」
冒険者をやることに決めたんだから、仕事を好き嫌いで選んじゃいけない。
「それに、僕だってやるときはやるんです」
嫌いだからこそ、別の意味でやる気が燃え上がってしまった玲音だった。
「このあたり?」
採取依頼で出かけた時虫の群れと遭遇したあたりにたどり着くころにはとっぷりと日が落ちていた。夜行性の魔獣などと出くわす可能性もあったのだけれど、何故か何も現れない。
「まあ、僕がいるからだね。でも虫型くらいになると考え無しだからドラゴンに突進してくるヤツもいるよ」
玲音と並んで歩きながらジェットがそう教えてくれた。玲音は全員に幾重にも防御魔法をかけておいた。
「あー……いるいる。この先の川の上流に洞窟があるよ。そこが奴らの巣みたい」
「人の気配は?」
「……あっち側の少し離れたところにいるね。もしかしたら滑落したのかも。生きてるけど全然動いてない」
ラルスは頷くとコンラットの肩に手を置いた。
「じゃあ虫はお前に任せる。俺とファースはアダンたちを捜索に行く。数が多いやつは魔法じゃないと対処できないからな」
「それならレネもラルスたちと……」
コンラットがそう言いかけたのを玲音は遮った。
「僕も虫退治行きます」
「そうだねえ。やるんならひとまとめがいいから、追い詰めるなら僕とレネでやるよ」
ジェットものんびりと付け加える。
「できるのか?」
「もちろん」
コンラットが頷いた。
「それじゃ、レネ、我慢できるかい?」
「やります」
異世界に来てまであの黒い奴らに脅されてたまるか、という気分で玲音は頷いた。
もう見たくもないけどこの先も煩わされるくらいなら、一匹残らず駆逐してやらないと気が済まない。
洞窟が見えるあたりになると周囲に不快なガサガサという物音が聞こえてきた。
まずジェットが小さな身体から信じられない音量で吠えた。
周囲の空気がビリビリと震えるほどのそれで、周辺の気配が一方向に集まっていった。どうやらドラゴンの威嚇で怯えて逃げ出したらしい。
さらに追い立てるようにコンラットが魔法で周囲を明るく照らす。それで彼らが黒い川のように洞窟に流れ込んで行くのが見えた。
玲音はそれが例のアレの群れだと想像したくないので、直視しないように目をそらした。
あれはGじゃない。何か違うヤツだから……。絶対違うから。
コンラットがその方角に手を差し出して短い呪文を唱えると轟音とともに炎が洞窟を貫く。
「レネ、入り口を封印して」
気配を追いかけながらジェットが洞窟を指差した。
玲音は言われるままに洞窟の入り口を魔法で封じ込める。これで逃げようもなくなったあの黒い奴らは炎に巻かれて全滅するだろう。
「ひとまずはこれで駆除完了だろう。取りこぼしがあっても入り口を塞いであれば出てこられないだろうし」
コンラットがそう呟いて玲音に振り返る。
「レネもお疲れ様。ラルスたちと合流しよう」
そう言われてやっと玲音は大きく息を吐いた。
「……やっぱりあんまり見たくない……。ホウ酸だんご作ろうかな……」
「? ほうさん?」
「いえ、何でもないです」
この世界でホウ酸が手に入るかどうかわからないけれどG駆除グッズをクラフトできないかとこっそり思った玲音だった。
「早くラルスさんたちと合流しましょう」
行方不明だったアダンと新人パーティを発見してギルドに報告すると、すっかり明け方になっていた。
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