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49.魔王さん激おこ案件【前篇】
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「魔王になる予定ある?」
とお出かけの予定のような訊かれ方をして玲音は言葉を詰まらせた。
いやいやいやいや、普通魔王になる予定がある人っていないでしょ? っていうか、魔王って人なの? それ以前になぜ僕なの?
確かに神様のアフターサービスのおかげでそろそろ平凡な人間と名乗っても疑われそうなのはわかってるけど。
質問してきたセブリアン王子は居合わせた全員があっけにとられているのを見て、膝を叩いて豪快に笑い出した。
「いや、すまんすまん。ちょっと面白い文献をみつけたから……」
「文献……? そんなことでこんなに可愛い子を魔王呼ばわりですか?」
背後にいたコンラットの声が少し低く聞こえた。ラルスも眉を寄せている。
「殿下、おふざけはそのあたりで……ちゃんと説明を願います」
「わかっている。二千年ほど前に魔王が現れて大暴れしたって伝説があるだろ?」
二千年……? 日本だと弥生時代だよな。そんな頃の伝説が残ってるって逆に凄いかも。日本だったら古事記とか? そんな感じだろうか。
というか、この世界の詳しい歴史とかまだ全然知らない。調べてみるのも面白そう。
玲音はそう暢気に聞いていたけれど、どうやらそれはこちらでは子供も知っているおとぎ話らしい。魔王を何とかしてほしいという民の祈りに神が答えて特殊な力を持つ英雄を寄越してくれたので倒すことができた……。
神って……僕があっちのミスで事故死扱いされちゃったのを、魂の数が合わないと自分が叱られるからって、この世界に転生させたあの人? 昔はちゃんと仕事してたんだろうか。
「それで……最近各地の神殿で『魔王が復活する』というお告げが次々に降りているらしいんだ。我が国も例外じゃない。それで古の言い伝えを調べる作業が進行中で。そうしたら魔王は『人と獣のありとあらゆる言葉に通じ、甘言をして誑かし世の中を混乱させる能力を持ち、災害を引き起こし甚大な被害を与えた』とされている。その、レネはドラゴンと意思疎通ができるんだろう?」
え? 僕が魔王だって言うの、それが根拠なのか?
玲音は驚いてラルスに顔を向けた。
「殿下。この子は自分から周りに危害を与えるような子じゃありません。あなたのような地位の人にそんなことを言われたら、答えようがないでしょう」
ラルスがそう言ってくれた。
けれど玲音は何となく心の隅に引っかかったものがあった。
……魔王を倒すために神様が特別な力を持つ英雄を寄越してくれたって、もしかしてその人って僕と同じで神様にこの世界に転生させられてきたんじゃ……。だって前に「まろうど」っていう異世界から来た人の言い伝えもあるって聞いたし。
神様が僕にいろいろスキルをくれたのって、この世界で何かさせるつもりだとか……?
え? 何それ嫌なんだけど。こっちで好きなようにやっていいって言ってたのに。
「うーん。確かに魔王になるかって聞かれてそうですって言う者はいないだろうな。だがその話を聞いて一番に思い出したのがレネだったんだから仕方ないだろう」
「仕方ないじゃありません。それにそんなことを聞いてどうするつもりだったんです? そもそもお忘れかもしれませんが、この間の殿下のやらかしを止めてくれたのはレネですよ?」
「いや、それは忘れてはいないぞ。ただ、魔王と手合わせできるかと思って……」
あっけらかんとそう言われて全員が黙り込んだ。
……この人、悪い人じゃないけど最終的に剣術にしか頭が行かないんだな。
玲音はそう思いながら口を開いた。
「……復活するってことは、魔王って二千年前と同じ人なんですよね? 僕は二千年も生きてないので、僕ではないと思います」
「確かにそうだな。『復活』と言うからには一度は死んでいるわけだし。そんなにほいほいそこら辺をうろついている訳ないな。そうか、得心した。邪魔したな」
王子はそう言うと出されたお茶を一気に飲み干して立ちあがった。そしてあっさりと帰っていった。
後に残された「森のくまさん」一同はしばらく脱力していた。
「……もう嫌。なんであの殿下は思い立ったら即行動なんだよ……」
ラルスがテーブルに突っ伏して、それを見ながらファースが苦笑している。
「お茶入れ直そうか? レネたちも座って」
お言葉に甘えて椅子に座ると、玲音の隣に来たコンラットが眉間に皺を寄せていた。
「あの……」
「あの殿下に魔法攻撃をしなかったのは褒めてほしい。可愛いレネのことを魔王だなどと戯言を……」
うわあ。静かだと思ったら魔法で殿下に攻撃するかどうか葛藤していたんだ。
玲音は慌ててコンラットの手を握った。
「我慢できてすごいです。コンラットさんは大人ですね。感情を抑えられるなんて偉いと思います」
そうまくし立てると、やっとコンラットの眉間から皺が消えた。
「それにしても、魔王復活ねえ……あんまり市井には流れてこないところを見ると、アレって割と機密事項なんじゃないの?」
ファースが手早く茶菓子の追加を並べながら言う。
「まあ、そんな話が広まったら大混乱だろうし、現時点では神殿と各国の上層部だけが掴んでいる情報って可能性はあるね。コンラットは知らなかったの?」
「……聞いたこともない。私が魔法伯をやめてからのことだろうね」
「セブリアン王子を野放しにしとくとそこら中で言い触らしそうな気がするんだけど。そこらの人捕まえて『魔王が復活するらしいんだが、お前魔王になる予定あるか?』って聞いて回られたらお終いだよ」
ファースの言葉に全員反論できなかった。何しろセブリアン王子は他国の王都でドラゴン呼ぼうとしたくらいだし、何をするかわからない。
「本気で魔王と手合わせしたいんですか?」
「うーん……あの人は勝ち目がないくらい差があれば無闇に戦ったりはしないんだけど、魔王みたいなレアな相手だったらとりあえず戦ってみるとか言いそう」
「……いや、それ普通にヤバい人じゃないですか」
ラルスの言葉に玲音は大丈夫なのかあの人、と不安になった。
「そもそも、そこら辺に魔王が歩いてるわけないじゃん」
ファースがそう言いながらお茶を玲音の前に置く。そこへまた来客らしく、呼び鈴の音がした。
「またあの王子様、戻ってきたのかな」
そう言いながらファースが玄関に向かっていく。
そして、すぐに戻ってきて玲音に手招きする。
「レネの知り合いらしい人が訪ねてきているんだけど、これを渡せばわかるって」
そう言いながら差し出されたのは一枚の小さなカード。知り合いと言われても玲音にはこの家を知っている知り合いに心当たりがない。
……これって名刺?
そしてそのカードに書かれていたのは、「魔王」と「魂魄業務特別監査官」の文字。明らかに日本語。
「魔王……?」
「……これってレネの世界の?」
背後から覗き込んできたコンラットが囁いてきた。玲音は頷いた。
けど、魔王なんて人に会った覚えはない。しかも監査って何?
そして魔王が訪問してくるなんて、異世界怖いな……。
玲音はそう思いながらも玄関に向かった。
玄関に向かうと背の高い黒髪の男性が立っていた。心配になったのかコンラットたちもついてきてくれた。
その人は二メートル超えていそうな長身で頭には山羊のようなごつい角がにょっきりと生えているので、更に大きく見える。雰囲気が禍々しい。民家の玄関にいていいタイプではない。
長い漆黒のローブを纏っていて、世の中の全てが不本意とでも言いたげなものすごく不機嫌な顔をしていた。
というか眼光鋭くて滅茶苦茶怖いんだけど……ガチで魔王ですか。
「あの……僕が玲音です」
どこかで会ったことがあるだろうか。
そう思っていたらビームでも出せそうな強い眼光が玲音に向いた。そして急に気をつけの姿勢になって綺麗な四十五度のお辞儀をする。
「このたびはご迷惑をおかけして申し訳ございません」
「はい?」
魔王に迷惑をおかけされたことがあっただろうか? 玲音は声が裏返りそうになった。
「私はあなたをこの世界に転生させた者の上司に当たります。この世界での名前は『魔王』本来の名を『冥府の神』と申します」
見かけは如何にも魔王なのに、話し方や態度が真面目なビジネスマンっぽい。ちぐはぐさに玲音は戸惑った。
「今私はあなたの言葉、日本語で話しています。後ろの方々は事情をお話して大丈夫ですか? 障りがあるようならこのまま日本語で説明いたします」
「……この人たちは僕が異世界から来たというのは知ってます。だから大丈夫です」
「了解しました」
そう答えると、今度は魔王はコンラットたちに目を向けて同じ説明をした。こんどはこちらの世界の言葉で。
「……魔王? あんたが魔王? この世界を滅ぼしに来たとか?」
ファースが問いかけると魔王は首を横に振った。
「本来の私は冥府担当の神です。彼が元いた世界も含めて死者の魂を管理するのが主な業務になります。この世界も管理下にありますが、滅ぼしたら冥府が混乱するのでそんなことはしたくありません」
冥府? どっかで聞いたようなその言葉。
それを聞いて玲音はふと思い出した。
「冥府に送る魂の数が合わないと怒られるって聞いたんですけど……」
玲音の言葉に魔王は眉を吊り上げた。
「その通りです。冥府の帳簿と数が合わないんで監査に入ることになったんです。そうしたら行方不明の魂があることが判明して、調べたらこの世界にいることがわかったので、直接事情をお聞きしようと伺いました」
「……」
ああ。つまりあの神様が何とか部下の不始末をもみ消そうと僕をこの世界に送り込んだのに、それがバレちゃったのか。何で魔王のコスプレして現れたのは謎だけど、この人はどうやらあの神様が恐れていた冥府の担当者に間違いなさそう。
とお出かけの予定のような訊かれ方をして玲音は言葉を詰まらせた。
いやいやいやいや、普通魔王になる予定がある人っていないでしょ? っていうか、魔王って人なの? それ以前になぜ僕なの?
確かに神様のアフターサービスのおかげでそろそろ平凡な人間と名乗っても疑われそうなのはわかってるけど。
質問してきたセブリアン王子は居合わせた全員があっけにとられているのを見て、膝を叩いて豪快に笑い出した。
「いや、すまんすまん。ちょっと面白い文献をみつけたから……」
「文献……? そんなことでこんなに可愛い子を魔王呼ばわりですか?」
背後にいたコンラットの声が少し低く聞こえた。ラルスも眉を寄せている。
「殿下、おふざけはそのあたりで……ちゃんと説明を願います」
「わかっている。二千年ほど前に魔王が現れて大暴れしたって伝説があるだろ?」
二千年……? 日本だと弥生時代だよな。そんな頃の伝説が残ってるって逆に凄いかも。日本だったら古事記とか? そんな感じだろうか。
というか、この世界の詳しい歴史とかまだ全然知らない。調べてみるのも面白そう。
玲音はそう暢気に聞いていたけれど、どうやらそれはこちらでは子供も知っているおとぎ話らしい。魔王を何とかしてほしいという民の祈りに神が答えて特殊な力を持つ英雄を寄越してくれたので倒すことができた……。
神って……僕があっちのミスで事故死扱いされちゃったのを、魂の数が合わないと自分が叱られるからって、この世界に転生させたあの人? 昔はちゃんと仕事してたんだろうか。
「それで……最近各地の神殿で『魔王が復活する』というお告げが次々に降りているらしいんだ。我が国も例外じゃない。それで古の言い伝えを調べる作業が進行中で。そうしたら魔王は『人と獣のありとあらゆる言葉に通じ、甘言をして誑かし世の中を混乱させる能力を持ち、災害を引き起こし甚大な被害を与えた』とされている。その、レネはドラゴンと意思疎通ができるんだろう?」
え? 僕が魔王だって言うの、それが根拠なのか?
玲音は驚いてラルスに顔を向けた。
「殿下。この子は自分から周りに危害を与えるような子じゃありません。あなたのような地位の人にそんなことを言われたら、答えようがないでしょう」
ラルスがそう言ってくれた。
けれど玲音は何となく心の隅に引っかかったものがあった。
……魔王を倒すために神様が特別な力を持つ英雄を寄越してくれたって、もしかしてその人って僕と同じで神様にこの世界に転生させられてきたんじゃ……。だって前に「まろうど」っていう異世界から来た人の言い伝えもあるって聞いたし。
神様が僕にいろいろスキルをくれたのって、この世界で何かさせるつもりだとか……?
え? 何それ嫌なんだけど。こっちで好きなようにやっていいって言ってたのに。
「うーん。確かに魔王になるかって聞かれてそうですって言う者はいないだろうな。だがその話を聞いて一番に思い出したのがレネだったんだから仕方ないだろう」
「仕方ないじゃありません。それにそんなことを聞いてどうするつもりだったんです? そもそもお忘れかもしれませんが、この間の殿下のやらかしを止めてくれたのはレネですよ?」
「いや、それは忘れてはいないぞ。ただ、魔王と手合わせできるかと思って……」
あっけらかんとそう言われて全員が黙り込んだ。
……この人、悪い人じゃないけど最終的に剣術にしか頭が行かないんだな。
玲音はそう思いながら口を開いた。
「……復活するってことは、魔王って二千年前と同じ人なんですよね? 僕は二千年も生きてないので、僕ではないと思います」
「確かにそうだな。『復活』と言うからには一度は死んでいるわけだし。そんなにほいほいそこら辺をうろついている訳ないな。そうか、得心した。邪魔したな」
王子はそう言うと出されたお茶を一気に飲み干して立ちあがった。そしてあっさりと帰っていった。
後に残された「森のくまさん」一同はしばらく脱力していた。
「……もう嫌。なんであの殿下は思い立ったら即行動なんだよ……」
ラルスがテーブルに突っ伏して、それを見ながらファースが苦笑している。
「お茶入れ直そうか? レネたちも座って」
お言葉に甘えて椅子に座ると、玲音の隣に来たコンラットが眉間に皺を寄せていた。
「あの……」
「あの殿下に魔法攻撃をしなかったのは褒めてほしい。可愛いレネのことを魔王だなどと戯言を……」
うわあ。静かだと思ったら魔法で殿下に攻撃するかどうか葛藤していたんだ。
玲音は慌ててコンラットの手を握った。
「我慢できてすごいです。コンラットさんは大人ですね。感情を抑えられるなんて偉いと思います」
そうまくし立てると、やっとコンラットの眉間から皺が消えた。
「それにしても、魔王復活ねえ……あんまり市井には流れてこないところを見ると、アレって割と機密事項なんじゃないの?」
ファースが手早く茶菓子の追加を並べながら言う。
「まあ、そんな話が広まったら大混乱だろうし、現時点では神殿と各国の上層部だけが掴んでいる情報って可能性はあるね。コンラットは知らなかったの?」
「……聞いたこともない。私が魔法伯をやめてからのことだろうね」
「セブリアン王子を野放しにしとくとそこら中で言い触らしそうな気がするんだけど。そこらの人捕まえて『魔王が復活するらしいんだが、お前魔王になる予定あるか?』って聞いて回られたらお終いだよ」
ファースの言葉に全員反論できなかった。何しろセブリアン王子は他国の王都でドラゴン呼ぼうとしたくらいだし、何をするかわからない。
「本気で魔王と手合わせしたいんですか?」
「うーん……あの人は勝ち目がないくらい差があれば無闇に戦ったりはしないんだけど、魔王みたいなレアな相手だったらとりあえず戦ってみるとか言いそう」
「……いや、それ普通にヤバい人じゃないですか」
ラルスの言葉に玲音は大丈夫なのかあの人、と不安になった。
「そもそも、そこら辺に魔王が歩いてるわけないじゃん」
ファースがそう言いながらお茶を玲音の前に置く。そこへまた来客らしく、呼び鈴の音がした。
「またあの王子様、戻ってきたのかな」
そう言いながらファースが玄関に向かっていく。
そして、すぐに戻ってきて玲音に手招きする。
「レネの知り合いらしい人が訪ねてきているんだけど、これを渡せばわかるって」
そう言いながら差し出されたのは一枚の小さなカード。知り合いと言われても玲音にはこの家を知っている知り合いに心当たりがない。
……これって名刺?
そしてそのカードに書かれていたのは、「魔王」と「魂魄業務特別監査官」の文字。明らかに日本語。
「魔王……?」
「……これってレネの世界の?」
背後から覗き込んできたコンラットが囁いてきた。玲音は頷いた。
けど、魔王なんて人に会った覚えはない。しかも監査って何?
そして魔王が訪問してくるなんて、異世界怖いな……。
玲音はそう思いながらも玄関に向かった。
玄関に向かうと背の高い黒髪の男性が立っていた。心配になったのかコンラットたちもついてきてくれた。
その人は二メートル超えていそうな長身で頭には山羊のようなごつい角がにょっきりと生えているので、更に大きく見える。雰囲気が禍々しい。民家の玄関にいていいタイプではない。
長い漆黒のローブを纏っていて、世の中の全てが不本意とでも言いたげなものすごく不機嫌な顔をしていた。
というか眼光鋭くて滅茶苦茶怖いんだけど……ガチで魔王ですか。
「あの……僕が玲音です」
どこかで会ったことがあるだろうか。
そう思っていたらビームでも出せそうな強い眼光が玲音に向いた。そして急に気をつけの姿勢になって綺麗な四十五度のお辞儀をする。
「このたびはご迷惑をおかけして申し訳ございません」
「はい?」
魔王に迷惑をおかけされたことがあっただろうか? 玲音は声が裏返りそうになった。
「私はあなたをこの世界に転生させた者の上司に当たります。この世界での名前は『魔王』本来の名を『冥府の神』と申します」
見かけは如何にも魔王なのに、話し方や態度が真面目なビジネスマンっぽい。ちぐはぐさに玲音は戸惑った。
「今私はあなたの言葉、日本語で話しています。後ろの方々は事情をお話して大丈夫ですか? 障りがあるようならこのまま日本語で説明いたします」
「……この人たちは僕が異世界から来たというのは知ってます。だから大丈夫です」
「了解しました」
そう答えると、今度は魔王はコンラットたちに目を向けて同じ説明をした。こんどはこちらの世界の言葉で。
「……魔王? あんたが魔王? この世界を滅ぼしに来たとか?」
ファースが問いかけると魔王は首を横に振った。
「本来の私は冥府担当の神です。彼が元いた世界も含めて死者の魂を管理するのが主な業務になります。この世界も管理下にありますが、滅ぼしたら冥府が混乱するのでそんなことはしたくありません」
冥府? どっかで聞いたようなその言葉。
それを聞いて玲音はふと思い出した。
「冥府に送る魂の数が合わないと怒られるって聞いたんですけど……」
玲音の言葉に魔王は眉を吊り上げた。
「その通りです。冥府の帳簿と数が合わないんで監査に入ることになったんです。そうしたら行方不明の魂があることが判明して、調べたらこの世界にいることがわかったので、直接事情をお聞きしようと伺いました」
「……」
ああ。つまりあの神様が何とか部下の不始末をもみ消そうと僕をこの世界に送り込んだのに、それがバレちゃったのか。何で魔王のコスプレして現れたのは謎だけど、この人はどうやらあの神様が恐れていた冥府の担当者に間違いなさそう。
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