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42.可愛い顔して容赦ない

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 ブラックドラゴンの特大の咆哮が王都に響き渡ったころ、コンラットは王宮の外れにある貴賓牢にいた。
 やる気のなさそうな兵士をあっさりと気絶させて、その入り口に向かって指輪をつけた手を広げる。
「扉だけ……」
 扉を囲むように意識して攻撃魔法を発動させた。弾けるような軽い音を立てて一瞬で扉が焼失した。
 ……本当にすごいな。

 元々、攻撃に広大かつ強力な範囲魔法しか使えないコンラットは味方から一人飛び出して戦うしかなかったし、周りに味方がいる時は魔法を使えなかった。そのために剣術も身につけていた。
 ところがそんなコンラットに、範囲魔法なら魔法で周りを囲えば範囲を限定できるんじゃないか、と言い出したのがレネだった。
 それで付与魔法を教えたら、彼はいろんなモノに自分の防御魔法を付与することに熱中し始めた。けれど、とんでもないスキル持ちの彼が付与したものなので、値段がつけられない代物を作り上げる危険性があった。
 ラルスとファースもそのことに気づいていて、彼に新たな魔法を教えるときは気をつけようと話し合って決めた。レネにも付与の持続時間に限りをつけるように言い聞かせた。
 そうして彼が完成させたのがこの指輪だ。彼の防御魔法の応用で指定したものを囲う結界を作る仕掛けが施してある。一応はコンラットに使用者を限定させた。

「……あの子がいたら私はホントに無敵じゃないか?」
 コンラットはそう呟きながら貴賓牢の中を進んだ。ドラゴン騒ぎのせいか元々内部の使用人は手薄なのか誰にも会うことなく目当ての囚人の部屋となっている階層までたどり着く。
 入り口だけは大仰な扉があるが、中は部屋ごとに囚人の身分にふさわしい調度が整えられているらしい。部屋から出ることはできないが、食事も抜かれることはない。
 ただ緩やかに歳を経ていくだけだ。
 ここにいる囚人の中で、もっとも身分が高いのは王弟フーベルト。先々代国王の第四王子でコンラットにとっては叔父に当たる。魔法伯に叙せられるまでは公式な行事にほとんど出ることがなかったコンラットは直接の面識がない。
 先のブラックドラゴン討伐軍の中にフーベルトの息子が参加させられていたのは知っていた。途中で負傷したのを名目に帰還させた。おそらくそれを黙認していたことでフーベルトを支持しているオルヒデーエ伯爵はコンラットが自分たちの味方だと思ったのだろう。
 ……私はこれ以上親族が殺されるのを見たくなかっただけだ。
 先代国王には妾腹を含めると弟が五人、妹が二人いた。今王都にいるのはフーベルトと現国王ニクラスのみ。残りは臣下に降って地方に蟄居している。人質を取られているという噂もある。
 もし人質がいるとしたらおそらくこの牢だろう。
 フーベルトという男は凡庸で取りわけ目立つところもない、王になるには足りないことが多い人物と言われていた。
 先代国王は同腹の弟を王太子に指名していた。その王太子が急死したのがフーベルトが主催している茶会の帰りだったことから、フーベルトが疑われた。
 けれど、その時フーベルトの弁護に回る貴族たちが証人を探してきて彼の疑いを晴らしたと聞いている。
 ……凡庸で取るに足りない人間にあそこまで手を尽くそうという人々がいるだろうか。フーベルト叔父上は意外に人望があるのかもしれない。
 コンラットはそれを聞いたとき、そう思った。フーベルトの印象はそこ止まりだった。

 この階層に着いた直後、昼間から酒を浴びてサボっていた獄吏がいたのを見つけて叩き起こして、牢の鍵を奪い取ることに成功した。
 あまりに杜撰すぎる仕事ぶりに呆れながらもコンラットは最奥の扉を開けてみることにした。
 おそらくまだ王都の人々も王宮の中も、突然現れたドラゴンに大騒ぎだろう。
 開けた扉の向こうに、三十歳代後半くらいの歳格好の男が立っていた。どうやら窓からドラゴンを見ようと一生懸命のようで、コンラットが入ってきたのに気づいていないようだった。
「フーベルト王子殿下。お迎えに伺いました」
 振り向いたその顔に父の面差しを見いだしてコンラットは驚いた。向こうもコンラットを見て目を丸くしている。
「驚いたな。君が来るなんて。初めましてと言うべきかな? コンラット。いや、フェルセン魔法伯だっけ?」
 身なりはきちんとしているが、どことなく緩い笑みでコンラットに向き直った。
「魔法伯は返上しました。あなたを救出しようとオルヒデーエ伯爵が挙兵して王都に迫っています。今のうちにさっさとここを出ないと何をされるかわかりません」
 コンラットとしては今の王のやり口は気に入らない。自分の邪魔者を脅して弱みを握って支配しようとする。自分の味方がどんなに民に非道な真似をしても止めようとしない。
 我が子の教育も、あれで次の国王が務まると考えているなら甘すぎる。
 ……私には何の権力もないが、父が守ってきたこの国を悪い方に持って行かれるのは快いものではない。
 だったらニクラス王に反対する者たちが何の憂いもなく行動を起こせるようにすればいい。そのためにフーベルトを解放するつもりだった。
「困ったなあ。来てくれて悪いんだけど、私一人逃げるのはできないんだ」
 フーベルトはチラリと目線を外した。
「この牢には他にも連れてこられた女性や子供がいる。皆私や君の親族に当たる……と言ったらわかるかい? どうやら私の祖父や一族の者たちが蜂起したようだけど、私が解放されても何も解決しないんだよ」
 どうやら他の王位継承権所有者から取った人質もやはりここにいるらしい。
 フーベルトは単身でやってきたコンラットがそのことを知らず、彼一人しか連れ出すつもりがないと思ったらしい。
「わかりました。では」
 コンラットは鍵の束を半分フーベルトに手渡した。
「鍵を開けるのを手伝ってくださいますか、叔父上」
 フーベルトはぱっと表情を明るくして大きく頷いた。
「もちろんだよ。私は一回牢破りをしてみたかったんだ」
 ……どうやらこの人は控えめであまり人を押しのけて前に出る質ではないのだろう。腹芸もできそうにない。王位継承争いに参加したのも周りから押し切られたというあたりか。
 嬉々として歩き出す様子にコンラットはこっそりとそう思った。

 フーベルトと手分けして全ての部屋を回って連れ出した人質は十人。その使用人も含めると二十五人。驚いたことにフーベルトは人質の人数から家柄、そして名前まで全部諳んじていた。
「しかし、これだけの人数をどうやって連れ出すんだね? 城壁を越えるのは難しいし、かといって欺いて城を出るには……」
 フーベルトがそう問いかけてくるので、コンラットはただ一言答えた。
「連れに協力してもらいます」
「連れ? 君、友達いたんだ?」
 痛いところを突かれてコンラットは一瞬作り笑顔にヒビが入ったような気がした。どうやらコンラットの気性をフーベルトは知っていたらしい。
「……ええまあ、人並みには」
 コンラットは真上に向かって炎魔法を放った。
 すぐに上空に大きな黒い影が近づいてきた。
 人質たちはドラゴンを見て、慌てて隠れる場所を探している。
「コンラットさん、上手く行きましたか?」
 竜の背中に乗ったレネが手を振りながら問いかけてきた。
「大丈夫だよ。城壁にいくつか穴開けておいてもらえるかな。合流地点はまた連絡する」
「了解です」
 そう言うとドラゴンに何か話しかけている。それと同時にドラゴンが城壁に向かって炎を吐く。轟音とともに石作りの高い城壁に大穴が開いた。
「……何が起きたんだ? あのドラゴンは敵ではないのか?」
 フーベルトが驚いた様子で城壁が大きく崩れたのを見つめていた。
 王宮を囲む城壁の向こう側は市街だが、おそらくレネとドラゴンの協力技なのか、城壁の瓦礫は市街には落ちていない。
 あのブラックドラゴンは幼い個体らしいとレネは言っていた。城壁の破壊など彼にとっては遊びの一環なんだろう。逃走ルートがいくつもあれば、追っ手も拡散する。
 ただでさえ領主軍が王都に迫っているのだから追っ手もさほど多くはないはずだ。
「正確には私の連れの友人です。彼らが何カ所か破壊してくれているうちに逃げましょう」
 フーベルトや人質たちは「友人? ドラゴンが?」とすっかり硬直してしまっている。
 まあそれはそうだろう。ブラックドラゴンは人に討伐されたことはないし、手懐けられた例もない。
 それどころか先日の件も含めて度々現れているのを見たら、ヘーラルトがちょっかいを出したから復讐に来たとでも思われそうだ。別にそれでも構わないが。
「逃げる……どうやって?」
「地下通路があるんです」
 王族の中でも一部にしか知らされない脱出用の通路。コンラットは父の生前にそれを教わっていた。何故庶子の自分にと思ったけれど、おそらく父は自分の死後コンラットと母に危害を加えられる可能性を予測していたのだろう。
 隠し通路の入り口はこの先の倉庫にある。そこから王宮の外へ。
 この混乱に乗じれば、領主軍と合流するのは容易いだろう。

 地下通路と瞬間移動魔法を駆使してオルヒデーエ伯爵軍と接触したコンラットはフーベルトと他の人質たちを引き渡した。
 伯爵を始めとする人々はフーベルトが無事であったことに歓喜の叫びを上げた。
 それを見届けたコンラットは立ち去ろうとしたのだが、彼らが縋るように引き留めてきた。
「フェルセン魔法伯。どうかこのままこちらに加わってはいただけないだろうか」
 コンラットはきっぱりと答えた。
「私は政治に関われる立場ではありませんから。今回の行動はただ、ニクラス王のやり方が気に入らないだけのこと」
 そう言って炎魔法で合図をするとまだ壊した城壁を踏みつけて遊んでいたドラゴンがこちらに飛んできた。ぐんぐん近づいてくる巨躯に領主軍の兵士たちが顔を引き攣らせた。
 やがて頭上に来たドラゴンの背中で手を振ってきたレネの許に魔法で跳躍する。背中から抱きつく格好になったがこれは役得だ。
 驚愕の表情を浮かべる人々を地上に残し、ドラゴンは高く飛び上がった。
「ありがとう。あれこれ注文して悪かったね」
 背中から耳元に顔を近づけると、レネは少し頬を染めて口元に笑みを浮かべた。
「大丈夫です。いっぱい遊べたからジェットも満足みたいですし」
「ジェット? それ、このドラゴンの名前?」
 どうやらレネはドラゴンに呼び名をつけていたらしい。ぐるぐるとしたうなり声がドラゴンから聞こえてくる。
「コンラットさんも特別にそう呼んでいいよ、って言ってます」
「それは光栄だね。……レネ。このまま王宮に向かってもらえるかな」
「あの真ん中あたりの建物ですか?」
 レネが指差す先に丸いドーム状の屋根のある正宮殿があった。
「そう。……ところで、ヘーラルトはどうなった?」
 さぞや脅されただろうと思いながらコンラットが問いかけると、レネは少し間を置いてから気まずそうに答えた。
「ちょっと失敗しちゃって……身ぐるみ剥いでしまいました」
 経緯を聞いてコンラットは思わず吹きだしてしまった。
 彼はヘーラルトが怪我をしないように防御魔法をかけたけれど、ヘーラルト「だけ」にかけてしまったので、彼の衣服や甲冑はドラゴンの炎で焼きつくされてしまったらしい。
 まあ、怪我もなくただ戦闘不能状態になって王宮に逃げ帰ったのならそれでいいんだが。

「……お一人で大丈夫ですか?」
 王宮の庭のど真ん中に着地したドラゴンに王宮の内外から悲鳴が上がっているのが聞こえてきた。ドラゴンが破壊した城壁を乗り越えて民衆がなだれ込んできているのもここに来るまでに目撃した。
 すでに国軍は指揮者不在で混乱して、機能を果たしていない。領主軍が王都入りするのも時間の問題だ。
 いずれ王宮は占拠されることになるだろう。
 コンラットはドラゴンの背から降りると、レネに頷きかけた、
「大丈夫だよ。何かあったら呼ぶからここで待っていて」
 ドラゴンとレネの周囲は彼の防御魔法が張ってある。たとえ近衛や警備兵たちが攻撃しても彼らには何ともないだろう。いや、逆に十倍返しとか……。
 そもそもレネをこれ以上巻き込むことはできない。

 コンラットは政治には無縁の王子だった。けれど政治について学ばなかったわけではない。
 おそらく父はコンラットに幾ばくかの所領を与えて、そこで母と暮らせるようにするつもりだったのではないだろうか。そのために領地経営を学ばせたのだろう。
 父の口癖は、国は民がいなければ成り立たない、だった。
 貴族たちに重税を課すことを禁じ、無闇に圧力をかけることがないように目を光らせていた。暴利を貪ろうとする商人たちにも制限をかけた。だからこそ反発もあったかもしれない。
 そうした私利私欲にまみれた者たちはニクラスを王位につけようとした。ニクラスは先代国王の弟の中で最も自尊心と虚栄心の強い男だったから。
 コンラットは今の状況を父が見たら何と言うだろうと思った。けれど、父はコンラットに政治的な地位を与えず、政治には関わらせなかった。
 ……何もするな、と言われたのだと思っていた。侍女を母親に持つ私は後ろ盾もなくこの権力争いに勝てるはずもない。
 けれど、何も言うなとは言われていない。
 国王の玉座がある大広間に足を進めると、警備兵たちが剣を抜いて囲んできた。
「私はコンラット・ルカス・ファン・フェルセン。先代国王アドリアンの一子である。私がここに来たのはアドリアン王陛下のご意向であると心得よ」
 フードを落として顔を晒すと魔法伯の顔を知っている者もいたのか、明らかに勢いが怯んだ。
「ニクラス王陛下への目通りを要求する。道を空けぬと言うのなら……」
 コンラットは目の前の窓に目を向けた。窓枠を囲むように制限をかけてから炎魔法を打った。窓が一瞬で焼け落ちる。
「私がお飾りで魔法伯などと呼ばれていたわけではないことを思い知ってもらうことになる」
 側にいた侍従たちが慌てて奥に走って行くのが見えた。
 コンラットは今まで王都で大きな魔法を使って見せたことはない。だから王宮の人々はたいしたことのない魔法使いだが父の名で魔法伯になれたのだろうと思っている。
 警備兵たちもそうだったのだろう。怯えた様子で遠巻きにしている。
 父の意向というのはハッタリだが、似たようなことを聞かされたことがあった。

『周りが思うほど王位など楽しいものではない。もし私が倒れたら王位を巡って弟たちが相争うことにならねばいいのだが。コンラット、お前はその目で行く末を見定めてくれ』

 ……少なくとも、父が望んだのは兄弟同士が争ったり、それに民や兵士が巻き込まれるような国ではないはずなんだ。

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