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35.辺境伯様はライブが好き

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 国王の末娘ブリジット王女とシェパーズ侯爵家令息ピーターの婚約式を翌日に控えて、王宮で夜会が開かれる。その日セシルはホールズワース辺境伯家の王都邸に身支度のためアンドレアスを連れて訪れていた。

 社交の場に出る装いとなると一人でさっさと脱ぎ着ができるものではないし、馬車も借りることになっていた。

 徒歩で王宮に行って招待客ですとか言ってもおそらく追い返されるだろう。しかも出席しろとの命令は来ていても正式な案内状は届いていないし、最悪セシルが王宮に行ったら衛兵に捕まる展開だってあるのだ。

 そうした嫌がらせが用意されている可能性も考えて、ロイがそう薦めてくれた。



「……先輩、夜会には出られないのでは?」

 通された部屋でセシルはすっかりくつろいでいる辺境伯家当主ロイを見つけて驚いた。

「昨日で仕事が一段落したから列車に飛び乗ったんだ。だって、見たいじゃないか。ピーターにギャフンと言わせるところ。魔法使い殿に録画頼んでたけど、やっぱり直に観る方がいいじゃないか」

「……録画?」

 もしかして、あの録画機能つきからくり鳥でドキュメンタリー映像でも作るつもりだったんだろうか。いつの間にロイ先輩とそんなに仲良くなってたんだ。

 アンドレアスのほうは平然と手近な椅子に座るとセシルに手招きした。

「まあ、座れ」

「いやここ、ロイ先輩のお家ですからね?」

「空いている椅子があれば座っても構わないだろう」

「だから、他所のお家でそれは……」

 そう言い返していたらロイがぷっと吹きだした。

「いいよ別に。魔法使い殿には日頃から色々作ってもらってるからね」

 笑いながらアンドレアスに目を向ける。

「それで、首尾はどうなのかな?」

 ロイの問いかけに、セシルは王都に着いてからの出来事を話した。

「……なるほどねえ。シェパーズ侯爵家のお家騒動は胡散臭いと思ってたけど、セシルと同じ魔法が使われていたのか。しかし、そんなものを野放しにするのはマズいね。家督を狙うくらいならいいけどもっと大きな権力を狙ってきたら……」

「そのことですけど、王太子殿下にも似たような魔法が使われているかもしれません」

 セシルの言葉にアンドレアスが意外そうに目を瞠った。

「お前を監禁しようとした奴を庇うのか?」

「元々王太子殿下は強引なご気性で蒐集癖がありましたけど、珍しい鉱石とか動植物とかだったと聞いています。僕の知る限り人間を狙ったことはないはずです。でも、突然僕に声をかけてくるようになった頃は明らかに目つきもおかしかったから……。他の人に対しては王太子として立派に振る舞っていらしたのに。それが引っかかっていたんです」

 そしてアンドレアスが王宮内を撮影した映像でチラリと見えた王太子の様子が酷く疲れているように思えて、それが呪いの影響に苦しんでいた父の様子と似ていたように思えていた。

「たしかにあの呪いの魔法は逆に使えば欲望の箍を外して暴走させることもできる。人の感情を操るというのはそういうことだ」

 アンドレアスが元々作っていた魔法は、隣国の王が魅了の術を使って女性を手当たり次第に口説いていたのに腹を立てたグスタフ王が嫌がらせをしたいからと彼に依頼したものらしい。

 それは王の周りの人間にかけるためだったんだろうけど、ロイの危惧通り王族を狙って感情を操作したら国の政策まで変えられるのではないだろうか。

「……それじゃ魔法が盛んな時代だったらそれを使って人を操り放題ってことになりません? そんな魔法の存在が明るみに出れば魔法使いを弾圧するとかされかねないような気がしますが」

 セシルが疑問を口にすると、アンドレアスはいいや、と首を横に振る。

「だから貴族たちは側に置く魔法使いに隷属契約をしていた。そして自分たちには暗示にかからない術をかけさせていた。それに、魔法使いにも利益がある。そういう術の存在が知れ渡れば、逆に術にかけられないための魔除けがよく売れるんだ。いい小銭稼ぎになるぞ」

「……それマッチポンプ商法では……」

 セシルが思わず呟くとロイとアンドレアスがそろって目を丸くした。しまった。通じない言葉だったと気づいて焦った。

「あ……すみません。自作自演で商品を売り込むことで……」

 とごにょごにょと言い訳をすると、二人とも納得してくれた。



「話を戻すと、三百年前には人を操ったりする魔法が大なり小なり存在したということですね。当時の王侯貴族はその対策をちゃんとしていたけれど、今の時代は魔法が廃れているから貴族たちはそうした魔法への耐性が薄い。セシルに手を出そうとした王太子殿下といい、一方的にセシルを咎めた国王陛下といい、確かに日頃の行動を考えたら疑問は多い……」

「まあ術者がしょぼい魔力しか持たないのが幸いだったな。オレだったら最初の術式だけでこの国を乗っ取れるぞ? 面倒くさいからやらないが」

 ロイがそれを聞いて眉を寄せる。

「今のこの国はアンドレアス殿ほどの力がなくても知識さえあればあっけなく彼らの自在に操ることができる状態ということですか? これは侯爵家が王族に手を出したって事になる……。実質謀叛では?」

 アンドレアスが冷静に答えた。

「オレがいた時代とは違って、今は魔法に対する知識がほぼ失われていて、それを証明しても理解できる人間は少ない。法的にもそんな条項はないだろう。つまり法的には裁くことは難しい」

「……たしかに。ではどうやってピーターたちを追い詰めるんですか」

 ロイが興味津々という様子でセシルたちに目を向ける。

 アンドレアスがテーブルに用意されていた菓子にしれっと手を伸ばす。

「やり方は考えてある。ところで辺境伯。この国をさっさと見限ったほうがいいぞ」

「……あー……そこまでやっちゃうんですね……」

 ロイが困ったような顔をする。アンドレアスが企んでいることの規模を理解したのだろう。

「まあ、おぬしはグスタフの末裔だから、これからも手を貸してやらんこともない」

「あー……まあ、三百年前以上前のことですがね……。よくご存じで」

「アイリス王女は跳ねっ返りで面白い女だったからよく覚えている」

 それを聞いてセシルは思い出した。ホールズワース辺境伯家は昔はカトライア公国という小国の当主だった。後にシャノン王国に併呑され家名も改めた。そしてファーデン最後の王女の嫁ぎ先だったことから、元ファーデン王国の版図の一部を領地として与えられた。

 今さらだけど、ロイの家系はアンドレアスの仕えていたファーデンのグスタフ王と血のつながりがあるってことなのか。

 話しているうちに、別室に着替えの支度ができたと使用人が伝えに来た。



 王宮はセシルが働いていたころと変わりなく、悪趣味なくらいの魔結晶の灯りが飾られていた。馬車の窓からそれを見遣るとセシルは溜め息をついた。

 前世が庶民だったせいか、省エネという言葉が頭をよぎるんだよな……。年中クリスマスイルミネーションかよ、と何度ツッコミを入れたことか。

 夜会に向かう貴族の馬車が列をなし、まるで光に寄せられる虫のようだとセシルは冷ややかに見つめる。

 シャノン王国はシェパーズ侯爵家が持つ魔結晶生産装置で富を手に入れた。おかげで戦争に巻き込まれることもなく、貴族たちは目先の権力争いや他人を追い落とすことだけに精を出していた。噂話にあけくれ、誰に取り入れば安泰かと秤にかける。

「目に優しくない王宮だな」

 アンドレアスがぼそりと呟いた。

 王宮の夜会なんだから着崩しダメ絶対と言い聞かせた結果、今日はきちんとした格好をしている。髪も撫でつけて後ろで束ねている。辺境伯家の使用人の皆様の手腕によるものだ。誰もこの男が最凶最悪の魔法使いだとは思わないだろうという出来だ。

 深い緑色の上着を着て頬杖をついて外を眺めているが、それだけで貴族の貴公子と言っても通じそうなくらいだ。

 まあ、元々三百年前もファーデンの王宮にいたのだからある程度所作は身についているんだろう。姿勢もいいし、尊大というか堂々としているから見栄えもする。

「それで? ラブラブイチャイチャ大作戦ってどこから始めるんだ?」

 ロイが楽しそうにセシルに囁く。それをロイに話したのはアンドレアスだ。

「とりあえず会場に入れるかが問題ですけど」

「その点は大丈夫。僕の同伴者と従者という形で入れるから。うちの家格は侯爵家並だから、割と目立つところで入場できる。注目もされるだろう」

 難癖つけられて会場入りを渋られたらアンドレアスが魔法を使ってでも強引に押し切る予定だった。ロイが来てくれたことで少しは楽になりそうだとセシルはほっとした。

「主役……王女たちは最後か」

 アンドレアスが口元に手をやって思案している。きっとろくでもないことを考えているに違いないとセシルは思った。あれは悪だくみしている顔だ。

「王族は最後ですよ。おそらくピーターも王女殿下のパートナーですから最後でしょう」

「なら奴らが入場する前に派手に見せつけておくほうがいいだろう」

「いいですねえ。まあ、そのつもりでうちの使用人に腕によりをかけて飾り立てさせたので、二人とも注目間違いなしでしょう? 存分にどうぞ」

 ロイの言葉にアンドレアスがセシルに目を向ける。

「そうだな。なかなかにいい出来だ。辺境伯家の使用人は優秀だな」

 今日のセシルの服装は紺色に金色の刺繍が施された上着。髪は三つ編みを解いて緩く纏めている。袖にもクラヴァットにも繊細なレースをあしらってあるので柔らかい印象だ。

 ……あれ? 待って。この服の色アンドレアスの瞳の色じゃない? それにアンドレアスの服は僕の髪の色では……? あからさますぎない? 前世で言うならペアルックしているカップル状態では……?

 ロイにはいきなり真面目にやってた後輩が人前で男とイチャついたら驚くだろうから、事前に話すつもりだったけれど、すでに知っているみたいだし。いつからバレてたんだ。

 もしかして、この服のために採寸した時点でもう僕とアンドレアスの関係ってバレバレだったってこと? 

 もともと察しのいいロイのことだから、どこまでバレているのかとか問いただすのも怖かった。

「実は元々セシルは密かな人気があって、こっそり狙ってた奴もいたんですよ。ね?」

 ロイはセシルに目線を寄越してにやりと笑う。

 いやいやいや。そんなことはない。仕事の手伝いをしてほしいと声をかけられた記憶しかない。それはモテではなく使い勝手がいいからだったんじゃないだろうか。

「え? まさか。僕なんてモテない冴えない凡人枠ですから……」

 それにここ何年かは嫌われ者生活をしていたから、人気者なんてほど遠い。

「公爵家の令息に強引に近づけないから皆遠慮してたんだよ。上級生たちの話題にもなってたくらいだ。ちらっと姿を見かけただけで自慢してる奴もいたからね」

 そんな風に思われていたのかとセシルは驚いた。

 だけど、それは珍しい動物とさほど変わらないような……。

「もっと言ってやれ。そやつはいくら褒めてやっても認めないからな」

 アンドレアスがロイに加勢する。

 いや、確かにアンドレアスの「可愛い」攻撃には口答えしたけど……。

「魔法使い殿でもダメだったんですか。それは荷が重いな……。でもまあ、今夜は自分が世界で一番可愛いと思ってイチャイチャしないとね? 何しろ最凶最悪の魔法使いの恋人なんだから」

 ああ、やっぱりバレてる。そしてなぜ世界一までハードルを上げるんだ……。

 アンドレアスが楽しそうにセシルの髪に触れて、毛先を指で弄ぶ。

「……そろそろ観念する気になったか?」

「まあ、やるしかないです」

 人前で、しかも呪いの影響が薄れているとわかっていてもあれほど嫌われた場所で。

 セシルの表情が強ばっているのを見て、アンドレアスがにやりと笑う。

「周りの者がカボチャに見える魔法でもかけてやろうか」

「じゃあ人参でお願いします」

 セシルが言い返すとアンドレアスが何かを想像したのか口元を押さえて黙り込んだ。

「いやー。ホントに仲良くなったんだね。熟年夫婦みたいだ」

 ロイがにこやかに余計な事を言ってくれた。



 不意に前方でなにやら騒ぎが起きていた。馬車が混雑していると希に順番争いで揉めることがある。家格によって馬車を寄せる場所も分けられているくらいだ。

「何の騒ぎだ?」

 ロイが馬車の外にいた従者に問いかける。

「混乱しているのではっきりとはわからないのですが、衛兵たちが王宮を追放された者が夜会で騒ぎを起こそうとしているからと馬車を全て改めているらしく、それでいつもより時間がかかっているので……」

「……なるほど。誰の命令だか知らないけど、もしうちの馬車に触れようとしたら反撃していいよ」

 ロイはのんびりした口調で周囲に命じる。国境警備の要である辺境伯家はそれだけの権力がある。今も馬車の周りを護衛と従者たちが取り囲んでいる。

 やがて馬車は混雑を抜けて王宮の前に停まる。衛兵たちも流石に上級貴族の馬車に手出しはしにくいらしく、中を改められることもなかった。

 ロイは窓の外に目を向けたまま問いかけてきた。

「セシル。中に入ったら別行動でいいんだね? 大丈夫?」

「はい。かばい立ても無しで大丈夫です」

「いやいや。ちゃんと援護はするつもりだよ。……アンドレアス殿、可愛い後輩をよろしくお願いします」

 ロイはセシルの隣で外を見ていたアンドレアスにそう声をかけた。彼は外に目を向けたまま答える。

「無論だ。……ところで、そろそろ始まりそうだぞ」

「え?」

 アンドレアスが指さした先で、王宮の周囲にあしらわれていた灯りが一つずつ消え始めた。

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