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31.魔法使いと兄弟子

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 家に帰り着くとアンドレアスは一冊の本をセシルに手渡してきた。

 古い革装丁の本は幾度も修復して保管されてきたのだろうと思われる。それを開くと明らかに見覚えのあるアンドレアスの筆跡で綴られたページが続いていた。

「……これは……」

「この家の地下室に隠されていた。地下室への入り口は完全に土砂で埋められていた」

 アンドレアスはこの家には面白いものが残っていたと言っていた。

「もしかして、これ……」

「俺がグスタフの棺に入れた魔法の覚え書きの一部だ。窃盗の証拠をご丁寧に製本して子孫にまで残していたとはな」

 書いた本人が言うのだから間違いないのだろう。この家の元の持ち主はシェパーズ侯爵家の現当主の弟。彼は魔結晶生産装置の研究をしていた。つまりそのからくりを含む過去の魔法に関する資料にも触れる機会があった。

 その彼がおそらく重要なはずのこの資料を地下室に隠していたのはどういうことなのか。

「彼らはこれを全て使いこなしているんですか?」

「もしそうならこの世界で魔法が廃れているわけがない。自分たちだけの特権としてでもその存在を明らかにしていたはずだ。あの人工魔石装置のように。それなのにお前に対する呪いといい、あの手紙に付けられていた追跡魔法といい、急に魔法を使いこなしている存在が現れている。つまり大昔の魔法が盛んだったころの知識を持つ者がいるはずだ」

 たしかに、アンドレアスの魔法がちゃんと解読され使いこなされていれば、それなりの魔力持ちなら使えるはず。魔結晶によっていくらか文明が発達したとはいえ、庶民の生活にはまだ行き届いていない。

「……お前の弟の気配はエルヴィス・モーガンズに似ているんだ」

「エルヴィス……?」

「ロルフの弟子の一人だった。ロルフは面倒見がいいから何人も弟子がいたんだ。長続きはしなかったが。中でも奴は怠け癖があって時々ふらっと居なくなっては金の無心に来るようなクズだ。いや、クズに喩えたらクズに謝らねばならないくらいのどうしようもない男だ。いかさま賭博に詐欺、女癖も悪くてオレにとばっちりが来たこともある」

 アンドレアスにそう言われるとは相当のクズなんだろうか。それを聞いていて、ふとセシルは気になることを問いかけてみた。

「モーガンズって……シェパーズ侯爵家の関係者ですか?」

 ピーターの姓がモーガンズだったことを思い出してセシルが問いかけた。

「……まさか、シェパーズ侯爵家の家名はモーガンズなのか」

 アンドレアスは驚いたように目を瞠る。アンドレアスはこの国の貴族はロイしか知らないんだったとセシルは思い出した。

「ええそうです」

「そうか。金の無心に飽き足らず、ロルフの家からあれこれ盗んでいったりもした。腹に据えかねたのはロルフが戦死したのを聞いてロルフの遺品を盗みに来た時だ。半殺しにして叩き出してやったがな」

「うわあ……ってことは、兄弟子?」

 アンドレアスは露骨に嫌そうな顔をした。

「兄弟子でもなんでもない。ただのどうでもいい他人だ。その後の消息は知らん。だがあの遺跡の地下施設に奴の筆跡と似た書類がいくつかあった。あの時は奴が大人しく研究者などしているはずがないと思ったから考えに入れなかったが」

「けど、あの施設はヴァルター王がアンドレアスの研究を再現させようとしていたんでしょう? それなら関係者として参加させられていた可能性もあるんじゃ……。何よりヴァルター王は魔法使いには隷属契約していたんでしょう?」

「……そうだ。エルヴィスならオレに弟がいたことも知っている。ちょっと調べれば養子先もわかっただろう。そうか、あやつがラウレンツの仇か。もう一度叩きのめす機会が得られるとは神も粋なことをしてくれる」

 アンドレアスはどこか楽しげにそう呟いている。

「その人がブライアンに転生しているってこと……ですか? でも、転生するときに記憶は……」

「お前は馬鹿か。前世の記憶をバッチリ持っている奴がここにいるだろう」

 アンドレアスはそう言ってセシルの額に人差し指を突きつける。

 ああそうか……確かに。自分という例があるのなら、他にいても不思議じゃない。

 女癖が悪く、勉強は怠けがち。それって確かにブライアンに当てはまる。そしてブライアンは前世の自分の子孫? のシェパーズ侯爵家と親しくしている。

「……奴の狙いはシェパーズ侯爵家に残ったオレの魔法を使って、アッシャー公爵家の家督を得ることだろう。何の努力もしないくせに金と名誉は大好物だからな。まずは扱いやすそうなお前を王太子に狙わせた。長兄は優秀だが女性を愛せないことで悩んでいたのを知っていたんだろう。聖職者になることを薦めたのも奴かもしれない。ところが王太子は失敗し、長兄が辞退したことで次期当主はお前になった」

「……それで呪いを……?」

「そういうことだ。侯爵家の馬鹿息子……ピーターはおそらく王女の降嫁先が自分ではなかったことを妬んでいたんだろう。だから利害が一致するお前の弟と手を組んだ」

 もしかして、ブライアンが僕を見て恐れているように思えたのは、僕の目が師匠のロルフと同じオッドアイだからだろうか。

 セシルはそう思い当たってから背筋が寒くなった。ブライアンに対して理解しがたい隔たりを感じていた正体がわかった気がした。

 ……ブライアンには最初から僕や家族に対して肉親の情などなかったのか。僕と同じように前世の記憶があっても、ブライアンとして生きるつもりなんてなかったんだろうか。

「大丈夫だ」

 アンドレアスの腕がセシルを抱きしめた。

「今度こそ魂まで粉末にして、あの神様っぽい奴にも復元できないようにしてくれる」

「……そんな物騒な」

 そう答えたら唇を塞がれた。

 ああもう、この人はそうやって悪者になろうとする。

 アンドレアスはこの時代で何か目的があると言っていた。自分の残した研究を利用できなくすることだろうとセシルは漠然と思っていた。個人への遺恨はあってもすでにその相手は亡くなっているのだから。

 けれどこの時代に三百年前の人間が転生してきていると気づいてしまった。

 それでも彼らが仕掛けたセシルへの呪いに関してはアンドレアスのおかげで解呪が進んでいるし、セシル自身も会った人に守護の魔法をかけてきたから、影響力は失われるだろう。これでアッシャー公爵家を乗っ取ろうとしていた彼らの企みは失敗するはずだ。

 その上で彼らを今の法で告発して処罰できればそれでいいのに。

 ……あなたにそんな酷い事をさせたくない。

 きっとアンドレアスの悪名も彼を封じ込めた後で残された者たちが広めたものだ。

「アンドレアス……」

 口づけの後でじっと見上げると、アンドレアスは満足げな顔で濃紺の瞳を細める。

「夜会が楽しみだな。多少刺激的にはなるだろうが、それも一興だろう」

 アンドレアスはすっかり機嫌を直したようだった。

 いや、刺激って何? 夜会で死人や怪我人出すのはやめて欲しいんだけど。

 アンドレアスは手にした紙の束をセシルの手に押しつける。

「これはお前の宿題だ。夜会までにこれだけ覚えておけ」

 例によっていつものアンドレアスの魔法の記録。

 夜会までに、ということは夜会で使うつもりだという意味か。

 言うだけ言うとアンドレアスはさっさと二階に上がっていく。もう寝るつもりなんだろうか。そう思っていたら、くるりとこちらに顔を向ける。

「お前もさっさと寝るんだぞ。多分明日になったら……」

「え?」

「すごく面白いことが起きるはずだ」

 アンドレアスは楽しそうに断言した。

 何それすごい嫌な予感しかしないんですけどー?

 セシルは内心でそう叫んだ。



                                *  *  *



 薄暗い部屋に五、六歳くらいの小さな子供がぼんやりと立っていた。ボサボサの黒い髪、すり切れた衣服。それは部屋の隅に置かれた姿見に映った自分の姿。

 どうやら自分はその子供の目線で見ているらしい。

 物置のような狭くて物があふれた部屋。小さな窓が一つ。

 外では明るい子供の笑い声が聞こえてきた。

「ラウレンツ、お前って兄弟いるんだろ?」

「えー? どんな子? 似てる?」

「いないよ。兄弟なんて」

「えー? けどうちの父ちゃんが言ってたんだけどな」

「きっと勘違いだよ」

 ラウレンツ。彼はアンドレアスの双子の弟だ。窓の向こうは光があふれていて、子供たちが楽しそうに遊んでいる。その中にアンドレアスとおなじ黒髪の子供がいた。

 どうしてアンドレアスはこんな部屋に閉じこめられているんだろう。

 そう思ったら景色が切り替わった。

 隣の部屋でひそひそと話をしている男女の声。

「このあたりも戦闘になるかもしれない。逃げる用意はしておかないと」

「あの子の買い手をさっさと決めた方がいいんじゃないの? そうすればお金もできるし何かあっても親子三人でどこかでやっていけるわ」

「そうだな……だが戦争が近いせいか人買いもこのあたりに来なくなったらしい。明日にでも街で聞いてみようか」

「そうしましょうよ。連れて行ったってお荷物だし。何のためにあの子の赤い目をそのままにしておいたのよ。高値で売るためじゃない」

 ……アンドレアスの両親は彼の赤い瞳を隠そうとしていなかった。それは彼を積極的に高値で売ろうと思ってのことだったのか。

 大概の親は我が子が攫われるのを恐れて赤い瞳を隠す魔法をこっそりかけてもらっていたとアンドレアスは言った。けれど彼の両親はその魔法に金をかけるより、彼を売ることを選んだのだ。だから隠して育てた。いや、育てたとは言えないだろう。

 ラウレンツが自分の事を嫌っていたとアンドレアスは言っていた。けれどそれは親のそんな思惑をラウレンツが知っていたからじゃないだろうか。



 そうして、その夜。彼の暮らす村は戦火に覆われる。夜の闇に乗じて隣国の軍隊が攻め入ってきたのだ。アンドレアスは閉じこめられていた部屋から逃げ出したものの、助けられたのはラウレンツだけだった。両親は敵兵に殺されてしまった。

 そして事後処理というか、金目のものを求めて村に入ってきた傭兵たちによって二人は捕らえられ、人買いに売り飛ばされた。

 そこで判明したのはラウレンツも魔力持ちだったこと。彼らは貴族の家で魔石に魔力を充填する苦役をさせられた。奴隷部屋に押し込められて一日中魔力を奪われる生活。

 甘やかされていたラウレンツは全部これはアンドレアスのせいだと彼を罵り続けた。

「父さんや母さんたちが言っていたんだ。お前は金になるから置いているだけだって。いずれ大金を手に入れたら三人で幸せに暮らそうって。何でこうなるんだ」

 ある日彼がそう言った。アンドレアスはその言葉に首を傾げた。

「そんなこと前から知っていたよ。僕としては今の暮らしの方が人と話せて楽しいから、早く売り払ってくれてもよかったのにな」

 ラウレンツはおそらくそれを聞いたらアンドレアスが傷つくと思ったのだろう。ところがアンドレアスにとっては奴隷生活の方がまだ行動範囲が広がった分マシだったのだ。

 ラウレンツはそれから彼に悪態をついてこなくなった。

 アンドレアスはその当時からすでに魔力を操る力を持っていた。それを意識して魔法に変換することも。ずっと閉じこめられていたから他にすることがなかったために、彼は自力で魔法使いの才能を開花させたのだ。

 彼は拾った金属片で耳飾りを作った。自分の魔力をラウレンツに自動で分け与えるためのもの。それを使ってもアンドレアスの魔力はまったく影響がなかったのだ。

 戦火が広がると魔石の需要が高まって、奴隷たちの仕事は容赦なく増えた。そしてある日、ラウレンツが魔力枯渇で倒れた。監督者が彼を何かで殴ったせいで、耳飾りが壊れてしまったのだ。元々衰弱が酷く、このままでは命を落とすだろう。

 もう役に立たないのなら処分しろ、という声を聞いたとたんに、アンドレアスの中で強い感情が弾けた。

「……触るな。ラウレンツは僕の弟だ」

 ラウレンツは僕にあれこれ構ってくれるから嫌いじゃない。親たちは僕を家畜扱いしたけれど、ラウレンツは人間扱いしてくれているんだ。だから僕はラウレンツを守りたい。

 アンドレアスの心の内が伝わってきた。

 白い閃光が辺りに広がって、轟音のあと、暗い地下室に陽光が降り注いだ。

 ……ああ、こんな広い青空を見たのは、いつぶりだろう。世界は広いのに。僕はどうして狭い場所で満足していたんだろう。

 奴隷たちを閉じこめていた石造りの屋敷は天井が吹き飛んで壁だけになっていた。扉も窓も引きちぎられたように壊されている。アンドレアスは周囲を見回して呟いた。

「なあんだ。……自由になるのなんて、簡単だったんだ」

 強い魔力で上書きしたせいか、自分に掛けられた隷属の魔法は消え去っていた。アンドレアスはラウレンツを背負って、その場から逃げ出した。



                                *  *  *



 誰かが頬を摘まんだり引っぱったりしている。

「起きろ。隣でメソメソ泣かれたら気味が悪い。どこが痛い? 尻か? 今日は二回でやめてやっただろう? それとも足りなかったのか?」

 デリカシーの欠片もない起こし方をする声の主が誰なのかは目を開ける前にわかっていた。

 あの繊細そうな子供がどうしてこんな開けっぴろげな全裸男になってしまったのか、全力で問いたい。

 二回で済ませたと言ったけど、その前後に色々オプションつけてくれたから疲労困憊で眠りに落ちたというのに。

 そうか……あれはアンドレアスの過去だったのか。

 今までも身体を繋げた時魔力が混じり合ったせいか、アンドレアスがセシルの前世の記憶を見たことがあった。

 ……ラウレンツってけっこうなクソガキじゃないか。それを彼は助けようとしていたのか。親が大事にしていた子だから? 僕のこと散々お人好しの馬鹿呼ばわりしてたけど完全にブーメランじゃない?

 きっと、あの後でロルフさんに保護されたんだ。初めて自分を守ろうとしてくれる人に出会って、彼は……。

「セシル?」

「……ごめん……なさい。見てしまいました」

「何を?」

「全裸じゃなかったころのあなたを」

 アンドレアスはそれで察したのだろう。セシルを抱き起こして膝の上に横向きに座らせる。まだ何も身につけていないから彼の体温や鼓動が肌越しに伝わってくる。

「謝る必要はない。今さらお前に何かを隠すつもりはないぞ」

 大きな手が頬や髪を撫でる。愛玩動物になった気分でセシルは彼の裸の胸にもたれかかった。

「そうですね。最初に会ったときから何も隠してませんでしたからね」

 何しろ全裸だったのだ。

 思えばアンドレアスは自分を飾ろうとはしていない。自分の考えを貫いていただけだ。

 それが誤解を招いたり、後々悪評として残ったとしても。

 僕もそういう生き方ができればもっと楽だったのかな。

 セシルがそう思っていると、アンドレアスの手が下に伝い降りた。

 ……なぜこの空気で尻を揉むのか。

「あの……」

「朝まで時間がある。もう悪い夢なんて見なくて済むようにしてやろう」

 そのままベッドに寝かされて、押し倒される格好になる。

「まって……人と会うんでしょ? 今から……」

 明日も人と会う予定を入れていた。

「大丈夫だ。間に合わせてやる」

「いやまって下さい。体力が間に合わないから」

 セシルが抗議するも空しく、アンドレアスが覆い被さってきた。

 ああもう、子供の頃はあんなに可愛かったのに。というか、今の方がでっかい子供みたいだ。

 セシルはそう思いながらアンドレアスの黒髪に手を伸ばした。
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