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1 勇者パーティからの追放
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曰く。
「あの男は頼りにならねぇと思ってたんだよ!だから言っただろうが!」
とか。
曰く。
「こんな腕のいい調合師を追放なんて何考えてんだあのボンクラ!あいつ今どこにいる!?転送装置で向かってぶん殴ってきてやる!!」
とか。
曰く。
「私達のかわいいナギちゃんになんてこと言ってくれるのかしら。大丈夫よ?お姉さん暴力なんて振らないから。安心して?ところで勇者君の髪の毛とか持ってないかしら?」
とかとかとか。
わあい、私ってば愛されてる~(棒)
なんて棒読みも出来ないほどにみんな怒ってくれたのは、素直にとても嬉しかった。
結局街中に『ナギが勇者パーティを追放されて帰ってきた』という噂は広まり、ギルドの酒場で1晩中「勇者なんてクソ喰らえパーティー」が開催されたのだった。
「でぇ、ナギちゃんはフリーに戻るって事でいいんですかぁ~?」
「はい。パーティ離脱の手続きはもう済んでますから、よろしくお願いします」
ワイワイとバカ騒ぎの続く酒場。
街中の人が各自のお店の物を差し入れしてくれるものだから、本当にちょっとしたお祭り騒ぎになっていた。
私は1人カウンター席でのんびりとお酒とツマミを飲みつつ、受付嬢のリースさんと話を進める。
リースさんは桃色のふわふわとした髪に、淡い水色の瞳を持つとても可愛らしい女性だ。
……師匠が若い頃から姿が変わってないらしいから、実年齢が幾つなのかは分からないけど。可愛いは正義。うん、気にしたが負け。
冒険者は、ギルドに個人の登録の他、パーティ登録の届出もしなければいけない仕組みになっている。
その昔秘密で多数のパーティをかけ持ちして、パーティクラッシャーとして星の数の冒険者達を再起不能に陥れた人がいたため、義務付けられるようになったのだとか。聞いた時には「それどこのサークルクラッシャー?」と思ったものだ。
ギルドに登録している冒険者の情報は、同じくギルドに登録している人間なら誰でも閲覧可能だ。まあ、見れるのは名前とレベル、職業とパーティ所属の有無などの基本的な情報だけだが。
そして気になるフリーの人がいたら、パーティを組まないかと連絡を取り、そうやって冒険者達は横の繋がりを得て、依頼──クエストをこなして生活をしていく。
そして、その登録や変更をしてくれるのが受付嬢の人達なのだ。
私もリースさんにはとてもお世話になっている。
屈強な冒険者達も、馴染みの受付嬢には頭が上がらないのが通例だ。
「はあい♡ ナギちゃん人気者だから、きっと直ぐに新しい申請が届きますよぉ~。アヤシイのは私がリストアップしときますねぇ」
「いつもありがとうございます」
「いいえ~。ナギちゃんの美容液、私の必須アイテムですもん。これくらい朝飯前ですよぉ♡」
美容液かぁ……この世界、化粧水とかがあんまり普及してなくて自作したかいがあったというもんだ。
美容液、化粧水、乳液、日焼け止めetc。それらを作って市場に出してからというもの、この街の女性陣の8割が味方になった。
女の人だもんね、そこら辺大事だよね、分かる。
──なんか、何とかなりそうだなぁ。
端からあんまり心配はしてなかったけど、心強い味方の存在を改めて実感する、というのはメンタルに良い。
勇者パーティを追放されてから、やっと心から安心出来た気がした。
「あの男は頼りにならねぇと思ってたんだよ!だから言っただろうが!」
とか。
曰く。
「こんな腕のいい調合師を追放なんて何考えてんだあのボンクラ!あいつ今どこにいる!?転送装置で向かってぶん殴ってきてやる!!」
とか。
曰く。
「私達のかわいいナギちゃんになんてこと言ってくれるのかしら。大丈夫よ?お姉さん暴力なんて振らないから。安心して?ところで勇者君の髪の毛とか持ってないかしら?」
とかとかとか。
わあい、私ってば愛されてる~(棒)
なんて棒読みも出来ないほどにみんな怒ってくれたのは、素直にとても嬉しかった。
結局街中に『ナギが勇者パーティを追放されて帰ってきた』という噂は広まり、ギルドの酒場で1晩中「勇者なんてクソ喰らえパーティー」が開催されたのだった。
「でぇ、ナギちゃんはフリーに戻るって事でいいんですかぁ~?」
「はい。パーティ離脱の手続きはもう済んでますから、よろしくお願いします」
ワイワイとバカ騒ぎの続く酒場。
街中の人が各自のお店の物を差し入れしてくれるものだから、本当にちょっとしたお祭り騒ぎになっていた。
私は1人カウンター席でのんびりとお酒とツマミを飲みつつ、受付嬢のリースさんと話を進める。
リースさんは桃色のふわふわとした髪に、淡い水色の瞳を持つとても可愛らしい女性だ。
……師匠が若い頃から姿が変わってないらしいから、実年齢が幾つなのかは分からないけど。可愛いは正義。うん、気にしたが負け。
冒険者は、ギルドに個人の登録の他、パーティ登録の届出もしなければいけない仕組みになっている。
その昔秘密で多数のパーティをかけ持ちして、パーティクラッシャーとして星の数の冒険者達を再起不能に陥れた人がいたため、義務付けられるようになったのだとか。聞いた時には「それどこのサークルクラッシャー?」と思ったものだ。
ギルドに登録している冒険者の情報は、同じくギルドに登録している人間なら誰でも閲覧可能だ。まあ、見れるのは名前とレベル、職業とパーティ所属の有無などの基本的な情報だけだが。
そして気になるフリーの人がいたら、パーティを組まないかと連絡を取り、そうやって冒険者達は横の繋がりを得て、依頼──クエストをこなして生活をしていく。
そして、その登録や変更をしてくれるのが受付嬢の人達なのだ。
私もリースさんにはとてもお世話になっている。
屈強な冒険者達も、馴染みの受付嬢には頭が上がらないのが通例だ。
「はあい♡ ナギちゃん人気者だから、きっと直ぐに新しい申請が届きますよぉ~。アヤシイのは私がリストアップしときますねぇ」
「いつもありがとうございます」
「いいえ~。ナギちゃんの美容液、私の必須アイテムですもん。これくらい朝飯前ですよぉ♡」
美容液かぁ……この世界、化粧水とかがあんまり普及してなくて自作したかいがあったというもんだ。
美容液、化粧水、乳液、日焼け止めetc。それらを作って市場に出してからというもの、この街の女性陣の8割が味方になった。
女の人だもんね、そこら辺大事だよね、分かる。
──なんか、何とかなりそうだなぁ。
端からあんまり心配はしてなかったけど、心強い味方の存在を改めて実感する、というのはメンタルに良い。
勇者パーティを追放されてから、やっと心から安心出来た気がした。
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