4 / 4
04
しおりを挟む
「………………い」
「うう……おっぱいがいっぱい……」
「おーい! 兄ちゃん大丈夫か?」
「はっ! おっぱい!!」
「あっ、こりゃダメかもしれんね 」
誰だ今失礼なこと言ったやつ!
ゆさゆさと揺さぶられ意識が浮上すると、めちゃくちゃ失礼なことを言われていた。……つか。
「……………ここどこ?」
がいがいわやわや。
賑やかな木張りの床に、薄暗い照明。
鎧を着込んだ男達に、RPGゲームに出てくるようなえっちい格好のお姉ちゃん達。
……これは、これは! もしかして!?
「どこって、ここはギルドだよ。知らねえのかい?」
「ッッッしゃああああッ!!!」
「うるせっ」
異世界の定番キタコレ!!
思わずガッツポーズをくり出せば、俺を揺すり起こしてくれたおっさん(素敵な雄っぱい持ち)は「元気そうだな」と自分のテーブルへ帰って行った。何だ、見かけに寄らずいい人だなおっさん。
俺はウキウキとした気持ちのまま、辺りを見回す。
どれだけ見ても、そこに広がるのはThe・異世界RPGの世界。
祖国よありがとう!
俺を地下送りにしてくれてありがとう!
スキップをしながらカウンターらしき所へ進むと、受付嬢らしい唇ぷるっぷるのお姉ちゃんがニコリと愛想の良い笑顔で出迎えてくれた。
愛想笑いって分かってても、笑顔の美人はいいねえ! 引きこもりニートしてたから目に染みるわあ。
「こんにちは! お姉さん美人っすね!」
「あら、ありがとう坊や。見ない顔ね? 新人さんかしら」
坊やだってよ。
こんなギャルっぽい見た目なのにまさかの美魔女な可能性アリ? なんだよそれ最高じゃねえか。
受付嬢、ハルさんはお酒をサーブしてくれようとしたが、手持ちがいくらかも分かってないからご遠慮しておく。
一応そこら辺の危機管理能力はあるんで、俺。
「あのさ、俺めちゃくちゃ新人で何もかも分かってないんだよね。田舎モンってことでさ、通貨とかここの事とか、イチから教えてくれない?」
「あら、素直な子は好きよ。いいわ、特別サービスね」
まつ毛バッサバサなウインクご馳走様です。
ハルさんはさすが受付嬢というか、こういう説明に慣れてるらしくめちゃくちゃ分かりやすかった。
この世界は主に四つの国で形成されてる。
春の国、ハルライト。
夏の国、サナツ。
秋の国、アキツクニ。
冬の国、フユーリア。
東西南北に位置するそれらの国の中央に位置するのが、俺たち勇者の倒すべく魔王のいる魔国。
うん、めちゃくちゃ分かりやすい構図だな、この世界。
「んで、ここはハルライトのギルド?」
「そう、飲み込みがいいわね」
「えへへ」
え、褒められたのいつぶりだろ……。照れるわ。
ちなみに通貨は統一されていてキーセツというらしい。
祖国の言語がチラホラしてる辺り、はるか昔に色々決める時に呼ばれた勇者の中に同郷がいるのかもしれない。
俺のポケットにも10万キーセツの金貨が入っていた。
RPGゲームでいう初期費用だろうか。くれたのは王様じゃなくて妖精だけど。
「それで、あなたも冒険者なのよね? お名前は?」
「あ、俺セツっす」
「セツね。はい、登録したから、あなたのランクや能力も見れるわよ」
「マジで? 早くみたいどうすんのハルさん」
「あらあら、可愛いわね」
ステータス画面ってことだろ? そんなん全オタクの夢じゃんか!!
ワクワクして、ハルさんから言われた通りに画面を呼び出す。
そして、それを見て───俺は固まった。
「あら……あなた、勇者様の補欠なのね」
「………………………………」
「能力も…………あら、えっち。でも使い勝手良さそうね? あなた、男の人受け良さそうだもの」
「………………………おとこのひとうけ」
そう、俺がティアから貰った能力。
『特殊能力模倣』。
それの説明欄に、しっかりと書いてあるのだ。
──相手の体液を体内に取り込むことで、その能力を模倣する。
そして、大事なことなのだが。
その、あれだ。…………えっちなことをする時に、体液をナカに注がれるのは、女の子の方、だよな?
つまり、つまりだ。えっと? どういうことだ??
…………つまり?
「俺…………受け?」
「そうなるわね」
俺がえっちなことをできる相手は、えっちな女の子ではなく────えっちなオトコノヒトってことか??
「……………………………………………嘘だろおおおおおおおおおおおおお!!!!!???」
その日、ハルライトいち大きな叫び声がギルドから立ち上った。
──ステータス画面──
セツ
補欠勇者 Lv1
能力『特殊能力模倣』
レア度☆☆☆☆☆
性行為をし、相手の体液を取り込むことでその能力を模倣する。
ただし、模倣できる能力の威力は相手との親密度に依存する。
「うう……おっぱいがいっぱい……」
「おーい! 兄ちゃん大丈夫か?」
「はっ! おっぱい!!」
「あっ、こりゃダメかもしれんね 」
誰だ今失礼なこと言ったやつ!
ゆさゆさと揺さぶられ意識が浮上すると、めちゃくちゃ失礼なことを言われていた。……つか。
「……………ここどこ?」
がいがいわやわや。
賑やかな木張りの床に、薄暗い照明。
鎧を着込んだ男達に、RPGゲームに出てくるようなえっちい格好のお姉ちゃん達。
……これは、これは! もしかして!?
「どこって、ここはギルドだよ。知らねえのかい?」
「ッッッしゃああああッ!!!」
「うるせっ」
異世界の定番キタコレ!!
思わずガッツポーズをくり出せば、俺を揺すり起こしてくれたおっさん(素敵な雄っぱい持ち)は「元気そうだな」と自分のテーブルへ帰って行った。何だ、見かけに寄らずいい人だなおっさん。
俺はウキウキとした気持ちのまま、辺りを見回す。
どれだけ見ても、そこに広がるのはThe・異世界RPGの世界。
祖国よありがとう!
俺を地下送りにしてくれてありがとう!
スキップをしながらカウンターらしき所へ進むと、受付嬢らしい唇ぷるっぷるのお姉ちゃんがニコリと愛想の良い笑顔で出迎えてくれた。
愛想笑いって分かってても、笑顔の美人はいいねえ! 引きこもりニートしてたから目に染みるわあ。
「こんにちは! お姉さん美人っすね!」
「あら、ありがとう坊や。見ない顔ね? 新人さんかしら」
坊やだってよ。
こんなギャルっぽい見た目なのにまさかの美魔女な可能性アリ? なんだよそれ最高じゃねえか。
受付嬢、ハルさんはお酒をサーブしてくれようとしたが、手持ちがいくらかも分かってないからご遠慮しておく。
一応そこら辺の危機管理能力はあるんで、俺。
「あのさ、俺めちゃくちゃ新人で何もかも分かってないんだよね。田舎モンってことでさ、通貨とかここの事とか、イチから教えてくれない?」
「あら、素直な子は好きよ。いいわ、特別サービスね」
まつ毛バッサバサなウインクご馳走様です。
ハルさんはさすが受付嬢というか、こういう説明に慣れてるらしくめちゃくちゃ分かりやすかった。
この世界は主に四つの国で形成されてる。
春の国、ハルライト。
夏の国、サナツ。
秋の国、アキツクニ。
冬の国、フユーリア。
東西南北に位置するそれらの国の中央に位置するのが、俺たち勇者の倒すべく魔王のいる魔国。
うん、めちゃくちゃ分かりやすい構図だな、この世界。
「んで、ここはハルライトのギルド?」
「そう、飲み込みがいいわね」
「えへへ」
え、褒められたのいつぶりだろ……。照れるわ。
ちなみに通貨は統一されていてキーセツというらしい。
祖国の言語がチラホラしてる辺り、はるか昔に色々決める時に呼ばれた勇者の中に同郷がいるのかもしれない。
俺のポケットにも10万キーセツの金貨が入っていた。
RPGゲームでいう初期費用だろうか。くれたのは王様じゃなくて妖精だけど。
「それで、あなたも冒険者なのよね? お名前は?」
「あ、俺セツっす」
「セツね。はい、登録したから、あなたのランクや能力も見れるわよ」
「マジで? 早くみたいどうすんのハルさん」
「あらあら、可愛いわね」
ステータス画面ってことだろ? そんなん全オタクの夢じゃんか!!
ワクワクして、ハルさんから言われた通りに画面を呼び出す。
そして、それを見て───俺は固まった。
「あら……あなた、勇者様の補欠なのね」
「………………………………」
「能力も…………あら、えっち。でも使い勝手良さそうね? あなた、男の人受け良さそうだもの」
「………………………おとこのひとうけ」
そう、俺がティアから貰った能力。
『特殊能力模倣』。
それの説明欄に、しっかりと書いてあるのだ。
──相手の体液を体内に取り込むことで、その能力を模倣する。
そして、大事なことなのだが。
その、あれだ。…………えっちなことをする時に、体液をナカに注がれるのは、女の子の方、だよな?
つまり、つまりだ。えっと? どういうことだ??
…………つまり?
「俺…………受け?」
「そうなるわね」
俺がえっちなことをできる相手は、えっちな女の子ではなく────えっちなオトコノヒトってことか??
「……………………………………………嘘だろおおおおおおおおおおおおお!!!!!???」
その日、ハルライトいち大きな叫び声がギルドから立ち上った。
──ステータス画面──
セツ
補欠勇者 Lv1
能力『特殊能力模倣』
レア度☆☆☆☆☆
性行為をし、相手の体液を取り込むことでその能力を模倣する。
ただし、模倣できる能力の威力は相手との親密度に依存する。
0
お気に入りに追加
16
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
総受けなんか、なりたくない!!
はる
BL
ある日、王道学園に入学することになった柳瀬 晴人(主人公)。
イケメン達のホモ活を見守るべく、目立たないように専念するがー…?
どきどき!ハラハラ!!王道学園のBLが
今ここに!!
元生徒会長さんの日常
あ×100
BL
俺ではダメだったみたいだ。気づけなくてごめんね。みんな大好きだったよ。
転校生が現れたことによってリコールされてしまった会長の二階堂雪乃。俺は仕事をサボり、遊び呆けたりセフレを部屋に連れ込んだりしたり、転校生をいじめたりしていたらしい。
そんな悪評高い元会長さまのお話。
長らくお待たせしました!近日中に更新再開できたらと思っております(公開済みのものも加筆修正するつもり)
なお、あまり文才を期待しないでください…痛い目みますよ…
誹謗中傷はおやめくださいね(泣)
2021.3.3
倫理的恋愛未満
雨水林檎
BL
少し変わった留年生と病弱摂食障害(拒食)の男子高校生の創作一次日常ブロマンス(BL寄り)小説。
体調不良描写を含みます、ご注意ください。
基本各話完結なので単体でお楽しみいただけます。全年齢向け。
くまさんのマッサージ♡
はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。
2024.03.06
閲覧、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。
2024.03.10
完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m
今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。
2024.03.19
https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy
イベントページになります。
25日0時より開始です!
※補足
サークルスペースが確定いたしました。
一次創作2: え5
にて出展させていただいてます!
2024.10.28
11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。
2024.11.01
https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2
本日22時より、イベントが開催されます。
よろしければ遊びに来てください。
凶悪犯がお気に入り刑事を逆に捕まえて、ふわとろま●こになるまで調教する話
ハヤイもち
BL
連続殺人鬼「赤い道化師」が自分の事件を担当する刑事「桐井」に一目惚れして、
監禁して調教していく話になります。
攻め:赤い道化師(連続殺人鬼)19歳。180センチくらい。美形。プライドが高い。サイコパス。
人を楽しませるのが好き。
受け:刑事:名前 桐井 30過ぎから半ば。170ちょいくらい。仕事一筋で妻に逃げられ、酒におぼれている。顔は普通。目つきは鋭い。
※●人描写ありますので、苦手な方は閲覧注意になります。
タイトルで嫌な予感した方はブラウザバック。
※無理やり描写あります。
※読了後の苦情などは一切受け付けません。ご自衛ください。
鬼上司が俺の運命の相手って嘘ですよね?
疾矢
BL
人類は日々成長し進化してきた。そして更なる進化を果たした人類は効率よく子孫を残す為、第二の性感帯というものが出来た。その性感帯に触れると今迄に感じたことのない強い快感を得られるらしい。だがその性感帯は人によって場所が違く運命の相手が触れない限りその性感帯を見つける事は出来ない為、生涯見つける事が出来ないまま命尽きる事もざらであった。
現実主義の主人公がそんなおとぎ話みたいな話を軽んじていた所、ひょんな事がきっかけで怖い鬼上司に自分が運命の相手だと迫られてしまう。でも主人公は全く自覚がなくて?
イケメン敏腕部長×甘いもの好き営業サポート
◆R18多め
◆独自設定ですので、設定の甘さはご容赦ください。
◆予告なくR18シーンに入ります。背後には十分お気をつけ下さい。
◆最後まで執筆済み
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる