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転生そして始まり
第二話 運命を知る
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(どこだここは?)
目が開けられない。見えないのではなく、瞼をあける能力がないみたいな。 でもなんだかきもちいなぁここ、あたたかい。
「おーいタロウ。早くうまれてこいよぉ。」
外からおっさんの猫なで声がする。
なんだ一体。口もあかないから返事もできない。
「もう、あなた。そんな声出しても気持ち悪いだけよ?」
今度は女の人の声がする。若い、知らない声だ。今度は直接聞こえる感じだ。
【バン!!】
何かが倒れるような音がした。
「あなた!! どうしたの! ねぇ、ねぇ、おきて。ねぇ、どうしたの?ねぇ、誰か、だれかたすけて、だれかぁぁぁ。」
なんだ?何が起こってる?悲痛な声がきこえる。いや、声にもならないくらいの叫びが。
「ちょっと、黙ろっか?」
(わからない。一体外で何が起こっているのか。)
今度は女の人の声が聞こえなくなる。
「やあ、太郎君。パパでちゅよ~。この世界でも太郎って名前にしてあげたよ。」
さっきのおっさんの声だ。
「なんてね。パパではあるけどそれはこの体だけのことさ。僕は君のご主人様。君を買ってあげたんだ感謝してね。君はいま赤ちゃんだ。いや、胎児だな。だからいま君はぼくに何もできないし僕も何もしない。ただ話をしに来たんだ、おぼえてる?あそこのお店の店員。ちょっと怖いよね。」
(おぼえてる。あの悪魔。おもちゃだなんだと言ってったやつだ。)
「そうそう、それそれ。それでね君はあの世界から転生してきたんだ。この世界はまあ異世界ってことだね。あっちの世界よりだいぶ遅れてるけどそのかわりに君たちが大好きな魔法があるよ。よかったね、それでね君には使命がある、大きな使命がね。その使命ってのが、君に生きてもらうこと。このとーっても命が軽いこの世界をね。あっちの世界で何にも苦労しないででのんびりと暮らしてたただの高校生がこの世界に来たらどうなるのかをしりたいんだよねっ。」
(意味が分からない、なんで俺なんだ。おれがなんかしたっていうのか?なんでそんなことしないといけないんだくそっ。)
「ふふっ。いいねぇその調子だよ。どうなるかなぁ~?野犬に食われて泣き叫ぶ?だまされて奴隷として生きていく?いいねぇ~、その時君はどんな顔をするのかなぁ?怒る?泣く?絶望する?ねぇねぇ教えてどんな顔になるのきみ?お・し・え・て?見たいなぁ~君のすべてを悟った顔。」
(く、くるってる。こいつらは狂ってる。人をおもちゃとしてしか見てないんだ。怖い、なんでこんなにも怖いんだこいつの声は。やめろ。)
「そうだ、忘れてた君の魔法を教えてあげる。・・・・ふむふむなるほど、君の魔法は【時】だ。いいねぇ、すごく珍しいし面白い。これからもすごく楽しみだよこれ。それでね、この世界、すべての人が一つだけ魔法を持っている。そして、その魔法一つ一つに段階があるんだよ。自分のレベルが上がるごとに魔法も強くなれる。そうだな、ゲームみたいなもんだね。そうだせっかくだから教えてあげる、この魔法の段階って実は強さに関係ないんだよ。レベルが低くても魔法が弱いことはない頭を使って、よくかんがえてね。じゃあまた、会いに来るよじゃねタロウくんっ。」
(なんなんだ!くそっ!!)
そうしてまた頭の中が真っ白になってなくなっていく。
「タロウ、行ってくるぞ!元気にしとけよ。父さんはお前のこと愛してる。」「ちゅっ」
「言ってらしゃい父さん」(きたねえなこのジジイ)
あれから7年たった。気が付いたときには母さんの腕の中にいた、両親はあのことを全く覚えていないようだった。
意識はあっても暇だから、あいつの言葉をよく思い出してずっと考えていた。あいつのことはxと呼ぶようにした。最はじめは絶望してた、あいつに何かされるんじゃないか?俺はすぐに死ぬ運命なのかって。でも気づいた、そんなこと考えても仕方がないってことに。
xが俺に何かをしたとして俺には何もできない、あいつはほんとに次元が違うって魂の底からそう思ったから、あきらめがついた。死ぬまで生きよう、どうせならこの魔法がある世界楽しもうじゃないかと。
幸いなことに俺の家族は俺にやさしくしてくれる。それに、貧乏じゃない。
「タロウ今日は魔法の勉強よ、おいで。」
「はい、母さん。」
この時間が一番楽しみだ。ほんとにゲームの世界みたいで聞いていて楽しい。
「今日はついに魔力を感じてみましょうか。魔力ってなんだっけ?タロウ?」
「魔力とは魔法を使うためのエネルギーだよね。」
「正解!よくできました。」
(ふっ、俺にかかれば楽勝よ)
「そう、魔力を使うには身体のエネルギーを使うの。だから使うと疲れるし、おなかがすいてさらに眠くなる。つかいすぎると死んじゃうしね。それが怖いから、お母さんは今日までタロウに魔力を使わせてこなかった。でも、もうそろそろ耐えられるようになってきたと思うから、今日は魔力を使ってみましょう。」
「やったー。」
そうこの魔力、5歳のときに一度使おうとしてみた。でも、その魔力を感じとろうとしただけで死にそうになってしまった。息が止まり、指先が震え心臓のおとが大きくなってもう人生をあきらめかけた。あの時は本当に危なかった。あのトラウマも今日で終わりだ。
目が開けられない。見えないのではなく、瞼をあける能力がないみたいな。 でもなんだかきもちいなぁここ、あたたかい。
「おーいタロウ。早くうまれてこいよぉ。」
外からおっさんの猫なで声がする。
なんだ一体。口もあかないから返事もできない。
「もう、あなた。そんな声出しても気持ち悪いだけよ?」
今度は女の人の声がする。若い、知らない声だ。今度は直接聞こえる感じだ。
【バン!!】
何かが倒れるような音がした。
「あなた!! どうしたの! ねぇ、ねぇ、おきて。ねぇ、どうしたの?ねぇ、誰か、だれかたすけて、だれかぁぁぁ。」
なんだ?何が起こってる?悲痛な声がきこえる。いや、声にもならないくらいの叫びが。
「ちょっと、黙ろっか?」
(わからない。一体外で何が起こっているのか。)
今度は女の人の声が聞こえなくなる。
「やあ、太郎君。パパでちゅよ~。この世界でも太郎って名前にしてあげたよ。」
さっきのおっさんの声だ。
「なんてね。パパではあるけどそれはこの体だけのことさ。僕は君のご主人様。君を買ってあげたんだ感謝してね。君はいま赤ちゃんだ。いや、胎児だな。だからいま君はぼくに何もできないし僕も何もしない。ただ話をしに来たんだ、おぼえてる?あそこのお店の店員。ちょっと怖いよね。」
(おぼえてる。あの悪魔。おもちゃだなんだと言ってったやつだ。)
「そうそう、それそれ。それでね君はあの世界から転生してきたんだ。この世界はまあ異世界ってことだね。あっちの世界よりだいぶ遅れてるけどそのかわりに君たちが大好きな魔法があるよ。よかったね、それでね君には使命がある、大きな使命がね。その使命ってのが、君に生きてもらうこと。このとーっても命が軽いこの世界をね。あっちの世界で何にも苦労しないででのんびりと暮らしてたただの高校生がこの世界に来たらどうなるのかをしりたいんだよねっ。」
(意味が分からない、なんで俺なんだ。おれがなんかしたっていうのか?なんでそんなことしないといけないんだくそっ。)
「ふふっ。いいねぇその調子だよ。どうなるかなぁ~?野犬に食われて泣き叫ぶ?だまされて奴隷として生きていく?いいねぇ~、その時君はどんな顔をするのかなぁ?怒る?泣く?絶望する?ねぇねぇ教えてどんな顔になるのきみ?お・し・え・て?見たいなぁ~君のすべてを悟った顔。」
(く、くるってる。こいつらは狂ってる。人をおもちゃとしてしか見てないんだ。怖い、なんでこんなにも怖いんだこいつの声は。やめろ。)
「そうだ、忘れてた君の魔法を教えてあげる。・・・・ふむふむなるほど、君の魔法は【時】だ。いいねぇ、すごく珍しいし面白い。これからもすごく楽しみだよこれ。それでね、この世界、すべての人が一つだけ魔法を持っている。そして、その魔法一つ一つに段階があるんだよ。自分のレベルが上がるごとに魔法も強くなれる。そうだな、ゲームみたいなもんだね。そうだせっかくだから教えてあげる、この魔法の段階って実は強さに関係ないんだよ。レベルが低くても魔法が弱いことはない頭を使って、よくかんがえてね。じゃあまた、会いに来るよじゃねタロウくんっ。」
(なんなんだ!くそっ!!)
そうしてまた頭の中が真っ白になってなくなっていく。
「タロウ、行ってくるぞ!元気にしとけよ。父さんはお前のこと愛してる。」「ちゅっ」
「言ってらしゃい父さん」(きたねえなこのジジイ)
あれから7年たった。気が付いたときには母さんの腕の中にいた、両親はあのことを全く覚えていないようだった。
意識はあっても暇だから、あいつの言葉をよく思い出してずっと考えていた。あいつのことはxと呼ぶようにした。最はじめは絶望してた、あいつに何かされるんじゃないか?俺はすぐに死ぬ運命なのかって。でも気づいた、そんなこと考えても仕方がないってことに。
xが俺に何かをしたとして俺には何もできない、あいつはほんとに次元が違うって魂の底からそう思ったから、あきらめがついた。死ぬまで生きよう、どうせならこの魔法がある世界楽しもうじゃないかと。
幸いなことに俺の家族は俺にやさしくしてくれる。それに、貧乏じゃない。
「タロウ今日は魔法の勉強よ、おいで。」
「はい、母さん。」
この時間が一番楽しみだ。ほんとにゲームの世界みたいで聞いていて楽しい。
「今日はついに魔力を感じてみましょうか。魔力ってなんだっけ?タロウ?」
「魔力とは魔法を使うためのエネルギーだよね。」
「正解!よくできました。」
(ふっ、俺にかかれば楽勝よ)
「そう、魔力を使うには身体のエネルギーを使うの。だから使うと疲れるし、おなかがすいてさらに眠くなる。つかいすぎると死んじゃうしね。それが怖いから、お母さんは今日までタロウに魔力を使わせてこなかった。でも、もうそろそろ耐えられるようになってきたと思うから、今日は魔力を使ってみましょう。」
「やったー。」
そうこの魔力、5歳のときに一度使おうとしてみた。でも、その魔力を感じとろうとしただけで死にそうになってしまった。息が止まり、指先が震え心臓のおとが大きくなってもう人生をあきらめかけた。あの時は本当に危なかった。あのトラウマも今日で終わりだ。
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