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第四章『輝宗の死』
伊達政宗、悪運の強さは伊達じゃない その伍
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夜盗の自称二番手である舞鶴は、夜盗達を説得して俺の仲間に加わるようにした。もし俺の仲間になるなら、今までやった泥棒などの罪を帳消しにしてやるような条件も付けた。
舞鶴の説得によって夜盗達は全員改心し、俺の軍門に降った。深手を負った奴らは数名いて、その中には夜盗のリーダーもいた。リーダーはどうやら気絶する際に頭を強く打ったようだ。
俺は金貨などを袋に詰めた。「深手を負った者達にはお金を配る。かならの額だから、次はもう夜盗なんてしないで普通に生活しろよ。もし困ったことがあったら、はるばる俺の元に助けを求めろ。お前の尻くらいは拭いてやる」
リーダーは頭を下げた。「あなた様を襲ったのにそれを許してくださりありがとうございます。部下達を頼みます」
「ああ。それよりも、お前は見込みがある戦い方をするな」
「昔に、とあるお方から体術を習いました。そのお方は私の恩師ですが、恩師も夜盗にその体術を使うとは思っていなかったでしょう」
「なるほど。傷が完治して戦えるようになったら米沢城に来ると良い」
「良いのですか!?」
「構わないさ。お前の名前を城の者に言っておくから、お前が来たら大歓迎をしよう。名は何だ?」
「名は──ございません」
「ないのか?」
「幼き時に両親に山に捨てられ、夜盗をして食いつないでいました。それ故に、名はございません」
名前がない。これはどうするべきが正解なのだろうか。俺は視線を落とした。
「俺が名付けするよ」
「さようですか!」
「......お前は今日から斉京勇と名乗るが良いよ」
「ははぁ! ありがたき幸せ」
「うむ」
夜盗リーダー・斉京勇。是が非でも仲間にしたいが、それは完治してからだ。
深手を負った夜盗の奴らにお金を配り終えると、舞鶴の元へ行った。彼女は懐刀を俺に渡してきた。
「私に刀での戦い方を教えてください!」
「わかった。明日の早朝から行動を開始するが、それまでに刀の全てをたたき込んでやるよ」
「ありがとうございます」
「というか、お前って本当に夜盗の二番手だったんだな」
「なっ! 私は嘘などは言っておりません!」
おお、すごく怒った。二番手には見えない見た目を、本人も気にしているんだな。
「話しを変えよう。夜盗だけで一つの小隊を構成したい。そんでもって、舞鶴にはその隊の隊長を任せたい」
「そんな急に!?」
「驚きすぎだ。俺がお前に期待している、ということだからな。頑張れよ」
舞鶴は微笑んだ。「ハハハ! 面白いな。その隊の名前は決まっているのか?」
「そうだな、名前か。夜盗なんだから、夜に行動する。──夜行隊、なんてのはどうだ?」
「夜行隊。良い名前だな。私は今日から夜行隊の隊長に任じられた。これをまっとうしてみせる!」
「期待しているぞ」
舞鶴の肩を軽く叩いてから、俺は諸刃刃親光を舞鶴に渡して、俺は燭台切を持った。
「これはなんだ?」
「それは諸刃刃親光という名刀だ。それを鞘から引き抜け。まずは俺の動きを真似してみることから始めよう」
俺は燭台切を鞘から引き抜いて、両手で握った。すると舞鶴も真似して刀を握ったから、俺は刀を前方に振り下ろした。舞鶴も刀を振り下ろしたが、刀が手からすっぽ抜けた。
早朝、陽が昇るとともに全員が起床した。俺は鎧を装着して、舞鶴達夜行隊のところへ向かった。
「舞鶴、ちゃんと警戒は出来たようだな」
「ええ、まあ」
夜行隊には初任務として夜の警備を任せてみた。すると、ちゃんと朝まで起きて警備をしていた。夜盗をしていただけあって夜に強い体にはなっているようだが、初任務にしては上出来だ。
夜に行動する夜行隊の名に恥じることなく、夜に行動して任務遂行! 仲間に引き立てたのは正しかったようだな。
「夜行隊は少し休憩していろ」
「は、わかりました!」舞鶴は周囲を見回した。「夜行隊、全員集合!」
夜行隊を集めた舞鶴は、全員に休憩するように伝えた。夜通し見張っていたのだから、全員疲れているだろう。出発を少しだけ遅れさせよう。
「それまでは周辺の森の散策でもするか」
森の奥へ入って行き、木々をなめ回すように見ていた。そうすると、洞窟を見つけてしまった。俺はその洞窟に入るべきか入らぬべきか考えた。
俺の身に危険が及ぶ可能性が高い。だけど、それ以上に俺の好奇心があるわけだ。危険があっても好奇心が上回ってしまう。結局、洞窟へ足を踏み入れた。
「案外、真っ暗な洞窟だ」
あまりに暗すぎたため、木を擦って松明を作り、それを手で持った。
奥へ奥へ進んで行き、行き止まりへ着いた。行き止まりへ来る途中まで洞窟には何もなかったから、引き返そうと後ろを振り向いた。すると、目の前に誰かがいる。俺は松明を向けた。
目の前にいる奴は、目を尖らせた。「そなたは誰だ!」
最近こういうことがよくある。夜盗の次は、誰かわからない青年と会った。
「俺は伊達政宗だ!」
顔は覆面に覆われていて見えないが、声からして十代後半くらいの男だとわかる。服装は先住民族のそれに似ていて、上半身は裸。
俺は燭台切を鞘から抜いて、柄を片手で掴んだ。相手が非友好的な場合は、倒すしかない。
舞鶴の説得によって夜盗達は全員改心し、俺の軍門に降った。深手を負った奴らは数名いて、その中には夜盗のリーダーもいた。リーダーはどうやら気絶する際に頭を強く打ったようだ。
俺は金貨などを袋に詰めた。「深手を負った者達にはお金を配る。かならの額だから、次はもう夜盗なんてしないで普通に生活しろよ。もし困ったことがあったら、はるばる俺の元に助けを求めろ。お前の尻くらいは拭いてやる」
リーダーは頭を下げた。「あなた様を襲ったのにそれを許してくださりありがとうございます。部下達を頼みます」
「ああ。それよりも、お前は見込みがある戦い方をするな」
「昔に、とあるお方から体術を習いました。そのお方は私の恩師ですが、恩師も夜盗にその体術を使うとは思っていなかったでしょう」
「なるほど。傷が完治して戦えるようになったら米沢城に来ると良い」
「良いのですか!?」
「構わないさ。お前の名前を城の者に言っておくから、お前が来たら大歓迎をしよう。名は何だ?」
「名は──ございません」
「ないのか?」
「幼き時に両親に山に捨てられ、夜盗をして食いつないでいました。それ故に、名はございません」
名前がない。これはどうするべきが正解なのだろうか。俺は視線を落とした。
「俺が名付けするよ」
「さようですか!」
「......お前は今日から斉京勇と名乗るが良いよ」
「ははぁ! ありがたき幸せ」
「うむ」
夜盗リーダー・斉京勇。是が非でも仲間にしたいが、それは完治してからだ。
深手を負った夜盗の奴らにお金を配り終えると、舞鶴の元へ行った。彼女は懐刀を俺に渡してきた。
「私に刀での戦い方を教えてください!」
「わかった。明日の早朝から行動を開始するが、それまでに刀の全てをたたき込んでやるよ」
「ありがとうございます」
「というか、お前って本当に夜盗の二番手だったんだな」
「なっ! 私は嘘などは言っておりません!」
おお、すごく怒った。二番手には見えない見た目を、本人も気にしているんだな。
「話しを変えよう。夜盗だけで一つの小隊を構成したい。そんでもって、舞鶴にはその隊の隊長を任せたい」
「そんな急に!?」
「驚きすぎだ。俺がお前に期待している、ということだからな。頑張れよ」
舞鶴は微笑んだ。「ハハハ! 面白いな。その隊の名前は決まっているのか?」
「そうだな、名前か。夜盗なんだから、夜に行動する。──夜行隊、なんてのはどうだ?」
「夜行隊。良い名前だな。私は今日から夜行隊の隊長に任じられた。これをまっとうしてみせる!」
「期待しているぞ」
舞鶴の肩を軽く叩いてから、俺は諸刃刃親光を舞鶴に渡して、俺は燭台切を持った。
「これはなんだ?」
「それは諸刃刃親光という名刀だ。それを鞘から引き抜け。まずは俺の動きを真似してみることから始めよう」
俺は燭台切を鞘から引き抜いて、両手で握った。すると舞鶴も真似して刀を握ったから、俺は刀を前方に振り下ろした。舞鶴も刀を振り下ろしたが、刀が手からすっぽ抜けた。
早朝、陽が昇るとともに全員が起床した。俺は鎧を装着して、舞鶴達夜行隊のところへ向かった。
「舞鶴、ちゃんと警戒は出来たようだな」
「ええ、まあ」
夜行隊には初任務として夜の警備を任せてみた。すると、ちゃんと朝まで起きて警備をしていた。夜盗をしていただけあって夜に強い体にはなっているようだが、初任務にしては上出来だ。
夜に行動する夜行隊の名に恥じることなく、夜に行動して任務遂行! 仲間に引き立てたのは正しかったようだな。
「夜行隊は少し休憩していろ」
「は、わかりました!」舞鶴は周囲を見回した。「夜行隊、全員集合!」
夜行隊を集めた舞鶴は、全員に休憩するように伝えた。夜通し見張っていたのだから、全員疲れているだろう。出発を少しだけ遅れさせよう。
「それまでは周辺の森の散策でもするか」
森の奥へ入って行き、木々をなめ回すように見ていた。そうすると、洞窟を見つけてしまった。俺はその洞窟に入るべきか入らぬべきか考えた。
俺の身に危険が及ぶ可能性が高い。だけど、それ以上に俺の好奇心があるわけだ。危険があっても好奇心が上回ってしまう。結局、洞窟へ足を踏み入れた。
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最近こういうことがよくある。夜盗の次は、誰かわからない青年と会った。
「俺は伊達政宗だ!」
顔は覆面に覆われていて見えないが、声からして十代後半くらいの男だとわかる。服装は先住民族のそれに似ていて、上半身は裸。
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