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第四章『輝宗の死』
伊達政宗、輝宗を殺すのは伊達じゃない その肆漆
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何が起こった!? 目の前にいたはずのホースティーに一瞬で背後を取られて、攻撃されたんだ。今は俺が倒れている。
あの高速移動がホースティーの奥の手だってか? だったら、その高速移動を封じれば良いだけだ!
ムクリと起きあがり、ホースティーから離れて燭台切を握りしめた。
「僕の攻撃を受けても、起き上がりますか。これは手強いですね」
「はっ! 大した攻撃力もないくせに」
「まあ、僕は技巧派の四天王なので」
高速移動の封じ方......。俺が神経を研ぎ澄まして、ホースティーの動きを目で追えば良いんだ。
ホースティーを見て、行動を停止する。すると、ホースティーは動き出した。かなり速いが、あとは近づいてくるホースティーを斬るだけだ。余裕だ──。
「ぐっ!」
急に消えたかと思ったら、ホースティーは目の前に現れやがった。あと少し反応に遅れたら、攻撃されていた。燭台切で防げて良かった。
「反応が早いですね」
「まあな!」
こいつの攻撃を防ぐには、防御壁を俺の周りに展開する必要がある。ただ、それをすれば神力の消費が多すぎる。結果としては、防御壁を維持する力がなくなってやられてしまう。
考えるんだ。......奴を、ホースティーを倒すには何をすれば良いんだ!?
「すきを見せるのは良い手とは言えません」ホースティーは俺の顎を蹴り、俺を遠くへ飛ばした。「痛いですか?」
「やりやがった! テメェ」
瞬発力で飛び出すと、俺はホースティーに飛び乗って床に張り倒す。燭台切を逆さに持つと、剣先を目の少し手前で止めた。
「ホースティー、貴様の負けだ」
「ハハハ。僕の負けではないよ。僕を舐めないでもらいたいね」
ホースティーは俺を殴り、姿をまた消した。地上では分が悪いから、空中に飛んで防御壁で足場を展開する。そこに着地し、空中でホースティーの様子を伺った。
「ホースティーがいない、だと?」
俺は周囲を見回すが、ホースティーの姿は見えない。もっとも、八方を警戒するも姿は見えないけれど、気配だけは感じられる。近くにいることは確かだ。どこにいる。
「上だよ!」
声がして上を向くと、ホースティーは上空で両手を振りかぶっていた。落下速度を加えて俺を攻撃するようだ。即座に燭台切でガードする。
「痛っ!」
「落下速度は伊達じゃないよ!」
ホースティーは燭台切をすり抜けて、俺の頭頂部を叩いた。頭が揺れてあまり思考が回らなくなったが、ここぞとばかりに俺はホースティーの顎を下から突き上げて殴った。
両者は高所から地面に落下。意識を失ったようだった。
両者ともにダウン。相打ちとなった。
アマテラスはガルフを呼ぶ。「ガルフよ。我はモーティマーを回復させたから余力がない。貴様が二人を回復させるのだ」
「ああ、仕方ねぇか」
「頼むぞ」
ガルフは右手で政宗の頭を、左手でホースティーの頭を掴んだ。そして力を込め、回復を行った。
「これで終わりだ」
ガルフは二人の頭を手から離し、その場を去った。ガルフが手を離したことにより、政宗とホースティーの頭は地面に叩きつけられた。
「ふむ」アマテラスはホースティーの体を持ち、肩に置いた。「政宗の次に控える二番手の立場の奴は誰だ?」
「私でございます」
顔立ちは政宗や成実、輝宗にも似ている青年が前に出た。歳は政宗より多少食っているようだ。
「貴様、名は何と申す?」
「伊達氏一門筆頭、石川氏の石川昭光にございます!」
「石川昭光、か。ホースティーとモーティマーを寝かせたい。城の部屋を貸していただきたいんだ」
「わかりました。案内いたします」
「では」成実も昭光の隣りに並んだ。「若様は私が運びます」
石川昭光は政宗の血縁者。ゆえに、伊達氏一門に属している。その一門筆頭こそが、石川氏。
成実は亘理伊達氏の初代当主。ただ、亘理伊達氏は1603年に始まるから、まだ早い。けれど、伊達成実は一門の中でもそれなりの地位である。もちろん、以前も述べたように政宗の血縁者だ。
成実は政宗を担いだ。「小十郎殿!」
「お呼びですか?」
「若様を運ぶのを手伝ってください」
「わかりました!」
二人は政宗を丁寧に担ぎ、部屋まで運んだ。
目が覚めて辺りに目を配ると、枕元に成実がいた。俺は頭を右手で押さえながら、体を起こした。
「何がどうなったんだ?」
「若様とホースティー殿は相打ちで、両者ともに倒れました」
「そうか」
ホースティーの高速移動は、俺の目では追えなかった。視力に自信はあったが、奴は速かった。
「若様。これから予定していた会議はどういたしますか?」
「これからすぐに会議を開こう。ホースティーは起きているか?」
「はい」
「なら」俺は布団から抜け出して、身だしなみを整えた。「会議へ行こうか」
だが、成実は部屋を出ようとする俺を止めた。「お待ちください」
「どうした?」
「ホースティー殿の奥の手は高速移動ではないでしょう。私は地上から見ていたからわかりますが、ホースティー殿は途中で姿を完全に消しています」
「じゃあ、ホースティーの奥の手は瞬間移動ってか!?」
俺は驚きの余り声が出なかった。もしホースティーの奥の手が瞬間移動なら、俺と相性は最悪だ。力押しである俺は、スピードに自身がない。
あの高速移動がホースティーの奥の手だってか? だったら、その高速移動を封じれば良いだけだ!
ムクリと起きあがり、ホースティーから離れて燭台切を握りしめた。
「僕の攻撃を受けても、起き上がりますか。これは手強いですね」
「はっ! 大した攻撃力もないくせに」
「まあ、僕は技巧派の四天王なので」
高速移動の封じ方......。俺が神経を研ぎ澄まして、ホースティーの動きを目で追えば良いんだ。
ホースティーを見て、行動を停止する。すると、ホースティーは動き出した。かなり速いが、あとは近づいてくるホースティーを斬るだけだ。余裕だ──。
「ぐっ!」
急に消えたかと思ったら、ホースティーは目の前に現れやがった。あと少し反応に遅れたら、攻撃されていた。燭台切で防げて良かった。
「反応が早いですね」
「まあな!」
こいつの攻撃を防ぐには、防御壁を俺の周りに展開する必要がある。ただ、それをすれば神力の消費が多すぎる。結果としては、防御壁を維持する力がなくなってやられてしまう。
考えるんだ。......奴を、ホースティーを倒すには何をすれば良いんだ!?
「すきを見せるのは良い手とは言えません」ホースティーは俺の顎を蹴り、俺を遠くへ飛ばした。「痛いですか?」
「やりやがった! テメェ」
瞬発力で飛び出すと、俺はホースティーに飛び乗って床に張り倒す。燭台切を逆さに持つと、剣先を目の少し手前で止めた。
「ホースティー、貴様の負けだ」
「ハハハ。僕の負けではないよ。僕を舐めないでもらいたいね」
ホースティーは俺を殴り、姿をまた消した。地上では分が悪いから、空中に飛んで防御壁で足場を展開する。そこに着地し、空中でホースティーの様子を伺った。
「ホースティーがいない、だと?」
俺は周囲を見回すが、ホースティーの姿は見えない。もっとも、八方を警戒するも姿は見えないけれど、気配だけは感じられる。近くにいることは確かだ。どこにいる。
「上だよ!」
声がして上を向くと、ホースティーは上空で両手を振りかぶっていた。落下速度を加えて俺を攻撃するようだ。即座に燭台切でガードする。
「痛っ!」
「落下速度は伊達じゃないよ!」
ホースティーは燭台切をすり抜けて、俺の頭頂部を叩いた。頭が揺れてあまり思考が回らなくなったが、ここぞとばかりに俺はホースティーの顎を下から突き上げて殴った。
両者は高所から地面に落下。意識を失ったようだった。
両者ともにダウン。相打ちとなった。
アマテラスはガルフを呼ぶ。「ガルフよ。我はモーティマーを回復させたから余力がない。貴様が二人を回復させるのだ」
「ああ、仕方ねぇか」
「頼むぞ」
ガルフは右手で政宗の頭を、左手でホースティーの頭を掴んだ。そして力を込め、回復を行った。
「これで終わりだ」
ガルフは二人の頭を手から離し、その場を去った。ガルフが手を離したことにより、政宗とホースティーの頭は地面に叩きつけられた。
「ふむ」アマテラスはホースティーの体を持ち、肩に置いた。「政宗の次に控える二番手の立場の奴は誰だ?」
「私でございます」
顔立ちは政宗や成実、輝宗にも似ている青年が前に出た。歳は政宗より多少食っているようだ。
「貴様、名は何と申す?」
「伊達氏一門筆頭、石川氏の石川昭光にございます!」
「石川昭光、か。ホースティーとモーティマーを寝かせたい。城の部屋を貸していただきたいんだ」
「わかりました。案内いたします」
「では」成実も昭光の隣りに並んだ。「若様は私が運びます」
石川昭光は政宗の血縁者。ゆえに、伊達氏一門に属している。その一門筆頭こそが、石川氏。
成実は亘理伊達氏の初代当主。ただ、亘理伊達氏は1603年に始まるから、まだ早い。けれど、伊達成実は一門の中でもそれなりの地位である。もちろん、以前も述べたように政宗の血縁者だ。
成実は政宗を担いだ。「小十郎殿!」
「お呼びですか?」
「若様を運ぶのを手伝ってください」
「わかりました!」
二人は政宗を丁寧に担ぎ、部屋まで運んだ。
目が覚めて辺りに目を配ると、枕元に成実がいた。俺は頭を右手で押さえながら、体を起こした。
「何がどうなったんだ?」
「若様とホースティー殿は相打ちで、両者ともに倒れました」
「そうか」
ホースティーの高速移動は、俺の目では追えなかった。視力に自信はあったが、奴は速かった。
「若様。これから予定していた会議はどういたしますか?」
「これからすぐに会議を開こう。ホースティーは起きているか?」
「はい」
「なら」俺は布団から抜け出して、身だしなみを整えた。「会議へ行こうか」
だが、成実は部屋を出ようとする俺を止めた。「お待ちください」
「どうした?」
「ホースティー殿の奥の手は高速移動ではないでしょう。私は地上から見ていたからわかりますが、ホースティー殿は途中で姿を完全に消しています」
「じゃあ、ホースティーの奥の手は瞬間移動ってか!?」
俺は驚きの余り声が出なかった。もしホースティーの奥の手が瞬間移動なら、俺と相性は最悪だ。力押しである俺は、スピードに自身がない。
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