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第四章『輝宗の死』
伊達政宗、輝宗を殺すのは伊達じゃない その捌
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クリスマスパーティーの準備。この準備を全員で協力して行った。準備、と言っても戦国時代だからかなり質素なものだ。まあ、やらんよりマシだ。
俺は久々に、料理をすることにした。伊達政宗は料理が趣味だったって知ってたか?
これから作るのは、『伊達巻き』。伊達政宗が好んで食ったことから伊達巻きという名前になったらしいが諸説ある。くわしい説明は後回しにして、伊達巻きは菓子みたいだからパーティーにはうってつけだ。
用意するのはヒラメと鶏卵、あと砂糖......etc。その全てを輝宗に用意させた。
「さて」
料理の道具もそろったから料理を始めようとしたら、仁和が様子を見に来ていた。
「政宗殿。何をしていらっしゃるのですか?」
「クリパ......クリスマスパーティーの準備で料理を作るんだ。伊達巻きだ」
「料理出来たのですか?」
「出来たんだぜ」
前世では奥さんいなかったし、平日は給食を食えたけど休日はたまに料理した。そのお陰で料理はうまくなった。好んでは料理しないが、やれと言われたらやれなくはないのだ。
それに伊達政宗は料理が趣味。歴史を変えてはいけない。
「料理、まずくしないでくださいね」
「そんな失敗はしない」
まずはすり身を作る。ヒラメの身を切り出して刺し身みたいにする。で、包丁で細かくしていく。これが時間掛かるんだ。手も疲れるし、腰にもキツい。そしてようやく、すり身が完成したから休憩を挟む。
料理を再開し、鶏卵を割る。
「うわっ!」
白身が手にドロドロと付いた。鶏卵を割るのが失敗した。前世でも良くやったことだが、まさかこの人生でもやっちまうとは。手を洗いに行き、戻ってきてからすり身と卵を混ぜた。かき混ぜた。
「あちゃー」
また手が汚れた。うん、俺は料理向いてないな。ただ、料理が得意だと周囲に誤認させないといけないから、料理を続けた。
すり身と鶏卵を混ぜたら、砂糖を少々。次は焼く! フライパン的なのに混ぜた奴をぶち込んで焼いた。両面に焼き色を付けて、前世のおせちで見たように巻いた。
「伊達巻き、完成!」
少し食べてみた。何と、まずかった! 味があまりしないんだ。作り直しということで、作り方を少し変えて作り続けた。それでも失敗は繰り返されていった。
「どこを間違えたのだろうか?」
首を傾げていると、仁和が部屋に入ってきた。
「少し見ていてください。ちゃんとした伊達巻きの作り方を見せます」
「お、おう?」
仁和はヒラメを細かくして、持ってきたすり鉢ですっていった。
「すり身を作るなら、もっと細かくすってください」
「わかった」
鶏卵を割って、丁寧に黄身と白身を混ぜる。
「卵を混ぜるなら、もっときめ細かく!」
仁和は卵とすり身を混ぜて、砂糖を振る。再度混ぜてから、フライパンで両面を焼いていった。
「完成です。食べてみてください」
「わ、わかった」
俺は仁和の作った伊達巻きを口に運んだ。
「うまいっ!!」
「伊達巻きとはこういうものを言うのです」
「ああ、勉強になるな」
俺は仁和にお礼を言って、伊達巻きをたいらげた。
「この時代の道具だけだと、この程度にしか作れませんね」
「クリスマスパーティーにはこれくらいうまいんだから、大丈夫だと思うが?」
「どうでしょうか......」
料理道具を整理し、伊達巻きを人数分作るために努力してみた。結果、人数分のある程度美味しい伊達巻きが完成した。
「出来たぞ」
「では、他の料理を作りましょう」
「へ?」
「当たり前です。クリスマスパーティーで食べ物が伊達巻き一品だけというのは少し寂しいとは思いませんか?」
「寂しいとは思うが、今日は疲れたから......」
「駄目です」
俺は頭を抱えた。
その後も何品か食べ物を作り、今日のクッキングは終了した。俺は首をポキポキ鳴らして、疲れたようにあくびをした。
「これくらいの料理で疲れないでください。明日も料理をしますから」
「え!?」
「何が『え!?』なんですか」
クリスマスパーティーをやる、なんて言わなければ良かったと後悔してももう遅かった。明日も料理をすることは確定のようだった。
んじゃ、ちょっくら伊達巻きの説明をする。伊達政宗は、ヒラメのすり身に卵を混ぜて焼いた料理である『平玉子焼き』を好んで食べた。この平玉子焼きは前世では厚焼きと呼ばれ、戦国時代ではいつしか『伊達焼き』と言われるようになった。それは、伊達政宗が食べてたからって言われている。
その伊達焼きを巻くようになって、『伊達巻き』となったらしい。もちろん、諸説あり。
今日作ったのは伊達巻きに近いものだ。戦国時代の平玉子焼きとは微妙に異なるが、うまければ良いんだ。
俺は景頼の元に行って、煙草を一本貰った。最近はまたヘビースモーカーになり、煙草を頻繁に吸うようになった。酒もよく飲むし、最近は体に悪いことしかしていない。けど、許して欲しい。他国との交流と経営や政治で疲れているんだ。読者諸君も急に政治家になったら疲れるはずだ。俺は今、そんな状態なのである。政治・外交・経営・料理に不向きなことが、伊達政宗になってわかったことだ。
俺は久々に、料理をすることにした。伊達政宗は料理が趣味だったって知ってたか?
これから作るのは、『伊達巻き』。伊達政宗が好んで食ったことから伊達巻きという名前になったらしいが諸説ある。くわしい説明は後回しにして、伊達巻きは菓子みたいだからパーティーにはうってつけだ。
用意するのはヒラメと鶏卵、あと砂糖......etc。その全てを輝宗に用意させた。
「さて」
料理の道具もそろったから料理を始めようとしたら、仁和が様子を見に来ていた。
「政宗殿。何をしていらっしゃるのですか?」
「クリパ......クリスマスパーティーの準備で料理を作るんだ。伊達巻きだ」
「料理出来たのですか?」
「出来たんだぜ」
前世では奥さんいなかったし、平日は給食を食えたけど休日はたまに料理した。そのお陰で料理はうまくなった。好んでは料理しないが、やれと言われたらやれなくはないのだ。
それに伊達政宗は料理が趣味。歴史を変えてはいけない。
「料理、まずくしないでくださいね」
「そんな失敗はしない」
まずはすり身を作る。ヒラメの身を切り出して刺し身みたいにする。で、包丁で細かくしていく。これが時間掛かるんだ。手も疲れるし、腰にもキツい。そしてようやく、すり身が完成したから休憩を挟む。
料理を再開し、鶏卵を割る。
「うわっ!」
白身が手にドロドロと付いた。鶏卵を割るのが失敗した。前世でも良くやったことだが、まさかこの人生でもやっちまうとは。手を洗いに行き、戻ってきてからすり身と卵を混ぜた。かき混ぜた。
「あちゃー」
また手が汚れた。うん、俺は料理向いてないな。ただ、料理が得意だと周囲に誤認させないといけないから、料理を続けた。
すり身と鶏卵を混ぜたら、砂糖を少々。次は焼く! フライパン的なのに混ぜた奴をぶち込んで焼いた。両面に焼き色を付けて、前世のおせちで見たように巻いた。
「伊達巻き、完成!」
少し食べてみた。何と、まずかった! 味があまりしないんだ。作り直しということで、作り方を少し変えて作り続けた。それでも失敗は繰り返されていった。
「どこを間違えたのだろうか?」
首を傾げていると、仁和が部屋に入ってきた。
「少し見ていてください。ちゃんとした伊達巻きの作り方を見せます」
「お、おう?」
仁和はヒラメを細かくして、持ってきたすり鉢ですっていった。
「すり身を作るなら、もっと細かくすってください」
「わかった」
鶏卵を割って、丁寧に黄身と白身を混ぜる。
「卵を混ぜるなら、もっときめ細かく!」
仁和は卵とすり身を混ぜて、砂糖を振る。再度混ぜてから、フライパンで両面を焼いていった。
「完成です。食べてみてください」
「わ、わかった」
俺は仁和の作った伊達巻きを口に運んだ。
「うまいっ!!」
「伊達巻きとはこういうものを言うのです」
「ああ、勉強になるな」
俺は仁和にお礼を言って、伊達巻きをたいらげた。
「この時代の道具だけだと、この程度にしか作れませんね」
「クリスマスパーティーにはこれくらいうまいんだから、大丈夫だと思うが?」
「どうでしょうか......」
料理道具を整理し、伊達巻きを人数分作るために努力してみた。結果、人数分のある程度美味しい伊達巻きが完成した。
「出来たぞ」
「では、他の料理を作りましょう」
「へ?」
「当たり前です。クリスマスパーティーで食べ物が伊達巻き一品だけというのは少し寂しいとは思いませんか?」
「寂しいとは思うが、今日は疲れたから......」
「駄目です」
俺は頭を抱えた。
その後も何品か食べ物を作り、今日のクッキングは終了した。俺は首をポキポキ鳴らして、疲れたようにあくびをした。
「これくらいの料理で疲れないでください。明日も料理をしますから」
「え!?」
「何が『え!?』なんですか」
クリスマスパーティーをやる、なんて言わなければ良かったと後悔してももう遅かった。明日も料理をすることは確定のようだった。
んじゃ、ちょっくら伊達巻きの説明をする。伊達政宗は、ヒラメのすり身に卵を混ぜて焼いた料理である『平玉子焼き』を好んで食べた。この平玉子焼きは前世では厚焼きと呼ばれ、戦国時代ではいつしか『伊達焼き』と言われるようになった。それは、伊達政宗が食べてたからって言われている。
その伊達焼きを巻くようになって、『伊達巻き』となったらしい。もちろん、諸説あり。
今日作ったのは伊達巻きに近いものだ。戦国時代の平玉子焼きとは微妙に異なるが、うまければ良いんだ。
俺は景頼の元に行って、煙草を一本貰った。最近はまたヘビースモーカーになり、煙草を頻繁に吸うようになった。酒もよく飲むし、最近は体に悪いことしかしていない。けど、許して欲しい。他国との交流と経営や政治で疲れているんだ。読者諸君も急に政治家になったら疲れるはずだ。俺は今、そんな状態なのである。政治・外交・経営・料理に不向きなことが、伊達政宗になってわかったことだ。
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