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第三章『家督相続』
伊達政宗、信長救出は伊達じゃない その肆
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一ヶ月程度の時間を要したが、無事に全員が完治。早速、悪魔憑きについての話し合いを始めた。
俺の部屋に、俺を含めた四人(俺、小十郎、景頼、愛姫)が集まった。
俺は牛丸の遺書を出す。「これは牛丸の遺書だ。この遺書を見れば、容易(たやす)く悪魔憑きを倒す方法がわかると思う」
「すまん、名坂。まったくわからん」
「俺もあまり、口に出したくないんだ」仕方がないから、遺書のある部分を指差した。「これには別解があるだろ?」
「......! そういうことか。神様は、惨(むご)いことをするな」
「というわけだ。アーティネスのやった倒し方では、悪魔憑きを倒したくない。これから、悪魔憑きを倒す方法を考える」
「って、信長救出はどうなるの?」
「それは保留にする。本能寺の変までには、悪魔憑きをぶっ殺す」
「どうやって?」
「これから思案するんだろーが!」
「まあ、そうか」
「牛丸の犠牲は無駄にはしない」
あの悪魔憑きを倒す方法は皆無に等しいのではないだろうか? だって、身体は金属で覆われていて(鎧のような何かだ)攻撃力も半端ない。神の使者の力は、対人では使用不可。まさに強敵だ。
ただ、今回の悪魔憑きとの戦いでの収穫はある。神様も全員が全員、全能ではない。
「若様」景頼は挙手をした。「遺書を見ても、私は別解が理解出来ないのですが?」
「俺に口に出させる気か?」
「失礼ながら、そうです」
「ハァ......仕方ないか」
俺は牛丸の遺書を景頼に渡し、くわしく説明した。
「何と! アーティネス様というのは、残酷なお方なのですね」
「そういうことだ。次にアーティネスと会ったら、ぶっ潰してやる」
「な、何もそこまでしなくても」
「いや、やると言ったらやる」
本能寺の変から信長を救出するためにも、あの悪魔憑きには邪魔はされたくない。どうにかしてでも、悪魔憑きを食い止める方法くらいは考え出さないといけない。
だが、悪魔憑きを倒すことと信長救出を並行して考えて実行することは難しいぞ。どうすればいいんだ......。それに、織田信長と未来人が繫がっている可能性まであるし。厄介極まりない。どの行動が一番重要なんだ?
「名坂?」
「ん? どうした、神辺」
「悪魔憑きを、アーティネスがやった方法以外で倒せると思うか?」
「正直に言うと......倒せないと思うよ。悪魔憑きのあの攻撃力と防御力はすさまじいよ」
「諦めようぜ、悪魔憑きを倒すのは」
「いや、あいつは俺との戦いを望んでいるらしい感じだったし、逃げても追いかけてきそうだ」
「おはよう、名坂君」
また神界に連れてこられたようだが、目の前にいるのはアーティネスではない。
「誰だ?」
「私は犠牲神・レイカー、アーティネスの同僚だよ。君はアーティネスに怒っている雰囲気だったし、仕方なく私の部屋に君を招いたんだ」
「何のために招いた?」
「君は神の使者。悪魔に負けてもらっては困るから、助言をするためだ。と言っても、アーティネスの行った方法ではないから安心してね」
「助言?」
「悪魔憑きの特徴などの話しさ」
「弱点とか倒し方は?」
「それを言ったらルール違反になるなぁ」
「そもそも、悪魔は数百年に一回しか目覚めないんじゃないのか?」
「そのはずだったんだけど......君の前に現れたあの悪魔は上級悪魔だった。名前を『カイザー・ヘルリャフカ』。以前、反則級能力で神界に訪れて神々を虐殺した者だ」
「上級悪魔カイザー・ヘルリャフカってのが、奴の名前か」
「ヘルリャフカの力は神ですら抑えるのに苦労した。最終的に、アマテラス様が全力を尽くして力を弱体化させて封印に成功。ただ、復活が早すぎた。まさか、ものの150年で封印を破るとは想定外」
「なら、アマテラスならヘルリャフカを倒せるのか?」
「無理だ。アマテラス様ですら、全力の出力で弱体化させただけ。しかも、出力をしすぎてアマテラス様自身が弱体化してしまった。今ではヘルリャフカの弱体化すら難しいね」
「アーティネスがやったように、苗床を破壊することは出来るんだろ?」
「出来るけど、意味は無い。アーティネスがやったことは時間稼ぎに過ぎない」
「あんなのをどうやって封印するんだよ」
「困難だ。苗床の体中に金属を張り巡らせているし、苗床に攻撃してもヘルリャフカ本体にはダメージは通らない」
「弱点は?」
「悪魔はゾンビってわけじゃない」
「つまり......弱点は心臓か?」
「そう。苗床の心臓とヘルリャフカ本体の心臓を繋げないと、苗床を乗っ取ることは不可能だからね。ただ、悪魔の乗っ取った苗床の体は金属で覆われているわけだから、心臓を攻撃しても殺すのは......不可能とは言わないけど神々でも出来るかどうか」
「アーティネスはどうやって苗床を倒したんだ?」
「倒したというか、苗床から悪魔本体を追い出したんだ。文字通り、時間稼ぎだよ」
「なるほど」
悪魔とはかなり強い生命体なのだな。そして、あの悪魔はヘルリャフカという名前。強者との戦いを求めている。
これだけの情報だけど、大いに役立つ。ヘルリャフカを倒すには、あの金属を攻略して心臓を貫くことだ。
俺の部屋に、俺を含めた四人(俺、小十郎、景頼、愛姫)が集まった。
俺は牛丸の遺書を出す。「これは牛丸の遺書だ。この遺書を見れば、容易(たやす)く悪魔憑きを倒す方法がわかると思う」
「すまん、名坂。まったくわからん」
「俺もあまり、口に出したくないんだ」仕方がないから、遺書のある部分を指差した。「これには別解があるだろ?」
「......! そういうことか。神様は、惨(むご)いことをするな」
「というわけだ。アーティネスのやった倒し方では、悪魔憑きを倒したくない。これから、悪魔憑きを倒す方法を考える」
「って、信長救出はどうなるの?」
「それは保留にする。本能寺の変までには、悪魔憑きをぶっ殺す」
「どうやって?」
「これから思案するんだろーが!」
「まあ、そうか」
「牛丸の犠牲は無駄にはしない」
あの悪魔憑きを倒す方法は皆無に等しいのではないだろうか? だって、身体は金属で覆われていて(鎧のような何かだ)攻撃力も半端ない。神の使者の力は、対人では使用不可。まさに強敵だ。
ただ、今回の悪魔憑きとの戦いでの収穫はある。神様も全員が全員、全能ではない。
「若様」景頼は挙手をした。「遺書を見ても、私は別解が理解出来ないのですが?」
「俺に口に出させる気か?」
「失礼ながら、そうです」
「ハァ......仕方ないか」
俺は牛丸の遺書を景頼に渡し、くわしく説明した。
「何と! アーティネス様というのは、残酷なお方なのですね」
「そういうことだ。次にアーティネスと会ったら、ぶっ潰してやる」
「な、何もそこまでしなくても」
「いや、やると言ったらやる」
本能寺の変から信長を救出するためにも、あの悪魔憑きには邪魔はされたくない。どうにかしてでも、悪魔憑きを食い止める方法くらいは考え出さないといけない。
だが、悪魔憑きを倒すことと信長救出を並行して考えて実行することは難しいぞ。どうすればいいんだ......。それに、織田信長と未来人が繫がっている可能性まであるし。厄介極まりない。どの行動が一番重要なんだ?
「名坂?」
「ん? どうした、神辺」
「悪魔憑きを、アーティネスがやった方法以外で倒せると思うか?」
「正直に言うと......倒せないと思うよ。悪魔憑きのあの攻撃力と防御力はすさまじいよ」
「諦めようぜ、悪魔憑きを倒すのは」
「いや、あいつは俺との戦いを望んでいるらしい感じだったし、逃げても追いかけてきそうだ」
「おはよう、名坂君」
また神界に連れてこられたようだが、目の前にいるのはアーティネスではない。
「誰だ?」
「私は犠牲神・レイカー、アーティネスの同僚だよ。君はアーティネスに怒っている雰囲気だったし、仕方なく私の部屋に君を招いたんだ」
「何のために招いた?」
「君は神の使者。悪魔に負けてもらっては困るから、助言をするためだ。と言っても、アーティネスの行った方法ではないから安心してね」
「助言?」
「悪魔憑きの特徴などの話しさ」
「弱点とか倒し方は?」
「それを言ったらルール違反になるなぁ」
「そもそも、悪魔は数百年に一回しか目覚めないんじゃないのか?」
「そのはずだったんだけど......君の前に現れたあの悪魔は上級悪魔だった。名前を『カイザー・ヘルリャフカ』。以前、反則級能力で神界に訪れて神々を虐殺した者だ」
「上級悪魔カイザー・ヘルリャフカってのが、奴の名前か」
「ヘルリャフカの力は神ですら抑えるのに苦労した。最終的に、アマテラス様が全力を尽くして力を弱体化させて封印に成功。ただ、復活が早すぎた。まさか、ものの150年で封印を破るとは想定外」
「なら、アマテラスならヘルリャフカを倒せるのか?」
「無理だ。アマテラス様ですら、全力の出力で弱体化させただけ。しかも、出力をしすぎてアマテラス様自身が弱体化してしまった。今ではヘルリャフカの弱体化すら難しいね」
「アーティネスがやったように、苗床を破壊することは出来るんだろ?」
「出来るけど、意味は無い。アーティネスがやったことは時間稼ぎに過ぎない」
「あんなのをどうやって封印するんだよ」
「困難だ。苗床の体中に金属を張り巡らせているし、苗床に攻撃してもヘルリャフカ本体にはダメージは通らない」
「弱点は?」
「悪魔はゾンビってわけじゃない」
「つまり......弱点は心臓か?」
「そう。苗床の心臓とヘルリャフカ本体の心臓を繋げないと、苗床を乗っ取ることは不可能だからね。ただ、悪魔の乗っ取った苗床の体は金属で覆われているわけだから、心臓を攻撃しても殺すのは......不可能とは言わないけど神々でも出来るかどうか」
「アーティネスはどうやって苗床を倒したんだ?」
「倒したというか、苗床から悪魔本体を追い出したんだ。文字通り、時間稼ぎだよ」
「なるほど」
悪魔とはかなり強い生命体なのだな。そして、あの悪魔はヘルリャフカという名前。強者との戦いを求めている。
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