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12.《転回》
しおりを挟むーーUFO? まあそうだろう。でもそいつは僕が知っているUFOではなかった。“銀の円盤”というステレオタイプなイメージからはかけ離れている。生物的なマチエール。表面が鼓動している。縦横に走る筋が波打つ。全体を把握するのが困難なほど大きいが、五角形をしているのがわかった。僕らが見上げている底面には5つの球体が半分埋まっていた。蓮の種のようで気色が悪い。生理的嫌悪。
異常な光景が車外で繰り広げられていることを知らない霊柩車がゆっくりと走りだす。初めからそこにあったかのように、ただそこで静止していた巨大物体が、回転を始める。直後、辺りを超高音と上からの強風に包まれた。回転が増すに連れ、音も風も激しさを増し、立っていられなくなった。耳が痛い。舞ったチリで目が開かない。
その耳に追い討ちをかけるように轟音が響いた。地響き。内臓が跳ねる。突如風が止み、目を開ける。走り去ったはずの霊柩車が目の前で潰れていた。その大破した車体の上に巨大な球体が乗っている。直径15メートル程のそれは、さっき見た飛行物体と同じく表面が波打っていた。赤みを帯びた灰色。薄い皮膜が球体を構成している。
その皮膜の向こうに何かがいた。人間を丸呑みできそうなほど大きな頭。トカゲのようだったが、上顎と下顎のバランスが歪だ。ここまで一瞬のことで皆、思考を停止したようで、ただ立ち尽くしていた。
少しずつ目の前で起きている出来事を理解し始めた人々が方々へ逃げ出す。僕はまだ動けない。球体を見上げ、皮膜を隔てた向こうにある顔と思われる部分を見つめる。瞼がある。瞼があるということはヤモリじゃないな、なんてバカなことを思っていた。隣に立っていた華山先輩が霊柩車の元に走り出す。そうか、あれにはマドカが乗っていた。でももうダメだ。車は大破している。それよりも、このでかいこいつはなんだ。そう思っていると、瞼が痙攣を始め、開いた。僕と奴の目が合う。灰色の虹彩が収縮と拡張を繰り返す。……まずい。奴が、起きた。
「……華山先輩逃げて!」
僕の頭はようやく回転を始めた。逃げなければ。声を聞いた華山先輩が「でも、マドカが!」とこの機に及んで言う。マドカは大切な仲間だ。でも、もうそこにはいない。僕は華山先輩の元に走って行き、手を握り、方向転換した。
その瞬間、後ろの球体が弾けた。逃げる僕らの足元に後ろから液体が追いかけてきて絡みつく。粘り気はない。妙にさらっとしていて、地面を軽快に流れていく。僕らは斎場の裏手にある駐車場へ走っていった。途中で僕は後ろを振り返る。
“怪獣”がいた。子供の頃、テレビの向こうで見た、あれ。道路の向こうに立つ5階建のマンションと同じくらいの位置に頭があった。その容姿に近い生物が思い浮かばなかったが、強いて言えばトカゲかナメクジ。関節が3つある腕が2本。全長の半分はある尻尾。カマキリみたいな細い多脚。腐臭がする。
奴は伸びをするように、一度頭を天高くもたげると、重力に任せ頭を落とし、霊柩車を食いだした。何か乾いたものが砕ける音がする。……くそ! 僕は進行方向に目を戻す。見ていられない。
だんだんと人々の悲鳴が聞こえてきた。阿鼻叫喚。四方から、そして遠くからも波のように悲鳴が聞こえる。怖かった。異様な状況。脳みそが状況を把握することを拒む。
「石立くん、もう大丈夫」
華山先輩が落ち着きを取り戻していた。僕はきつく握っていた右手を離す。斎場の建物の陰で怪物は見えない。隠れていることになるのだろうか。むしろ奴の姿を認識できないだけではないか。華山先輩が停めてあった中型バイクにキーを指す。華山先輩は喪服をまとい、バイクできたらしい。
「石立くんも早く逃げて」
「今日、原付で来てないです。壊れたので。僕はどうにかします」
「じゃあ、乗って!」
華山先輩はバイクの後ろに固定してあったボックスを開けると、中から半帽のメットを取り出し投げよこした。華山先輩と二人乗りなんて貴重な経験をするには、最低最悪の機会だった。友達の葬式。しかも、得体の知れない弔問客つき。半帽のベルトを締めて、後ろに飛び乗る。
「いいから捕まって、しっかり」
僕の逡巡を察したのか、華山先輩がフルフェイスのメット越しに怒鳴った。こんな時まで、よくわからない遠慮をする自分が嫌になる。先輩の背にぴたりとくっついた。エンジンが唸る。バイクが走りだした。
逃げると言っても、どこへ行けばいいのだろう。昨日見た、雑司ヶ谷からのメールの件名を思い出す。
『逃げろ。』
まさか、このことを言っていた? 雑司ヶ谷はこの事態を予想していた? 考えたところで答えは出ない。メールの文面をまだ見ていなかったから、ヒントは皆無。そんなことよりもっと大事なことを思い出した。
「先輩! ヨウジロウのとこへ!」
ヨウジロウはきっと家にこもっていて、この状況に気づいていない。先輩は頷いて、学生寮へ進路を変えた。
蒲生里の街は崩壊していた。アスファルトは砕けて質の悪いジグソーパズルみたいだった。乗り捨てられた車で道路は散らかっていて、バイクはその間を蛇行しながら進む。建物は前衛アートみたいな不安定なオブジェと化している。そこここから煙が上がっている。キャンパスへ上がっていく緩く長い坂道。その途中にある大学病院には怪物が2体いた。砂の城を無邪気に壊して遊ぶ子供のようだ。咆哮。長い腕を突き立て、何かを引っ掴む。怪物の口は赤く染まっている。ああ、人って食われるんだな、と不謹慎なことを思う。あまりに非現実的すぎて、そんなことが頭に思い浮かんだのだ。
キャンパス周辺はまだ無事だった。しかし、それも時間の問題だろう。小高い山の中腹に位置する学生寮から蒲生里市街地を眺める。絶望的。怪物が2体確認できた。大学病院が崩れていく。肉眼ではよくわからないが、さらに奥の方でも煙が上がっている。おそらく怪物は5体。僕は、気づいたら消えていた飛行物体のことを思い出す。その底面には5つの球体が埋め込まれていた。
寮の学生たちは恐慌状態にあった。さすがに下で起こっている惨事に気づいている。ネット経由で情報を得たようだ。誰も見ちゃいないテレビでは、蒲生里で大規模な事故が起こっているとのテロップ。まだ怪物の姿が報道されている様子はない。混乱を防ぐための報道規制か。はたまた姿を捉えた記者が誰一人生還していないだけか。僕らは慌てふためく学生をよそに、ヨウジロウの部屋へ直行した。
ヨウジロウの部屋の戸を叩く。茶けた古い板の戸。埃かぶった消火器が側に立っている。
「野見山くん! 出てきて、大変なことになってる! 逃げなくちゃ」
反応がない。僕は嫌な予感がした。「すみません」の意味。僕は火がついたように、戸に体当たりを始めた。ボロボロのくせして案外堅牢な扉。3度目の体当たりの時に、蝶番のあたりのモルタルが崩れた。僕の行動の意図を察し、先輩が加勢する。2人で体当たりをすると内開きの扉が外れ、中へ倒れた。ヨウジロウが、唖然とした目で僕らを見ていた。
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ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
差出人:雑司ヶ谷キミヒコ
宛先:蒲生里大学ソレウスキラー操縦研究会
件名:逃げろ。
本文:ソレウス構造体の行動理由がわかった。
あくまで仮説にすぎないが、
これが正しいとすれば、蒲生里周辺は壊滅する。
詳細は明かせない。
某所に仮説をまとめたレポートを提出した。
俺はこのレポートで予言者になる。
だからネタは明かせない。すまんな。
俺は逃げる。お前たちも蒲生里の外に逃げろ。
ソレウス体の発生していない地域へ。
一応、何も教えないのはフェアじゃないからヒントだけ。
『ネズミとエキノコックス』以上。
生きてたら、また会おう。では。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
読んだところでわけがわからなかった。『ネズミとエキノコックス』どういう意味だ。ベイリー所長は生きているだろうか。彼ならこのヒントで膝を打つだろうか。エキノコックスもソレウス構造体と同じ寄生生物だ。だからなんだと言うのだ。わからない。考えている暇は正直なかった。一刻も早く逃げなければ、蒲生里の外へ。この山を越えれば県境を越える。そこはソレウス構造体の寄生患者はゼロだった。
ヨウジロウは自転車があるから心配するな、と言った。しかしこの山を己の脚力だけで超えられるのか。多分怪物に追いつかれるだろう。彼は「迷っている暇がもったいないから」と、僕をバイクに乗せようとする。華山先輩もヨウジロウのことを心配していた。僕らはあの怪物を間近で見た。あいつから逃げられる気がしない。どう考えてもあの巨体を支えられそうにない細い脚をくねらせ、猛スピードで動く怪物。その身体の大きさで動きはスローに感じるが、人間なんかより断然速い。
キャンパスへ続く道を辿った先で咆哮がした。1体の怪物がこちらを見ていた。やがてこちらのエリアへ侵攻してくるだろう。死ぬのか。ヨウジロウが自転車に跨る。華山先輩が僕にヘルメットを押し付けた。
「待ってください!」
僕は2人を止めた。1台の車が猛スピードで坂を駆け上がってくる。シルバーのワンボックス。1発免停の速度超過だ、平時ならば。僕は道路に飛び出すと、その車の進路を塞いだ。怪物の攻撃が届かないほど離れたこと、そして進行方向に人間が飛び出して来たことで、車が急ブレーキをかけた。
フロントガラスの向こうにいた運転手の顔が歪み、怒鳴りだした。しかし、僕がその運転手が誰であるかを認識したと同時に運転手も僕の顔を視認し、表情が変わった。運転席のガラス窓が開く。
「乗って! 早く!」
見覚えのある銀髪に切れ長の目。華山リナだった。
バイクに乗った華山先輩が先導し、僕とヨウジロウはワンボックスの後部座席に乗っていた。山を登る。この細く蛇行した県道を超えると隣県に出る。青い道路標識があった。隣県まであと15キロを示している。助かった。そう思っていると、標識を無視してリナは右にハンドルを切った。急激に方向転換したことで、身体が傾く。思わず持ち手を握った。後続が真逆の方向へ走り出したのも知らず、華山先輩のバイクは去っていく。
「リナさん、逆です! こっちに行っても県境は越えない」
「こっちであってる。二人には悪いが、私の目的地はこっち」
リナの目は前方を睨む。垂れ下がった広葉樹の枝がフロントガラスに当たっては後ろに去っていく。
「でも、華山先輩は……?」
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車はとうとう舗装もされていない砂利道に突入した。車が跳ねる。ヨウジロウは諦めたようで、窓を開けた。後部座席に転がっていたタバコの箱を見つけると、1本咥える。
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ヨウジロウがドアに手をかけた。1人になるのはごめんだったので外に出た。タバコ臭かったので外の空気が恋しかったのも多分にある。
「どうせ自衛隊なんてあてにならない。出動した頃には取り返しのつかないことになってる」
リナは鉄工所の奥にある一際目立つ高い建物へ歩いていく。首にはコードレスのイヤフォンがぶら下がっていて、歩調に合わせて揺れ動く。建物の前は砂利が途切れていて、コンクリートの地面に変わっていた。そのくせ穴があちこちに空いていて歩きづらいこと甚だしい。壁は生命力の強いツタに占拠されていて、ひび割れみたいな模様を描いている。
「自分でやれることは自分でやる。そうじゃない?」
リナはそういうと茶色い錆びに包まれた大きな引き戸に思い切り力を加えた。扉が不快な音を立てて少しずつ開いていく。差し込んだ光が内部の暗闇を少しずつ照らしていく。隙間風にチリが舞い、光を反射して綺麗だった。一体、中に何があるのかと、不安と好奇心、半分ずつで覗いた。
ーー僕はリナについて来て良かった、なんて危機感のないことを思った。ヨウジロウが「……嘘だろ」と言った拍子に咥えていたタバコが落っこちて、地面で跳ねた。
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一方に見覚えはなかった。でも、もう一方の正体がわからないはずがない。
暗い葡萄色の装甲。最小限の防御層しかない操縦席。他の機体より長く優雅な多脚。品がないくらい派手なペイント。数々の対戦相手をクラッシュして来た傷だらけの右拳。
ーーJ・ウォリア。僕が憧れた、今は存在しない“ジャイアント・アーマーズ”で最も輝いていた、伝説のロボット。そのロボットと操縦者が揃って目の前にいる。
人類の勝ちだ。そう確信する。
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