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ミリア
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ミリアは気づいていた。ケイトがテリーのことを好きなこと、テリーもケイトを好きなこと。私だけいらないということ
それが無償に悲しかった
13歳のお茶会で、素敵な男性に会った。紫色の瞳に紺色の髪の毛一目惚れだった。少し年上の男性が同じ日に交流会をしていて、互いにみえる場所であったが話し声は聞こえない
やんちゃな男女が女子会、男子会をしているのだ、あの人が素敵、あの子が可愛いとか下衆な話になるに決まっている
たまたまトイレで移動している時に男性の声が聞こえてきた
「まだまだお子様ばっかりだな」「少しみてくれが整っているのもいるな」「茶色の髪の子は可愛らしいな、胸もあの年であるしなかなか上玉じゃないか」たしかにと多くの男性がうなづく
その中に先ほど一目惚れした紫の彼もいたのだ
初めて嫉妬という気持ちを持った
引っ込み思案の私の代わりに場を明るくする彼女、小さいころから卓越した発想で男爵領を潤す才女でもあった
その日からケイトと目を合わして話すことが苦痛になった
可愛らしく、胸もある魅力的な彼女は、私を綺麗で気品があるといつも褒めてくれる
教養があってセンスもよいからと流行を作れるような立ち位置に置いてくれる根回しまでしてくれた
おかげで月の女神のようだと称されるようになった
その度にドロドロとした嫉妬を花の妖精にむけてしまうのだ
テリーと婚約したのは、テリーはいい人よと話しているのを聞いた父が早とちりしてしまった事が発端だった
婚約を知った時のケイトの顔が、私とテリーを見つめる瞳が
私の自尊心をくすぐってくれた
だからそのままにした
紫色の瞳の男性への憧れも忘れて
自分の価値がケイトよりある事を証明するようにテリーを自分の隣に置いてしまっていた
テリーのことを異性として感じたことはなかったが、長い間一緒に育った情はあった
だからたまたま一緒に踊る2人が交わす熱い視線
そのようにテリーにみつめられたことがない私はとても惨めに思えた
それからすぐに婚約を見直せば良かったのだ、テリーに婚約を見直さないかと相談された
「私はケイトのように可憐じゃないものね」と悲しそうすると、それ以上は何も言われなかった
そしてどんどん自分が惨めになっていく気持ちが溜まっていく
同じ表情をむけているケイトをみてようやく私が私として保てていた
あの舞踏会、紫の瞳の彼をみつけた
たくさんの友人と談笑する彼
王都と反対側の国境の辺境伯次男であり、以前と違い、風貌が猛々しくなっていたため気づかなかったのだ
心惹かれて声をかけて、ダンスを申し込む
男らしく大きな手、声変わりがすでにすんでいる男らしい声
時々ユーモアのある彼に夢中になってしまった
そっと飲み物をと2人でとりにいったときに、ケイトとテリーが2人だけの世界を作って
ずっと一緒にいたいと伝えあっていた
「ほほえはましいな」初々しさのある2人をみて彼は微笑んで言ったが、すぐに青ざめている私をみて休憩室につれだした
そして、あの2人の関係を話してしまった
「婚約者がいながら、あんなことをお互い言っていたのか」
彼はとても怒ってくれた
その後も時々気遣ってくれた
それがなおさら恥ずかしく消え入りたかった
「テリー、ケイト話したいことって急にどうしたの?」
夏休み、テリーの別荘地に呼び出された
少し肩を震わせてテリーと隣に並ぶケイト
とても可愛らしく庇護欲をかきたてる
その仕草さえ不快に感じてしまう
「ミリア、以前から相談はしていたが私達の婚約をなかったことにしてくれないか?」
わかっていたことだが沈黙が続く
「婚約を受け入れた後で大変申し訳ないが、私はミリアと一緒にいたいと思っている」
消え入りそうな声ですうつむいたまま
「ごめんなさい ミリア様 私テリー様のことが好きになって、諦めようと思ったけど無理だったの 本当にごめんなさい」
私はどんな顔をしてるかはわからない
やっと絞り出したのは
「あなた達は何を言っているの?私を侮辱して楽しい?テリー様、あなたがケイトより私の方が素敵だと言っていたじゃない。家同士の婚約よこんな、、、
私を傷つけて楽しい??
こんな侮辱、、
いいわ婚約は解消するわ
私はねケイト、あなたのこと大っ嫌いだったわ
もう私に二度とかかわらないで欲しいわ」
そのあとも何か喚いて、泣きながら自分の別荘にもどった
どう戻ったか覚えていない
学園が始まる頃には婚約は解消されていた
まだ暑さの残る朝、寮の門の前に紺色の髪の屈強な男が似合わない薔薇の花を持って立っていた
私に気づいて跪く
「ミリア レイウィン伯爵令嬢、私と婚約してください」
それが無償に悲しかった
13歳のお茶会で、素敵な男性に会った。紫色の瞳に紺色の髪の毛一目惚れだった。少し年上の男性が同じ日に交流会をしていて、互いにみえる場所であったが話し声は聞こえない
やんちゃな男女が女子会、男子会をしているのだ、あの人が素敵、あの子が可愛いとか下衆な話になるに決まっている
たまたまトイレで移動している時に男性の声が聞こえてきた
「まだまだお子様ばっかりだな」「少しみてくれが整っているのもいるな」「茶色の髪の子は可愛らしいな、胸もあの年であるしなかなか上玉じゃないか」たしかにと多くの男性がうなづく
その中に先ほど一目惚れした紫の彼もいたのだ
初めて嫉妬という気持ちを持った
引っ込み思案の私の代わりに場を明るくする彼女、小さいころから卓越した発想で男爵領を潤す才女でもあった
その日からケイトと目を合わして話すことが苦痛になった
可愛らしく、胸もある魅力的な彼女は、私を綺麗で気品があるといつも褒めてくれる
教養があってセンスもよいからと流行を作れるような立ち位置に置いてくれる根回しまでしてくれた
おかげで月の女神のようだと称されるようになった
その度にドロドロとした嫉妬を花の妖精にむけてしまうのだ
テリーと婚約したのは、テリーはいい人よと話しているのを聞いた父が早とちりしてしまった事が発端だった
婚約を知った時のケイトの顔が、私とテリーを見つめる瞳が
私の自尊心をくすぐってくれた
だからそのままにした
紫色の瞳の男性への憧れも忘れて
自分の価値がケイトよりある事を証明するようにテリーを自分の隣に置いてしまっていた
テリーのことを異性として感じたことはなかったが、長い間一緒に育った情はあった
だからたまたま一緒に踊る2人が交わす熱い視線
そのようにテリーにみつめられたことがない私はとても惨めに思えた
それからすぐに婚約を見直せば良かったのだ、テリーに婚約を見直さないかと相談された
「私はケイトのように可憐じゃないものね」と悲しそうすると、それ以上は何も言われなかった
そしてどんどん自分が惨めになっていく気持ちが溜まっていく
同じ表情をむけているケイトをみてようやく私が私として保てていた
あの舞踏会、紫の瞳の彼をみつけた
たくさんの友人と談笑する彼
王都と反対側の国境の辺境伯次男であり、以前と違い、風貌が猛々しくなっていたため気づかなかったのだ
心惹かれて声をかけて、ダンスを申し込む
男らしく大きな手、声変わりがすでにすんでいる男らしい声
時々ユーモアのある彼に夢中になってしまった
そっと飲み物をと2人でとりにいったときに、ケイトとテリーが2人だけの世界を作って
ずっと一緒にいたいと伝えあっていた
「ほほえはましいな」初々しさのある2人をみて彼は微笑んで言ったが、すぐに青ざめている私をみて休憩室につれだした
そして、あの2人の関係を話してしまった
「婚約者がいながら、あんなことをお互い言っていたのか」
彼はとても怒ってくれた
その後も時々気遣ってくれた
それがなおさら恥ずかしく消え入りたかった
「テリー、ケイト話したいことって急にどうしたの?」
夏休み、テリーの別荘地に呼び出された
少し肩を震わせてテリーと隣に並ぶケイト
とても可愛らしく庇護欲をかきたてる
その仕草さえ不快に感じてしまう
「ミリア、以前から相談はしていたが私達の婚約をなかったことにしてくれないか?」
わかっていたことだが沈黙が続く
「婚約を受け入れた後で大変申し訳ないが、私はミリアと一緒にいたいと思っている」
消え入りそうな声ですうつむいたまま
「ごめんなさい ミリア様 私テリー様のことが好きになって、諦めようと思ったけど無理だったの 本当にごめんなさい」
私はどんな顔をしてるかはわからない
やっと絞り出したのは
「あなた達は何を言っているの?私を侮辱して楽しい?テリー様、あなたがケイトより私の方が素敵だと言っていたじゃない。家同士の婚約よこんな、、、
私を傷つけて楽しい??
こんな侮辱、、
いいわ婚約は解消するわ
私はねケイト、あなたのこと大っ嫌いだったわ
もう私に二度とかかわらないで欲しいわ」
そのあとも何か喚いて、泣きながら自分の別荘にもどった
どう戻ったか覚えていない
学園が始まる頃には婚約は解消されていた
まだ暑さの残る朝、寮の門の前に紺色の髪の屈強な男が似合わない薔薇の花を持って立っていた
私に気づいて跪く
「ミリア レイウィン伯爵令嬢、私と婚約してください」
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