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番外編 サミュエル
①番外編 サミュエル
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今日は王都にある士官学校の入学式だ。
オルランディアの各地から、難しい試験をパスした優秀な少年少女が集まってきている。
将来のオルランディアを支える大切な雛鳥たちだ。
卒業後に彼らが大きく羽ばたけるように、しっかりと愛情をもって育ててあげなくてはならない。
エレーナと名を呼ばれた少女が、軽やかな足取りで壇上に上がってきた。
姓がないことから平民のようだが、新入生代表挨拶に選ばれたということは試験の成績が一番だったということだ。
試験には筆記試験だけではなく、実技試験もある。
剣や槍など得意な武器で模擬戦闘をしたり、持久走をしたりするので、どうしても女性が不利になりがちだと聞いている。
それなのに一番というのは、よほど優秀なのだろう。
どんな少女なのか、と興味を惹かれて目をこらしてみて……危うく驚きの声をあげそうになった。
顎のラインで切り揃えられた髪は艶やかな漆黒。
強い意志に輝く金色の瞳。
そして、なによりその美しい顔立ち……
アーレン殿下。
間違いない。この少女はアーレン殿下の娘だ。
ということは、母親は……
「暖かな日差しに包まれ、新緑が芽吹き始めた今日この頃、私たちはオルランディア王立士官学校の入学式を迎えることができました」
伸びやかでよく通る声。
多くの人々の注目を集めながらも、その表情は穏やかで緊張の色はない。
将軍という地位についてから毎年この入学式に来賓として参加しているが、ここまで堂々とした新入生代表は初めてだ。
挨拶を終えたエレーナは、ぺこりと頭を下げ自分の席へと戻っていった。
まだ成長途中ながらも、足が長く均整のとれたスタイルだということがわかる。
しなやかな身のこなしはどこか黒猫を彷彿とさせ、学生の大半を占める貴族の子弟よりよほど気品に溢れている。
エレーナという名の少女は、父親から多くの資質を受け継いでいるようだ。
俺以外にもエレーナを驚愕の表情で見つめている軍関係者が何人もいる。
中には涙ぐんでいるものまでいる。
無理もない、と思う。
アーレン殿下が亡くなったと公式発表されたのはもう随分前のことだが、今でもアーレン殿下の墓の前にはよく花が供えられている。
アーレン殿下はそれだけ慕われていたのだ。
式は恙なく終了し、新入生たちが退場していく。
「きみ!少し、待ってくれないか!」
俺より少し年上の軍服を着た男がエレーナを呼び止めた。
あの男も俺と同じで、かつてアーレン殿下に命を救われたことがあるのだ。
「はい、なんでしょうか」
振り返って僅かに首を傾げるエレーナは、やはりどこからどう見てもアーレン殿下にそっくりだ。
「……その……きみの……お父上は」
「父ですか?父は、今日は事情があって来れなかったのです。母と弟だけが来てくれました」
この入学式は、新入生の親族も希望すれば見に来ることができる。
ということは、ナディアが……!
俺は咄嗟に走り出しそうになったのを必死に堪えた。
もう二度と顔を見せないと、あの時約束させられたのだ。
アーレン殿下との約束を破るわけにはいかない。
「お父上は、ご健在か」
「はい。田舎で元気に暮らしていますよ」
「そうか……なら、いいのだ。呼び止めて悪かったな。入学おめでとう」
「ありがとうございます」
その男はそれ以上追及しなかった。
アーレン殿下が生きていることがわかっただけで十分だと思ったのだろう。
どちらにしろ、王家の深い事情に立ち入るのは禁物だ。
一点の曇りもなく、真っすぐな瞳をしたエレーナ。
両親からのたくさんの愛情を受けて育ったのだということがよくわかる。
そんなエレーナに黒髪の少年が駆け寄った。
どうやら弟のようだ。
そして、その後から、茶色い髪の女性が……
ナディア!
穏やかな笑みをうかべてエレーナと言葉を交わしている。
最後に会ったあの時のまま、きれいなままだ。
ナディアも、アーレン殿下からの愛情をたっぷりと注がれ続けているのだろう。
一瞬ナディアの視線が俺に向けられた気がして、どきりとした。
これ以上、ここにいてはいけない。
側に近寄れないまでも、せめてもう少し眺めていたいという気持ちを堪えて、俺は会場を後にした。
ナディア。
幸せに暮らしているんだな。
可愛い娘と息子にも恵まれて。
よかった。きみが幸せでいてくれるなら、それでいい……
俺はエレーナを遠くから見守ろうと思っていた。
エレーナが俺とナディアの過去のことを知っているのかどうかは不明だが、エレーナに直接関わるのは控えるつもりだったのだ。
それなのに、それからしばらく経った後、国王陛下の私室に呼ばれて行ってみると、そこには寛いだ様子のエレーナがいた。
「僕の姪のエレーナだよ」
「エレーナです。よろしくお願いします」
陛下はあっさりとエレーナを紹介し、エレーナもなんのわだかまりもない様子でにっこりと笑ってくれた。
「知ってる?エレーナは、この前の定期試験でも一番だったんだよ。とても優秀な子なんだ」
陛下がエレーナと同じ色の瞳を細めて褒めると、エレーナは照れたように肩を竦めた。
「剣も勉強も、父さんに習いましたから。勉強は、母さんと弟も一緒に頑張ったんですよ」
「ユージィンだけじゃなくてナディアさんも?」
「はい。母さんは、小さいころは勉強できる機会がなかったそうなので。母さんが誰よりも頑張っていたから、私も途中で投げ出すわけにもいかなくて」
ユージィンというのは弟の名らしい。
ナディアは育ての親から読み書きなどを習っていたが、本格的な勉強などしたことがなかったはずだ。
そうか、ナディアは勉強がしたかったのか……
「いくつになっても勉強するというのはいいことだよ。僕もまだまだ勉強してる途中だから、偉そうなことは言えないけどね。ナディアさんの向上心を分けてほしいくらいだ」
この国で一番偉い国王陛下にナディアさんと呼ばれているのか。
随分と親し気だが、もしかして陛下はナディアたちとよく会っているのだろうか。
「エレーナ、あれを」
「はい、伯父様。ギャラガー将軍、これを母から預かって来ました」
エレーナが手渡してくれたのは、刺繍が施されたハンカチだった。
「幸運と良縁の加護が付加されています」
「幸運と、良縁……ですか」
「いい加減に自分の幸せを見つけて、結婚しろってことだよ」
「ですが……俺は」
俺はブリジット王女と離縁してから、ずっと独身を通している。
恋人がいたこともない。
陛下からは何度も縁談を持ちかけられたが、全て断っていた。
俺なんかが幸せになる資格があるのか、と思うとどうしても乗り気になれなかったのだ。
それに、今更俺が誰かを幸せにできるとも思えなかった。
「大丈夫ですよ。母の加護は強力ですから」
「……俺が、これを貰ってもいいのだろうか」
「母は将軍のために刺繍したって言ってました。そのハンカチ、広げてみてください」
言われるがままに広げてみた。
緑の糸で縁取りと端に二文字だけというシンプルな刺繍が施されている。
「それさ、N・Sって書いてあるよね。なんでS・Gじゃないの?」
確かに、その飾り文字はN・Sと読める。
サミュエル・ギャラガーの頭文字なら、S・Gのはずなのに、と陛下は疑問に思ったようだ。
「その理由は、将軍ならご存じなのだそうです」
理由はわかる。
なるほど、確かにナディアらしい。
「これは……俺の昔のあだ名、泣き虫サミーの略です」
そう言うと、伯父と姪は揃って笑い出した。
「えええ、そんなあだ名だったの!?」
「将軍になんてことを!母さんったら、ヒドい!」
笑い続ける二人に、俺は苦笑するしかなかった。
ナディアは、俺を許してくれたのだと思う。
多分、アーレン殿下も。
その上で、俺に幸せになってもいいと言ってくれているのだ。
「ありがたく頂戴します、とご両親に伝えておいてくれないか」
「はい!必ず!」
ナディアとアーレン殿下が背中を押してくれるのなら。
俺も、自分の幸せを探してみようか。
いつか、こんな俺でも愛してくれる人が現れるかもしれない。
こんな俺でも、また誰かを愛せるかもしれない。
その時は、素直に心に従ってみよう。
このハンカチがあれば、きっとそれが叶うだろう。
オルランディアの各地から、難しい試験をパスした優秀な少年少女が集まってきている。
将来のオルランディアを支える大切な雛鳥たちだ。
卒業後に彼らが大きく羽ばたけるように、しっかりと愛情をもって育ててあげなくてはならない。
エレーナと名を呼ばれた少女が、軽やかな足取りで壇上に上がってきた。
姓がないことから平民のようだが、新入生代表挨拶に選ばれたということは試験の成績が一番だったということだ。
試験には筆記試験だけではなく、実技試験もある。
剣や槍など得意な武器で模擬戦闘をしたり、持久走をしたりするので、どうしても女性が不利になりがちだと聞いている。
それなのに一番というのは、よほど優秀なのだろう。
どんな少女なのか、と興味を惹かれて目をこらしてみて……危うく驚きの声をあげそうになった。
顎のラインで切り揃えられた髪は艶やかな漆黒。
強い意志に輝く金色の瞳。
そして、なによりその美しい顔立ち……
アーレン殿下。
間違いない。この少女はアーレン殿下の娘だ。
ということは、母親は……
「暖かな日差しに包まれ、新緑が芽吹き始めた今日この頃、私たちはオルランディア王立士官学校の入学式を迎えることができました」
伸びやかでよく通る声。
多くの人々の注目を集めながらも、その表情は穏やかで緊張の色はない。
将軍という地位についてから毎年この入学式に来賓として参加しているが、ここまで堂々とした新入生代表は初めてだ。
挨拶を終えたエレーナは、ぺこりと頭を下げ自分の席へと戻っていった。
まだ成長途中ながらも、足が長く均整のとれたスタイルだということがわかる。
しなやかな身のこなしはどこか黒猫を彷彿とさせ、学生の大半を占める貴族の子弟よりよほど気品に溢れている。
エレーナという名の少女は、父親から多くの資質を受け継いでいるようだ。
俺以外にもエレーナを驚愕の表情で見つめている軍関係者が何人もいる。
中には涙ぐんでいるものまでいる。
無理もない、と思う。
アーレン殿下が亡くなったと公式発表されたのはもう随分前のことだが、今でもアーレン殿下の墓の前にはよく花が供えられている。
アーレン殿下はそれだけ慕われていたのだ。
式は恙なく終了し、新入生たちが退場していく。
「きみ!少し、待ってくれないか!」
俺より少し年上の軍服を着た男がエレーナを呼び止めた。
あの男も俺と同じで、かつてアーレン殿下に命を救われたことがあるのだ。
「はい、なんでしょうか」
振り返って僅かに首を傾げるエレーナは、やはりどこからどう見てもアーレン殿下にそっくりだ。
「……その……きみの……お父上は」
「父ですか?父は、今日は事情があって来れなかったのです。母と弟だけが来てくれました」
この入学式は、新入生の親族も希望すれば見に来ることができる。
ということは、ナディアが……!
俺は咄嗟に走り出しそうになったのを必死に堪えた。
もう二度と顔を見せないと、あの時約束させられたのだ。
アーレン殿下との約束を破るわけにはいかない。
「お父上は、ご健在か」
「はい。田舎で元気に暮らしていますよ」
「そうか……なら、いいのだ。呼び止めて悪かったな。入学おめでとう」
「ありがとうございます」
その男はそれ以上追及しなかった。
アーレン殿下が生きていることがわかっただけで十分だと思ったのだろう。
どちらにしろ、王家の深い事情に立ち入るのは禁物だ。
一点の曇りもなく、真っすぐな瞳をしたエレーナ。
両親からのたくさんの愛情を受けて育ったのだということがよくわかる。
そんなエレーナに黒髪の少年が駆け寄った。
どうやら弟のようだ。
そして、その後から、茶色い髪の女性が……
ナディア!
穏やかな笑みをうかべてエレーナと言葉を交わしている。
最後に会ったあの時のまま、きれいなままだ。
ナディアも、アーレン殿下からの愛情をたっぷりと注がれ続けているのだろう。
一瞬ナディアの視線が俺に向けられた気がして、どきりとした。
これ以上、ここにいてはいけない。
側に近寄れないまでも、せめてもう少し眺めていたいという気持ちを堪えて、俺は会場を後にした。
ナディア。
幸せに暮らしているんだな。
可愛い娘と息子にも恵まれて。
よかった。きみが幸せでいてくれるなら、それでいい……
俺はエレーナを遠くから見守ろうと思っていた。
エレーナが俺とナディアの過去のことを知っているのかどうかは不明だが、エレーナに直接関わるのは控えるつもりだったのだ。
それなのに、それからしばらく経った後、国王陛下の私室に呼ばれて行ってみると、そこには寛いだ様子のエレーナがいた。
「僕の姪のエレーナだよ」
「エレーナです。よろしくお願いします」
陛下はあっさりとエレーナを紹介し、エレーナもなんのわだかまりもない様子でにっこりと笑ってくれた。
「知ってる?エレーナは、この前の定期試験でも一番だったんだよ。とても優秀な子なんだ」
陛下がエレーナと同じ色の瞳を細めて褒めると、エレーナは照れたように肩を竦めた。
「剣も勉強も、父さんに習いましたから。勉強は、母さんと弟も一緒に頑張ったんですよ」
「ユージィンだけじゃなくてナディアさんも?」
「はい。母さんは、小さいころは勉強できる機会がなかったそうなので。母さんが誰よりも頑張っていたから、私も途中で投げ出すわけにもいかなくて」
ユージィンというのは弟の名らしい。
ナディアは育ての親から読み書きなどを習っていたが、本格的な勉強などしたことがなかったはずだ。
そうか、ナディアは勉強がしたかったのか……
「いくつになっても勉強するというのはいいことだよ。僕もまだまだ勉強してる途中だから、偉そうなことは言えないけどね。ナディアさんの向上心を分けてほしいくらいだ」
この国で一番偉い国王陛下にナディアさんと呼ばれているのか。
随分と親し気だが、もしかして陛下はナディアたちとよく会っているのだろうか。
「エレーナ、あれを」
「はい、伯父様。ギャラガー将軍、これを母から預かって来ました」
エレーナが手渡してくれたのは、刺繍が施されたハンカチだった。
「幸運と良縁の加護が付加されています」
「幸運と、良縁……ですか」
「いい加減に自分の幸せを見つけて、結婚しろってことだよ」
「ですが……俺は」
俺はブリジット王女と離縁してから、ずっと独身を通している。
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陛下からは何度も縁談を持ちかけられたが、全て断っていた。
俺なんかが幸せになる資格があるのか、と思うとどうしても乗り気になれなかったのだ。
それに、今更俺が誰かを幸せにできるとも思えなかった。
「大丈夫ですよ。母の加護は強力ですから」
「……俺が、これを貰ってもいいのだろうか」
「母は将軍のために刺繍したって言ってました。そのハンカチ、広げてみてください」
言われるがままに広げてみた。
緑の糸で縁取りと端に二文字だけというシンプルな刺繍が施されている。
「それさ、N・Sって書いてあるよね。なんでS・Gじゃないの?」
確かに、その飾り文字はN・Sと読める。
サミュエル・ギャラガーの頭文字なら、S・Gのはずなのに、と陛下は疑問に思ったようだ。
「その理由は、将軍ならご存じなのだそうです」
理由はわかる。
なるほど、確かにナディアらしい。
「これは……俺の昔のあだ名、泣き虫サミーの略です」
そう言うと、伯父と姪は揃って笑い出した。
「えええ、そんなあだ名だったの!?」
「将軍になんてことを!母さんったら、ヒドい!」
笑い続ける二人に、俺は苦笑するしかなかった。
ナディアは、俺を許してくれたのだと思う。
多分、アーレン殿下も。
その上で、俺に幸せになってもいいと言ってくれているのだ。
「ありがたく頂戴します、とご両親に伝えておいてくれないか」
「はい!必ず!」
ナディアとアーレン殿下が背中を押してくれるのなら。
俺も、自分の幸せを探してみようか。
いつか、こんな俺でも愛してくれる人が現れるかもしれない。
こんな俺でも、また誰かを愛せるかもしれない。
その時は、素直に心に従ってみよう。
このハンカチがあれば、きっとそれが叶うだろう。
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