54 / 61
番外編 ユージィン
⑤
しおりを挟む
僕が両脚のかぎ爪で大蛇の首を掴んで飛ぶと、カンナは本当に驚いたようでまた悲鳴を上げた。
それが可愛くて、僕はつい顔が緩んでしまう。
妖精に先導されて向かうのはカンナが生まれ育った村。
上空から見下ろすと、山間の狭い平地を無理やり切り拓いたような小さな集落だった。
中央付近の広場で人が集まり、なにやら賑やかに騒いでいる様子だ。
「あれは?」
『夏至の祭り』
『神様とカンナの祝言の宴』
『一緒にお祝いしてる』
『皆集まってる』
「へぇ、なるほどね」
カンナを生贄にしておいて、自分たちは笑いながら宴会をしているわけだ。
その醜悪さについ顔を顰めたが、それも今は好都合か。
楽しい宴が突然中断されたらより印象深いことだろう。
「ちょうどいい。僕とカンナの祝言を皆に祝ってもらおうじゃないか」
僕は数秒だけ考えて、それから氷魔法を放った。
僕の身長の二倍くらいの頑丈な氷の杭が無数に現れると、カンナはまた声を上げた。
一斉に飛んでいった氷の杭は次々と地面に突き刺さり、宴を楽しむ人々を取り囲む檻となった。
これでもう誰も逃げられない。
僕が筋書きを描いた茶番劇の舞台は整った。
一瞬で楽し気な笑い声は悲鳴にとってかわり、人々は恐慌状態となった。
泣き叫んだり、逃げ場を探して走り回ったりと忙しい。
『静まれ!』
そこに、風魔法を使って至近距離に落ちた落雷のような大音量にした声を響かせた。
僕の姿を見上げた人々の間から、新たな悲鳴が上がった。
誰も押しつぶさないように慎重に場所を選んで大蛇の首を檻の内側に投げ落とし、その上にふわりと降り立った。
僕たちから離れた場所で身を寄せ合って固まった人々の間から、オロチとかカンナとか呟きが聞こえる。
二対の翼を見せつけるように大きく広げ、高い位置から人々を睥睨した。
カンナは僕の腕の中でじっと息を殺している。
『古き神は滅びた』
先ほどよりは抑えたがそれでもかなりの音量で、普通の人に出せるような声ではない。
これも神様っぽく見せるための演出だ。
人々はただ恐怖に震えながら僕を見ている。
『我が新たな山の神となりこの地を統べることとなる。これより後は我を崇めよ』
なに言ってるんだ!みたいな声は上がらない。
僕が神様だって信じてくれたようだ。
古い神様の生首の上に立つ、古い神様に捧げられたはずの花嫁を抱えた、新しい神様。
さぞや衝撃的な光景に違いない。
『長は誰だ。前に出よ』
壮年の男が一人恐る恐る進み出て、僕の前に額づいた。
それに倣うように他の人々も同じように地面に蹲った。
『村長』
『カンナの父』
『カンナいじめた』
『カンナ泣かせた』
カンナは村長の娘だったのか。
だが、なぜ父が娘を虐めるなんてことに?
『カンナの瞳珍しい色』
『カンナの母出て行った』
『カンナ産んですぐいなくなった』
『他の男の子を産んだって言われた』
そういうことか。苦い思いが僕の胸の中に広がった。
妖精が『カンナの父』と言うのだから、血のつながった父娘であるのは間違いない。
この男は妻に不貞の濡れ衣を着せ、実の娘を虐げたのだ。
悲しそうに唇を噛んだカンナの顔を、僕は改めて覗き込んだ。
「こんなにきれいな榛色なのにね。酷いことをするものだ」
そっと目にキスをしてあげると、カンナは顔を赤くして俯いた。
少し先走りすぎたかなとも思ったが、とりあえず悲しそうな表情でなくなったことに僕は満足した。
『面を上げよ』
村長の青白い顔。
目元がカンナと似ていなくもない。
『おまえはこの娘の父だな』
カンナはあんたの娘だ。神様が言うんだから信じろよ。と、言外の意味を籠めた。
『愚かなことだ。己が娘の価値すら知らず、このような下等な神に喰らわせようとするとは。おまえたちがオロチとよんだこの神の端くれより、この娘の方がよほど尊いというのに、それすらわからぬか』
どういう意味だ、という表情が人々の顔にうかんだ。
『この娘は、小さき神々に愛されている。それゆえに、この娘は住まう土地に豊穣を齎すのだ。作物はよく育ち、森の恵みもふんだんに得られるようになる。だが、そうはなってはおらぬようだな。むしろ実りは少ないはずだ。それは全て、この娘が虐げられていたからだ。小さき神々は愛する娘が害されることに胸を痛め、娘を虐げるものたちが住むこの地に恵みを与えることを止めたのだ』
僕が見る限り、人々は皆痩せている。
村を挙げての宴会だというのに、並んでいる料理も質素なものばかりで、そこからも生活が楽ではないことが窺える。
それも全て、カンナに酷いことをした報いなわけだ。
『父であるおまえは知っていたであろう?この娘が見ているのが幻ではないことを。この娘の紡ぐ言葉が真実であることを。だが、おまえはそれから目を背け、耳を貸さなかった。その行いが、本来得られるはずだった豊かな実りを奪ったのだ』
青白いを通り越して土気色になったカンナの父から、その後にいる人々へと視線を移した。
『父であり村長でもあるこの男に咎があることは間違いない。だが、それはおまえたちも同じことだ。この娘を蔑み石を投げたであろう。小さき神々の怒りを買うには十分だ。それがどれだけ恥ずべき行いであったか、わからぬとは言わせぬ。無力な女子を苛むのは、さぞ楽しかったことであろうな。その醜い心根を正さぬ限りは、この地に豊かな恵みは戻らぬと心得よ』
顔を歪めるものが数人。実際に石を投げた人たちなのだろう。
『信じずともよい。この娘は我が花嫁となった。長い間、探し求めていた娘だ。古き神を滅ぼしてまで奪ったのだ。二度とこの地に戻しはせぬ』
花嫁ってところ以外は真実だ。
そのうち全て真実にするつもりでいるんだけどね。
『古き神の棲んでいた湖の畔に祠を建て、年に一度供物を捧げよ。供物は、この地で実った作物に限る。もう花嫁はいらぬ。この娘を最後の花嫁とする。よいな!』
叩きつけるように宣言すると、全員がまた額づいた。
これでよし。作戦終了だ。
腕の中で縮こまっているカンナに、僕は笑顔を向けた。
「カンナ。ここに来るのは、これで最後だ。なにか持って行きたいものがあるなら、今のうちにとっておいで」
カンナはこげ茶色の小さな頭を横に振った。
「ううん、私、なにも持ってないから……」
「じゃあ、最後に一発殴っておきたい人はいない?」
「いなくはないけど……もういい。私の分も、ユージィンがしっかりお仕置きしてくれたから」
「そうか。カンナは優しいね」
それなら、もうこんなところに用はない。
僕はまた無駄に大きく翼を広げて、空へと駆け上がった。
僕もカンナも、二度と振り返ることはなかった。
それが可愛くて、僕はつい顔が緩んでしまう。
妖精に先導されて向かうのはカンナが生まれ育った村。
上空から見下ろすと、山間の狭い平地を無理やり切り拓いたような小さな集落だった。
中央付近の広場で人が集まり、なにやら賑やかに騒いでいる様子だ。
「あれは?」
『夏至の祭り』
『神様とカンナの祝言の宴』
『一緒にお祝いしてる』
『皆集まってる』
「へぇ、なるほどね」
カンナを生贄にしておいて、自分たちは笑いながら宴会をしているわけだ。
その醜悪さについ顔を顰めたが、それも今は好都合か。
楽しい宴が突然中断されたらより印象深いことだろう。
「ちょうどいい。僕とカンナの祝言を皆に祝ってもらおうじゃないか」
僕は数秒だけ考えて、それから氷魔法を放った。
僕の身長の二倍くらいの頑丈な氷の杭が無数に現れると、カンナはまた声を上げた。
一斉に飛んでいった氷の杭は次々と地面に突き刺さり、宴を楽しむ人々を取り囲む檻となった。
これでもう誰も逃げられない。
僕が筋書きを描いた茶番劇の舞台は整った。
一瞬で楽し気な笑い声は悲鳴にとってかわり、人々は恐慌状態となった。
泣き叫んだり、逃げ場を探して走り回ったりと忙しい。
『静まれ!』
そこに、風魔法を使って至近距離に落ちた落雷のような大音量にした声を響かせた。
僕の姿を見上げた人々の間から、新たな悲鳴が上がった。
誰も押しつぶさないように慎重に場所を選んで大蛇の首を檻の内側に投げ落とし、その上にふわりと降り立った。
僕たちから離れた場所で身を寄せ合って固まった人々の間から、オロチとかカンナとか呟きが聞こえる。
二対の翼を見せつけるように大きく広げ、高い位置から人々を睥睨した。
カンナは僕の腕の中でじっと息を殺している。
『古き神は滅びた』
先ほどよりは抑えたがそれでもかなりの音量で、普通の人に出せるような声ではない。
これも神様っぽく見せるための演出だ。
人々はただ恐怖に震えながら僕を見ている。
『我が新たな山の神となりこの地を統べることとなる。これより後は我を崇めよ』
なに言ってるんだ!みたいな声は上がらない。
僕が神様だって信じてくれたようだ。
古い神様の生首の上に立つ、古い神様に捧げられたはずの花嫁を抱えた、新しい神様。
さぞや衝撃的な光景に違いない。
『長は誰だ。前に出よ』
壮年の男が一人恐る恐る進み出て、僕の前に額づいた。
それに倣うように他の人々も同じように地面に蹲った。
『村長』
『カンナの父』
『カンナいじめた』
『カンナ泣かせた』
カンナは村長の娘だったのか。
だが、なぜ父が娘を虐めるなんてことに?
『カンナの瞳珍しい色』
『カンナの母出て行った』
『カンナ産んですぐいなくなった』
『他の男の子を産んだって言われた』
そういうことか。苦い思いが僕の胸の中に広がった。
妖精が『カンナの父』と言うのだから、血のつながった父娘であるのは間違いない。
この男は妻に不貞の濡れ衣を着せ、実の娘を虐げたのだ。
悲しそうに唇を噛んだカンナの顔を、僕は改めて覗き込んだ。
「こんなにきれいな榛色なのにね。酷いことをするものだ」
そっと目にキスをしてあげると、カンナは顔を赤くして俯いた。
少し先走りすぎたかなとも思ったが、とりあえず悲しそうな表情でなくなったことに僕は満足した。
『面を上げよ』
村長の青白い顔。
目元がカンナと似ていなくもない。
『おまえはこの娘の父だな』
カンナはあんたの娘だ。神様が言うんだから信じろよ。と、言外の意味を籠めた。
『愚かなことだ。己が娘の価値すら知らず、このような下等な神に喰らわせようとするとは。おまえたちがオロチとよんだこの神の端くれより、この娘の方がよほど尊いというのに、それすらわからぬか』
どういう意味だ、という表情が人々の顔にうかんだ。
『この娘は、小さき神々に愛されている。それゆえに、この娘は住まう土地に豊穣を齎すのだ。作物はよく育ち、森の恵みもふんだんに得られるようになる。だが、そうはなってはおらぬようだな。むしろ実りは少ないはずだ。それは全て、この娘が虐げられていたからだ。小さき神々は愛する娘が害されることに胸を痛め、娘を虐げるものたちが住むこの地に恵みを与えることを止めたのだ』
僕が見る限り、人々は皆痩せている。
村を挙げての宴会だというのに、並んでいる料理も質素なものばかりで、そこからも生活が楽ではないことが窺える。
それも全て、カンナに酷いことをした報いなわけだ。
『父であるおまえは知っていたであろう?この娘が見ているのが幻ではないことを。この娘の紡ぐ言葉が真実であることを。だが、おまえはそれから目を背け、耳を貸さなかった。その行いが、本来得られるはずだった豊かな実りを奪ったのだ』
青白いを通り越して土気色になったカンナの父から、その後にいる人々へと視線を移した。
『父であり村長でもあるこの男に咎があることは間違いない。だが、それはおまえたちも同じことだ。この娘を蔑み石を投げたであろう。小さき神々の怒りを買うには十分だ。それがどれだけ恥ずべき行いであったか、わからぬとは言わせぬ。無力な女子を苛むのは、さぞ楽しかったことであろうな。その醜い心根を正さぬ限りは、この地に豊かな恵みは戻らぬと心得よ』
顔を歪めるものが数人。実際に石を投げた人たちなのだろう。
『信じずともよい。この娘は我が花嫁となった。長い間、探し求めていた娘だ。古き神を滅ぼしてまで奪ったのだ。二度とこの地に戻しはせぬ』
花嫁ってところ以外は真実だ。
そのうち全て真実にするつもりでいるんだけどね。
『古き神の棲んでいた湖の畔に祠を建て、年に一度供物を捧げよ。供物は、この地で実った作物に限る。もう花嫁はいらぬ。この娘を最後の花嫁とする。よいな!』
叩きつけるように宣言すると、全員がまた額づいた。
これでよし。作戦終了だ。
腕の中で縮こまっているカンナに、僕は笑顔を向けた。
「カンナ。ここに来るのは、これで最後だ。なにか持って行きたいものがあるなら、今のうちにとっておいで」
カンナはこげ茶色の小さな頭を横に振った。
「ううん、私、なにも持ってないから……」
「じゃあ、最後に一発殴っておきたい人はいない?」
「いなくはないけど……もういい。私の分も、ユージィンがしっかりお仕置きしてくれたから」
「そうか。カンナは優しいね」
それなら、もうこんなところに用はない。
僕はまた無駄に大きく翼を広げて、空へと駆け上がった。
僕もカンナも、二度と振り返ることはなかった。
39
お気に入りに追加
498
あなたにおすすめの小説

白い結婚は無理でした(涙)
詩森さよ(さよ吉)
恋愛
わたくし、フィリシアは没落しかけの伯爵家の娘でございます。
明らかに邪な結婚話しかない中で、公爵令息の愛人から契約結婚の話を持ち掛けられました。
白い結婚が認められるまでの3年間、お世話になるのでよい妻であろうと頑張ります。
小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
現在、筆者は時間的かつ体力的にコメントなどの返信ができないため受け付けない設定にしています。
どうぞよろしくお願いいたします。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

醜い傷ありと蔑まれてきた私の顔に刻まれていたのは、選ばれし者の証である聖痕でした。今更、態度を改められても許せません。
木山楽斗
恋愛
エルーナの顔には、生まれつき大きな痣がある。
その痣のせいで、彼女は醜い傷ありと蔑まれて生きてきた。父親や姉達から嫌われて、婚約者からは婚約破棄されて、彼女は、痣のせいで色々と辛い人生を送っていたのである。
ある時、彼女の痣に関してとある事実が判明した。
彼女の痣は、聖痕と呼ばれる選ばれし者の証だったのだ。
その事実が判明して、彼女の周囲の人々の態度は変わった。父親や姉達からは媚を売られて、元婚約者からは復縁を迫られて、今までの態度とは正反対の態度を取ってきたのだ。
流石に、エルーナもその態度は頭にきた。
今更、態度を改めても許せない。それが彼女の素直な気持ちだったのだ。
※5話目の投稿で、間違って別の作品の5話を投稿してしまいました。申し訳ありませんでした。既に修正済みです。

【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜
白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。
舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。
王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。
「ヒナコのノートを汚したな!」
「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」
小説家になろう様でも投稿しています。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
【完結】お見合いに現れたのは、昨日一緒に食事をした上司でした
楠結衣
恋愛
王立医務局の調剤師として働くローズ。自分の仕事にやりがいを持っているが、行き遅れになることを家族から心配されて休日はお見合いする日々を過ごしている。
仕事量が多い連休明けは、なぜか上司のレオナルド様と二人きりで仕事をすることを不思議に思ったローズはレオナルドに質問しようとするとはぐらかされてしまう。さらに夕食を一緒にしようと誘われて……。
◇表紙のイラストは、ありま氷炎さまに描いていただきました♪
◇全三話予約投稿済みです

王女殿下の秘密の恋人である騎士と結婚することになりました
鳴哉
恋愛
王女殿下の侍女と
王女殿下の騎士 の話
短いので、サクッと読んでもらえると思います。
読みやすいように、3話に分けました。
毎日1回、予約投稿します。

燻らせた想いは口付けで蕩かして~睦言は蜜毒のように甘く~
二階堂まや
恋愛
北西の国オルデランタの王妃アリーズは、国王ローデンヴェイクに愛されたいがために、本心を隠して日々を過ごしていた。 しかしある晩、情事の最中「猫かぶりはいい加減にしろ」と彼に言われてしまう。
夫に嫌われたくないが、自分に自信が持てないため涙するアリーズ。だがローデンヴェイクもまた、言いたいことを上手く伝えられないもどかしさを密かに抱えていた。
気持ちを伝え合った二人は、本音しか口にしない、隠し立てをしないという約束を交わし、身体を重ねるが……?
「こんな本性どこに隠してたんだか」
「構って欲しい人だったなんて、思いませんでしたわ」
さてさて、互いの本性を知った夫婦の行く末やいかに。
+ムーンライトノベルズにも掲載しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる