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学園生活(カッコカリ)
第31話 ネーデルの小言
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「流石に寮全体を燃やすのはやり過ぎだ。今後は気をつけるように……といっても当の本人がいないんだ。君たちは……まあ気の毒だったな」
疲れ切った顔をしたネーデルはそう言った。
ネーデルの部屋は片付いている、ごく普通の部屋だった。
本の海がどこまでも続いているとか、そう言うことは無い。
寮生活をする男の部屋なんてのは女子と同じか、もっと酷いもののような気がしていたが、逆だった。
何か負けたような気がする。
「部屋の件はアリシアから聞いている、君達ぐらいの魔術師ならすぐ直してるものだとばかり」
「例の魔人事件の所為で暫く軟禁状態だったので」
「ああ、そうか、無事で何よりだよ」
「は、はは」
苦笑いのモモ。
この優男の目は何か感づいていそうで恐ろしい。
この場にいないアリシアは、
「魔術建築なら、ネーデルにおまかせー、あ、私は用事あるから!」
とか言って、自分も呼び出されている筈なのに、彼の部屋の前に私達を置いて消えた。
「お茶でも飲むかい?」
「あ、いえ、結構です。アリシアさんに頂いたので……」
流石にこれ以上はお腹が一杯。
それ以上に……またあの不思議存在みたいなのが出てこないとも限らない。
「そうか…」
沈黙が訪れる。
イヴは椅子やら机やらを観察している。
よしそういうのを作って欲しいんだ。
不思議空間とか蠢くチェストとかは要らない。
「あまり会話に花を咲かせる気性ではなくてね…、あぁそうだ、部屋の修復だったか」
「そ、そうです。どうしたものかと思いまして…」
「メルセン曰く好きにしていいらしいからね、他のところを壊したり触らなければ僕としても大体は許可するよ」
あ、そういやこの人そういう立場でもあったか。寮長だっけか。
好きにしていいとか、なんでもいいってのは、本当に困るんだよなぁ。本当その通りにしていいんなら良いんだけど。
「そうだ、寮の中にはよくわからない魔術とかが掛かってる場合が多いから気をつけるんだよ?下手に壁から素材を取ろうとすると、その壁に紐付いてる魔術が破綻して、大変な事になるからね」
「さっきの本みたいな感じですか?」
「アレくらいなら可愛いものだね。この寮の中はかなり空間魔術が絡み合ってるし、しかも、あの地下迷宮とも繋がってるから、下手すれば、二度と帰ってこれない場所に飛ばされるかもしれないね」
そりゃあ部屋に魔術を掛けるのにも、この人の許可が必要になる訳だわ。
「かく言うこの僕の部屋にも魔術がかかっていてね」
「どんなのですか?」
無限に荷物が入る部屋とか、壊れたけど地面に沈むエレベーターとかあったんだから、ここの機能もなんか面白い効果あるんだろう。
「見てもらった方が早いだろう、そこの入り口の扉を開けてくれ」
「はい」
モモが入り口を開く。
するとその先は廊下ではなく別の部屋になっていた。
「えっ」
「その扉はこの寮の部屋なら全て自由に行く事が出来るんだ」
以外に大した事なかった。
寮の部屋なんて行けても何の意味があるというのか。
「地味だと思うかい?」
「え、いやそんな…」
誤魔化すように否定するモモ。
あの衝撃的な部屋を見たからか、モモも似たような感想を持っていたらしい。
いや、まあうん。仕方ないよね。寮の中しか行けないんじゃ何の希望もないし。
「この部屋の有用性は多分分かりにくいと思うんだけど……そうだな。簡単に説明するとこの寮は"まだ人が入ったことの無い部屋の方が多い"って言ったら信じるかい?」
「この寮の話を聞くと無理もないような…生徒も少ないですし他より」
「そういう話じゃなくてね、そうだな、入り方の分からない部屋に入れるってことなんだ。この本を見てくれ」
「は、はぁ」
ネーデルが差し出した本を見る。
表紙には何か色々と書いてあるが私にはっきりと読めたのは一行。
『虚空塔編集記録』
というタイトルである事。
「"虚空塔編集記録"?何ですかこれ」
「……これは、はるか大昔に書かれた物でね……まあいいか。」
ネーデルは微笑む、何故か目は決して笑っていなかったが。
「どうやら君は"とても"優秀なようだね、中身は建物の事が書いてあるみたいなんだ。最初のページには塔の絵が書いてあるだろう、それが何なのかは分かってないんだけど、後の方の、部屋の事が書いてあるページを見ると、大体今のこの寮にある空間魔術掛かった部屋と、その機能が一致してるんだよ」
「大体って言うのは?」
「本に書いてあって、この寮の部屋の中には無かった部屋の方が多かったんだ。」
「じゃあ一致してるのってたまたまなんじゃ…」
「そこでこの部屋の出番になる、ちょっと本を渡してくれ、ここには何で書いてある?」
ネーデルが指差した先、そこには"塩湖の部屋"と書いてあった。
「"塩湖の部屋"って書いてありますけど」
「そう、その通り、絵にも書いてある通り塩湖がある部屋なんだ」
「塩湖って何ですか?」
モモが不思議がって尋ねる。
「行ってみればわかるだろう」
本を手に扉の前に立つネーデル。
空いていた扉を締め、もう一度彼が扉を開くと、その先は青と白の世界。
天と地に雲が浮かび、二つの空を湛える景色。
そこには風の凪いだ静かな塩湖が広がっていた。
空を写す浅い塩湖は、大地の果てまで、巨大な鏡のようになっていた。
「こう言うことさ、この部屋は確かに寮の部屋ならどこにでもいけるんだ。この寮の中に入り口がなくてもね」
「こんな景色があるなんて……」
モモは感動しているようだが、正直私は食傷気味な風景だ。なんせオープンニングで出てくるし。みんな好き過ぎか?まあ凄い事には変わりないんだけど。
少しドヤ顔のネーデルを見る。
果たしてこの部屋でどのくらいの下級生を口説いたのだろうか。
下世話な想像だけどもこんな機能付きの部屋でそんなことをしない訳がない、むしろ私の部屋によこせ。
「まだ開けたことの無い部屋はいくつもある、まあ、探検するには良いかもしれないね。命がいくつ居るのか、わからないけどね」
そう言って笑う。なるほど確かに、この部屋があればかなり幅のある悪用ができそうだ。
でもそうすると私たちの部屋にはどう言う機能があったんだろう。
「じゃあ、私たちの部屋のことは書いてあるんですか?」
「あくまで機能が一致してるだけなんだ。本には寮のどこの部屋なのかは書いてない。でも一年生の部屋は安全も考えて、なるべく普通の部屋を割り振ってるはずだから…」
「そうなんですか…」
しょんぼりしてるモモ。
訳の分からない魔術掛かってるよりは良いと思う。
「あの、ちょっと見てきても良いですか?」
「どうぞ、好きなように」
「ありがとうございます!ルル!行くよ!」
モモは初めて見たらしい風景に、はしゃいでいるのかルルを引き連れて走って行く。
確かにこの世界観の人々なら初めて見る風景なのかもしれない、中世ファンタジー世界になさそうだし。いや知らんけど。
「君は行かなくても良いのかい?」
「ご冗談を、まさか綺麗なだけの空間なんてあり得ないでしょう?無限に物が入る部屋が底無しだったように、何か罠か欠陥があるはずです」
「……裁定の剣がお墨付きを与えるだけの事はあるな」
「じゃあ、つまり」
「その通り、あの部屋は有害だ、長居すると死んでしまう」
「……!?」
やっぱりそう言うやつか!
思わず駆け出す。
モモは多少遠くまで行ってしまったが、追いつくのはそれほど難しい事でもないだろう。
「モモ!!早く戻って来て!!この部屋にいると死ぬ!」
必死に叫んでモモを引き止める。
「え、どうしたんですかフーカさん?見てくださいよこの景色!凄くないですか!?」
「いや、いい、早くここを出よ……え?」
入ってきた筈の扉は無くなっていた。
◆◆◆◆◆◆◆
フーカは脱兎の如く駆け出して行った。
「冗談--ってフーカ君!?」
勢いよく扉に入り、そして閉めてしまった。
「あっ」
閉じると向こう側からは扉が消えるのだ。
恐らく、彼女からすると"長居すると死ぬ"ような部屋に閉じ込められたように感じるのではないだろうか。
僕の印象があらぬ方向へと向かってしまうのではなかろうか?
いや、今回騒ぎを起こした彼女たちへ反省の意味も込めて少しの間置いておくのはどうだろうか。
まあいいか、少しあの部屋で反省しててもらおう。
疲れ切った顔をしたネーデルはそう言った。
ネーデルの部屋は片付いている、ごく普通の部屋だった。
本の海がどこまでも続いているとか、そう言うことは無い。
寮生活をする男の部屋なんてのは女子と同じか、もっと酷いもののような気がしていたが、逆だった。
何か負けたような気がする。
「部屋の件はアリシアから聞いている、君達ぐらいの魔術師ならすぐ直してるものだとばかり」
「例の魔人事件の所為で暫く軟禁状態だったので」
「ああ、そうか、無事で何よりだよ」
「は、はは」
苦笑いのモモ。
この優男の目は何か感づいていそうで恐ろしい。
この場にいないアリシアは、
「魔術建築なら、ネーデルにおまかせー、あ、私は用事あるから!」
とか言って、自分も呼び出されている筈なのに、彼の部屋の前に私達を置いて消えた。
「お茶でも飲むかい?」
「あ、いえ、結構です。アリシアさんに頂いたので……」
流石にこれ以上はお腹が一杯。
それ以上に……またあの不思議存在みたいなのが出てこないとも限らない。
「そうか…」
沈黙が訪れる。
イヴは椅子やら机やらを観察している。
よしそういうのを作って欲しいんだ。
不思議空間とか蠢くチェストとかは要らない。
「あまり会話に花を咲かせる気性ではなくてね…、あぁそうだ、部屋の修復だったか」
「そ、そうです。どうしたものかと思いまして…」
「メルセン曰く好きにしていいらしいからね、他のところを壊したり触らなければ僕としても大体は許可するよ」
あ、そういやこの人そういう立場でもあったか。寮長だっけか。
好きにしていいとか、なんでもいいってのは、本当に困るんだよなぁ。本当その通りにしていいんなら良いんだけど。
「そうだ、寮の中にはよくわからない魔術とかが掛かってる場合が多いから気をつけるんだよ?下手に壁から素材を取ろうとすると、その壁に紐付いてる魔術が破綻して、大変な事になるからね」
「さっきの本みたいな感じですか?」
「アレくらいなら可愛いものだね。この寮の中はかなり空間魔術が絡み合ってるし、しかも、あの地下迷宮とも繋がってるから、下手すれば、二度と帰ってこれない場所に飛ばされるかもしれないね」
そりゃあ部屋に魔術を掛けるのにも、この人の許可が必要になる訳だわ。
「かく言うこの僕の部屋にも魔術がかかっていてね」
「どんなのですか?」
無限に荷物が入る部屋とか、壊れたけど地面に沈むエレベーターとかあったんだから、ここの機能もなんか面白い効果あるんだろう。
「見てもらった方が早いだろう、そこの入り口の扉を開けてくれ」
「はい」
モモが入り口を開く。
するとその先は廊下ではなく別の部屋になっていた。
「えっ」
「その扉はこの寮の部屋なら全て自由に行く事が出来るんだ」
以外に大した事なかった。
寮の部屋なんて行けても何の意味があるというのか。
「地味だと思うかい?」
「え、いやそんな…」
誤魔化すように否定するモモ。
あの衝撃的な部屋を見たからか、モモも似たような感想を持っていたらしい。
いや、まあうん。仕方ないよね。寮の中しか行けないんじゃ何の希望もないし。
「この部屋の有用性は多分分かりにくいと思うんだけど……そうだな。簡単に説明するとこの寮は"まだ人が入ったことの無い部屋の方が多い"って言ったら信じるかい?」
「この寮の話を聞くと無理もないような…生徒も少ないですし他より」
「そういう話じゃなくてね、そうだな、入り方の分からない部屋に入れるってことなんだ。この本を見てくれ」
「は、はぁ」
ネーデルが差し出した本を見る。
表紙には何か色々と書いてあるが私にはっきりと読めたのは一行。
『虚空塔編集記録』
というタイトルである事。
「"虚空塔編集記録"?何ですかこれ」
「……これは、はるか大昔に書かれた物でね……まあいいか。」
ネーデルは微笑む、何故か目は決して笑っていなかったが。
「どうやら君は"とても"優秀なようだね、中身は建物の事が書いてあるみたいなんだ。最初のページには塔の絵が書いてあるだろう、それが何なのかは分かってないんだけど、後の方の、部屋の事が書いてあるページを見ると、大体今のこの寮にある空間魔術掛かった部屋と、その機能が一致してるんだよ」
「大体って言うのは?」
「本に書いてあって、この寮の部屋の中には無かった部屋の方が多かったんだ。」
「じゃあ一致してるのってたまたまなんじゃ…」
「そこでこの部屋の出番になる、ちょっと本を渡してくれ、ここには何で書いてある?」
ネーデルが指差した先、そこには"塩湖の部屋"と書いてあった。
「"塩湖の部屋"って書いてありますけど」
「そう、その通り、絵にも書いてある通り塩湖がある部屋なんだ」
「塩湖って何ですか?」
モモが不思議がって尋ねる。
「行ってみればわかるだろう」
本を手に扉の前に立つネーデル。
空いていた扉を締め、もう一度彼が扉を開くと、その先は青と白の世界。
天と地に雲が浮かび、二つの空を湛える景色。
そこには風の凪いだ静かな塩湖が広がっていた。
空を写す浅い塩湖は、大地の果てまで、巨大な鏡のようになっていた。
「こう言うことさ、この部屋は確かに寮の部屋ならどこにでもいけるんだ。この寮の中に入り口がなくてもね」
「こんな景色があるなんて……」
モモは感動しているようだが、正直私は食傷気味な風景だ。なんせオープンニングで出てくるし。みんな好き過ぎか?まあ凄い事には変わりないんだけど。
少しドヤ顔のネーデルを見る。
果たしてこの部屋でどのくらいの下級生を口説いたのだろうか。
下世話な想像だけどもこんな機能付きの部屋でそんなことをしない訳がない、むしろ私の部屋によこせ。
「まだ開けたことの無い部屋はいくつもある、まあ、探検するには良いかもしれないね。命がいくつ居るのか、わからないけどね」
そう言って笑う。なるほど確かに、この部屋があればかなり幅のある悪用ができそうだ。
でもそうすると私たちの部屋にはどう言う機能があったんだろう。
「じゃあ、私たちの部屋のことは書いてあるんですか?」
「あくまで機能が一致してるだけなんだ。本には寮のどこの部屋なのかは書いてない。でも一年生の部屋は安全も考えて、なるべく普通の部屋を割り振ってるはずだから…」
「そうなんですか…」
しょんぼりしてるモモ。
訳の分からない魔術掛かってるよりは良いと思う。
「あの、ちょっと見てきても良いですか?」
「どうぞ、好きなように」
「ありがとうございます!ルル!行くよ!」
モモは初めて見たらしい風景に、はしゃいでいるのかルルを引き連れて走って行く。
確かにこの世界観の人々なら初めて見る風景なのかもしれない、中世ファンタジー世界になさそうだし。いや知らんけど。
「君は行かなくても良いのかい?」
「ご冗談を、まさか綺麗なだけの空間なんてあり得ないでしょう?無限に物が入る部屋が底無しだったように、何か罠か欠陥があるはずです」
「……裁定の剣がお墨付きを与えるだけの事はあるな」
「じゃあ、つまり」
「その通り、あの部屋は有害だ、長居すると死んでしまう」
「……!?」
やっぱりそう言うやつか!
思わず駆け出す。
モモは多少遠くまで行ってしまったが、追いつくのはそれほど難しい事でもないだろう。
「モモ!!早く戻って来て!!この部屋にいると死ぬ!」
必死に叫んでモモを引き止める。
「え、どうしたんですかフーカさん?見てくださいよこの景色!凄くないですか!?」
「いや、いい、早くここを出よ……え?」
入ってきた筈の扉は無くなっていた。
◆◆◆◆◆◆◆
フーカは脱兎の如く駆け出して行った。
「冗談--ってフーカ君!?」
勢いよく扉に入り、そして閉めてしまった。
「あっ」
閉じると向こう側からは扉が消えるのだ。
恐らく、彼女からすると"長居すると死ぬ"ような部屋に閉じ込められたように感じるのではないだろうか。
僕の印象があらぬ方向へと向かってしまうのではなかろうか?
いや、今回騒ぎを起こした彼女たちへ反省の意味も込めて少しの間置いておくのはどうだろうか。
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