Mの日常

ナメクジ

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Mの朝

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 朝、まだ、まどろみの中にいる僕の下腹部に何か柔らかみのある重圧を感じた。グイッ、グイッ、と容赦のない、強い力で下腹部を押される感覚が夢うつつでありながらも感じられる。勿論、痛い、痛いのだが、眠っている間に尿が溜まった膀胱を圧迫されるのは、非常に刺激的な快感を伴う。圧迫されるたびに尿が尿道を駆け巡り、尿道口まで達するものの飛び出る事なく、放尿時に感じることのできる解放感を与えることを焦らす。同時に、竿の血管部分に血液が熱く、激しく流れ、溜まった血液が、逃げ場所を求めるようにドックン、ドックンと血管を内側から攻める。次第に、竿に鋼の如き硬質さが宿り、下着を突き破らんばかりに力強く反り返っていく。その時の裏筋に布が擦れる感覚もまた快感だ。
 刺激的でありながらもふわふわと宙に浮くような気持ち良さに、段々と意識が現実に戻り、目をゆっくりと開けた。
 
 ぼやけた視界には頭から生えた三角形の耳をぴょこぴょこと微動させながら、大きな目を輝かせながら恍惚とした表情で、僕の下腹部を柔らかい肉球のついた足で踏みつける犬の少女がいた。少女の名前は永野ユキ、僕の幼馴染みで半獣半人の少女だ。ユキは僕が性的興奮を催した時に出すオスの臭いに発情するらしく、毎朝僕の部屋に侵入し、僕に性的快楽を与えては一人で発情している。いや、僕も快感を感じている以上、発情していると言ってもいいので、正確には二人、だ。
「あはぁ、すごい、ズボンハチ切れそうだよ」
ユキが興奮まじりにそう言い、足を先ほどの位置よりも少し下方の、竿のある部分に移動させた。
「ほら、コ・コ、すごく硬くなってる」 
ユキはズボン越しに狼爪を竿の裏筋に喰い込ませながら、縦横無尽になぞっていく。それがまた僕を快楽へと誘う。
「ふふっ、何でこんなになってるのかな?踏まれて興奮したの?相変わらず変態だね」
興奮しているのは事実なので僕に反論の余地は無い。幼馴染みということもあり、どんな事をすれば僕が快感なのかがユキにはある程度分かっているのだ。
「変態、ホント気持ち悪い、君のこのもやしみたいな情けないモノに触れるだけで、ゴキブリが足裏を這い回っている様な感触に襲われるの分かる?」
ユキの言葉責めが始まる。普段、友人と会話している時のようなキャピキャピとした、喉に負担をかけた声ではなく、それよりも無理のないプライベートな声で罵倒されるのは非常に心地良い。ついつい顔が緩んでしまう。
「は?なにニヤケてんの、気持ち悪っ、マジで死ねよ、死ねっ死ねっ」
息を荒げ、激しい罵倒の言葉を浴びせながらユキは肉球部分で僕の竿を潰す勢いで思いっ切り蹴りつける。偶に狙いが外れ、睾丸が攻撃されることもあり、その際には脳天を突き抜けるような激痛と共に、昇天してしまうほどの快楽が僕に訪れる。睾丸の中に溜まった精液が大きな刺激を受ける事で吃驚し、活発に動き出す。尿道にこみ上げてくるのを感じ、僕の顔に熱気が宿る。
「あっ、やばっ、ユキッ僕もうっ!」
先程から与えられる天恵のような快楽によって意識が朦朧としているなか、遂に絶頂に達してしまうのだという事を僕は鳴き声のような音を発して伝える。すると、ユキの足はピタリと静止し、蹴るのをやめた。かわりに、両足を僕の股間に伸ばし、先ほどとは打って変わって、優しく、慈しむように撫で回し始める。刺激が弱くなったため、精液の動きは緩慢になり、ゆっくりと尿道を上昇する。精液が外に飛び出ようとすると竿が大きく震えるが、その度にユキは足の動きを止め、それを阻止する。
「さっきから、ビクンッて可愛く震えてるんだけど、どうしたのかな?コレ」
右足の狼爪の先端で竿を何度か軽くつつきながら、ユキはいじらしく僕に問いかける。
「イッ、イキそうになっ…くぅっ!なってる」
「ねぇ、イキたい?だったらちゃんと私にどうして欲しいかお願いしなきゃね」
情けない声を絞り出し答える僕に、ユキはさらに追い討ちをかける。
「ユキの…」
「ユキ?ゴミムシの分際で私のこと呼び捨てにするんだ」
「ユキ様の汚れなき美しい御御足で、そこら辺に落ちている埃よりも価値のない、蔑まれて悦びを感じてしまうような情けない竿に溜まっている、きったない精液を外気に触れさせる許可をいただきたいですぅぅぅ」
「ふぅん、ま、ギリ及第点ってとこかな、いいよ、しょうがないからイカせてあげる、ほら早く射精しなよ」
そう言うと、ユキはまた意地の悪い顔をして両足で僕の竿を今度は雑に、激しく撫で回す。また活発になった精液は一気に尿道口まで上昇する。竿が、まるで寄生虫がいるかの如く太い血管を浮き出させ、ビクンッ、ビクンッ、と何度も大きな痙攣を繰り返す。そして、遂に精液が尿道口から飛び出し、僕の下着に粘性の強い液体がぶち撒けられる。瞬間、僕の脳内には宇宙が映し出された。何もかもを飲み込んでしまいそうな暗闇を背景に、点々と小さく微弱な光を発する無数の星々、遥か彼方の銀河にはそれらが集まって出来ている煌びやかな天の川が薄く輝いている。宇宙とは、真理とは、現実とは、虚構とは、正義とは、悪とは、色々な思考が頭の中に浮かぶものの、それらは今感じている快楽の副産物でしかないことを僕は知っている。

これが僕の朝だ。
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