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唐揚げ戦争
しおりを挟む「ありがとね。葵くんと付き合えて本当嬉しい。これからよろしくね。」
「…!」
家にウキウキで帰ると夕飯の支度が既にできていた。
手洗いうがいを済ませた俺は自分の席に座ると小さな異変に気付いた。
「あれ?俺だけ唐揚げ少なくない?」
「え、ちゃんとみんな同じ分だけ盛ったけど?」
俺の言葉に少しムッとしながら母さんが反論する。
それでも明らかに少ない唐揚げを数えていると
弟の旭が勝ち誇ったかのような顔で口出しをしてきた。
「お前の唐揚げは俺への償いとして一個食べといてやった。」
「なんだそれ。ふざけんな。」
弟の表情と意味の分からない言葉にイラっとした俺は唐揚げを奪還するべく
まだ箸をつけていない弟の唐揚げ皿へと箸を伸ばしていた。
そんなやりとりをしょうがない二人ね!と半ばあきれ気味に見ている母さん。
いろんなことがあった一日だったけど、
とりあえず目の前にある獲物は逃さない精神で
今日も俺の日常は平和に過ぎていった。
【おわり】
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