6 / 7
幸せな帰り道
しおりを挟む
「おつかれ~。」
「あ、お疲れ様ですっ…。」
さっきのことがあり、若干気まずそうな堀ちゃん。
事務室で待っている間に化粧や服も着替えたのかバイト中よりもかわいく見える。
「じゃ、帰ろっか。」
「はい。」
そう言って裏口から二人で出て帰る。
堀ちゃんは駅までいつも歩いて帰るらしく
今日は俺の自転車の後ろに乗せて駅まで送って行くことになった。
(良い子は真似しないでね)
「危ないから俺の腰持っててね。」
「…はい。」
そう言ってぎこちなく腰をつかむ堀ちゃん。
いろいろ初めてなのかな?と変な妄想や想像をしてしまうあたり、
自分が年をとったことと汚れているなと少し落ち込む。
「丸山さんって今まで何人の人と付き合ったことあるんですか?」
「へ?」
「あ、いや…。あたしこういうの初めてで…。
なんか緊張しちゃって。」
「こんなガチガチの子をチャリの後ろに乗せるのは初めてかな~(笑)」
「もうっ。からかわないでくださいよ。」
「あはは~。でも、悪くないよ。」
「え?」
「堀ちゃんのピュアな感じ、俺好きかも。」
「…!」
「あのさ、これからツバサって呼んでいい?」
「えっ…。」
「せっかく彼氏、彼女になったんだから名前で呼ぼうよ。
だから俺のことも葵くんって呼んでね(笑)」
「待って。それはちょっと無理です。」
「なんでよー。」
「さすがにいきなりは恥ずかしすぎです。」
「だーめ。最初にこういうの慣れとかないと後から変える方が難しくなるって。」
「じゃあ…葵くん。」
「ん?聞こえない~、もっかい。」
「葵くんっ!」
「っぷはは!本当ツバサ可愛いね。腰持ってる手、めっちゃ熱いよ?」
「もーうっ、あんまりからかわないでよねっ!」
「わりわり~。…はい、そんなこんなで駅つきましたよ、姫♪」
「…!」
すっかり調子を取り戻した俺にたじたじな堀ちゃん。
それでも最後に彼女なりに
勇気を振り絞っていった台詞が可愛すぎて俺は心臓を射抜かれてしまった。
「あ、お疲れ様ですっ…。」
さっきのことがあり、若干気まずそうな堀ちゃん。
事務室で待っている間に化粧や服も着替えたのかバイト中よりもかわいく見える。
「じゃ、帰ろっか。」
「はい。」
そう言って裏口から二人で出て帰る。
堀ちゃんは駅までいつも歩いて帰るらしく
今日は俺の自転車の後ろに乗せて駅まで送って行くことになった。
(良い子は真似しないでね)
「危ないから俺の腰持っててね。」
「…はい。」
そう言ってぎこちなく腰をつかむ堀ちゃん。
いろいろ初めてなのかな?と変な妄想や想像をしてしまうあたり、
自分が年をとったことと汚れているなと少し落ち込む。
「丸山さんって今まで何人の人と付き合ったことあるんですか?」
「へ?」
「あ、いや…。あたしこういうの初めてで…。
なんか緊張しちゃって。」
「こんなガチガチの子をチャリの後ろに乗せるのは初めてかな~(笑)」
「もうっ。からかわないでくださいよ。」
「あはは~。でも、悪くないよ。」
「え?」
「堀ちゃんのピュアな感じ、俺好きかも。」
「…!」
「あのさ、これからツバサって呼んでいい?」
「えっ…。」
「せっかく彼氏、彼女になったんだから名前で呼ぼうよ。
だから俺のことも葵くんって呼んでね(笑)」
「待って。それはちょっと無理です。」
「なんでよー。」
「さすがにいきなりは恥ずかしすぎです。」
「だーめ。最初にこういうの慣れとかないと後から変える方が難しくなるって。」
「じゃあ…葵くん。」
「ん?聞こえない~、もっかい。」
「葵くんっ!」
「っぷはは!本当ツバサ可愛いね。腰持ってる手、めっちゃ熱いよ?」
「もーうっ、あんまりからかわないでよねっ!」
「わりわり~。…はい、そんなこんなで駅つきましたよ、姫♪」
「…!」
すっかり調子を取り戻した俺にたじたじな堀ちゃん。
それでも最後に彼女なりに
勇気を振り絞っていった台詞が可愛すぎて俺は心臓を射抜かれてしまった。
0
お気に入りに追加
6
あなたにおすすめの小説

仲の良かったはずの婚約者に一年無視され続け、婚約解消を決意しましたが
ゆらゆらぎ
恋愛
エルヴィラ・ランヴァルドは第二王子アランの幼い頃からの婚約者である。仲睦まじいと評判だったふたりは、今では社交界でも有名な冷えきった仲となっていた。
定例であるはずの茶会もなく、婚約者の義務であるはずのファーストダンスも踊らない
そんな日々が一年と続いたエルヴィラは遂に解消を決意するが──


私を棄てて選んだその妹ですが、継母の私生児なので持参金ないんです。今更ぐだぐだ言われても、私、他人なので。
百谷シカ
恋愛
「やったわ! 私がお姉様に勝てるなんて奇跡よ!!」
妹のパンジーに悪気はない。この子は継母の連れ子。父親が誰かはわからない。
でも、父はそれでいいと思っていた。
母は早くに病死してしまったし、今ここに愛があれば、パンジーの出自は問わないと。
同等の教育、平等の愛。私たちは、血は繋がらずとも、まあ悪くない姉妹だった。
この日までは。
「すまないね、ラモーナ。僕はパンジーを愛してしまったんだ」
婚約者ジェフリーに棄てられた。
父はパンジーの結婚を許した。但し、心を凍らせて。
「どういう事だい!? なぜ持参金が出ないんだよ!!」
「その子はお父様の実子ではないと、あなたも承知の上でしょう?」
「なんて無礼なんだ! 君たち親子は破滅だ!!」
2ヶ月後、私は王立図書館でひとりの男性と出会った。
王様より科学の研究を任された侯爵令息シオドリック・ダッシュウッド博士。
「ラモーナ・スコールズ。私の妻になってほしい」
運命の恋だった。
=================================
(他エブリスタ様に投稿・エブリスタ様にて佳作受賞作品)

あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。

あなたには、この程度のこと、だったのかもしれませんが。
ふまさ
恋愛
楽しみにしていた、パーティー。けれどその場は、信じられないほどに凍り付いていた。
でも。
愉快そうに声を上げて笑う者が、一人、いた。

裏切られた令嬢は死を選んだ。そして……
希猫 ゆうみ
恋愛
スチュアート伯爵家の令嬢レーラは裏切られた。
幼馴染に婚約者を奪われたのだ。
レーラの17才の誕生日に、二人はキスをして、そして言った。
「一度きりの人生だから、本当に愛せる人と結婚するよ」
「ごめんねレーラ。ロバートを愛してるの」
誕生日に婚約破棄されたレーラは絶望し、生きる事を諦めてしまう。
けれど死にきれず、再び目覚めた時、新しい人生が幕を開けた。
レーラに許しを請い、縋る裏切り者たち。
心を鎖し生きて行かざるを得ないレーラの前に、一人の求婚者が現れる。
強く気高く冷酷に。
裏切り者たちが落ちぶれていく様を眺めながら、レーラは愛と幸せを手に入れていく。
☆完結しました。ありがとうございました!☆
(ホットランキング8位ありがとうございます!(9/10、19:30現在))
(ホットランキング1位~9位~2位ありがとうございます!(9/6~9))
(ホットランキング1位!?ありがとうございます!!(9/5、13:20現在))
(ホットランキング9位ありがとうございます!(9/4、18:30現在))

僕は君を思うと吐き気がする
月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる